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避難用作品投下スレ

260無力:2007/01/10(水) 21:28:42 ID:gvjemA22
完璧な流れだった。
リモコンのターゲットに郁未を選んだのも。
彼女の反撃を予測していつでも反撃出来る心構えをしていたのも。
もし他の者をターゲットにしていたら、油断していたら、きっと殺されていただろう。
運もあった。
まさかこんなノートがあるとは思わなかったし、お誂えむきに写真まで手に入った。
このノートが本物なら、これで生きて帰る事が出来る。
褒美が本当なら死別した兄との再会すら果たす事が出来るのだ。
これで……全てが終わる。

そう有紀寧が考えた時にこそ、見せ掛けではない本当の意味での隙が初めて生まれた。
有紀寧の目にはノートしか映っていない。
「させませんっ!」
「!?」
ノートが、取り上げられていた。
開いた有紀寧の視界に入ったのは祐介でも初音でもなく―――
「藤林さん……!?」

有り得ない―――理解出来ない。
この女は今まで何もしなかった。
警戒する価値もない、一番脆弱な相手。そう判断していた。
ただ怯えているだけだった女。あの初音ですら少しは自分を咎めていたというのに、この女は何もしていない。
お人好しの祐介や初音にも劣る臆病者に過ぎぬこの女が何故こんな蛮行を!?


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