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オパール・キッス

2オパール・キッス:2005/11/17(木) 23:57:01

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「連邦警察よ! 全員手を挙げなさい!」
美崎麗奈はそう言って銃をかまえた。
「な、きさまぁぁぁぁぁぁぁ」
「ふふ、ここまでのようね。観念したら?」
“オパールキッス”と呼ばれるその新種の麻薬が地球に出回るようになって四年。
ついに麗奈はその精錬所である火星の麻薬密売組織を探り当てた。
そこは地球でも多くの信者を集める、新興宗教の教団本部だったのだ。

西暦2089年。人類は火星にまで都市を作り、そこを第二の故郷とし生活していた。
火星には地球上にはない新たな資源が存在し、フロンティア精神を持つ人々が一攫千金を狙い
大量に移住をした。だが、光があれば闇がある。地球上には存在しない様々な資源の中には、
今まで考えられなかった神経を麻痺させる作用を持つ鉱物が存在したのだ。
それを精製し新種の麻薬として地球上に密輸するシンジケートができるのに、そう時間はかからなかった。

連邦警察の女性捜査官 美崎麗奈は、火星に本部をかまえるカルト教団『マルスの導き』が、
麻薬密売組織の総元締めであるという情報から、信者として二ヶ月もの間内偵をおこなっていた。
そして今日ついに密売どころか麻薬を製造、精製している教団の秘密の現場を押さえることに
成功したのである。

「さぁ、全員壁に手をついておとなしくしていなさい」
その言葉に教祖であるジュピター──もちろん偽名だ──をはじめとする教団幹部たちは
おとなしく手を壁につき観念したようにうなだれている。
「いいわよ。じゃあこれからあなたちを地球に連れ帰って徹底的に取り調べてあげるわ。
覚悟しておくことね」
そう言って麗奈は応援を呼ぼうと通信機を手に取る。
相手が投降の意志を示したことで多少の油断があった感は否めない。
通信機を手にした瞬間、何者かに後頭部を嫌というほど打ち据えられてしまったのだ。

「うぐっ!!!」
強烈な痛みが走り麗奈はその場に突っ伏してしまう。
「くっ……油断した……」
ほとんどの幹部連中がその場にいたためもうひとりだけここにいない幹部の存在を失念してしまっていた。

「よくやった、ダイモン。おまえはこれでワンランク位があがったぞ」
教祖のジュピターは殊勲の幹部にそう言いながら倒れ込む麗奈のもとへと歩み寄ってきた。
「さあて、どうしてやるかな。連邦警察の女捜査官殿……」
そう言いながら麗奈の髪を掴み、顔を上に向けこう続ける。
「ほほぉ、これはなかなか美形だな……ククッ、色々と楽しませてもらおうか……覚悟するんだな」
薄れていく意識の中で麗奈が見たのは、淫猥に口を歪ませ笑みを浮かべる教祖の顔だった。


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