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オパール・キッス
25
:
オパール・キッス(もうひとつの終幕)
:2005/11/30(水) 23:42:54
>>23
から続き
栗原たちは抱きあい舌を絡ませあう母子を無理やりに引き離す。
翔はミネルバたち女幹部へ、そして麗奈は栗原たちの方へと別れさせられた。
「あぁ……しょ、翔!!」
「ふふふ、もしかすると息子の顔を見られるのは、これで最後かもしれないね。もっとも、
じきにそんなことはどうでもよくなるだろうが。さあ、翔くんを向こうに連れて行ってくれたまえ」
栗原は顎をしゃくりながら、ミネルバたちに命じる。
「ぼうや、じゃあ、向こうに行ってお姉さまたちといいことしましょうね」
「楽しみだねぇ♪」
二人は妖しく笑いながら、呆けた表情をした翔を連れ、その場から出て行く。
「さあ、麗奈。本格的に僕のものになってもらうよ」
栗原はそう言いながら再び“オパール・キッスⅡ”を彼女の腕に注入していった。
「あああ、や、やめて、やめてぇぇぇぇ」
「ふふふ、二日後が楽しみだよ」
栗原は淫猥に笑いながら麗奈を見つめた。
エピローグ
「くくく、なにもかも上手く行き過ぎて怖いくらいだな」
栗原は執務室の椅子に座り感慨深げにそうつぶやいた。
あの二日後、麗奈はついに身も心も栗原の虜になった。
栗原はそんな彼女に連邦警察へ連絡をとらせた。むろん、無事である旨の報告である。
通信機の故障でした、という彼女からの報告を真に受けた連邦の上層部は、応援を送らずに良かったと、
自分たちの判断が間違っていなかったことを、得意げに語る輩までいる始末だった。
さらに二日経ち、教団への潜入捜査の中止が決定され、麗奈はすぐに本国へ帰るよう指令が下る。
“オパール・キッス”の精錬所が、教団とはまるで関係のないところから見つかったからだった。
精錬所を見つけたのは栗原。子飼いの情報屋からのタレコミがあった、というのだ。
火星支部に連絡が取られ、すぐさまその現場へ急行。
するとそこには確かに麻薬の精錬所があったのである。
むろん、教団の容疑が完全に晴れたわけではなかった。
しかし、長期に渡る捜査であるにもかかわらず、教団からは何も証拠が掴めていない上、
今回一応の終結を見せたため、これ以上の潜入捜査も如何なものか、という意見が噴出し、
一旦捜査の打ち切りが決定されたのだ。
当然のことながらその精錬所はダミーであった。
麗奈の洗脳が完了した今、栗原としては彼女を教団に置いておく理由がなかった。
しかし、なんの成果も無いうちに捜査を打ち切るというわけにもいかない。
二ヶ月という長期の捜査だったのだ、連邦としてもメンツというものがある。
そう簡単にやめるわけにはいかないだろう。
そこで、捜査を打ち切らせる理由付けの為に、前もって用意しておいたものだった。
そして──長年憧れ続けていた女、美崎麗奈をついに自分の物にすることができた。
おそらく栗原にとってはこれが今回一番の収穫だったろう。
麗奈の息子の翔も教団に譲り渡した。
今頃はミネルバをはじめ教団の女性幹部たちの慰み者になっているだろう。
行方不明ということもあり連邦も動いてはいるが、そう本格的なものではない。
見つけることはほぼ不可能だ。
もっとも、いずれやつらが飽きたら遺体として見つかることになるかも知れないが……
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