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オパール・キッス

12オパール・キッス:2005/11/18(金) 00:14:35

                         8

「く、栗原警視!!」
麗奈は思わず叫んでいた。なぜ? どういうこと? 
朦朧とした意識の中でこの現状に明確な答えを見つけようとする。
自分を救出に来てくれた、というならまだ理解できる。だが、目の前の上司は
捕らえられた自分を見て救い出そうとするどころか、腕を組みにやにやといやらしい
笑みを浮かべているだけだ。

さらに信じられないことに教祖と談笑をしながら、麗奈の裸身を品評しているではないか。
わけがわからない……これは悪夢? それとも幻覚なの?
麗奈は自問自答するが、答えが見つかるはずもない。
その間もダイアナに身体をまさぐり続けられ、官能はどんどん高ぶってきている。
麗奈が、ふうっ……ん、という吐息を漏らすたびに栗原と教祖は、くくくくっ、と押し殺したように笑う。

「く、栗原警視……いったいこれは、どういうことなんで……すか?」
麗奈はとにかく本人に問い質そうとする。自分の上司というだけでなく、
亡くなった夫の一番の親友でもあった男なのだ。なにか訳があるはず……
「にぶいな、麗奈。見てのとおりだよ。この教団とはお互い利害が一致してね。
うまくやらしてもらっている。ふふ、まぁよくある話さ」

「お金……? そんなことで正義の心を売り飛ばしたの!」
麗奈の言葉に肩をすくめながら苦笑する栗原。そしてゆっくりと彼女の元に近づいてきた。
「もちろん、それもあるが……」と栗原は言って麗奈の頬を撫でる。「君を手に入れたかったのさ」

「な、なにを言ってるの……あなたは……」
「裏から手をまわして美崎を見殺しにしたときは、『これで君は僕のもんだ』と思ったんだがね。
まるで僕には目もくれずに奴の仇を討つことばかりに執念を燃やしちまったから。
まぁしかたなく、強行手段に出たというわけさ」

そ、そんな……夫を見殺し……。わたしを手に入れるために……
麗奈はもう頭がどうにかなりそうだった。夫は彼のことを無二の親友だと言っていた。
一番信頼のおける男だ、と……それなのに───
「ようやく君を手に入れられそうだ、身も心もね。ふふふ、今日は記念すべき日だよ」

怒りがこみあげてきた。ようやく事が理解できた。
こんな、こんな男のために愛する夫は死んでしまったのだ。誰が、誰がこんな男なんかに!
「馬鹿にしないで! 身体は奪えても心は、心まで奪えるものですか!!」
「その言葉、忘れないことだね。ふふふ、じゃあメシアさま、よろしく」

栗原の言葉にうむ、とうなずくと麗奈の身体を弄んでいるダイアナに指示を出す。
怪しい雰囲気に悪寒が走る麗奈。なにを、なにをしようというの……
ダイアナはまず麗奈の股間に装着してあった、例の貞操帯のようなものを外す。
そして、にやりと笑うと注射器のようなものを彼女の左腕にあてがった。

「なにをするの!! いっ、いったいそれはなに?」
「きゃははは、桃源郷に連れて行ってあげる。これはね“オパール・キッス”それも改良型のⅡよ」
 
オパール・キッス! そんなものを注射するつもり! うそ! そんな!!!!
「や、やめて!!! そんなもの!! やめてちょうだい!!!」
「これ、人間に打つのって初めてなのよねぇ。実験も兼ねてるから協力してね」
「ば、馬鹿なことを!! く、栗原さん! やめさせて」
「ふふふ、僕も普段あれだけ取り澄ましてる君がどれだけ乱れるか興味があるからね。
きっと最高の気分になれると思うよ」

「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!! やめて! やめてぇぇぇぇぇ」
麗奈の叫びもむなしく“オパール・キッスⅡ”は彼女の体内へと注入されていくのだった。


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