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【お気軽】書き逃げスレ【SS】

1名無しさん:2004/11/03(水) 14:07
ここはなんでも書けるスレです。初心者、エロエロ、ムード系、落ち無し、
瞬間的モエ、特殊系、スレ内SS感想等なんでもщ(゚Д゚щ)カモーン!!
どんなカプでもお気軽にドゾー!!
投稿ルール、スレ説明は>>2、その他意見・質問はまずロビスレへ。

※もちろん個人での派生スレ設立は、さらに大推奨※

271尚+利×六:2007/01/03(水) 01:27:26
「あ・・・っ」
尚隆に顎をとられて、後ろから口付けられる。
「ん、や、んぅ・・・・」
何度も何度も、啄ばむような口付け。媚薬によって敏感になった体は、それだけでとろとろに溶かされそうだ。
うっとりと瞳を潤ませる己の麒麟の様子に、尚隆は愛しげにその髪を撫でる。
逃れようと首を振るが、その体は尚隆の逞しい腕によってがっちりと固定されている。
その間に利広は、六太の夜着の着物をするりと肌蹴させる。
上半身の肌を晒した六太に、利広は彼にしては珍しくも見入ってしまった。
平らな胸としなやかな背中。赤みが差した頬に、うっすらと汗ばんだ肌。ほっそりとした体。
その純白の肌は薄暗い部屋の中では、ほんのりと白く輝いているのかのようだ。
女ではなく自分と同じ男で、しかもこんなに小さな子供なのに、やけにそそるものがあった。
いや、あるいはこの姿だからだろうか。
そっと指先で首筋をなぞると、六太は「んん・・」と尚隆の腕の中で身じろぐ。
絹よりも滑らかなその肌は、まるで利広の指に吸い付くかのようだ。
(これが麒麟・・・・・)

利広はゆっくりと顔を下ろすと六太の首筋に顔を埋め、そのまま舌を這わせる。
「やぁ・・・・」
漸く尚隆に唇を開放された六太が、声を上げる。
だが尚隆は、今度はすらりとした背中を下から舐め上げた。
背筋に沿ってゆっくりと丹念に。
「〜〜っ」
ぞくぞくとした寒気にも似た快感が、六太を襲う。
「や、めろ・・よ、触るなぁ・・・・・」
弱々しく抵抗するその腕を掴み上げて、六太の体を押さえつける。
その隙に利広の舌が六太の胸まで降りてきた。
淡く色づいた胸の先端を口に含むと、ちゅと吸い上げる。
「ああっ」
「六太、可愛いね・・・気持ちいい?」
「やめ、ああぁ・・・・ん、・・・はぁんっ」
利広は舐めたり軽く歯を立てたりして六太の胸を苛む。六太は顎を仰け反らせ、利広の頭を掴んだ。
羞恥でどうにかなりそうだが、それ以上に気持ちよくて何も考えられない。
むずがるように首を振ると、麒麟特有の金の髪がさらりと揺れる。
尚隆も六太の背に舌を這わせたまま、反対側の胸の先端を指先で弄り始めた。


>270長すぎたorz
もっと短くしなくては・・・・・

272尚+利×六:2007/01/03(水) 01:30:36
六太のそれは赤く尖って、まるで美味しそうな果実のようだ。
摘んだり、噛んだり、捏ね回したり、引っ張ったりと、二人は散々やりたい放題に、六太の胸を味わう。
「う、ふぅぅっ・・・はぁ・・・ん、や、やめぇ・・・・」
「ここを吸われると気持ちがいいだろう?」
尚隆は舌を小さな耳に侵入させる。
ざらざらとした熱い舌で耳の中を丁寧に嘗め回されると、六太はふるふると切なげに睫毛をふるわせる。
異常なほどに肌が敏感で、二人の愛撫が痛いぐらいだ。
切ない疼きに喘ぐ六太に対して、二人もその表情にこそ出さないが、徐々に焦りはじめていた。
はじめは、優しくあまり怯えさせないようにしてやろうと思っていたが、こうもあられもない声を上げられ、
悩ましげに身をよじられると、散々酷くしてやりたい欲求に駆られる。
大人の男が二人掛りで、小さな子供を強引押さえつけ、辱めている。その背徳的な行為に気分が高揚する。
だがあまりにも酷いことをして、後々に尾を引いてはいけない。
尚隆も利広もお互いを戒めるように、やり過ぎないように自制しながら六太の体を愛していく。
「六太・・・」


疲れたので、今日はここまで

273尚+利×六:2007/01/04(木) 21:05:38
尚隆が再び六太に口付ける。先程よりももっと深い口付け。
舌先が口内に侵入すると、六太は体をびくんと反応させた。
柔らかな弾力のある舌が六太の口内で、我が物顔で蹂躙する。
逃れようとする舌を絡めとり、根元からきつく吸い上げると、六太の体中に痺れが走る。
「んくっ・・・あぅ・・・んんぅ・・・・」
初めて味わう六太の口内を、尚隆はじっくりと堪能する。
すっかり六太の体から力が抜けきったのを悟った尚隆は、ようやく桃色の唇を開放した。
「ん、・・・はあ・・・はぁっ・・・はぁ」
長々とされた口付けに、口の端から飲み込みきれなかった唾液を垂らしながら、六太は必死で乱れた呼吸を整えようとする。

その様子に尚隆も利広も思わず手を止め、小さな麒麟を見つめた。いや、視線が吸い寄せられた。
それほどに、今の六太は魅惑的で艶かしい。
荒い息づかいに合わせて上下する胸の突起は、利広の唾液でまるで熟れたさくらんぼの様にぬらりと光っている。
長い金の髪は乱れ、波打つ寝台の上に大きく広がっていた。
汗ばんで淡い桜色に色づいた肌を、弱々しい火灯りがゆらゆらと妖しく照らし出している。
火照った白い小さな体を震わせながら、それでも玉のような紫の瞳でこちらを睨みつけるその姿は、いじらしく健気だ。
ひどく淫靡に乱れているのに、六太自身が持つ高貴な麗質は少しも損なわれていない。
どころか、暗闇でもほのかな光を放つすらりとした白い四肢と金の髪で、神々しくすら見えた。
本人が意識せずとも周りの者を魅了し、引き付ける。
箍が外れそうになる。

274尚+利×六:2007/01/04(木) 21:10:32
誘われるかのように尚隆が無意識に手を伸ばした。
「厭らしい体だな・・・・ここはどうだ?」
尚隆が胸の突起を弄りながら、もう片方の手を腰に絡みついた夜着の中に伸ばした。
「うぁ・・・や、やめろっ・・・下は」
言うより早く潜り込んだ尚隆の手は、細い腰をなぞり、六太の柔らかな尻を鷲掴みにする。
「ひゃああっ・・・尚、隆・・・やめて、よぉ・・・・」
必死で身をよじり、体をくねらせ、尚隆の手から逃れようとする。
だが、それは見ているものに更なる情欲と興奮を煽るだけであった。

それを見て、利広も口はそのままに両手を夜着の中へ忍び込ませ、六太の双球を握りこむ。
「やめ、ろってばぁっ・・・・こんな、こと・・・・・して、良いわけ、が」
「あれ、まだそんなこと言うのかい?もう体はこんなに反応してるのに」
言いながら、六太の尻を円を描くように撫で回すと、六太は華奢な体を強張らせる。
「気持ちがいいのだろうが、いい加減素直になれ」
尚隆は利広よりもっと遠慮無しに、ぐいぐいと柔らかな尻を揉んだ。
無骨な男の指が撫で回し、揉みながら爪を立てる。
「や、だぁ・・・こんなの、やぁ・・・」
うわ言のように繰り返す六太の言葉を気にかけることもなく、利広は六太の乳首を一際強く吸った。
「はあぁあんっ」
六太が悩ましげな声を上げて、白い裸体をくねらせた。

275名無しさん:2007/01/05(金) 00:42:11
なんか淫らなのキター!!
六タンのエロさに(;´Д`)ハァハァ

276名無しさん:2007/01/05(金) 02:07:54
ちょ、ちょっ、!!
ろくたんいやらしすぎるー!!
ねーさん、挿入無しだなんてひどすぎるよ、
もう、がんがんに入れまくってほしー!! お願い!!!

277尚+利×六:2007/01/05(金) 23:08:19
尚隆は片手で乱暴なぐらいに尻を揉みながら、もう片方の手を乳首から離した。
いやらしい手つきで敏感なわき腹を滑らせ、乱れた夜着の中の細い太ももに触れる。
「ふぅううぅん・・・くぅんっ」
六太は嫌がるように首を振った。
足の付け根をなぞりながら、小さな指先に口付ける。
目じりには透明な涙が浮かんでいた。
尚隆が六太の指を堪能している間に、利広はやっと六太の胸から口を離すと、そのまま顔を下へ移動させた。
胸から腹部にかけて舌を這わせたまま、嫌味な位にゆっくりと。
「風漢、もっと優しくやってあげなよ、そんな乱暴なやり方じゃ六太は気にいらないよ。ねぇ六太?」
「あぅう・・・」
「何を言っとるか、こんなに体を蕩けさせておるのだぞ」
それを証明するかのように、尚隆は六太の双球の間、僅かに秘部からずれた位置で際どく指を動かす。
「はぁ・・・・はぁ・・・・駄目、だ、やめ・・・」
「聞こえないな」
柔らかな尻を撫で回しながら、ついに腹に到達した利広の舌は、へその周りを何度も行き来する。

舐めながら、開いた片手で再び胸を弄ってやると、面白いくらいに六太の体は跳ね上がる。
その拍子に、蕾の周辺を弄っていた尚隆の指が秘部に直接当たってしまった。
六太が大きな眼を見開く。
「んっ」
「気持ちいいか、ん?」
尚隆が獰猛に笑いながら、指をわざと小さく動かすと六太は体を反らして「あ、あ、」と愛らしく鳴く。

278尚+利×六:2007/01/05(金) 23:11:24
「風漢が後ろなら、私は前かな」
利広はにこりと笑って、しかしその瞳に獣のように貪欲な色を浮かべ、手を伸ばす。
しゅるりと音がして、辛うじて下半身を隠してくれていた帯が完全に取れてしまった。
腰に絡み付いていた夜着は完全に取り払われ、六太は無防備な性を晒すことになった。
利広は六太の体相応の幼さの残るそれを、うっとりと見やる。
小さく震える薔薇色の可憐なそれは、しつこいまでの責め苦と媚薬とによって完全に立ち上がっており、蜜をにじませていた。
「そ、そんなとこ見るなよ!見るなってばっ」
六太は顔を真っ赤にして力なく暴れるが、尚隆に軽く秘部を擦られ、くたりと大人しくなった。
「こら、大人しくしろと何度も言っておろうが」
「あっあっああっ」
秘部に入りそうで入らない、際どい位置で指を少し激しく動かしてやれば、六太はすぐに泣き言を上げた。
幼い体が羞恥のあまり乱れる様子は、尚隆の、利広の征服欲をひどく煽る。

「お、願・・・・・・もぅ、や、めてぇ・・・・・」
汗ばんだ金の髪を揺らして、六太が整った顔を歪めると、鮮やかな紫の瞳からは透明な涙がぼろぼろと零れ落ちた。
眼が覚めたらいきなり襲われて。
大の男二人にいいようにされて、得体の知れない薬まで使われて。
羞恥と屈辱で涙を流しながら小さな体を震わせ、本気で怯える麒麟に、尚隆と利広は顔を見合わせた。
「・・・・・・・・六太」
尚隆は小さな背中を撫でながら、宥めるように何度も口付ける。
ちゅ、ちゅと啄ばむような、優しい口付け。感じさせるためではなく、慈しむ為の。
「怯えるな、別にお前を傷つけたいわけではない」
「ん、んぅ・・・」
「大丈夫、痛いことは何もしないよ」
利広も落ち着かせるように、優しく金の髪を梳き、その頬に口付けた。

>>276
挿入書ききれん・・・・すいませんorz
誰か、他の姐さん書いてー!

279名無しさん:2007/01/06(土) 01:08:26
挿入なくてもいいのでもっと苛めまくって(*´Д`)'`ァ'`ァ

280尚+利×六:2007/01/07(日) 22:54:09
この行為が始まってから初めて見せる二人の優しい仕草に、六太は微かに安堵する。
だが。
「単に六太を気持ちよくしてあげたいだけ。だから、安心して身を任せて、ね?」
そう言って利広は六太の足の間に、頭を埋めた。
六太は利広のその行動に驚き、眼を見開くが。
何か言うより先に、尚隆に顎を取られてしまった。
しかし今度は尚隆の唇ではなく、指を咥えさせられる。
「!?」
「舐めろ、少しずつでいいから」

尚隆の腕を掴んで、必死で引き剥がそうとするが敵う筈がない。
六太の口の中に進入した指は、強引に動き回り、舌に触れる。
「くっ、ふぐぅ・・・」
しばらくすると指が抜かれ、ほっと息を吐いたのもつかの間、今度は二本咥えさせられた。
利広は六太の足の付け根を丁寧に、舐めている。
膝からなぞるように、六太の性器に触れるぎりぎりまで何度も何度も行き来する。
六太はいつ利広の舌が、己の中心に触れるのかと気が気ではなく。
しかし舌を動かさずにいると、尚隆が集中しろとばかりに強引に口内を掻き回す。
「んくぅ、ん、んんぅ〜〜〜〜〜〜っ」
六太は悶絶して体を震わせるが、抵抗などできるわけがない。
尚隆に三本目まで舐めさせられたところで、ようやく口を開放された。
はあ、はあと、荒い息を吐くと、その背を軽くさすられる。
「さて、じゃあそろそろかな」
利広は熱い吐息をはき、六太の潤んだ眼を見据えた。
「先にどっちから行く?」
「前からでもいいが・・・・敢えて先に後ろを弄りたいな」
「じゃあ、後ろからね」
前、後ろ、六太には何のことを言っているのか分からない。

281尚+利×六:2007/01/07(日) 22:57:31
「何、する気だ・・・・」
どうせ碌な事でもないには違いない。
体を竦ませる六太に、男たちはにやりと凄みのある笑みを浮かべると、くるりと六太の体を裏返した。
「っ!」
仰向けにさせられた六太の体は、さらに腰を高く持ち上げられる。
まるで獣のような四つん這いの格好。
「やめろっ、何をする気なんだよ!」
涙目で睨みつけるが、二人は意に介さず。
六太の腰を固定すると、尻をぐいと左右に割り開いた。
「ひぁっ・・・」
こうすることで六太の蕾の奥まで丸見えになってしまう。
「綺麗・・・・ほんのり色づいてるね」
「ひくひく動いて・・・・そんなに欲しいのか?」
つんと形のいい尻の奥に、薔薇色に染まった蕾があった。
愛らしいそれを、尚隆と利広は熱心に見つめている。
「いやっ、いやだ、見るなよっ」
尻の間の秘部を熱い視線に晒されている、六太にはその事実は耐え難く、あまりに羞恥に涙を流す。
だが、二人にしてみれば恥辱に悶える六太は可愛くて仕方がない。
「大丈夫だ、そんなに焦らずともすぐに良くしてやるからな」
言って尚隆は六太の尻に顔を埋める。
「っ、やめて・・・・おねがい・・・・そんなとこ」
六太の言葉はここで途切れた。
尚隆の舌が六太の蕾に差し込まれたからだ。

282尚+利×六:2007/01/07(日) 22:59:57
「んくっ!うぅうんんっ!」
にゅるりと無遠慮に六太の中に入ってきた舌は、最初は様子を見るようにゆっくりと出し入れされる。
気持ち悪くて六太は体をぶるぶると震わせるが、そろりと内壁を舐める動きに悲鳴にならない悲鳴を上げる。
「〜〜っ」
あまりに感覚に腕の力が抜け、六太は枕に突っ伏する。
だが腰は尚隆の腕によってしっかりと支えられていたため、自ら尻を突き出すような姿勢になった。
中を広げるようにぐいぐいと動き回る尚隆の舌に、六太は涙を流し、あられもない声を上げ、ぎゅうっと枕を握り締める。
「くぅぅうん!・・・・ふぅぅうう・・・・あうぅんん!・・・・」
必死に抗おうとする六太を押さえつけて、利広が情欲に染まった瞳で六太を見やった。
「六太、そんなに声を上げて・・・・もう体が堪らないだろう?」
「あくっ・・・ああぁあん!や、めてぇ・・・・これ以上はっ・・・・・・・・はあぁ!」
既にまともに返答することもできず、それでも必死で否定の言葉を紡ぐ小さな麒麟の腰に手を伸ばした。
「もっと狂うぐらいよくしてあげるよ」
言って利広は六太の熱くなった中心を、ぐいと乱暴に掴む。
「あっ、だめぇ・・・きゃあぁあぁあんっ!」
びくりと体を震わせると、その抵抗を抑えるように尚隆が舌で抉る様に六太の中を蹂躙する。
最初の余裕はどこへいったのか、いまや利広と尚隆は我を忘れ、夢中で六太の体を嬲っている。
しゅ、しゅ、と利広が六太のそれを強く扱くと、六太は泣きながら腰を振った。
「ひああぁっ、はっ、いやぁああ、もっ、許しっ、うあぁん・・・」
既に媚薬と愛撫によって高められていた体を、前を利広に扱かれ、後ろを尚隆に舐められ、あまりの激しさに六太は限界だった。
本来なら、今までの愛撫で何時イってもおかしくなかったのに、そうならなかったのは二人が六太がイく直前で、ギリギリ加減
していたからだ。

