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219：【クエスト依頼】『命の杭』討伐：2019/02/12(火) 18:12:27: >>218
（エリカの放った弾丸は、『杭』の表面を浅く削るようにかすめていった）
（白木のような表面に穿たれた小さな傷口から、タールのような真っ黒い液体が、どぷりと流れ出す）
（それは確かに傷だ。怪我はさせた……しかし、致命傷にはほど遠い）
（対して、エリカの方は、もはや満身創痍と言って差し支えなかった）
（背中を丸めて、飲み込んだウジ虫を吐き出し、辺りに酸っぱい匂いを漂わせる）
（彼女の目の前に広がっていく吐瀉物の水溜まりは、胃液の中にウジ虫が泳いでいるというより、ウジ虫の群れが胃液に濡れている、といった有様だ）
（しかも、彼女の胃の中にも、口の中にも、顔にも、鼻の穴の中にも、まだまだ数百匹のウジが蠢いていたし）
（子宮内やボディースーツの中で、生き残りのムカデたちがグネグネと動き回っていた）
（呼吸は荒く、肌は火照り、全身の急所が蟲たちからの刺激によって、極端に敏感になっている）
（その姿をたとえるならば、何時間も前戯を受け続け、腰が抜けるまで蕩かされた淫乱女――といったところだろうか？）

（そんな、すでに移動もままならない状態のエリカに対しても、『杭』は攻撃の手を緩めない）
（それは、自分を殺そうとした相手への恐怖からか、怒りからか、それとも警戒からか）
（みたび魔力が発散され、結界内に座り込むエリカの中に、新たな生命が芽吹く）
（……ぐちゅっ、にゅるるるるっ……と――）
（エリカの肛門の内側から、濡れた灰色の触腕が這い出してきた）
（それも、一本ではない。二本、三本と、人の指ほどの太さのモノが、身を寄せ合ってはみ出してくる）
（ウジ虫よりも、ムカデよりもたっぷりの粘液に濡れていて、いくつもの吸盤が並ぶ触腕の束……）
（それが、エリカの肛門を――菊の花のように窄まっていた穴を、強引に大きくこじ開け、その全身を現していく）
（ぶじゅっ、ぶりゅっ、と下品な音を立てて、彼女の尻の穴から産み落とされたのは、生きたタコだ）
（腸内で大便にまみれたのだろう。灰色と茶色のまだら模様になっているその軟体動物は、まるで子供が母親を慕うように、エリカのふとももの付け根辺りに絡みつく）
（大きな頭を揺らして、八本の脚を巧みに操って、ヌラヌラと濡れた体を、同じくトロトロに濡れているエリカの股間にこすりつける）
（赤く勃起したクリトリスに触手を巻きつけ、吸盤で強く吸いつきもしている……人の指や唇でいじるよりずっと複雑で、強烈で、粘っこい刺激だ）

（――さて。ムカデやウジに比べれば、ずっと大きなこの生物。だが……これもまた、たった1匹だけでこの世に生まれてきたわけではなかった）
（エリカの下腹部が、ぐっと膨らむ。まるで妊娠したように。皮膚と腹筋の内側で、ぐるぐる、ぎゅるぎゅると、大きなものが蠢く音が響く）
（まだ、何匹かいる。エリカの腸内に、生きたタコが、おそらく複数匹）
（しかも、そいつらは最初に出てきた1匹とは違って、自然に出ていく気はないようだ）
（トイレでウンチをするときのように、腹に力を入れていきまなければ、腸内に巣くうそれを排泄することはできないだろう）

（なお。まだ、エリカに戦意が残っているかどうかはわからないが）
（へたり込んだ彼女の、ちょうど目の前数センチのところに――彼女自身が落とした弾薬が、いくつか転がっている）
（ウジ虫だらけのゲロと、生い茂った草に隠れて見えにくいが……それは確かに、そこにあるのだ）

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