したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

避難用作品投下スレ

637落穂拾い(前編):2007/03/11(日) 14:50:22 ID:9HYljyok0
喜びも束の間、三人の笑みが一瞬にして消えた。
船室の扉を前に一同は凍り付いている。
希望を打ち砕くかのように、あたりには異臭が漂っていた。
「生ゴミじゃないですよね」
茜がポツリと呟く。
「たぶんな。いや間違いなく……」
口にこそしないが、みんなその臭いが死臭だと感じていた。

「智代、早く開けなさいよ」
「わかってる。今開けるから」
詩子にせかされ、緊張の面持ちで扉をゆっくりと開く智代。
「うわっ!」
全裸の女の死体が横たわっていた。
皆驚きのあまり声も出せず、立ちすくむのみである。

「この人、首輪をしていません」
しばらくして茜の落ち着いた声が響く。
「ホントだ。もしかして主催側の要員だったりしてね」
三人とも気を取り直して女や船の状況を調べることにした。
「しかし酷い様だな。死ぬ直前まで性交をしていたような気配だ。傷の具合からして死因は……何だろうな」
射殺でも絞殺でも撲殺でもない。どうやら座礁の際の全身打撲によるもののようだ。
「乳首を噛まれた痕があるね。あたしもこのくらいオッパイがあったらいいなあ……あれ、居ない。茜!」
詩子は女の胸を触りながら茜が居ないことに気づいた。
「船の傍に複数の足跡があります。デイパックも二つありました」
応えるように船室の外から返事があった。
「何か武器は? 銃とかあるか?」
「残念ながらありません。共通のものだけです」
「そうか……判ったから戻って来てくれ。なるべく目の届くところに居て欲しい」
いつ襲われかもしれないのに大胆なことをするものだと、智代は舌打ちした。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板