283尚+利×六:2007/01/07(日) 23:06:07
だが、今の責めは容赦がない。
「あっ、ああぁっ・・・もぅいやぁ・・・!」
(はあぁ・・・・っ・・・あっ、奥から、何か・・・!)
六太は熱に浮かされながら、体の芯が異常なまでに熱くなっているのを感じる。
激しくうねるそれが迫ってくるのをやり過ごそうと、六太は体をよじり腰を振る。
だが、どれも無駄な抵抗に思えた。結局迫ってくるそれに飲み込まれてしまいそうだ。
頭も心も快楽に犯されてしまう。

とどめとばかりに尚隆が、六太の蕾を強く吸い上げた。
「っ、やああぁぁぁ!」
体を大きく震わせ、六太は悲鳴を上げた。と同時に、六太の精が弾ける。
精をはき出した六太はやがて、脱力した体をどさりと寝台に預けた。
平らな腹に飛び散った白いそれを、利広は舐めて綺麗にしてやる。

だが、二人はまだ終わらせるつもりは更々なかった。

284尚+利×六:2007/01/08(月) 00:09:58
部屋の中は艶やかしい空気で溢れていた。
「ぁん・・・ん・・・・ふぅ・・・・んっ・・・」
体の芯がうづくような感覚に、六太は眼を覚ました。
そのとき既に、六太の蕾には利広の指が挿し込まれていた。
尚隆がまるで親猫が子猫を慈しむかのように、ぺろぺろと六太の体に光る汗を舐めている。
まだ尚隆たちは六太の体を玩ぶ気なのだ。
二人とも笑っているが、笑っていない。
動けない獲物に群がる獣のようだ。
狩りが成功したら、散々いたぶって食してしまう。
体中がビリビリと快感に痺れ、抵抗する気などとうに失せている。
これは何か、悪い夢なのだろうか。
「ふっ・・・俺、・・・あっ・・・許し・・・もぅ・・・」
最初は可憐に窄んでいたそこは、もうぐちょぐちょに蕩けていた。
しかしそれにも拘らず、ぐちゅぐちゅと蕾に遠慮なしに指を出し入れされながら、口から勝手に紡がれる己の喘ぎ声を聞く。
朦朧とした意識で力なく許しを請う六太の腰は、しかし無意識に誘うように揺らめいていた。
「だめだ、お前の体はまだうづいとるからな、もっといいことをしてやろう」
「淫乱な体が満足するまで、たっぷり楽しまないとね・・・」
既に六太の体にどうしようもないほど酔っている尚隆と利広は、幼い体の中心や蕾、胸の突起をこの上ないほど淫らに責め立てる。
「あぁ・・駄目ぇっ・・んぅっ・・くぅん・・っ・・もぅ・・・・・・」
(あぁ、またっ・・・・・)

285尚+利×六:2007/01/08(月) 00:12:12
尚隆が六太の肉棒を口に含むと、六太は一際大きく体を震わす。
「おねが・・・・・・・・あっ、あぁあぁ・・・・・!」
舐め、吸われ、軽く歯を立てられ。その間も、後ろは利広の指を咥えさせられている。
すでに利広の指は三本まで六太の中に入っていた。
「んー、確かこの辺だったと思うんだけど・・・・」
言いながらぐちぐちと指を動かし、六太のいいところを探る。
「あっ・・また・・・・・だめぇ・・・・俺・・・も、いやぁ・・・・・・・・」
「嘘を言うな。こんなに腰を揺らして。まだ足りんのだろう?心配しなくても、満足するまでとことん良くしてやるから」
尚隆は六太のものを口に含んだままそう言うが、咥えられたまましゃべられては堪らない。
「きゃあぁんっ・・・あ、あぁあ・・・」
思わずイきそうになったところを、ぐっとその根元を押さえられる。
「っ!ふぁあああぁ・・・・・・・・んあっ、あ」
イくにイけず、六太はがむしゃらに腰を振った。
だが、それは結果的に利広の指をもっと深く咥え込む事となる。
「んあぁぁっ・・・・は・・な、で・・・・」
「もう少し我慢してね、六太」

286尚+利×六:2007/01/08(月) 00:14:34
背中を舐めながら、利広は指で六太の中を存分に探ると、
「っ、あんっ」
急に六太が背を反らせた。利広は目的の場所を見つけて、笑みを浮かべた。
普通に見れば好意的な印象を抱かせる穏やかなそれは、しかし今の六太には恐怖を抱かせる笑みだ。
「六太、ここがいい?じゃあもっとしてあげようか」
言うなり、六太の感じる場所を指で激しく刺激しはじめた。
「ひぁあぁあっ!」
六太は涙を流して必死で足掻くが、そんなもので逃げ出せるのならとっくに逃げ出せている。
「くんっ、んくぅ、ふぅっ、・・・あぅっ」
突かれるたびに、婀娜な声をあげ、白い裸体をくねらせ、尻を振る。
「まっ・・・いやっ・・・も、だめっ!しょ・・・りゅ、くちっ、はな・・っ・・・せぇ」
いくらなんでも人の口に出すわけにはいかない。そうでなくても、尚隆は六太の主なのだ。
その言葉が聞こえていない筈はないのに、利広はなおさら強く突き、尚隆は出せと言わんばかりに一層強く吸い上げる。
(あっ・・・あぁ・・・また、あれが・・・ああっ・・・こないでぇ・・・・・)
残った理性で必死に抵抗するが、何が何でも六太をイかせようとする二人の手管に勝てるはずもなかった。
襲ってくる快感のうねりに抗えない。
「ああ、んあぁっ、うあぁあぁっ!!」
全身を震わせながら、六太は高みに登りつめた。

その後、倒れるように気絶した六太を二人掛りで清め、よれよれになった寝台を整え。
翌日、昼過ぎ頃に目覚めた六太に、二人は土下座をして謝ることになった。
大層ご立腹だった六太に、二人は一ヶ月の間口を聞いてもらえなかったらしい。

蛇足だけど、オチつけました
無理矢理終了

287名無しさん:2007/01/10(水) 01:33:04
乙カレー
堪能さしてもらいました(*´∀`)
私的に乳首責めがすごいツボだった。

288名無しさん:2007/01/12(金) 00:57:50
ありがとう!!
挿入なくても大満足でしたm(_ _)m

289腐的酒場:2007/07/24(火) 12:26:52
酒場での尚隆と陽子の会話をひっそり投下。
公衆の面前なので会話だけの軽いコメディです。
いちおう尚六のつもり。
Hっぽいのがないのが嫌な方はスルーよろ。
(おまけに一部、表現がビミョーに景陽っぽいかも)

290腐的酒場(1/6):2007/07/24(火) 12:29:01
 関弓の歓楽街の一画。非公式に玄英宮にやってきた陽子は延王延麒に伴われ、
お忍びで小さな飲み屋にやってきていた。
 酒にはあまり強くない陽子だが、何しろ今回の雁国訪問は表向きは政策の相
談ではあるものの、実際は金波宮でのストレスがたまりにたまっての出奔と大
差ない。おもしろがった延王に勧められるままに酒杯を重ね、半刻も経つ頃に
はすっかりできあがっていた。本来、神仙は新陳代謝が良いとあって酔いにく
いのだが、むろん個人差があるし、短時間に大量に飲酒すれば泥酔することだ
ってある。
 料理の大皿や酒瓶の載った卓子に片方の肘をついて半ば身を乗りだし、もう
一方の手で酒杯をあおりながら「だからですね、景麒が」「そうなんですよ、
景麒が」と愚痴ってくだを巻く様は、その辺の酔っぱらいと変わらない。最初
はおとなしく地味に飲んでいた彼女だが、既に目がすわっている。むしろ若い
女の子だけあって逆に始末が悪いかもしれず、これまた珍しく酔っていた延王
尚隆もさすがに手をもてあましていた。
 陽子の隣に座っている六太も既にふにゃふにゃ状態で、先ほどから卓子に突
っ伏している。身体は十三歳のままとはいえ五百年の蓄積で酒には強い六太だ
ったが。それでも、寝ているのかと思えば時折陽子に茶々を入れたり、脈絡も
なく笑い転げたりしているので、それなりに意識はあるようだ。
「延王!」
 みずからも酔っているとあって面倒になって適当に相槌を打っていた尚隆に、
酒杯をドン!と卓にたたきつけるように置いた陽子が向かいからたたみかけた。
「延王は確かにすごいです。ひとりの男性としても素敵です。何より先達とし
てこの上もなくご尊敬申し上げています。でもね!」
「おい、陽子」
 ここは市井の酒場である。しかもそう大きくもない作りで、大声を上げれば
他の席の談笑を抑えて、酒場全体に容易に響く。
 そんな場で「延王」を連発する陽子に、さすがの尚隆も呆気にとられた。し
かし彼も珍しく酔っているだけに普段より反応が遅れ、その合間に陽子は一気

291腐的酒場(2/6):2007/07/24(火) 12:32:11
にまくしたてた。
「でもねっ、麒麟については恵まれていると思うんです! わたしだって六太
くんがわたしの麒麟だったら、最初からもうちょっとうまくやっていけたと思
うんです!」
 王だ麒麟だとわめく陽子を押しとどめようとしたものの、すっかり酔っぱら
った陽子は意に介さない。こいつは意外と酔うと絡むタイプだな、と尚隆はは
っきりしない頭でうんざりと考えた。確かに普段が真面目であるほど鬱憤もた
まろうし、そこに酒が入ればたががはずれて人間が変わっても不思議はないが。
 店員はもちろん、近くの席に座っていた面々が驚いて彼らを注視したが、何
しろ陽子が完全にできあがっているので、尚隆も何をどう言ったりやったりで
きるわけもない。せいぜい「……延王?」「今、麒麟って言ったか?」とささ
やき交わすのを無視して盃をあおるくらいである。
 通い始めてまだそれほど経っていない店だったが、二度と来られないな、と
尚隆は観念した。小さいながらも、女将手製のうまい料理と酒を出す店だった
のに……。まあ諦めてしまえば、あとは開き直るだけだ。
「今回のことだってね、うちの景麒がなんて言ったと思います?」
 そう言って金波宮でのできごとを一通りまくしたてた陽子のほうは、周囲の
様子など気にかけるふうもない。というより酔いすぎて注意力が散漫になり、
酒場の空気には気づいてもいないようである。
「別にね、わたしは蓬莱に帰りたいと言ったわけじゃないんです! ただ向こ
うのやりかたにも一理あるんじゃないかと! 慶は貧乏ですから、とにかく安
く!早く!手軽に!民の生活を支えることが重要なんですよ。わかります!?」
 今度は拳でドン!と卓上を叩く。料理の皿が揺れてぶつかり合い、がちゃが
ちゃと音を立てた。
「あ、ああ……」
「それなのにあいつときたら、また溜息攻撃の連続! 使令に数えさせたら、
最高で一日八十二回溜息をついてました。八十二回ですよ、八十二回! 信じ
られます? 一日二十四時間として、八時間は睡眠、残り十六時間、なんと十
一分間に一回の割合で溜息をついているんです! あいつは本当に麒麟かって
んだ!」

292腐的酒場(3/6):2007/07/24(火) 12:36:47
「景麒のやつ、それはひどいなぁ」
 卓子に頭を載せてゴロゴロしていた六太が、熱弁をふるう陽子を見上げての
んびり相槌を打った。
「でしょう? 六太くんならわかってくれますよね! 本当に初勅で溜息禁止
令を出せば良かった!」
「今度景麒によく言っとくよー。もっと陽子に優しくしろって」
「ふんっ、もういいんだ、あんな奴! それより六太くん、慶の麒麟になりま
せんか? 金波宮に来てくれたら歓待しますよ!」
「えっ、ホント?」
「ほんと、ほんと。毎日ごちそうしますし、また一緒に堯天で甘味処巡りをし
ましょう!」
「わーい、じゃあ俺、陽子の麒麟になる〜v」にへら〜と笑った六太は陽子の
脇にしがみつき、先ほどまでなついていた卓子の代わりに、陽子に顔をこすり
つけた。「陽子の政務も手伝ってやるしぃ。そうだ、王宮からの抜け出し方も
伝授しちゃる〜」
「わ、本当ですか? 六太くん大好き!」
「陽子〜v」
「おい、六太」
 呆れて咎める声を出した尚隆に、陽子は「延王には景麒を差し上げます。楽
俊は雁の官吏になってしまったし、六太くんくらいはわたしにください!」と
きっぱり言いはなった。
「六太、おまえは雁の麒麟だろうが!」
「えー、だってこんなおっさんより、陽子みたいな美人の女王のほうがいいし
ー」
 わざとらしく唇を突きだして答える六太。陽子は腰に手を当て、勝ち誇った
ように胸を反らした。
「ふふふ、延王、こればかりはわたしの勝ちですね!」

293腐的酒場(4/6):2007/07/24(火) 12:39:12
「だがな、陽子」
「何です?」
「おまえ、まだ処女だろう?」
「……今の蓬莱では、女性にそういうことを尋ねるのはセクハラと言って犯罪
ですよ」
「わかりやすく説明しようとしてやっているんだ。六太の基準は俺だぞ。処女
のおまえに六太を満足させられるわけがないだろうが」
 陽子がむせた。「え、え、ええええーっ!?」卓子に両の拳をついて、思いっ
きり身を乗り出す。
「六太はな、色の道を極めた俺が毎晩可愛がって――」
 ガツン!という音がして、なぜか頭上から降ってきた料理の大皿が見事に尚
隆の頭に命中した。
「――!」
 声もなく頭を抱えてうずくまる尚隆。陽子の横で仁王立ちになった六太が、
大皿を投げたときの体勢のまま片手を振り上げ、真っ赤な顔で「こ、こ、公衆
の面前で何恥ずかしいこと言ってんだ!」とわめいた。しかし公衆の面前で身
分をばらしてしまっていることには気づいていないところが、間抜けな酔っぱ
らいである。
「おまえ、俺を殺す気か!?」
「神仙がこれくらいで死ぬわけないだろ!」
 しかし驚いたのも束の間、陽子はなぜか目を輝かせた。
「以前、斡由の乱の小説で、延王と延麒のラブラブシーンを見たことがあるん
ですが、やっぱりアレ、本当だったんですかっ?」
「違う! あれは嘘! こいつとそうなったのはつい最近――あ!」
 いったんは大きく腕を振って否定したものの、しっかり自分で関係をばらし
てしまった六太は自分で口を抑えた。しかしもう手遅れである。おまけにかな
り酔っていながらいきなり激しく動いたことでさらに酔いが回ったのか、気分
が悪くなったらしい。ふたたび椅子に座り込むなり、「うう、気持ちが悪い、
目が回る。吐きそう……」と両手で口元を覆って頭を垂れた。
「もしかしてつわり?」とボケる陽子。期待に目がきらきらしている。
「こっちの世界に妊婦はおらん。それにこいつは男だ。まったく飲み過ぎおっ
て。おい、女将」

