したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

オパール・キッス

15オパール・キッス:2005/11/26(土) 22:42:50

                        11

栗原は歓喜に打ち震え異様なまでに興奮していた。
思えば美崎達哉からもうすぐ結婚するんだ、と彼女を紹介されたときから恋焦がれていた。
それが十七年前。彼女が二十三歳のときだった。

それ以来、親友の彼女、いや、婚約者であるというのに、栗原は麗奈との行為を夢想し眠れぬ夜を
過ごしてきたのだ。
夢の中の彼女は積極的に自分のモノを口に含み、淫靡な眼差しを向け、
夫よりあなたとのセックスの方が感じる、と甘い言葉で囁いてくる───
親友の妻に対してそんな淫らな事を夢想していることで、
栗原は美崎と話をするだけで罪悪感に責めさいなまれた時期もあった。
むろん、叶うはずのない妄想だと彼女のことは忘れようと努めた。そして実際に忘れかけていた。

だが四年前、自分の部下として彼女が配属されてきたとき、
ついに彼は積年の想いを押さえることができなくなってしまった。
妄想を現実のものとしようと考え始めたのだ。
美崎さえいなくなれば──この世から消えてしまえば──と。
四十になろうという男が、よりにもよって無二の親友を殺害しようなど、
短絡的に考えるようなことではない。
だが、麗奈に対する彼の想いは、優秀なエリート警視を狂わせた。

達哉がオパール・キッスの密売組織を探る過程において、栗原はこの教団へ情報を逐一流していた。
そして、達哉が教団に捕まり救助の通信を自分に送ってきたときそれを黙殺する。
上への報告はせず、自分のところで止めてしまったのだ。
直接手を下したわけではないが、美崎達哉を殺したのは栗原である。
そう、すべては美崎麗奈という女を手に入れるそれだけのために……

そして今、その女が──夢にまで見た女が自分をその潤んだ瞳で見上げ、犯して欲しいと懇願している。
オパール・キッスⅡという麻薬の力を借りたとはいえ、ついに念願がかなうのだ。
栗原の股間はもう爆発寸前だった。
彼はもの欲しそうに自分を見つめる麗奈のもとへとしゃがみこみ、その頬をそっと撫でた。
濡れるように艶やかな口唇を間近に見ただけで、むしゃぶりつきたくなってくる。
(ふふ、麗奈。俺なしでは生きていけない身体にしてやるよ)
彼は荒々しく彼女を抱きしめると、その口唇に自分の唇を重ね合わせていった。


栗原の唇が自分のものに重なっていく。
麗奈は嫌悪感を抱きながらも、抵抗らしい抵抗はまるでできない状態だった。
夫の仇────そうこの男はまぎれもなく夫の仇なのである。

だが、麗奈は殺しても飽き足らないほど忌むべき男からのキスを、やすやすと受け入れてしまっている。
心の中で駄目だ、と思いつつも身体の欲求には抗うことができないのだ。
「あ、あなたなんか……あなたなんか……大嫌い……よぉ……くふぅ……」
そう言って言葉で嫌悪感を表すのが精一杯だった。

だが、言葉と行動はまるで正反対だ。
麗奈は栗原の背中に両手をまわすと、自ら貪るように舌を絡めていった。そして、ふうん、はふん、
と甘い吐息を漏らしながら、相手の唾液の味を確認するかのように、チューチューと舌を吸うのだ。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板