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避難用作品投下スレ

669突破口:2007/03/15(木) 13:16:10 ID:3aGA141s0
自分の一挙一動は完全に監視された密室。
そもそもここがどこなのかもわからない。
何らかの手段でここを出られたとして、その先に何があるかがわからないのだ。
確証を得なければいけない。この先を抜けてウサギ達を一泡吹かせれる何か。
もしくは確実に参加者と合流できる手段の何か。
一番重要なのは成す前に死なない事だ。
どんな画期的な案が浮かんだとしても空想論ではまったく意味が無い。
考えろ、考えるんだ――。

『そんな難しい顔をして、どうしたんだい?』
突然部屋にウサギの声が流れ始め、久瀬は思わず狼狽する。
久瀬の慌てふためく格好がよほど滑稽だったのか、ウサギが下卑た笑い声を上げる。
『くくく……まあ大方どうすればここから逃げれるかとか考えていたんだろうとは思うけどね』
「――っ!」
まさに図星だった。
動揺を悟られぬようにウサギの言葉には答えず、顔を伏せて沈黙で対立する。
『あらら、当たっちゃったかな?』
一切の返答をせず俯く久瀬に対しウサギは気にもとめない声を上げ言葉を続ける。
『別に隠さなくてもいいよ。こっちはそうなる事がわかった上で君を拉致したんだから』
ウサギの言っている意味がわからない。
逃げたいと考えるのは自由だが逃がすつもりは毛頭無いと言う事だろうか。
『いやあ前回の観測者もね、3回目放送が終わったぐらいにいきなり反抗的になりだしたからさ。
久瀬君もそろそろかなとか思ってみたりしたわけなんだな』
「……参考までにそいつはどうした?」
『ん? 気になる? 気になる? たしか暴れだして部屋の中のものを壊しだした挙句に首輪がボーンだったかな』
「…………」
笑いを含めた言い方に何も答える気が起きなかった。
むしろ怒りだけがこみ上げ、叫びだしそうになるのを両の拳をぎゅっと握り締めて耐える。


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