294腐的酒場(5/6):2007/07/24(火) 12:41:15
 尚隆は固まっている女将を呼ぶと、苦しそうな六太を吐かせてやった。その
拍子に頭巾が取れて六太の濃い金髪があらわになる。それまで静かだった周囲
がどよめくが、もう開き直っているとあって無視する。自分の隣に椅子を並べ
て寝かせ、頭は自分の膝の上に載せてやる。もはや六太は意識がもうろうとし
ているようで、目をつぶって「うーん」と唸っているだけだ。
 陽子は息を吐くと、酔っぱらって上気した顔のまましみじみと言った。
「やっぱり六太くんの髪は綺麗だなぁ。景麒の髪なんか、同じ金髪でも白っぽ
くて冷たい感じなんですよね。性格があらわれているっていうか」
「この髪が褥に広がる様は美しいぞv」
 目をカマボコ型にしてにやける尚隆。こうなると巷のスケベ親父とどこも変
わらない。陽子はくやしそうに唇をかんだ。
「くっ……。仕方がない、六太くんは諦めます。そういえば延王が蓬莱にいた
時代は戦国時代ですもんね。男同士の関係も普通だったんですよねえ……。で
も官には何も咎められないんですか?」
「ふふん、道を失わない限り、王が何をしようと勝手だ。それに王と麒麟が異
性の場合に限っていえば、野合の例はくさるほどあろうが」
「でも慶では……」
「慶がその手のことに厳しいのは、単に予王が景麒に恋着して国を傾けたから
に過ぎん。それと女王への忌避とな。おそらく男王と麟の組み合わせだったら、
今の慶だとて大して問題にならんだろうよ。要するに景麒とそうなりたいなら、
早く治世を安定させろということだ」
「べ、別に、そんなことは!」いきなり話を向けられた陽子は、うろたえて耳
まで赤くなった。「で、でもそういうのって、麒麟のほうは嫌がらないんです
か? ――あ、王の命令には逆らえないのか……」
「麒麟が王に従う生き物だからと言って、嫌なことは嫌だと言うぞ。その上で、
命令とあれば仕方なく従うだけだ。予王の場合はさすがにそんなことを命令で
きなかったのだろうな。それで景麒に拒まれて精神を病んだのだろう。ちなみ
に六太は俺に惚れておるから、嫌も応もなかったぞv」
「のろけてますね……」
「ふっふっ」

295腐的酒場(6/6):2007/07/24(火) 12:44:13
「腹が立つので、やっぱり六太くんをください。というか少し貸してください。
一ヶ月、いえ、半月でもいいです」
「莫迦を言え」
 一蹴して莫迦にしたように顔をそむけ、酒杯を傾けた尚隆に、陽子は思わせ
ぶりに沈黙したあとで言った。
「……以前金波宮でふざけて、男性が女装、女性が男装したことがありました
よね。六太くんの女装がとっても可愛くて衆目を集めたあれです」
「おう、覚えているぞ」
 少し興味を覚えた尚隆が、片眉を上げてちらりと陽子を見やる。陽子はここ
ぞとばかりに婉然とほほえんだ。
「実はあれから女官たちが六太くんを着飾りたがってまして、是非とも言いく
るめ――いえ、お願いしてまた訪問していただけないかと脅され――いえ頼ま
れていたんです。六太くんに似合いそうな衣装や飾りもいろいろ揃えてまして」
「ほう。それは俺も興味があるな」
「でしょう? うちの女官たちは言いくるめるのが得意ですし、他国の王宮で
よってたかって迫られたら、いくら六太くんでも着ざるを得ませんよ♪ うま
くいったら絵姿を延王にも差し上げるというのはどうです?」
「それではつまらん。付き添いとして、俺も金波宮に行こう」
「だめです。延王まで来たら、朱衡さんがまた怒ります」そう言うと陽子は尚
隆のほうに身を乗りだし、意味深な微笑を口の端に浮かべた。「――さらに慶
国産の白酒をつけるのはどうです? いろいろな銘柄の献上品がたくさんある
のですが、今年のはなかなか出来が良いようですよ。それに六太くんをお返し
にあがるときは女装させたままということで」
「よし、それで手を打とう」尚隆も身を乗りだし、卓子の上で陽子とがしっと
手を組んでにんまりと笑った。
 既に両王とも自分たちの邪な世界に浸っており、周囲の様子など気にも止め
ていない。それまで周囲で聞き耳を立てていた客たちが、あまりにも低次元な
王たちの会話にガックリとなったのも、もはや他人事だった。

-終-

296腐的酒場(後書き):2007/07/24(火) 15:05:38
小説にはまってからまだ四ヶ月という十二国記初心者なので、
おかしいところは目をつぶっていただけると嬉しい。
これでも自分で書いた中では
出来は良いほうなので投下してみました。

いちおう脳内設定がいろいろあって、その流れでのssです。
ただし脳内設定の部分は、さすがに一般向けに書き換えました。

297名無しさん:2007/07/25(水) 11:11:24
age

298名無しさん:2007/07/28(土) 15:43:29
おお新作尚六ジャマイカ
コメディ路線好きだから楽しく読ませて貰いました(*´∀`*)

299名無しさん:2007/07/29(日) 17:19:27
これは共感の持てる陽子さんですね。
やっぱぁっゅの乱に興味深々なわけかw
腐女子でも王になれるとはステキ世界だ。

300王后(1/4):2007/08/04(土) 00:32:34
コメディっぽい尚六ネタです。
オチてないので、ほんとに書き逃げ。
誰かオチつけてくれたらなぁ……。

----------------------------------------------------------------------

 妙な噂を聞いた朱衡は、足早に王の元を訪れた。そこには冢宰の白沢の姿が
あり、何やら延王尚隆と相談しているところだった。
「主上、少しよろしいでしょうか」
 朱衡が問うと尚隆は、手にした書類をひらひらとさせながら「ああ、わかっ
ている。これのことだろう」と笑って手招きした。
「では……王后をお迎えになるというのは本当なのですか?」
「さすがに耳が早いな」
「本気ですか?」
 朱衡は内心の焦りを隠せない。この王が延麒六太と理無い仲であることは、
雲海の上では既に周知のことだ。そのために宰輔が本来住まうところの仁重殿
から、延麒が居室を正寝の正殿近くに移して既に一年。しかもそれは血や穢れ
を厭う麒麟の性質から王に近づけない場合を考慮してのことであって、支障が
ない限りは王と臥室を同じくしている。
 なのになぜ今さら后を迎えて、あえて波風を立てようというのか。
 尚隆は「むろん」とあっさり答えて、署名と玉璽の押印をした書類を差し出
した。朱衡はその文面を見て目が点になった。
「……台輔はご存じで?」
「そもそもその台輔が言ったのだぞ、『后妃を娶ってもいい』とな。せっかく
進言してくれたのだから、ありがたく受け入れてやろう」
「あなたというかたは……」
 朱衡は溜息をついた。これは宰輔に対する王の意趣返しだとわかったからだ。

301王后(2/4):2007/08/04(土) 00:34:41
「俺もあれから、おまえが言ったことをよく考えてな。この際、后を迎えるこ
とにした」
 執務室の書卓で書類をめくりながら、尚隆がこともなげに言った。側の榻で
面倒臭そうに官からの奏上文を眺めていた六太がハッとして顔を上げる。尚隆
のほうは書類から目を離すこともない。
「そ、そうか。わかった」
 内心の動揺を隠して、何とか六太は答えた。なぜいきなりこんな話題が出て
きたのかわからなかった。
 先日、「后妃を迎えてもいいんだぞ」と自分が言ったのは確かだ。尚隆が慰
められるのならそれでもいい、いや、そのほうがいいと思ってのことだ。
 しかし当の尚隆が、その提案を即座に一蹴したのではなかったか。
 その主の反応に、せっかく気を利かせてやったのに、と腹立たしく思った反
面、ほっとしたのも事実だったが……。
「お、俺、そろそろ広徳殿に行かないと」
 六太は急にそわそわとするなり、周囲に散らばった書類をとりまとめ、堂室
を走り出るように退出していった。その後ろ姿を、主がほくそ笑んで見送った
とは知らずに。

302王后(3/4):2007/08/04(土) 00:36:58
 それでも夕餉に王と再び顔を合わせる頃には、六太は少なくとも表面上はい
つもと変わらない様子を取っていた。尚隆の顔を窺うように何度かちらりと見、
やがて意を決したように言う。
「俺、臥室を移らないとまずいんじゃないか。やっぱり元のように仁重殿に―
―」
「別にこのままでかまわんだろう。それに仁重殿はもう靖州府の一部になって
おろうが」
 六太はむっとなった。麒麟が、后を迎えるはずの王と同じ臥室で過ごしてど
うするというのだ。
「后になる女が可哀想だろ! 俺たちのことは絶対に言うなよ! それに王后
が来たら、もうおまえとは同衾しないからな!」
「主上、台輔、失礼いたします」
 そこへ冢宰の白沢が書類を片手に現れたので、さすがの六太も口をつぐんだ。
六太の怒号は堂室の外まで聞こえていたはずだが、百戦錬磨の白沢はまったく
動じず、平然と王に報告した。いわく、これまで長らく本来の使い方をされて
こなかった後宮なので、王后のために整えるに当たって何かと面倒なのだとい
う。
「それに台輔の臥室を後宮に移すにあたり、広徳殿や内殿とさらに遠くなるた
め、政務がいっそう疎かになるのではと疑う諸官から不満が出る恐れもなきに
しもあらず――」
 淡々と報告する白沢に、六太はぽかんとなった。話が見えない。
「六太は臥室を移ると言っておるが」
「しかし後宮よりはこちらの正寝のほうが執務室に近うございますな。天官長
とも相談いたしましたが、臥室などはこれまでのように主上とご一緒なさり、
形式的な居室のみ後宮に設けられるのがよろしいかと」

303王后(4/4):2007/08/04(土) 00:39:07
「……ちょっと待て。何の話をしている」
 六太が口を挟んだ。白沢は顔色を変えず、おっとりと答えた。
「ですから王后は本来、後宮の北宮に住まわれるものですが、台輔が王后にお
なりになるに当たってはこの際、特例で――」
「その書類を見せろ!」
 六太は血相を変えて、白沢が持っている書類の束をひったくった。急いでぱ
らぱらとめくると、現れたのは、宰輔延麒に王后の称号を与える旨の簡潔な文
と御名御璽。
「しょうりゅうぅぅぅー!」文面を尚隆に向けて詰め寄る六太。「なんなんだ、
これは!」
「見てわからんか?」
 六太は、座っている尚隆の襟首をつかんだ。
「おーまーえーはーっ!」
「なんだ? 后妃を娶ってもいいと言ったのはおまえだろう」
「后妃ってのは女がなるもんだろが!」
 尚隆は、手を振って白沢の退出を促した。白沢は何事もなかったかのように
頭を下げて退出していった。
「王も麒麟も正式な婚姻ができるわけでもなし、子も持てん。ならば后が男で
も別にかまわんだろう」
「あのなあっ!」
 脱力しそうになりながらも、六太は必死に踏みとどまった。

----------------------------------------------------------------------

……これだけ。
しょーもない( ´ー`)フゥー...

304名無しさん:2007/08/04(土) 10:25:51
>>300-303
おおお尚六ではいつか必ずぶつかる王后ネタ…いいですね。王宮公認で萌えまくり!
尚隆はけろっとしてるけれどあながち冗談でもない感じだとなおいいです
ろくたん愛されてるなー

続き…
その日の夜に王后イメクラでらぶらぶえちーなどいかがでしょうか…

305名無しさん:2007/08/04(土) 11:17:41
>>304
あー、もしかしなくても王道ネタだったのですね。
十二国記初心者なので余所様のネタを知らずに投下しちゃいました。
スミマセン(´Д`;)

実は王后ネタはもう一個あって、自分ではそっちのほうが気に入ったので、
違うほうを投下させてもらいました。

ちなみに気に入ったほうの台詞を一部だけ抜き出すとこんな感じ。
これもうまい人が加工してくれたらいいなーと他力本願で妄想。

-----
「寵姫に見捨てられるとは、俺も長くはないかな」
「誰が寵姫だ。俺は男だって言ってんだろ」
「何なら王后の称号をやろうか」
「阿呆。俺を十二国中の笑い者にする気か」
「なに、ふたり一緒に笑い者になれば良かろう」
「おまえなー……」
Hのあとで、
「王后の称号なんて下すなよ。そんなことをしたらおまえを捨ててやる。
捨てられたくなかったら、俺と同衾するだけで我慢しとけ」
-----

うちの六太はなにげに尚隆より強いですw

306名無しさん:2007/08/05(日) 21:39:00
>>305
304ですが、流れ的にここではスレチになるかと思いましたのでロビースレの461に
ご相談を書かせて頂きました。ご覧頂ければ幸いですノシ

307腐的酒場2(1/5):2007/08/09(木) 19:07:29
>>290-295の続編と思ってください。
慶で陽子におもちゃにされ (なんか誤解を招く表現)、
帰国してからも尚隆に遊ばれてぶちきれた六太の鳴賢視点のお話。


----------------------------------------------------------------------

 やっとのことで卒業が決まった鳴賢は、既に官吏として玄英宮で働いている
楽俊とともに、「卒業祝いをしてやる」と言った風漢に連れられて高級料亭で
呑んでいた。
 その風漢が延王その人であることを知ったのはつい最近。六太が宰輔である
ことはとっくに知っていたが、これにはさすがに顎がはずれるほど驚いた。こ
れまでにも風漢と差し向かいで呑んだことは何度かあるが、王と知って同じよ
うに振る舞うのは難しかった。
 それでも酒杯を重ね、うまい料理をたらふく食べれば、風漢自身は相変わら
ず気安いし、だんだん気がほぐれてくる。
 そうして、それなりに和やかに一同が談笑していたとき。
「尚隆ー!」
 院子に向けて開け放たれていた窓から、騎獣らしき大きな獣にまたがった人
物が、ものすごい雄叫びを上げて乱入してきた。その勢いと怒号の凄まじさに
驚いた鳴賢と楽俊は椅子から転がり落ちた。
 結いあげた髪に玉を長く連ねた歩揺を何本も差し、精緻な縫い取りを施した
豪奢な衣装に身を包んだ美少女。風になびくその髪は神々しいまでの金色。
 ――麒麟!?
 少女は騎獣から飛び降りると、幾重にも重ねた裳裾を翻してつかつかと榻の
風漢に歩み寄った。その合間に騎獣が床に沈むようにかき消えたので、鼠姿の
楽俊とともに床に座りこんだままの鳴賢は「あわわ」と蒼白になった。
 少女は外見に似合わぬ乱暴さで、榻にゆったりとかけていた風漢の襟首をつ
かんで揺さぶり、「今すぐ勅命を解けーっ!!」と叫んだ。どこかで聞いたよう
な声。
「よ、よう、六太」
 さすがに腰が引きぎみの風漢がそう声をかけたので、鳴賢は愕然とした。
「今すぐ、解けったら解けーっ!!」
「そっちのふたりが固まっとるんだがな」

308腐的酒場2(2/5):2007/08/09(木) 19:09:55
 美少女、いや六太は首を巡らせて鳴賢たちを見やった。言われてみれば、そ
れは確かに六太の顔だった。薄化粧を施し、どこから見ても絶世の美少女にし
か見えないが。
 しかし既に目が据わっており、風漢の言葉にも「それがどーした」といわん
ばかりである。というより「もう限界」という魂の叫びが背景に点滅している
のが見えるようだった。
 六太は、ふん、と鼻を鳴らすと風漢に目を戻した。
「俺はなぁー、もう二週間も女装させられてんだよ。おまけに髪まで結いあげ
て山のように簪を差しやがって。麒麟の鬣は結うもんじゃねえんだよ! わか
ってんのか、てめえ!」
「しかし似合っとるだろうが」
「俺は男だっ! 勅命を解けったら解けっ!」
「一ヶ月間、女装しろと言ったあれか」
「そうだ」
「断る」
 六太は口元をヒクッと引きつらせた。
 ちなみに楽俊のほうは王宮に出仕している関係上、六太が女装させられるに
至った経緯を知っていたので、突然の乱入から立ち直ったあとは決まり悪そう
に、そして気の毒そうにひげをそよがせているだけである。
「王がいったん口にしたことを撤回したら示しがつかんだろうが」
「今、上に氾王と氾麟が来てんだよ」
 六太は声を押し殺すようにして言った。いつになく低音の声音で、凄みをき
かせている。風漢は固まりながらも「ほう?」と言った。
「お前がいなくなってから一週間! 政務を肩代わりさせられているだけじゃ
なく、俺ひとりであいつらの接待させられてんだよ! 毎日毎日、朝昼晩と着
せ替え人形やらされてんだよ! この苦しみがおまえにわかるか!?」
「ほう、それは見たかった――あ、いや」
 ぷつん、と六太のこめかみの血管が切れる音を、鳴賢は聞いたような気がし
た。
 六太は襟首を離して風漢を乱暴に突き飛ばすと、「沃飛!」と叫んだ。途端
にその足元から人妖が浮かび上がるようにして姿を現したので、鳴賢はふたた
び床にへたりこんだ。
「安心しろ、あれは台輔の女怪だ」
 楽俊が鳴賢の服を引っ張って耳打ちする。

