したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

避難用作品投下スレ

566雨中、真紅に燃えて:2007/03/01(木) 15:03:22 ID:STP5xe1k
「……ああ、勘違いすんなよ? どんだけ頭が弱くたって俺は女房を愛してるからよ。
 うおお、無性に叫びたくなってきた、早苗、愛してるぜぇぇーっ!」

拳圧だけで周囲の木々を薙ぎ倒さんばかりの一撃を、紙一重でかわしながら叫ぶ秋生。

「ま、そんな感じでな。ついでに娘もとびっきりの器量よしだぜ、写真見るか?」
「わしは孫を亡くしたよ」
「そうかい、そりゃ残念だ」

秋生の手にした銃から、光線が飛ぶ。
赤光は一瞬前まで源蔵がいた空間を切り裂き、草木を灼く。

「でまぁ、そのちっとおつむの弱くてとびっきりのいい女が、だ」

連射。
矢継ぎ早に飛ぶ赤光を、源蔵は左右に身を振ることで回避。
秋生は後退しながら広範囲に弾幕を張る。

「俺のことをな、ヒーローだって、本気で信じてやがるのよ」

なおも詰める源蔵。
眼前に展開される飽和攻撃を、最低限度の動きでかわしていく。

「だから俺は爺さん、あんたにだって負けねえ。……負けられねえッ!」

だが秋生は、その動作を予測していたかのように速射。
疾風の如き源蔵の回避軌道に合わせ、それ以上の速度をもって赤光が駆ける。
しかし、

「―――若いな」

命中の瞬間、再び源蔵の腕から闘気が立ち昇っていた。
右正拳、一閃。黄金の拳が、赤光を粉砕した。
秋生が次の弾幕を展開するよりも早く、源蔵が肉薄する。

「信念だけでは、この拳は撃ち抜けぬ」

左が、秋生の顔面をかち上げる。
間髪をいれず右。たまらず秋生がのけぞった。
体を引きながら、空いた腹に打ち下ろしの左。下向きのベクトルに、秋生の体が釘付けにされる。
流れるような三連打。既に右の拳は引き絞られている。
源蔵の拳に、黄金の闘気が宿った。

「さらばだ、小僧―――!」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板