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緊急投下スレッド2

515少年時代3.2:2010/10/03(日) 10:13:58 ID:WykdsoLU

「あら、こんにちは。お友だちかな?」

「あ、はい。はじめまして、蒼星石っていいます」

友達の姉と顔を合わせるのは、やはりちょっと緊張してしまうものなのか。恐縮する
蒼星石にお姉さんはお姉さんらしく優しい微笑みでもって、手提げに入った石鹸の香り
漂うタオルを手渡した。無論弟くんにも一緒にタオルを渡す。

弟ひとりのお迎えのために、念を入れてタオルを2枚用意しているとは、彼女ないし
そのご家族はなかなかに周到だ。

「じゃあ蒼星石ちゃんもいっしょにいらっしゃいね。着がえなくちゃ」

「え、いや、ボクはべつに」

「いいじゃんか、来なよ」

気後れの色を示す蒼星石に、桜田きょうだいのおせっかい挟撃が襲い掛かる。友誼を
結んだその日にさっそく我が家へご招待とは、なかなか高調子な友好関係だ。

面立ちからしてシャイなジュン少年らしからぬこの積極性、やはり彼も友人ができて
心が昂ぶっているのか。この蒼星石が少年の終生のパートナーたる存在になるのでは
ないかという不確かな予感を、あるいは感じているのかもしれない。

516少年時代3.2:2010/10/03(日) 10:14:30 ID:WykdsoLU
「ん、んん。じゃあおじゃまします」

「うん」

かくしてジュンは姉の傘を、蒼星石は本来ジュンのものであろう青い傘を差し、カッパに
守られた姉を挟むように手をつないで雨の下へと踏み出した。お姉ちゃんの携えていた
手提げは、濡れちゃいけないと今は弟くんが傘の持手に引っ掛けている。

お姉ちゃんの名前なのだろう、弟くんの持つ手提げや傘には、さくらだのり、と平仮名の
刺繍が施されている。

「帰ったらおふろ入ろうね」

お姉ちゃんこと桜田のりは、この弟とその友達と手をつないで帰るというただそれだけの
事柄が、お出かけか何かのようなうきうきとした楽しみとして感じられているようだ。
生来の構いたがりなのか、春の野の様な穏やかな気質なのか、おとぼけさんなのか。

ただそんな気を配ってくれる存在は、まだ街をゆく道にさえよそよそしさを感じている
蒼星石にとっては、とても心安らぐものに違いなかった。

「ジュンくんもお姉ちゃんといっしょに入ろうね」

「やだよそんなん、はずかしいだろ」

「えぇ〜、入ろうよぉ。お姉ちゃんさみしいよぉ」

「あははは」

やっぱり、単なるおとぼけさんなのかもしれない。

517少年時代3.2:2010/10/03(日) 10:15:02 ID:WykdsoLU
つづくのだわ

518謎のミーディアム:2010/10/03(日) 17:31:20 ID:???
乙です
転載はなしでしょうか?

519謎のミーディアム:2010/10/04(月) 01:20:17 ID:???
>>516
今回は特に素晴らしい…ボーイッシュ万歳

520謎のミーディアム:2010/10/09(土) 18:30:00 ID:9Yr.LCOw

最近忙しかったけどここの投下みると安らぐ

521謎のミーディアム:2011/01/16(日) 20:17:39 ID:???
もしも雛苺が有り得ない程イチゴ嫌いだったら

第二回「お誕生日とヒナ」


紅「巴、まだ帰らないの?今日は、部活はお休みではなくて?」
巴「あ、真紅。……今日ね、雛苺の誕生日なんだ。」
紅「あら、そうなの。それなら浮かない顔してるのは何故かしら?」
巴「実は、最近、雛苺と大ケンカしちゃってお互いに口をまったく利いてないの。」
紅「それは難儀なのだわ。でも、仲直りすべきね。」
巴「だから、仲直りの印に誕生日パーティを開こうと思ってってるんだけど。」
紅「なるほどね。そう言う事なら私も協力を惜しまないのだわ。」
巴「ありがとう。早速だけど、雛苺に私の家に来るよう伝えてくれないかな?」
紅「お安いご用なのだわ。」
巴「さようなら。」
紅「ええ、また明日。」


紅(さて、雛苺を探さなきゃね。どこにいるのかしら……。)
雛「あっ、真紅。おーいなのー!」
紅「探す手間が省けたわね。雛い…ヒナ、ちょっと話があるのだけれど。」
雛「?」
紅「あなた、近頃、巴とケンカしたそうね。口も利いてないらしいじゃない。」
雛「うゆ……、その事なんだけど、ヒナ、トゥモエに謝りたいと思ってるの。」
紅「え……?」

522謎のミーディアム:2011/01/16(日) 20:18:47 ID:???
雛「この間トゥモエが買って来たうにゅーに苺が入っていたのは翠星石の仕業だったの。
 だから、二度とこんな事が起きないように、ついさっき
 翠星石の喉の奥に練りわさびを20本分ほど捩じ込んできたとこなのよ……。」

紅「あ、あらそう……。まぁ、ちょうど良いわ。それなら、今から、巴の家に行って謝ってきなさい。」
雛「うぅ〜、ちょっと顔を合わせづらいのよ……。」
紅「黙って言うとおりにしなさい。きっと良い事があるのだわ。」
雛「?……わかったのー?取り敢えずヒナは一旦、家に帰るのー。さよならなのー。」
紅「ええ、また明日ね。」


紅(雛苺はイチゴが絡まなければ、とても良い子なのだわ。巴、後は上手くやって頂戴。)
翠「うぅ、酷い目にあったですぅ。鼻が…鼻がぁ……づーんとするですぅ……あ、真紅。」
紅「まったく、自業自得なのだわ。あの子があなたに此処までするなんて余程の事よ?」

翠「こんな筈ではなかったんですがね。むしろ不意を突いて喜ばせるつもりだったんですが。」
紅「……?いったい、何があったというの?話して頂戴。」

523謎のミーディアム:2011/01/16(日) 20:19:33 ID:???
↓翠星石の回想シーン↓
雛「翠星石、苦しみ抜いた果てに懺悔するなのー。」
翠「ち、ちち、チビチビ。ほ、ほら、これをやるから勘弁しやがれですぅ……。」
雛「?……これ、もしかして、ヒナの大好きなダブルハバネロ大福なの?これをヒナに?」
翠「うぅ……、つべこべ言ってないで、ちゃっちゃと喰いやがれですぅ……!」
雛「とっても辛くて美味しいのー!翠星石、ありがとうなのー!」
翠「た、誕生日、お…おめでとうですぅ……。」

雛「…………。」
翠「……?チビチビ、どうしたですか?感動して声も出ないですか?
 ……!もしかして、大福を喉に詰まらせたですか?大変で(ry

雛「今、何て言ったなの?翠星石。」
翠「へ?……きゃああ!な、何をするですかぁ!?」
雛「誕生日なんて、めでたくないなの……!」
翠「ひぃいいいいぃやああああぁぁああああ!!!!」
雛「翠星石の口の中を緑でいっぱいにするのー。」
↑翠星石の回想終わり↑

紅「それって、もしかして……。」
翠「たぶん、今年であいつが……だからですぅ。」
紅「巴が危ないのだわ!!!!」

つづく


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