309腐的酒場2(3/5):2007/08/09(木) 19:11:59
 そうしている間に六太は、衣装一式らしいかさばる布の固まりを女怪から受
け取り、それを榻に投げ置くと、ふたたび風漢の襟首をつかんだ。
「麒麟は王の半身、王と麒麟は一心同体だよなあ? 俺の苦しみはおまえの苦
しみだよなあ?」そう言ってあざけるような冷笑を浮かべる。「おまえも女装
しろ」
「おい……」
「安心しろ、簪も山ほど持ってきた。この際だ、俺が結ってやる。勅命を解か
ないっていうんなら、せめて苦しみは分かち合わねーとな。言っとくが、おま
えが脱走したせいで今日で二日ほど寝てないからな、容赦はしねぇぞ」
 そう言うなり六太は、風漢の髪を結っていた紐を素早くほどき、ついでその
まま相手を榻に押し倒すと、帯を解いて服をはぎにかかった。
「たたたた、台輔っ!」焦った楽俊が口を挟んだ。「こ、こ、ここにおいらた
ちもいます! おふたりだけじゃねぇです!」
「そうです!」
 鳴賢もたまらず楽俊に加勢する。何しろ髪をほどき、胸元をはだけた美丈夫
の王と、それに迫る美少女の図という、ある意味妖しすぎる光景が眼前に展開
されているのだ。
「妻もいない、彼女もいない寂しい男ふたりとしては、目の前でいちゃつかれ
ると、とっても目の毒ですっ」
 なぜか楽俊とは少し視点がずれている鳴賢であった。
「どこがいちゃついてんだよ、どこがっ」
 振り返った六太が、すかさず突っ込んだ。しかしある意味、確かにいちゃつ
いているように見える。というか美少女が美丈夫を榻に押し倒しているように
見える。
 その反応を見て、風漢が「ふむ」とおもしろそうに顎をさすった。
「そうだ、六太。せっかくだから鳴賢たちに酌をしてやれ」
「なっ……!」
「勅命であるぞ」
 奥の手を使われて抵抗を封じられ絶句した六太に、風漢はにやりとした。怒
りで真っ赤になった六太は、
「〜〜〜〜っ」と声を出せずに肩を震わせて立ちつくした。風漢はその細い両
肩に後ろから手を置いて、楽俊と鳴賢のほうに正面を向かせて言った。

310腐的酒場2(4/5):2007/08/09(木) 19:14:01
「わが国の麒麟はさすがに美人であろう。こんな美少女に酌をしてもらえる機
会はそうはないぞ。今日は鳴賢の卒業祝いだ。宰輔ともども盛大に祝ってやろ
う」
「鳴賢!」と六太は救いを求めるように叫んだ。「友達だろ〜っ?」
 友達。確かに友達だ。彼が宰輔であることを知らない頃、よく一緒につるん
で遊んだものだ。しかし。
 何しろ今目の前にいるのは、どう見ても絶世の美少女。確かにこれほどの美
人に酌をしてもらえる機会などもう二度とないかもしれない。
 彼女いない歴数年に及ぶ鳴賢の心は、妖しい誘惑に揺れ動いた。
「いや、その……」へたりこんでいた床から椅子に座り直した鳴賢は、照れ隠
しに頭をかいた。「確かにこんな美人に酌をしてもらえれば嬉しいけど……」
「鳴賢!?」
「ほら、六太。勅命を果たさぬか」
 にんまりとした風漢に促された六太は、憤りをこらえながら、仕方なく酌を
して回った。
 むろん鳴賢も「六太に悪いな」と思わなかったわけではない。だがそれより
も、すまなさそうに控えていながらちゃっかり楽俊も酒杯を差し出したのを見
て、「おまえもまだ彼女いないしなぁ」と同病相憐れむほうに行った次第であ
る。
 ふたりに酒をつぎ終えたところで、六太は「もうやってらんねぇ!」と叫ん
だ。邪魔な裳裾を膝まで大胆にめくるなり、椅子に胡座をかいてどっかと座り
こみ、自分も酒杯をあおる。
「この裏切り者! 楽俊も鳴賢も覚えてろよ!」
「はは……」
 慈悲深いはずの麒麟に睨まれて冷や汗を流しながら、乾いた笑いを漏らすふ
たり。その六太に、風漢は飄々として「こっちも頼むぞ」と自分の酒杯を差し
出した。
 六太は相変わらず怒りで真っ赤になったまま立ち上がると、主の酒杯に酒を
そそいだ。風漢はその顔を見上げて、「何をふてくされている、もっとこっち
に来んか」と肩に腕を伸ばすなり自分のほうに引っ張った。不意をつかれてよ
ろけた六太は、風漢の胸元に倒れ込むように抱き寄せられて慌てた。

311腐的酒場2(5/5):2007/08/09(木) 19:16:03
「怒った顔も美しいな、ん?」
 至近距離で顔をのぞき込まれた六太は、今度は狼狽と羞恥で真っ赤になった。
見守る鳴賢たちも同じように真っ赤になって固まった。
「風漢!――じゃなくて主上!」鳴賢が叫んだ。「だから目の毒なんですって
ば。いちゃつくのは王宮に帰ってからにしてくださいっ」
 風漢はにやりと笑った。
「なるほど、そう言われればそうだな。ではそろそろ俺は引き上げるとするか」
酒杯を飲みほして立ち上がる。「おまえたちはまだ呑んでいていいぞ。支払い
はもう済ませてあるから、ゆっくりしていろ」
 そう言いながら風漢は、傍らの六太を片腕に抱えた。「はーなーせーっ!」
とジタバタする六太。しかし何しろ体格も力もまるで違う上、普段よりずっと
動きにくい装束をまとっているとあって抵抗のしようがない。
 風漢が六太をしっかりと押さえ込んだまま、どこへともなく「悧角」と呼び
かけると、さきほど六太が乗ってきた騎獣が床から姿を現した。同時に女怪の
沃飛も姿を現し、六太が榻に置いたままの衣装一式を抱えてふたたび六太の影
の中に消える。
「ではまたな」
 風漢は六太を抱えたまま悧角の背にまたがると、開いた窓からそのまま飛び
去っていった。「ばかやろーっ!」という六太の雄叫びだけを残して。
 ふたりが去った窓をしばらく呆然と見つめたあと、やがて鳴賢は言った。
「なあ、文張」
「なんだ?」
「おまえ、王宮で苦労していないか?」
「いんや、別に」
「そうか……」
「とりあえず、人間、何でも慣れたほうがいいと思うぞ」
「おまえ、悟ったな……」
「まあ、とりあえず呑め」
「ああ」
 鳴賢はうなずくと椅子に座り直して酒杯を取った。玄英宮に官吏として出仕
したあとの苦労を想像し、今夜は思いっきり呑もうと思った。

-終-

312名無しさん:2007/08/10(金) 01:19:09
六太の美少女?っぷりににやにやし、人前でいちゃつき光線
出しまくりな小松にもにやにやしました。乙。
それと鳴賢よ、

>「妻もいない、彼女もいない寂しい男ふたりとしては、目の前でいちゃつかれ
>ると、とっても目の毒ですっ」

ツッコむところはそこなのかw

313体の相性(尚六):2007/08/10(金) 19:25:21
熱暑にうだった勢いでくだらないショートショートを投下。
ありがちな話という感じですが、
枯れ木も山のにぎわいということで。

しかしこの酷暑はどうにかなりませんか……。

-----

 六太が、自分たちの関係にいずれ破局も訪れうると覚悟をしていることはわ
かっていた。――つまり尚隆が六太に飽きることを、だ。
「それはありえんと言っておるだろう」
 尚隆が何度言っても、六太は疑いの目を向けるのをやめない。
「なんでそう言い切れるんだよ?」
「だからなあ……」頭をかきながら、この際、白状してしまおうと開き直る。
「感情以前の問題だ。つまりだな、何というか、体の相性がだな」
「?」
「女とやるより、おまえとやるほうがいいのだ」
「はあ?」
「もしかしたらおまえは他の男に抱かれても感じるのかもしれんが、俺のほう
はもともと衆道の趣味はないから、どうせ抱くなら女のほうがいい。しかし正
直に言って、これまでおまえほど快感を感じた女はおらんのだ。だから仮にお
まえに惚れておらなんだとしても、おまえを抱けぬというのは困る」
 六太は絶句して口をパクパクさせた。
「だが抱けばどうしたって情がわく。……わかったか」
「それって……」
「……」
「俺の体が目当てってことかっ!」
 真っ赤な顔で怒鳴る六太。尚隆は頭痛がして額を抑えた。
「だから、そういう話ではないというに……」

314307:2007/08/11(土) 10:45:03
>>312
楽しんでいただけたようで嬉しいです。
何せエロがないと、ここに投下していいんだろうか、
なんて躊躇しちゃうもんで励みになります。

実は鳴賢スキーだったりもする自分です(≧∇≦)

315後朝(前書き):2007/08/13(月) 19:04:08
夏祭りの前にエロ風味の尚六を投下します。初Hの翌日のつもり。

そういう関係になる前から尚隆と六太は同じ牀榻を使っていたという設定ですが、
これは六太の体調が悪いというか (失道じゃないです、念のため)、
そんな理由から回復を願って王の側に置いただけのことであって、
別にやらしいことはまったく起こらず。

でもいろいろあって、ついに小松さんがやっちゃいました……という感じ。


最初のイメージではあくまでキス止まりで、
初々しいろくたんの様子がほほえましいロマンス風だったのに、
書いているうちにちょっと尚隆が暴走してしまいました。

316後朝(1/4):2007/08/13(月) 19:06:11
 ――台輔のご様子がおかしい。
 朝議の場で諸官がすぐに気づいたほど、六太の様子は前日までと異なってい
た。
 まだ体調が万全ではないため、以前のように玉座のすぐ側に立つのではなく、
そこに椅子を置いて座っているのだが、その椅子の上で少しでも王から離れよ
うとするかのように、不自然に反対側に寄って体を固くしている。おまけに眼
前にかしこまる官はもちろんのこと、朝議の間に入ってから王のほうを見よう
ともしない。いや、そもそも正寝からここまでやってくる間も、いつものよう
に王と連れだってはいたものの会話はなく、なぜかほんのりと顔を赤らめてう
つむいていたのだが……。
 朝議のあと、ふと冢宰の白沢が「台輔、いかがなさいました?」と尋ねると、
六太ははじかれたように顔を上げた。
「んっ? べ、別に?」
「何やらお顔が赤いようですが……」
「そ、そう? あ、なんかちょっと暑いかなー、なんて。はは」
 六太は焦ったような笑みを浮かべてどもりながら答えた。白沢が心配してい
たのは彼の体調のことだったが、態度に不審があっても特に具合が悪いように
は見えなかったので、訝しく思いながらもそれ以上追求しなかった。何よりず
っと宰輔につきっきりだった王が、別に心配するふうでもなく、口の端ににや
にやとした笑いを浮かべていたからだ。
 ――どうやら王には原因がおわかりらしい。それも別段、深刻な問題ではな
いと見える……。
 そのまま内殿で政務に就く王に、六太は宰輔として官とともに付き従った。
だが妙におとなしい。王にも官にも声をかけることなく、特に用事がないかぎ
りは堂室の壁際の榻に座ったままなので、白沢もそちらをちらちらと気にせず
にはいられない。以前のようにだらしなく榻に寝そべるとか胡座をかいている
ならともかく、きちんと両膝を揃えてそこに手を置き、体を固くして顔を伏せ
ているのだから、気にしないほうが無理というものだ。
 やはりここは念のために、黄医に診せたほうが良いのではないだろうか。そ
う白沢が考え始めたとき。
 書卓で書類に目を落としながら、記載内容に関する官の説明を聞いていた尚
隆が顔を上げ、隅にいる六太のほうをまっすぐに見た。
「六太、おまえ今朝からおかしいが、どうかしたのか?」
「えっ?」いきなり声をかけられて仰天した六太が榻から飛び上がり、声が裏
返った。「べ、別に、何でも、ないけど?」
 尚隆が溜息をついた。が、その仕草がどうもわざとらしい。いよいよ白沢が
首をひねり始めたとき、
「おまえたち、少し出ていろ。俺は六太と話がある」
 官にそう言って尚隆が人払いを命じた。

317後朝(2/4):2007/08/13(月) 20:32:14
 執務室でふたりきりになると、尚隆は椅子を引いて六太に向き直った。六太
のほうは榻の上でうつむいたまま、耳まで赤くなっている。
 昨日の今日とはいえ、あまりの初々しさに尚隆は苦笑した。――そんな振る
舞いをされると、却って煽られるのがわからんのか……。
 時々やんちゃが過ぎるとはいえ、普段の六太は実年齢にふさわしく取り澄ま
した表情をしている。年端もいかない少年という外見に似合わず、度胸もある
し多少のことではうろたえたりしないのだ。
 それが今は、珍しく自分の感情を取り繕うこともできずにあからさまな狼狽
を見せている。尚隆の顔を直視することもできずに何かというと赤面する。
 そんなに動揺していたら官にはもろばれだろうに、と尚隆はおかしくなった。
 もっとも身の回りの世話をする女官たちには既に、ふたりの関係はばれてい
るはずだ。なぜなら褥の様子を見れば、昨夜何があったのかは一目瞭然。これ
まで牀榻をともにしていたのは、あくまで王の側にいるほうが麒麟である六太
の体に良いのではという陽子の意見を取り入れたがゆえだったし、女官たちも
それを承知していたわけだが、もはやそれだけではない。肉体を交えた以上、
彼らは立派な愛人同士だ。六太としては、思いがけない展開だったろうが。
「ちょっとこっちに来い」
 尚隆は六太を手招いた。六太はびくっとして、赤らめた顔をおずおずと上げ
た。その様子をこの上もなくいとしく思いながらも、いじめてやりたいという
矛盾した衝動に駆られる。いったいどんな反応を見せるのだろう……。
 躊躇している六太をさらに顎で促すと、六太は仕方なく立ち上がり、主の側
に歩み寄った。
「ここに座れ」
 と、自分の膝を示す尚隆。途端に狼狽の度合いを深めた六太だったが、主の
命に逆らえるはずもない。体を固くしたまま、膝の上に浅く横向きに腰掛ける。
顔を伏せた六太のかすかな震えが膝から伝わる。
 尚隆はうつむいている六太の肩に手をかけると、有無を言わさず胸元に抱き
寄せた。
「しょ――!」
 動転して胸を押しのけようとする六太を強引に押さえ込み、その唇に接吻す
る。深く貪るように口づけられたあとやっとのことで離してもらえた六太は、
尚隆の腕の中でぐったりとしてあえぎながら、それでも相手を押しのけようと
力なく無駄な抵抗を見せた。

318後朝(3/4):2007/08/13(月) 22:04:06
「だ――め……。見られ、ちゃう……」
「人払いをしてあろうが。それに見られても別に構わんだろう」
「だ、だって」
「五百年もの治世を敷いた王と麒麟だぞ。大抵のことは俺たちの自由になろう
が。それにこんな光景を見たら、官のほうで慌てて目をそらしてくれよう」
 そう言いながらも尚隆は愛撫の手を止めなかった。六太の官服の胸元をはだ
け、細い首筋に顔を埋める。相変わらず六太は逃れようとしていたが、どうし
ても力が入らないらしい、結局は主になされるがままになっている。尚隆はそ
のまま、なめらかな首筋から乳首にかけて丹念になめ、ついで耳の穴に舌の先
を差し込んで、ぞろりとなめた。
「あ……!」
 六太は思わず官能的な声を漏らしてのけぞり、尚隆の服を握りしめた。尚隆
はしつこく耳の穴をなめたり息を吹きかけたりしながら、「感じるか?」とさ
さやき、愛撫を深めていく。その手管に、もはや六太には抵抗する気力もない。
 尚隆は腰が抜けたようになった六太の小柄な体を抱き上げると立ち上がり、
先ほどまで六太が座っていた榻に仰向けで寝かせた。既に乱れている彼の官服
の前を裾まではだけ、下着ごと袴を太股の半ばまで手早く引き下ろす。そうし
て何をされているのか自覚する隙を与えず、その華奢な腰をむき出しにするな
り、とっくに固くなっていたものを口に含んだ。
 六太は反射的に体を引こうとしたものの、腰をしっかり押さえられていて身
動きがとれない。尚隆は性の快楽に慣れていない相手の動揺にはまったく頓着
せず、容赦のない愛撫を加えた。
「――!」
 強い刺激にさらされた六太は、最後の抵抗だとでもいうかのように目をきつ
く瞑り、あえぎ声が漏れないように口元に握り拳を当ててこらえた。その必死
の抵抗をうち砕こうと、尚隆はさらに執拗に攻め続ける。もっとも六太自身は
気づいていないようだが、その腰は既に愛撫に合わせてわずかに振られ始めて
いた。
 こういうとき男は便利だな、と尚隆は頭の片隅でほくそえんだ。女の場合は
こう簡単にはいかない。生娘なら――尚隆は処女を抱いたことはなかったが―
―なおさらだ。だが男なら、どれほどの堅物であっても、初めての経験でも、
ここを刺激すれば簡単に快感におぼれる。それが恋人の手によるものならなお
のこと。

