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男性の若返り(急成長)について

103猫目ニボシ:2011/03/19(土) 06:04:24
――惰性――
俺は病が告知されるまで惰性で生きていた。
そう、生への執着や浅ましい我欲が
俺には存在しなかった……。
だが、俺には取り立てて自殺願望あるわけではないし、
自身の未来を悲観したこともなかった。
今思えば、
あの頃の俺は当たり前の明日を享受出来るという安息に包まれていたのだろう……。



「珍しいね、
兄さんが何も連絡せずに帰ってくるなんて、
少し窶れたみたいだけど東京で何かあったの?」
「……いや……何もないよ冬華……」



久しぶりに耳にする“妹”の声を前に
俺の心は決壊寸前だった……。
だが、俺があの事を冬華に口にすることはされど叶わぬことだった……。




「……親父……お袋……俺は……おっ、俺は……」



時既に遅く……
気付いた時には俺は両親の遺影の前で泣き崩れていた。
無論、そのような自分の浅ましさを心底嫌悪した……。
だが、心の堤防は瞬く間に決壊していき、
心の中は生への執着に支配され始めていた……。



「兄さん……
やっぱり病院に行こう?
短期間にそれ程窶れるなんて変よ」
「……心配ないよ冬華……そう、病院にはもう行ったんだ……」



冬華に余計な心配など懸けたくなかった……。
確かに、両親の残した遺産で生活に不自由はないが、
俺が冬華に寂しい思いをさせているのは否定しようがない事実だからだ。
だが、変調をきたし始めた俺の肉体は、
斯様なセンチメンタルな心情など理解せず、
俺の肉体は日に日に筋肉が落ちていき“子供”に近づき始めていた……。


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