319後朝(4/4):2007/08/13(月) 22:06:11
 何とか声を漏らさないよう懸命にこらえ続ける六太だったが、そのくぐもっ
たうめき、鼻に抜ける悩ましい吐息が、逆に相手をいっそう刺激することをわ
かっていないようだった。
 別に時間をかけるつもりもなかったので、尚隆はそのまま容赦なく吸ったり
なめ上げたりして、幼い体を絶頂に導いた。
「あうっ!」
 ついに六太は全身を震わせてのけぞり、こらえきれずに快感のうめきを上げ
た。尚隆は放たれたものをすべて口で受けて貪欲に飲み込んだ。綺麗に後始末
をしてやり、六太の官服を整えてぐったりとした体を抱き起こす。
「また今夜、な」目を瞑ったまま榻に背をもたれて荒い呼吸を繰り返す六太の
肩に腕を回し、低い声で官能的にささやく。「もっと可愛がってやるぞ」
 そう言いながらも片手は未練たっぷりに、六太の股間を服の上からゆっくり
と撫でまわした。六太はぼんやりとした態で尚隆の腕を押しのけようとしたが、
すっかり力の抜けた体で果たせるはずもなく、結果的に単に手を添えたにすぎ
なかった。萎えたばかりのものが刺激でまた固くなる。それを知っていっそう
激しく複雑に指先を動かしながら、尚隆はわざと卑猥にささやいた。
「また勃ってきたな。あれでは足りなかったか? ん?」
「あっ……ん」
 もはや理性の半ばまで飛んでしまったのだろう六太は、焦点の定まらぬ目で
尚隆の腕にしがみつくと、あえぎながら腰を主の手にこすりつけた。
「夜までお預けだ。楽しみに待っておれ」
 そう言ってぎりぎりまで煽って興奮させておきながら、尚隆は軽く口づけた
だけで意地悪に愛撫の手を止めた。そうして放心したような六太を榻にきちん
と座らせると、尚隆はそこから離れて官を呼びに行った。

 執務室に戻ってきた諸官はあたりに漂っている妙な雰囲気に戸惑ったが、御
前であるだけにさすがに口にはしなかった。ただ六太が顔を赤くして榻に座っ
たままなのは変わらなかったので、いったい王と何を話したのだろうと不思議
に思う。しかも先ほどよりずっと顔も赤く、髪も乱れている上に何やら呼吸も
早いようだが……。
 白沢を始めピンときた官もいないではなかったが、何しろ今は政務が優先。
何よりも王があからさまに知らぬふりをしているので追求することもできず、
執務が続けられたのだった。

320名無しさん:2007/08/18(土) 23:10:04
攻められるろくたん可愛すぎ・・・・(*´∀`*)
続編キボンというか初夜編キボン

321名無しさん:2007/08/18(土) 23:20:17
>焦点の定まらぬ目で尚隆の腕にしがみつくと、あえぎながら腰を主の手にこすりつけた。

うおぉぉぉお・・・積極的なろくたん激萌・・・・

322(尚隆+利広)×六太(前書き):2007/08/20(月) 07:35:44
315-319です。
>>320
ありがとうございます。実は初夜編はあまり色っぽくないので遠慮。
続編のほうはちょっと長めなので (その割に内容は大したことない)、
できれば他の方の作品投稿を挟んでから上げたいと思います。

さて連日の暑さに脳をやられ、つい出来心で
くだらない3Pを書いてしまったのでこちらを先にうpします。
もっともさほどエロくはないので、箸休め程度にでもとらえていただければと。
というかエロって書けない……。
また微妙に景陽、尚陽が入っております。

六太と妙に体の相性が良い尚隆は、
王と麒麟だからか? これも天帝の目論見か? それとも偶然?と疑い。
たとえば利広とでも六太は感じるのか?と思って利広に試させちゃいます (おい)。
六太のほうはさすがに抵抗するものの、尚隆とだけ感じるわけでもないなら、
尚隆との相性は王と麒麟ゆえではないとわかるから、と言われて押し切られます。
哀れ、ろくたん……。

陽子サイドの話は省略。

323(尚隆+利広)×六太(1/3):2007/08/20(月) 07:37:45
 六太は主以外の愛撫に反応しまいと懸命にこらえた。しかし早くも快感に冒
されてしまった腰は彼の意志とは反対に、すんなり利広を受け入れたまま、さ
らなる快感を求めてみずから激しく動いていた。
「ああっ、あっ、あっ――」
 力の入らない両腕では上体を支えきれず、六太は地面に突っ伏した。そのま
ま尻だけをつきだした格好で、後ろからの利広の激しい突き上げがもたらす快
楽に耐える。
「これ、は……いいね」利広は目を細めてあえいだ。六太の細い腰を両側から
強くつかみ、顎をのけぞらせて荒々しく腰を動かす。「私も、こんなにいい体
は初めてかもしれない。締まりがよくて、吸いつくようで……。それにあえぐ
声もいい。うう、早々にいきそうだ……」
「おい、中に出すなよ」
 風漢が釘を差すと、恍惚としていた利広は露骨に嫌そうな顔を向けて「なん
で」と言い返した。
「どうせ最初で最後なんだから、中に出させてくれてもいいと思うけど」
「阿呆、六太は俺のものだ。中に出せるのは俺だけだ」
「挿れるのはいいわけ?」
「今回は特別だ。二度と挿れさせてはやらん」
「ちぇっ、けちだなぁ」
 利広はそう言いながら諦めたように自分のものを引き抜くと、地面に向けて
精を放った。
「はあ……。でもすごく良かった……。風漢はいつもこんなにいい思いをして
いるわけか」
「まあな」
 そう言うと風漢は、うつぶせになったままぐったりとしている六太の腰を自
分のほうに引き寄せた。

324(尚隆+利広)×六太(2/3):2007/08/20(月) 19:10:26
「どうだ、六太。利広にやられるのは俺より良かったか?」
 いまだあえいでいた六太は声を出せず、代わりに必死に首を振った。利広は
笑った。
「どうだか。挿れたばかりでも腰を振ってすごく感じていたよね。単に風漢に
遠慮しているだけじゃないの」
「抜かせ」風漢は六太の尻を持ち上げると、さっきまで利広が犯していた場所
に自分のものをあてがった。「今度は俺だ、六太。利広なんかよりずっといい
思いをさせてやるぞ」
「言ってくれるね、風漢。百年の長がある私に向かって」
「ふん、六太が惚れているのは俺だぞ。恋人にやられるほうがずっと感じるに
決まっておろうが」
 当初の目的はどこへやら、風漢はそう言うと、遠慮なく一気に根元まで挿入
して突き上げた。
「あうっ!」
 六太はうめいて顎をのけぞらせた。既に全身の力が抜けていた彼の四肢は自
分を支えきれず、地面の上で、風漢の容赦ない腰の動きに引きずられるだけだ
った。
「あ……っ! はあ、ん、あん……っ!」
 六太の頭の中はもう真っ白で、何が何やらわからない。利広から解放されて、
やっと恋人の愛撫を身に受けているという安堵もあるだろう。素直に絶頂への
道を駆け上がっていく。
 やがて六太が快楽の絶叫をあげてくずおれた。ついで腰の動きを早めた風漢
も、すぐに満足のうめきを上げて果てた。そのまましばらく六太の腰をかかえ
て呼吸を整えていた風漢は、ゆっくりと自分のものを引き抜くと、六太の体を
地面に横たえた。

325(尚隆+利広)×六太(3/3):2007/08/20(月) 19:12:28
「あーあ。一回だけなのに、これ見よがしにたくさん出しちゃって」
 六太の秘所からこぼれて太腿から地面に伝う大量の白濁液を見やり、利広が
呆れたように言った。風漢はにやりと笑って「ちょっとたまっていたからな」
と答えた。
「何にしても、私とでも六太は感じたわけだし、私もすごく良かった。王と麒
麟だから相性が良いってわけじゃなさそうだね」
「そのようだな。陽子も俺のほうが景麒よりずっといいと言っていたし」
 利広は目を丸くした。
「風漢、景王にも手を出したわけ?」
「なに、俺はあいつの疑念を煽っただけだ。陽子が一番感じるのが景麒なら、
天帝の掌の上で踊らされているだけかもしれん、とな。だが他の男のほうが感
じるのなら、陽子は自分の自由意志で景麒と恋愛をしていることになる。しか
し陽子は他の男なぞ知らんし、まさか比較するためだけに臣下と寝るわけにも
いくまい。だから協力してやったまでだ」
「屁理屈だね……」
「何とでも言え」
 そういうと風漢は放心している六太を抱えおこし、体を綺麗に拭いて後始末
をしてやってから服を着せてやった。
 そのさまを見守っていた利広は肩をすくめた。そしていい思いをしたのは事
実なので、まあいいか、と考えた。


---
ちなみに(尚隆+悧角)×六太というアレな続編もあったりします。
なぜだか無性にろくたんをいじめたくなってしまいまして(´Д`;)
そこでは尚隆がかなり鬼畜というか壊れていたりしますが、
暑さに脳がやられるとこうなるのね……という感じです。

326名無しさん:2007/08/21(火) 00:47:33
うpされてるーーー!!

ろくたんを苛めるなんて尚隆なんてうらやま、いや、酷い奴
姐さん、尚+悧×六もうpキボンヌ、お願い!!

327名無しさん:2007/08/21(火) 16:32:48
姐さん乙!
六太が他の人に犯されるのってシリアスじゃ重いけど
このくらいの軽さでだったらめたくそに萌えるーーーーー!
自分も同じく尚+悧×六もうpキボンヌ!

328322-325:2007/08/21(火) 19:36:45
>>326
えっ、要するに獣○ってことですけど、需要あるってことですか?(;・∀・)
構わないようであればそのうち、様子を見てうpしますけど……いいのかな。

>>327
いや、そのぅ。続編は倍以上も長さがあって、
おまけに尚隆が壊れてるんで、今回のほどには軽くないかも、です。
尚隆に命令された悧角にろくたんが陵辱されちゃう展開なんで。
もっとも自分の文はエロっぽくないというか淡々としていると思うので、
その意味では、他の書き手さんのより印象はずっと軽いんでしょうけど。

329名無しさん:2007/08/22(水) 00:02:48
|゚Д゚)コソーリ <それでも読んでみたいかも・・・・

330322-325:2007/08/22(水) 19:22:01
>>329
了解です。じゃ、近いうちに続編をうpさせてもらいますね。
この手のシチュが苦手な人はスルーよろ。

331(尚隆+悧角)×六太(前書き):2007/08/24(金) 19:46:28
>>323-325の続編です。
前作と尚隆の性格が少し変わりました。というか壊れちゃいました。
おまけになぜか利広に代えて悧角を加えての3Pです。

こんなアブノーマルなシチュの発想ってないと思っていたのに自分にビックリ。
悪いのは今夏の酷暑か、ろくたんの可愛さか。
なぜだか急に、ろくたんを無性にいじめたくなってしまったんですよねえ……。

悧角とは無理矢理だし、何より尚隆が鬼畜だったりするので、
苦手な方はご注意ください。このままだと失道まっしぐらって感じ。
でも尚隆はともかく、意外と悧角は気に入っていたりするのはナイショヘ(゚∀゚ヘ)アヒャ

332(尚隆+悧角)×六太(1):2007/08/24(金) 19:52:31
 まだ昼間だったが、尚隆は高級な妓楼の広い一室に六太を連れ込んだ。今回
は別に妓女を侍らすつもりはなかったものの、何しろ六太は感じやすく、尚隆
と交わるときはどうしても大きな声を出すから、普通の宿だとさすがに他の客
への迷惑を考えなくてはならない。
「あのさ、まだ昼間なんだけど……」
 尚隆が臥牀に六太を押し倒すと、六太は困惑の表情を浮かべた。尚隆は鼻で
笑った。
「さっき、利広相手にあんなに感じていたくせに。もう興奮は治まったのか?」
 六太の顔が見る見るうちに赤く染まった。
「あ、あれは! おまえが!」
「口では俺以外は嫌だと言いながら、ここは随分と感じていたではないか」
 六太の体を強く押さえつけたまま、尚隆はその股間に腕を伸ばし、袴の中に
手を潜り込ませて激しく愛撫する。
「は、離せ……!」
 六太は頭を振り、何とか尚隆の体の下から逃れようともがいた。その拍子に
頭巾が取れ、長い金髪が臥牀の上に乱れて広がる。
 尚隆は服を破く勢いで六太を脱がせ、難なくうつぶせにすると上体すべてを
使って六太を押さえこんだ。六太の裸体の下に腕を差し入れて股間に手を伸ば
し、むきだしになった性器を容赦なくしごく。
「あああっ」
 慣れた尚隆に素早く的確な場所を責められ、六太は思わず臥牀の敷布をつか
んであえいだ。その一瞬、抵抗が消える。それでも六太はすぐに、懸命に体勢
を立て直そうとした。しかし尚隆は股間に潜り込ませた手を離さず、ほどなく
六太は達して力なく臥牀に横たわった。
 今のうちとばかりに尚隆は自分も服を脱いでさっさと全裸になると、力の抜
けた六太の腰を両手でつかんで引き寄せた。尻をぐいっと左右に開いて秘所を
確かめる。さっき利広にも犯された場所だ。嫌だと言いながらも、六太が自分
と交わるときと同じように利広相手にも感じていたことを思いだし、どす黒い
嫉妬に身を焦がす。
「利広相手に感じおって……!」

333(尚隆+悧角)×六太(2):2007/08/24(金) 19:59:13
 憎々しげに言うなり、それ以上の前戯を省いて、自分のものを六太に突き立
てる。あれから多少の時間が経っていたとはいえ、ふたりに犯されて快楽を味
わっていた六太の体はすぐに敏感な反応を取り戻した。
「ああん!」
 六太は敷布に顔を埋めたまま、腰をくねらせて悶えた。
「いやらしい体だな。挿れられてすぐ感じるのか」
 尚隆は冷たく言い放つと、激しく腰を振り始めた。慣れた快感が六太の下半
身を冒していく。六太は可愛らしく「ああん、ああん」と鳴きながら、さらな
る快感を求めて、主の動きに合わせて腰を揺らした。
 何しろ無体なことをされたとはいえ、しょせん彼らは恋人同士だ。相手が尚
隆であるかぎり、六太のほうは抵抗する気持ちなど簡単に失せてしまう。
 しかし尚隆のほうは、これまでなかった、あるいは意識していなかった歪ん
だ黒い感情を胸に宿していた。六太が反応すればするほど、わだかまりが大き
くなっていく。
(こいつは相手が俺でなくとも、同じように気持ちいいのだ……)
 いつもなら六太の反応を見ながら、あまり無理をさせないよう気遣うという
のに、今はまったくそんな気になれなかった。とことんまで六太を責めあげ、
抱くというよりむしろ犯すという表現がふさわしいほど乱暴な行為を続ける。
 六太は何度も絶頂に達した。そのたびごとに六太の体から力が抜けていき、
ついには四肢で体を支えきれなくなって、尻だけを尚隆に突きだした形で彼の
激情に翻弄される。
 尚隆のほうは幾度か射精はしたが、一物は抜かないままだった。いつもと違
った黒い感情に彩られているせいだろうか、精を放ってもすぐにまたそそり立
ってしまうのだ。
 長時間後ろから犯されつづけてあえぎ悶える六太を見おろし、よくわからな
い感情に捕らわれる。利広に犯されて六太が激しく感じていた光景がまざまざ
と蘇り、嫉妬に身を焦がしながらも、なぜか情欲を刺激されてますます気持ち
が高ぶった。
「……悧角。出てこい」
『ここに』

334(尚隆+悧角)×六太(3):2007/08/24(金) 20:01:47
 尚隆の命に応じ、悧角がすっと半身を床から現わした。尚隆は背後から六太
を執拗に責め立てながら悧角に命じた。六太を犯せ、と。
『主上、そ、それは』
 さすがに仰天した悧角が口ごもる。尚隆は口の端を歪めて笑った。その間に
も腰の動きは止めない。
「遠慮することはないぞ。別に六太に害があるわけでもなし、どうせ犯されれ
ばこいつは感じるのだ。いわば主に快楽をもたらせてやるだけの話だからな」
 そう言い置いて、やっと六太から自分のものを抜く。六太の体の向きを逆に
して自分のほうを向かせ、うつぶせのままの上半身を膝に乗せた。ついで大き
く股を開かせる格好にした六太の両脚をたたんで彼の体の横につけ、逃げられ
ないよう両方の膝裏に腕を入れてしっかり抱え込む。六太はちょうど、体を丸
めて悧角に対し尻を突き出す体勢になった。
「や――めろ……!」
 何をされるのかようやく気づいた六太が、力が入らないなりに必死に声を押
しだした。しかし尚隆はまったく頓着せず、悧角に向けて六太の細い腰を高く
掲げた。尻を両側から強く押し広げ、先ほどまで尚隆を受け入れていたために
主の精で濡れそぼっている箇所を白日の下にさらす。
「ほら、ここだ。早くしろ。六太が待っているぞ」
『はあ……』
 悧角は困惑した態を示しながらも床から全身を現わすと、臥牀の上、六太の
腰の両側に前脚をかけた。そして後ろ脚の間から思いのほか立派なものが現わ
れたのを見て、さすがに尚隆は驚いた。
 もっとも悧角の体格からすればむしろ小さいと言えるのだが、体格比ではな
く、単純に大きさを比較するなら、尚隆のものよりはるかに大きい。しかし以
前どこかで聞いたところによれば、妖魔には牡しかいないという。それが本当
だとすれば、この立派な一物も無用の長物というわけだ。
(ものがついているなら、その手の欲求はありそうなものだが、妖魔はどうし
ているのやら)
 尚隆の内心の興味をよそに、悧角はそそり立ったものを主の秘所にあてがっ
た。命令された結果とはいえ勃ったということは、そういう方面の欲求はいち
おうあるらしい。

335(尚隆+悧角)×六太(4):2007/08/24(金) 20:05:36
「やめ……!」
 先端が潜り込む感触に六太は必死でもがいたが、尚隆にがっしりと押さえら
れたままなのでまったく果たせない。
『台輔、失礼を』
 悧角は律儀にそう言うと、尚隆に促されるままに挿入した。
「あああああああっ!」
 六太は絶叫した。これほど巨大なものを入れられては、普通の人間なら裂け
ていたところだろう。しかし幸か不幸か六太は神仙だったし、秘所は何度も尚
隆の精を受けてぬるぬると滑っていたので、思いのほかすんなりと悧角のもの
を受け入れた。
 尚隆は興味深く悧角の反応を見ていたが、並の男と同じように、すぐに腰を
揺らしはじめたのでおかしくなった。経験があるのかどうかはわからないが、
快感は感じているらしい。
「あうっ、あうっ」
 六太はのけぞり、悧角の突きに合わせて激しくあえいだ。そのたびに、重心
の定まらない体が尚隆の膝の上で荒々しく揺れる。
「使令とはいえ、相手が妖魔でも感じるのか。この淫売め」
 尚隆はあざけるように言ったが、既に六太にその声は届いていないようだっ
た。もはやいましめから逃れようともせず、ただ激しい快感にあえいでいる。
尚隆は腕をゆるめ、六太を自由にした。しかし悦楽にとらえられている六太は
まったく抵抗せず、ずるずると尚隆の膝の上からずりおちて、背後から悧角に
犯された格好のまま臥牀の下の床に倒れ伏した。
(もしや俺とやるよりいいのか……? ふむ、おもしろくないな)
 何せ一物の大きさでは明らかに悧角に負けている。これから先、自分が不在
の折、六太が自慰で欲求を紛らわすならまだしも、悧角を相手に暗い愉悦に耽
るかもしれないと思うとおもしろくない。
 そう思いながらも、巨大な獣に小柄な美少年が無理矢理犯されて悶える淫靡
なさまは、尚隆のいっそうの情欲をあおるのに十分だった。

336(尚隆+悧角)×六太(5):2007/08/24(金) 20:08:32
 麒麟経由で天地の気脈から力を得ているというだけあって、悧角の体力は無
尽蔵に近いらしい。これが尚隆でも限界だろうと思う時間が過ぎても悧角の下
半身の動きは止まらず、さすがに尚隆が呆れ始めた時分になって、やっと動き
を止めて一物を抜いた。それで終わりかと思いきや、悧角は前脚を器用に使う
と六太の体をひっくり返して仰向けにし、既に果てて萎えていた股間に鼻面を
当ててぺろぺろと舐めはじめた。
(まったく……。何だかんだ言っておきながら、自分でもその気になったわけ
か。使令とはいえ、妖魔とはいえ、確かに男だな)
 尚隆は肩をすくめて悧角の行動を見守った。もっとも日頃から悧角は尚隆と
六太の行為を見ていたはずだから、見よう見まねでやっているのかもしれない。
 悧角の口は大きく、獣にふさわしく舌も広く長いから、六太の後ろから前に
かけて余裕で舐めあげてしまう。その刺激に六太はすぐ反応し、股間のものが
固くそそり立つ。悧角のざらざらとした舌に舐めあげられるたび、「あうっ、
はぅ、あっ、ああっ」と激しくあえぎながら、びくん、びくん、と体をくねら
せる。
 悧角はさらに腹から胸へと舌を進め、全身を丹念にたっぷりと舐めあげてか
ら、ふたたび股間に鼻面を埋めた。口を開けて飲み込むように六太のものをく
わえ込み、舌を添えたまま何度も上下させる。
「ああああああっ!」
 顎をのけぞらせて白い喉を震わせてあえいでいた六太が叫ぶなり、その体か
らくたくたっと力が抜けた。悧角は六太から体を離すと、『これにて』と言っ
て尚隆に向けて頭を下げ、現われたときと同じように床の下に消えた。
 尚隆は臥牀から床に降り立ち、六太に歩み寄った。六太は失神していた。自
分との行為でこれまで気を失ったことはないくせに――と黒い思いが染みのよ
うにどんどん心中に広がる。
 尚隆は六太の体を抱えると臥牀に戻った。意識のない体をうつぶせに寝かせ、
ふたたび腰を持ち上げてみずからのものをあてがう。そこからは悧角の精だろ
う、先ほどまでよりずっと多い白濁液が幾筋もの跡をつけて流れ出していた。
「使令に犯されて感じおって」
 尚隆は冷たく言い放つと、何の抵抗もない六太の腰を引き寄せて自分のもの
を挿入した。悧角の大きな一物を入れた後だからか、先ほどより締めつけが弱
くなっているのを感じる。

337(尚隆+悧角)×六太(6):2007/08/24(金) 20:12:35
「なるほど、もしおまえが悧角と淫靡な遊興に耽ったときは、俺にはすぐわか
るというわけだ……」
 にやり、と笑う。そうしておいてふたたび腰を使いはじめる。
 もっともさんざん出したあとだから、逆さに振ってももう出るものは何もな
い。空打ちというやつだ。しかし先ほどの、六太が悧角に犯される様子に激し
く情欲を刺激されていたせいで、六太を何度責めても、まだまだ飽きることは
なかった。
 六太は時折、ぼんやりと意識を回復した。しかし状態の如何に関わらず尚隆
がひっきりなしに責め立てたので、一度快楽の極限まで達して敏感になりすぎ
た体はもはやどんな刺激にも抗しきれず、またすぐに意識を失うのだった。
 やがて六太とつながったまま胡座をかいた尚隆は、六太の上体を反らして胸
で支えると、彼の太腿を抱えてその股を開き、ふたたび「悧角」と呼んだ。
『ここに』
「六太のものをなめろ」
『は……』
 声音は困惑を示しながらも悧角は、今度は躊躇なく命に従い、臥牀に上がる
と六太の股間に鼻面を埋めた。わずかに意識を取り戻していた六太は「ああっ
――」とあえいで腰をくねらせた。
 もっとも後ろは尚隆に根元まで挿入されたままなので、しっかり彼の腰に縫
い止められたままだ。六太はみずからの腰の動きがもたらした快感に激しくあ
えぎ、身をよじり、やがて前のめりになると、力なく悧角の背に覆いかぶさっ
た。そうして悧角の体に何とか両腕でしがみついている六太に、さらに尚隆が
覆いかぶさるようにして激しい出し入れを繰り返す。前と後ろの両方からひっ
きりなしに責められた六太は、気が遠くなるような法悦の中でまたすぐに失神
した。
 夜になって房間に酒と食べ物を用意させた尚隆は、気が触れたかのようにぼ
んやりとしている六太を片腕に抱え、臥牀の上で盃を口に当てて酒を呑ませ、
食べ物をちぎって食べさせてやった。放心している六太がうまく呑み込めなか
った酒が口の端からだらだらとこぼれ、臥牀の敷布に染みを作る。そうして少
しだけ休ませてから、ふたたび責め立てた。

338(尚隆+悧角)×六太(7/E):2007/08/24(金) 20:16:55
 意識のあるとき、六太は尚隆の動きに合わせて、自然に腰を振っていた。そ
れはもはや快感に対する条件反射だった。利広に対しても、口ではあれだけ抵
抗していたくせに、いざ挿入されたらすぐ快楽にとらえられて腰を振り始めた
ことを思い出す。悧角に至っては悦楽のあまり失神までした。
「この淫売め……」
 黒い嫉妬に捕らえられた尚隆は低くうなるように言い捨てた。自分が彼らに
六太を犯させたことは棚に上げて。
 そうして身勝手な歪んだ嫉妬に捕らえられつつも、自分以外の者に蹂躙され
る六太を見てこの上もなく興奮したことを思い出す。――あれはなかなか良か
った……。
(この白い華奢な体が、見知らぬ暴漢に力ずくで犯されるさまも良いかもしれ
んな。何人もの男たちに羽交い締めにされ、股を大きく広げさせられて前をし
ごかれ、後ろには一物をぶちこまれる。六太のことだから最初は抵抗しても、
すぐに快楽にあえいで、自分から相手の下肢に脚を絡めて腰を振り始めること
だろう。何度も頭を振って狂ったように金髪を振り乱し、相手の体にすがって
快感を求めるに違いない……)
 もっとも主がそんな扱いをされて、使令たちが黙っているとも思えない。使
令が主を性の奴隷として差し出すとしたら、王の命令があってのこと。麒麟の
生命や健康に別状がないなら、使令は王に従うのだから。
 それにそもそもいかに六太とはいえ、そこまで無体なことをされたら転変し
て逃げるかもしれない。もっとも今回は精神的に切羽詰まっていたせいで、そ
こまで思いつけなかったようだが。
(なるほど。結局のところ俺が命令すればいいわけだ。荒くれどもの巣窟に六
太を放り込んで――いや)
 舌なめずりをして、いっそう黒い空想に耽る。
(というより、男たちに無理矢理犯される六太を目の前で見るほうがそそられ
るな。それを肴に酒を呑むのも一興。そうしてとことんまで大勢に責められて
息も絶え絶えになったところを、最後に俺が犯してやろう……)
 尚隆は腰を使いながら、また意識を失った六太を冷たい目で見おろした。
「誰とでも感じるおまえが悪い……」
 いったん彼の胸に巣食いはじめた歪んだ妄想は、留まるところを知らなかっ
た。
                                 -終-

339続・後朝(前書き):2007/08/25(土) 18:04:07
酷暑に脳をやられたとはいえ、妙なものをさらしてしまったので、
ろくたんへの罪滅ぼしとして>>316-319の続きも上げておきます。

……ろくたん、好きなんです。ホント。
前のは単にいじめたくなっちゃっただけなんです……ごめん。つД`)

主な舞台が牀榻とあってそっち方面ではあるものの、
こっちは健全(?)な恋愛の延長で、単に恋人同士のいちゃいちゃのつもりです。
ただ六太の思考がかなり乙女なので、別の意味で要注意ではあるかも。

340続・後朝(1):2007/08/25(土) 18:06:29
 ほてる体を引きずるようにして、六太はいったん正寝に戻った。これから昼
餉のあと、靖州候としての政務を行なうために広徳殿に向かわなくてはならな
い。ようやく尚隆と別行動になったことにほっとしたものの、体は彼を求めて
うずいたままだったので、理性と感情の間での苦しい葛藤は続いたままだった。
以前とは違って仁重殿ではなく正寝の長楽殿で起居しなければならない現在、
どこにいても尚隆の存在感から逃れられないことが苦しさに拍車をかけている。
 その様子が傍目には具合が悪そうに見えたのだろう、付き従う官のひとりが
心配そうに「台輔、お具合でも?」と声をかけてきたが、六太は無理に笑って
「別に何でもない」と答えた。こういうとき、何気ないふりをするのは得意な
はずだったが、そもそも顔が赤くなったままだということはわかっていたので、
それで相手を納得させられたかどうかはわからなかった。
 女官たちに給仕してもらい、心身を鎮めるためにゆっくり食事を摂っている
と、ようやくのことで人心地がついた。これが慣れた男なら、さっさと手水に
でも行って自分で慰めて発散させたところだろう。しかしあいにくこの方面ば
かりはうぶな六太にそんな発想はできなかったし、時間の経過という助けを得
て、理性で強引に押さえ込む以外にすべを知らなかった。
 そうして何とか平静に戻った六太だったが、今夜のことを考えるとどうした
ら良いのかわからず、狼狽と興奮のあまりふたたび動悸が激しくなった。いっ
たんはせっかく鎮まったものを、だめだ、と自分を叱咤する。それでもつい想
像せずにはいられない。肌に刻まれた彼の愛撫が鮮やかに蘇る。
 昨夜の尚隆は優しかった。というより、無茶はしないとの言葉通り、かなり
手加減していたのだろう。あれはあくまで既成事実を作るための、彼にしては
抑えた行為だったのだ。
 愛撫の濃密さで言えば、今日の午前に執務室でされたことのほうが、時間は
短いながらもはるかに優っていたように思う。今夜、あれと同じことが起こる、
いや、尚隆の意味深な態度から察するに、もっと激しい行為をされるのではな
いか。六太はますます動揺した。
 深く激しい口づけ、体をなめまわされるときのぞくぞくする感触、敏感なと
ころを口で愛撫されるときの荒々しい快感。耳元でささやく尚隆の低い声、自
分の抵抗を簡単に押さえ込む強い四肢、鍛えられた広く逞しい胸。いよいよと
なったら、きっとあらがえない。尚隆の思うがままに翻弄されて、また悦楽へ
の道を駆け上ってしまう。
 体はほてり、顔はますます赤くなり、がんがんと耳鳴りさえ聞こえてくるよ
うだ。

341続・後朝(2):2007/08/25(土) 18:08:36
 優しくしてくれるだろうか、昨夜と同じように、何度も好きだとささやいて
抱きしめてくれるだろうか。
 動揺しながらも、いつしか期待が心に忍び込む。それと同時に、抑えようも
ない不安にさいなまれる。
 そもそも尚隆とこんな関係になるとはまったく想像していなかった。これま
では片思いだと思っていたし肉体関係もなかったから、それを秘めることで何
とかなっていた。しかしこのままでは自分は尚隆から離れられなくなる。そし
てこの想いがもし麒麟ゆえであるとしたら、自分が心変わりすることはないだ
ろう。だが尚隆は違う。いつか尚隆が離れていくことになったとき、その衝撃
にきっと自分は耐えられない……。
 そう考えると、六太は底なし沼に足をすくわれたような絶望した気分になる
のだった。
 ひどい、と尚隆を恋いながらも恨む。自分をこんなふうにするなんて。秘め
たままの想いでさえあれば、幾夜枕を涙で濡らそうと、人前ではずっと自分を
抑えていられたのに。
 でももう引き返せない。抜け出せない。恋という名の深い深い底なし沼に身
も心も捕らわれてしまった……。

 六太がわざわざ大司寇府までやってきて「仕事はないか」と問うたので、秋
官長大司寇の朱衡は驚くとともに困惑してしまった。こんなことは過去五百年
の間に一度もない。それに神出鬼没の宰輔ではあったが、これまではむしろ面
倒事を背負い込むのはごめんとばかりに府邸を避けていると言って良かった。
もともと宰輔がみずから大司寇府に赴く道理はないし、自分から、それも仕事
を求めてやってくるなど、自慢ではないが雁国の宰輔に限っては絶対にありえ
ない。
 むろんこのたびの事件をきっかけに仕事熱心になってくれたのなら良いこと
ではあるが、朱衡にはどうにも信じられなかった。今朝の朝議での様子と言い、
何かある。
「台輔、こちらへ」
 とりあえず椅子を勧めて座らせてから、六太の硬い表情を覗きこむ。
「いかがなさいました? 靖州府での政務はお済みで?」
「うん、官や令尹が頑張ってくれてるから、あんまりたまってないし、それに
まだ休んでいろって言われて」

342続・後朝(3):2007/08/25(土) 18:10:52
「それはそうでしょう。無理をしてお体に障ってはいけません。仕事の量は黄
医の判断をあおぎながらおいおい増やしていくとして、今日はそろそろ正寝に
お戻りになっては?」
 途端に六太がぎくりとして椅子の肘掛けを強くつかんだので、朱衡は、おや、
と思った。
「い、いや、でも俺、おまえたちにも長いこと迷惑かけたし、そのっ」
「お体が完全に良くなったら、いくらでも仕事を差し上げますよ」
 朱衡が笑いながら揶揄するように言ったが、それでも六太は必死の様子で食
い下がった。
「ええと、あ、ほら、明後日の朝議は秋官の担当だろ? 実際の奏上の前に今
のうちに草案を見ておいたほうが何かと――」
「こんなところにいたのか、六太。捜したぞ」
 執務室の扉の開く音が聞こえるなり不意に王の声が堂室に響き、六太は反射
的に椅子から立ち上がった。その白い顔が見る見るうちに朱に染まる。
「どういう風の吹き回しだ、おまえが内朝にやってくるとは」
 そういって扉の前の衝立の影から尚隆が姿を見せ、つかつかとふたりに歩み
寄った。いったんは立ち上がった六太は後ずさり、その拍子に背後の椅子に当
たって体勢を崩し、へなへなとまた椅子に座りこんだ。
「何をしている。もうおまえの政務は終わったのだろう」
「あ、いや、そのっ」六太はあたふたと腕を泳がせた。「ほら俺、長いこと眠
っていたし、その間にたまっている仕事があるみたいだから――な、朱衡?」
 六太はすがるように朱衡を見た。尚隆が眉根を寄せ、こちらは問うように朱
衡を見る。
 どうやら六太が正寝に戻りたくないらしいことを悟った朱衡は迷った。理由
があるなら、六太の望み通りに口裏を合わせてもいいと思ったからだ。
 しかし尚隆は彼の返答を待たず、呆れたように六太に言った。
「急ぎの仕事は冢宰や靖州の令尹がうまく計らったはずだろう。それにおまえ
はまだ無理は禁物だ。夕餉も食っておらんくせに。さっさと正寝に帰るぞ」
 そう言って六太の腕を取り、そのまま連れていこうとする。六太は赤い顔の
まま助けを求めるように「朱衡!」と叫んだが、事情のわからない朱衡は立ち
つくすしかない。しかも六太が本気で嫌がっているならともかく、どうしてか
狼狽と羞恥から抵抗しているだけに過ぎないのは見て取れたので、仕方なく尚
隆の好きにさせた。

343続・後朝(4):2007/08/25(土) 18:13:31
 腕を引っ張られて立ち上がり、強引に肩を抱かれて連れて行かれそうになっ
た六太は、それでも一縷の望みを託すようにもう一度朱衡を振り返った。その
顔と仕草に、今までにない艶めいた趣が彩っている。
 その瞬間、まさかと思いながらも、朱衡はぴんと来た。いや、朝議の際も考
えないではなかったが、何しろ五百年もの間、この主従の間に色めいた話はな
かったのだ。あのときは何かの間違いだろうと思い、その可能性を頭から振り
払ったのだが……。
 そのとき、あくまであらがおうとする六太を面倒に思ったのか、尚隆がいき
なりその小柄な体を抱きあげた。
「わあっ!」
 思わず叫んだ六太を意に介さず、尚隆はそのまま堂室からさっさと歩き去る。
 後に残された朱衡は、言葉を失って立ちつくした。目をしばたたき、どうし
たものかと考えるが、何しろ王のすることだ。それに六太が本気で嫌がってい
ないのなら、自分ごときの出る幕はない。
「まったく、あの方々は……」
 溜息をつきながら、六太の様子がおかしかったのは今朝になってからなので、
事が起きたのは昨夜だと見当をつけた。そうしてこの事態がいったいどう転ぶ
のだろうと、少々不安を覚えた。
 一方、六太のほうは、尚隆に抱えられたままで正寝に続く道をたどっていた。
「お、おろせよ。おろせってばっ」
 何度も言うが、尚隆は一向に聞き入れない。すれちがう官たちの、表面的に
は畏まっている興味本位の視線を痛いほど感じ、六太は小声で必死に頼み込ん
だ。
「ほ、ほら、みんな訝しそうに見てるじゃんか! 変に思われるぞ、なっ?」
「何を言う」尚隆は澄まして答えた。「まだおまえがうまく歩けなかった時分
も、俺がこうして抱えて、何度も政務に連れていってやったのだろうが。今さ
らだ。それより騒ぐと余計不審に思われるぞ」
 六太は反論できず、ぐっと言葉を飲み込んだ。こんなことなら、おとなしく
腕を取られてついていけば良かったと後悔する。たかだか内朝から戻るだけの
ことなのに、このときほど正寝への道のりを長く感じたことはなかった。

344続・後朝(5):2007/08/25(土) 18:16:05
 夕餉と湯浴みをすませたあと、女官たちが退出してついに臥室で尚隆とふた
りきりになると、六太はもうどうしていいのかわからなかった。酒肴を運ばせ
てちびちびとやっていた尚隆はふと、榻の端でうつむいて座っている六太に向
けて酒杯を傾けて言った。
「おまえもやるか?」
 六太はうつむいたまま首を振った。
「そうか。ま、俺は少しくらい酒が入ったほうがもちが良いのでな」
 その言葉の淫靡な響きに、六太はますますうろたえた。尚隆はその反応を楽
しむかのように目を細めて六太を眺めた。そうしてから、おもむろに軽く音を
立てて酒杯を置いて立ち上がる。その音に六太はびくっとなった。
 榻の前に立った尚隆は、六太の腕を取って「来い」と言った。その強い力に
六太があらがえるはずもなく、あっという間に牀榻の奥に連れ込まれるなり、
主の腕に抱え込まれていた。
 尚隆は抵抗する隙を与えず、さっさと六太の被衫の帯を解き、前をはだけて
肩までむき出しにした。袖に腕が取られたままなので、六太は却って身動きが
取れない。
「今朝は途中だったからな」
 そう言いながら尚隆は、六太の股間に手を潜り込ませると遠慮なくまさぐっ
た。既に固く勃っていたそこを大胆になでまわす。六太は息を飲んだ。
「あのあとはどうした? 自分で慰めたか?」
「自分、で……?」あえぎそうになるのを抑えながら六太は問うた。
「もしやと思ったが、やはり知らんのか? 自慰と言ってな、大抵の男はする
ものだぞ。自分でここを慰めるわけだ」
「あっ……!」
 竿の部分をさするように軽く握られ、先端の敏感な部分を指の腹でそっとな
でられた六太は、びくん、とのけぞった。だが尚隆はそのまま手を離してしま
った。
「尚隆……」
 六太は潤んだ目で、ねだるように彼の腕をつかんだ。しかし尚隆は「自分で
やってみろ」と言った。
「だ、だって」
「恥ずかしいか? 大抵の男がやっていることだと言ったろう。あの朱衡だっ
てやっているはずだぞ」
「えっ……」

345続・後朝(6):2007/08/25(土) 18:22:56
 これには六太も心底驚いた。朱衡が自慰をしている姿などまったく想像でき
ない。本気で驚いている様子に尚隆は苦笑した。
「まあ、むろん見たことはないから推測にすぎんが、自慰を知らん男なぞ、滅
多におらんはずだからな。それにあれはどう見ても枯れてはおらんから、適当
にやっているだろう。これくらい、男にとっては排泄行為の一種にすぎん」
 尚隆は被衫を完全に脱がせると、六太の手を取って無理にその股間に触らせ
た。そのまま強引に六太の手を動かして、股間のものを大胆にしごかせる。
「あっ――ああっ……!」
 既に敏感になっていた六太のそこに、容易に快感が蘇る。尚隆に触られずと
も自分の手でも感じるという事実が、うぶな六太には意外だった。
 六太はあえぎながら、押し寄せてくる快感に首を振り身をよじった。何しろ
今日は一日中、尚隆の愛撫で引き起こされた体のうずきに耐えていたのだ。や
っとのことでその苦しみから解放されると思うと、ついに尚隆の手を離れて、
自分の両手だけで激しくしごきだした。そうしていざ触れてみれば自分のもの
であるだけに、どこをどう触れば気持ちが良いのかすぐわかるのだった。
「はあっ、あっ、ん、あんっ」
 美しい金髪を乱して自慰に熱中する、あまりにも淫らな幼い麒麟の姿に、尚
隆はごくりと唾を飲んだ。自分も全裸になって六太を後ろから抱きしめながら、
「気持ちいいだろう?」とささやいて耳たぶをかむ。そのぞくぞくするほど卑
猥な低音の響きに、六太はあっけなく達した。
「うっ!」
 動きを止めてうめくなり、六太のものが彼自身の手の中でびくんびくんと震
え、放たれた精が掌と太腿を汚した。熱い吐息を漏らした六太は、手をだらり
と離して尚隆に力なくよりかかった。
 尚隆は六太の太腿に手を伸ばすと飛び散った精液に指をこすりつけて目の前
で見せ、「たくさん出たな、ん?」とささやいた。そうして指先についた精液
をぺろりとなめとると、ついでその指を含めた二本を六太の口に強引に押し込
んでくわえさせ「しゃぶれ」と言った。
「これでおまえも一人前に自慰を覚えたな。俺がいなくて寂しいときは、自分
で慰めるんだぞ?」
 そう言ってもう一方の手で六太の濡れた股間を再度愛撫する。そうして精液
にまみれた手を伸ばしてさらに奥に進め、尚隆を受け入れることのできる場所
をさぐる。感触を確かめるように指先を挿入すると、ぐるりと円を描いて少し
広げるように動かしただけで抜き、ふたたび前に戻って性器をなでまわす。

346続・後朝(7):2007/08/25(土) 18:26:03
「ん、んんっ」
 指をくわえさせられているせいで、あえぐこともできずに六太はうめいた。
尚隆はふたたび手を奥に進め、今度は指を二本挿入して、押し広げるように動
かしながら第二関節まで入れた。
「おまえの中は熱くて締まりが良いな。昨夜も良かったが、今夜もまた楽しめ
そうだ」
 尚隆が腕を前から後ろに回しているので、指で奥を探られるたびに性器が彼
の腕にこすれる。声を上げたいのに上げられず、六太は焦れた。
「気持ちいいか? ん?」指を六太の口から抜いて問う尚隆。
「あ……。はぁ、あ……」六太は背を預けたまま体を小刻みに震わせてあえい
だ。
「気持ちいいと言ってみろ。ほら」
「き、気持ち、いい……あ……」
 尚隆は後ろに入れていた指を動かしながら、柔らかい肉壁の中をさらに奥に
進めた。根元まで入れるとそのまま指先を内側に折り曲げ、指の腹で付近の肉
壁を探るようにこする。途端に六太の体が跳ねるようにびくん!となり、背を
弓なりにそらした。
「ああっ!」
 前をいじられたときとはまったく異なり、腰全体にうねるような快感が走る。
六太は目を見開き口を大きく開けてあえいだ。唐突に訪れた予想外の悦楽に、
髪を乱して激しく頭を振る。
「ここか?」
 尚隆はすかさず、六太が反応した箇所を攻める。
「だ、だめっ、だめっ――ああああっ、あっ、ああ――っ!」
 とめどなく嬌声がほとばしる。その反応の思いがけない激しさに尚隆は目を
細めた。
 この幼い体が愛撫に慣れるまで、しばらく無理をさせられないと思っていた
が、昨日の今日でここまで感じるものなら遠慮はいらないか、と考える。もと
もと敏感な体質なのか、あるいは王に触れられているせいなのか。
「ちょっと指を抜くぞ」
 そう言い置くと、六太の腰が跳ねないようもう一方の腕で強く押さえ込んで
から、指をそろりと引き抜く。六太はほっとして「ああ……」と大きく吐息を
ついて頭を垂れた。

347続・後朝(8):2007/08/25(土) 18:31:07
 しかし指を抜かれても、その下半身に快感は強く残ったままだった。六太に
は、なぜこんなことをされて、前をいじられるより気持ち良く感じるのかわか
らない。それに昨夜は同じことをされても、むしろ気分の悪さが先に立ったと
いうのに。
 尚隆はぐったりとしている六太を仰向けに寝かせると、股を大きく開かせ、
太腿の間に自分の腰を進めた。そうしておいて六太の両足を自分の肩にかけて
細い腰を軽く持ち上げ、自分のそそりたったものの先端を目当ての場所にあて
がう。反応を確かめるようにちらりと六太の顔を見やってから、そのままゆっ
くり挿入する。
「あっ……!」
 仰向けになったまま、六太はのけぞった。快楽に耐えるように指は強く敷布
をつかんでいる。様子を見ながら半分ほど入れた尚隆は、特に問題はなさそう
だと判断して一気に根元まで挿入した。
「はっ……!」
 六太はあえいで息を飲んだ。すぐにゆっくりと腰を動かし始めた尚隆は、
「どうだ? 感じるか?」と問うた。
 うねるような快感の波に襲われて顔をそむけた六太は、ぶるぶると震える手
で敷布を持ち上げてつかんだまま、荒い呼吸を繰り返すだけで答えなかった。
尚隆はすぐに動きを早め、激しく突き上げた。こすれる感触のあまりの具合の
良さ、絶妙な締めつけに、さすがの彼もともすれば気が遠くなりそうで、意識
して自分を強く抑えなければ六太の華奢な体を乱暴に扱ってしまいそうだった。
「あああっ!」
「感じるんだな。俺に犯されて、すごく気持ちいいのだろう?」
 みずからも激しくあえぎながら、卑猥な言葉を投げつける。
「うっ……。この締まり具合はたまらんな……。引き抜くとき、おまえのここ
は肉壁が吸い付いてくるようだぞ。そんなに俺を離したくないか? ん?」
 既に行為に没頭している六太には何も答えられなかった。目を瞑って顎をの
けぞらせ、体をくねらせて、「ああん、あんっ」とあえぎながら腰を激しく振
るだけ。
 これほどまでに凄まじい快感を六太は知らない。その快楽の中で彼は、頼る
ものもなく荒れ狂う嵐に飲み込まれる一艘の小舟に過ぎなかった。逆巻く怒濤
に翻弄されては叩かれ、烈風に煽られては横倒しになり、ついには板一枚に至
るまで粉砕されて嵐に飲み込まれる。

348続・後朝(9):2007/08/25(土) 18:33:16
「そうだ、うまいぞ、六太……。もっと腰を振れ。もっと気持ち良くなるぞ――」
 自分の体の下で激しく乱れる六太の痴態に、尚隆の行為もますます過激にな
っていく。こうなったらとことん追いつめてやろうと意地悪く考える。――こ
の悦楽の前に、理性など吹き飛ばしてしまうがいい。
 これまで無数の女を抱いてきたというのに、彼はこれほど相性の良い体に巡
り会ったことはない。年端もいかない未熟な体、それも同性である男だという
のに、どれも悦楽に達するための制約にはなりえないとは。まさに尚隆のため
にあつらえられたかのような体だった。
 あるいはこれも天帝とやらが仕組んだことか、と皮肉な考えがちらりとかす
める。王に対する褒美だとでも言うのか。それともこの快楽を手放したくない
なら、いっそうの治世に励めと。
 まあいい、と荒々しく腰を使いながら、彼はさらに六太を追い込んでいった。
天帝の思惑など知ったことか。今、こうして互いを想う気持ちに嘘偽りはない
のだから。
 容赦のない突き上げにさらされて、下半身全体を快楽に冒された六太の反応
は激しかった。その有様に尚隆自身も煽られ、もう余計なことは何も考えない。
 ほどなく六太は絶頂に達し、尚隆の体の下で「あああああああ――!」と絶
叫した。びくんびくん、と波打つように体を震わせると、力なく褥に横たわる。
同時に尚隆も果てる。六太から自分のものを引き抜き、どろりとした白濁液が
中から伝うのを見て、尚隆はこの上もない満足を覚えた。
 ――六太は俺のものだ。爪先から頭の先まで、髪一本に至るまで。
 尚隆はその目に強い所有欲をみなぎらせて、だらりと四肢を投げ出して放心
している六太を見おろした。そのまま細い体を抱きしめ、絹糸のような髪に幾
度も強く唇を押しつけて感触を楽しみながらささやいた。
「ずいぶん感じていたな。そんなに良かったか?」
「あ……。尚隆……」
 六太は力の抜けた腕を恋人の首に回してしがみついた。いまだあえいでいる
その口元を、尚隆は優しくついばむ。やがて接吻は次第に深くなっていき、互
いに脚をからめあって激しく抱き合った。

349続・後朝(10/E):2007/08/25(土) 18:36:52
「尚隆……。俺を、好き……?」接吻の合間に息を乱しながら、六太は問いか
けた。
「ああ、好きだ。だからおまえがほしい。おまえを離したくない。俺の腕の中
でおまえが乱れるとぞくぞくする。下で誰と遊ぼうと、この褥で抱いたのはお
まえだけなんだぞ。わかっておるか?」
「うん……。尚隆、俺、嬉しい……」
 そう素直に言っていっそうしがみつく六太を、尚隆もさらに強く抱きしめ、
「可愛いやつめ」とささやいた。
 人は時に苦難を分かち合うことで心を近くするが、それは快楽であっても同
じこと。いずれも激しい感情を伴うからだ。恋人同士が快楽を分かち合うこと
はすなわち絆を深めることと同義だった。
 行為の前に六太の心にあった迷いは既に失せていた。こうして尚隆に抱きし
められていると、なぜか不思議なほど幸せで、他のことなどもうどうでもいい
とさえ思えた。もし将来、尚隆が離れていったら自分は壊れるだけだ。それで
いい。
 幾度も激しく愛し合ったあと、やがて疲れ切って恋人の優しい腕の中で眠り
に落ちた六太は、生まれて初めて心から幸せだと思った。       -終-

350名無しさん:2007/08/25(土) 21:41:03
尚隆の鬼畜小説をあげたあと、ちゃんとフォローもしてくれるなんて姐さん大好きだ(*´∀`*)
相変わらずエロくて幸せ
乙女なろくたん萌え、嫉妬のあまり鬼畜入っちゃう尚隆も萌え

351名無しさん:2007/08/26(日) 09:04:57
>>350
どうもです。やっぱりろくたんをいじめたままというのは心苦しくて……。
>>332-338は真夏の夜の夢ということでよろしく。すべては地球温暖化のせい(ぇ)。
自分の中の尚六は、本当は熱烈ラブラブなんですぅ……。

というわけで書いたぶんの大半を上げたのでROMに戻りますね♥

352名無しさん:2007/08/27(月) 21:02:25
姐さん寂しいよ
ROMに戻っても、ネタ思いついたら時々あげてくださいつД`)

353351:2007/08/28(火) 19:32:44
ありがとうございます。
くだらないのも含めてネタ自体はまだまだあるので、
あまりにも過疎っているようなら、こっそり投下に寄らせてもらうことにします♥

354名無しさん:2007/08/28(火) 21:09:46
先週から仲間入りした新参ものです。
細かな心理描写と想像の3年先を行くエロ描写、クオリティの高さに脱毛です!

>>353
首を長くしてお待ちしてまっす!

355秘密の儀式(驍宗×泰麒):前書き:2007/09/05(水) 21:42:03
なぜか驍宗×泰麒の初H話ができちゃったので置いて行きます。
尚六者の自分は別に戴主従に興味ないのにどうしたことやら。
酷暑の間に既に頭のネジが数本飛んでいたのかも。

おまけにすべてHのための設定なので、恋愛ではなく単なるエロ話です。
その割には行為になだれこむまでの説明がくどくてエロっぽくなかったり。
それでもどうせならもう少しきちんと説明をしたかったんですが……力つきました。

大した内容ではありませんが、この程度でも良ければ
戴主従派の方に差し上げますので、煮るなり焼くなり、あとはお好きにどうぞ♪

356秘密の儀式(驍宗×泰麒)1:2007/09/05(水) 21:44:05
 まだ夜が更けたというには早い時分だったが、幼い泰麒にとってはそろそろ
寝る刻限だったため、長楽殿から女官が使いにやってきたことに驚いた。
「台輔、主上がお召しでございます」
 人払いをして泰麒に用向きを伝えたその年配の女性は、普段からいかめしく
近寄りがたい雰囲気だったので、正直なところ泰麒は苦手だった。しかし驍宗
の信任がもっとも厚い古株の女官であるのは確かだったから、特に疑問もなく、
何か驍宗が知らせたいこと――残念ながら、相談したいこと、ではない――で
もあるのだろうと見当をつけた。
「もう今日は遅いですよね。何か急ぎのご用なのかしら?」
「台輔に内密にお知らせしたことがおありとのことです。とても重要なことで
すので、すぐに長楽殿においでになるように、と」
「そんなに大変なことなの? 驍宗さまに何か良くないことでも?」
 泰麒は青ざめて小さな拳を握りしめた。しかし女官は首を振り、泰麒の懸念
を否定した。
「いえ、秘密の儀式のことですので、どうぞご案じなさいませぬよう」
「秘密の……儀式?」
「わたくしにはこれ以上のことは。あとはどうぞ長楽殿においでになって、主
上に直接お尋ねなさいまし」
「あ……。はい、そうします」
 泰麒は慌てて、着崩していた衣服を整えた。人払いのために身の回りの世話
をする女官たちを下がらせてしまったあとだし、内密にとのことだったので、
目の前の使いの女官ひとりに手伝ってもらって何とか身支度を整える。
 件の女官に先導してもらって仁重殿の主殿を出ると、穏やかな夜風が心地よ
かった。こんな時刻に出歩くことは滅多になかったから、暗い中、園林の背の
高い木々に埋もれるようにしているたくさんの屋根が、ほのかに月光を反射し
ているさまが物珍しい。蓬莱で馴染んだ街灯のようなものはひとつもなく、人
気のない石畳をたどる足元を照らすのは、月明かりと女官の持つ灯籠のやわら
かい光のみ。
 無言で女官のあとに続きながら泰麒は、秘密の儀式とはいったい何だろうと
考えた。宰輔が王とともに執り行う儀式は、即位式の前後ですべて済んだはず
だけれど、秘密というからには公に執り行われるものよりもずっと大切なもの
に違いない。果たして自分にうまくできるだろうか。小さな胸に不安がよぎっ
た。

357秘密の儀式(驍宗×泰麒)2:2007/09/05(水) 21:46:40
 長楽殿に着くと、優しげなひとりの女官がひっそりと出迎えてくれた。しか
しそこで「湯浴みの用意がととのっております。どうぞこちらへ」と告げられ
たので、泰麒はびっくりした。
 戴には毎日入浴する習慣はない。顔や手足は毎朝毎晩清めるとしても、湯に
つかるのは数日に一度程度なのだ。蓬莱では毎日風呂を使い、蓬山でも日常的
に水浴びをしていた泰麒からすれば馴染みにくいことだったが、おそらく戴の
気候が乾いて寒いせいなのだろう。確かに汗をかいて洗い流したいと思うこと
も少なかったし、そのため体が汚れて気持ちが悪いと思うこともなかった。
 泰麒は昨夜入浴したばかりだったし、あまり頻繁に湯を使っても却って湯冷
めをすると女官たちが気をもんでしまうくらいだ。だから長楽殿を訪れるなり
湯を使うように言われて驚いても無理はなかった。そもそも自分の住まいであ
る仁重殿以外で湯浴みをするなど、普通では考えられない。しかも自分は大事
な要件で王に呼ばれてきたはずなのに、こんなところでぐずぐずしていていい
のだろうか。
 泰麒の疑問を感じ取ったのだろう、出迎えの側の女官が「儀式の前にお体を
清めねばなりませんので」と教えてくれた。
「そんなに大事な儀式なんですか……」
 泰麒は緊張で声を震わせた。白圭宮に来てから今までうんざりするくらい儀
式に臨んだが、直前に湯浴みをした覚えはない。教えてくれた女官が安心させ
るようにほほえんだ。
「ご案じなさいますな。すべて主上が良いように取りはからってくださいます」
「は、はい」
 そうは言われても、王の私室である長楽殿の湯殿を使うとあっては、緊張し
ないほうがおかしい。ふたりの女官に手伝ってもらって体の隅々まで清めても
らい、ゆったりとした被衫を着せられると、泰麒は気疲れしてぐったりと榻に
座りこんだ。後ろから髪を拭いてくれている女官に問う。
「あのう……。ぼく、被衫を着せてもらったけどこれでいいのかしら? それ
ともこれからまた別の服に着替えるの?」
「このまま主上の臥室にお連れいたします。あとは主上が」
「はい……」
 泰麒はよくわからないなりにうなずいた。驍宗の臥室に入ったことなどない。
それに儀式を臥室で行うとでもいうのだろうか。もっとも秘密で執り行うとい
うのなら、王の臥室ほどうってつけの場所もないのかもしれないが……。

358秘密の儀式(驍宗×泰麒)3:2007/09/05(水) 21:49:17
 ふたりの女官に連れられて、泰麒は緊張した面持ちで驍宗の臥室に赴いた。
人払いをしてあるのだろう、ここまで他の女官にも侍官にも会うことなく、長
楽殿の最奥へたどりつく。年配のほうの女官が、中にいるはずの王の許可を得
ることなく黙って扉を開くと、房間に入るよう泰麒を促した。泰麒が中に足を
踏み入れると、彼女たち自身は廊屋に留まったまま扉を閉めてしまった。泰麒
は気後れしながらも、ほとんど灯りが消されていたためにほの暗い中をおずお
ずと奥に進んでいった。泰麒と同じように楽な被衫姿で髪をほどいた驍宗が榻
に座っているのに気づいてほっとする。
「驍宗さま……」
「うむ。夜遅くにすまないな、蒿里」
「いえ、そんなことはありません」
 普段は恐ろしいと感じるほど覇気に溢れた王だったが、今はむしろ柔らかい
印象のほうが勝っていたので泰麒は安心した。儀式について不安なのは変わら
なかったけれど。
「あのう。秘密の儀式って何をするんですか? ここでやるんですか? それ
とも別のところで?」
「あー……。それは、だな」
 驍宗にしては珍しく口ごもった。彼は手招いて泰麒を自分の隣に座らせると、
大きな手を泰麒の肩に回して自分に抱き寄せた。そんなことをされたのは初め
てなので、なぜか泰麒は恥ずかしくなって顔を赤らめた。
「麒麟は民意の具現と言われているのは知っているだろう」
「はい」
「民の思いが麒麟の言動に表れるということだな。それは民から麒麟へという
一方通行ではなく、逆に麒麟がいい思いをしても、それが民の側に反映される
とも言われている。だから王は、麒麟がいい思いをするように気を配らなけれ
ばならないのだ」
「そうなんですか……」
 泰麒は感心してうなずいた。そう言われてみればわかるような気もする。
「それで各国の王は、麒麟にいい思いをしてもらうべく秘密の儀式を執り行う
のだ。ただし、これはそれぞれの王宮の秘儀なので、詳細は当の王と宰輔以外
は知らぬことになっている。礼儀上、それに触れることも尋ねることもしない。
秘儀だからな」
「はい」

359秘密の儀式(驍宗×泰麒)4:2007/09/05(水) 21:51:49
「そこで、だ。おまえも白圭宮に慣れたろうし、そろそろ戴でも秘密の儀式を
執り行って、民に良いことが起こるように祈念せねばと思ってな」
「はい、わかりました。ぼくは何をすればいいんですか?」
「あー……」驍宗はなぜか顔を赤くして、頭をかいた。「そのう、もしかした
らおまえは嫌がるかもしれないが……」
「そんなことはありません。民のためになるんですから、ぼく、一生懸命やり
ます」
「そ、そうか」
 驍宗はどもりながら、懸命に言葉をつなげた。普段の王らしからぬ様子に泰
麒は不思議に思ったが、それほど大事な儀式なら無理もないとも思った。
「実はおまえは何もしなくていいのだ。この儀式は王が麒麟に奉仕するものな
のだからな。おまえは何も気にせず、じっとしていればいいのだ」
「そうなんですか?」
 泰麒はびっくりしたけれども、内心でほっとした。儀式と名のつくものはす
べからく緊張したし、そもそも手順を間違えるのは嫌だったからだ。しかもそ
れが民のための大事な儀式とあっては。
「あー、その、何だ、この儀式は私とおまえが臥牀で行なうのだが、こうして
体をくっつけあったり、なでたりするので、その、あまり驚かないでほしいの
だが」
「はい、大丈夫です」
「そ、そうか。では、その、始めると、するか」
 そう言うなり立ち上がった驍宗に抱えられたので泰麒はびっくりしした。し
かしあまり驚かないでほしいと言われたばかりだったので我慢して、落ちない
ように驍宗にしがみついた。その拍子に主の顔を見上げると、先ほどよりずっ
と顔を赤くしていたので意外に思ったが、これほど大事な儀式の前ではさすが
の驍宗も緊張するのだと納得した。
 牀榻の奥の臥牀に横たえられた泰麒は、驍宗が震える手で泰麒の被衫の紐を
ほどくのを驚いて見守った。
「驍宗さま、あのう……」
「こ、蒿里、この儀式はな、王も宰輔も裸で行なうものなのだ」
「えっ……」
「案ずるな。灯りが暗いゆえ、そうはっきりとは見えぬ。すべて民のためだ」
「は、はい」

360秘密の儀式(驍宗×泰麒)5:2007/09/05(水) 21:54:20
 泰麒は驍宗と同じように顔を赤くして答えた。そうこうしているうちにすっ
かり脱がされてしまい、一糸まとわぬ姿で驍宗に組み敷かれている格好となっ
た。ついで驍宗は自分も被衫を脱ぎ、鍛え上げられた逞しい体を泰麒の前にあ
らわにした。むろん泰麒は王の全裸など見たことはない。泰麒はさすがに恥ず
かしさのあまり顔を背けた。体がほてり、心臓がどきどきする。
 王の手が泰麒の胸から腰にかけて、幾度もゆっくりとなでていった。泰麒は
くすぐったさと、なぜか背筋に走ったわけのわからない感覚に身を震わせた。
「だ、大丈夫だ。麒麟が気持ちよくなるための儀式なのだからな」
 そう告げる驍宗の呼吸がやけに荒い。彼は泰麒をつぶさぬよう四肢で体重を
支えながら、その胸と腰を泰麒のなめらかな肌に強く押しつけ、そのまま前後
に激しくこすりはじめた。肌と肌がこすれる熱い感覚、驍宗の唇が顔や耳をせ
わしなく這う感触に、泰麒は我知らず甘い吐息を漏らし、主の首に腕を回して
しがみついた。
「驍宗さま……」
「う、うむ」
 驍宗はいっそう呼吸を荒くすると、泰麒の頭をかかえ、その愛らしい唇に自
分の口を押しつけた。泰麒は驍宗の舌が潜り込んでくる感触に驚いたが抵抗は
しなかった。これは大事な儀式なのだ。
 それでも懐かしい蓬莱の記憶で、これは接吻というものではなかったか、と
いう思いがよぎったが、驍宗に幾度も舌を吸われ、口腔内を隅々までなめられ
るうちにどうでも良くなってしまった。耳の穴を、首筋をなめられ、乳首を舌
と指先でひっきりなしにいじられ、体がどんどん熱くなっていく。下半身に集
まった熱が今にも爆発しそうだった。
「ああ――驍宗さまぁ……!」
 背を弓なりにしならせた泰麒は、股を大きく開いて驍宗の逞しい腰に脚をか
らませ、熱くて熱くてどうしようもなくなった中心を主の腰にこすりつけた。
「ぼ、ぼく――何だか変です。とっても熱くて――気持ちいい――」
「それでいいのだ、蒿里。私はおまえを気持ちよくしたいのだから」
 驍宗は腰にからみついている泰麒の脚をふりほどくと、可愛らしく勃ってい
たそこを大きな掌でまさぐり、荒々しくこすり始めた。泰麒は「ああ!」と快
楽の声を上げてのけぞった。みずからも主の手に股間を押しつけて激しく腰を
振る。
「驍宗さま、驍宗さま――っ!」

361秘密の儀式(驍宗×泰麒)6:2007/09/05(水) 21:57:29
 やがて泰麒は大きく体を震わせると不意に腰の動きを止めた。驍宗に愛撫さ
れていた股間がいっそう激しく脈動して何かを吐き出すのを感じ、それと同時
に、これまで味わったことのない快感に襲われて身を震わせた。快感が走り抜
けたあとは途端に力が抜けてしまい、臥牀に横たわった。驍宗は嬉しそうにさ
さやいた。
「うむ。おまえくらいの年だとまだ出ないかと思ったが、なかなか立派なもの
だ」
 泰麒はその言葉の意味を理解できなかったものの、お漏らしをしてしまった
のはわかったので恥ずかしくなった。主がやけに嬉しそうなのが救いだったが。
「驍宗さま、あの、ぼく……。すみません、漏らしちゃった、みたい……」
「いや、違うぞ、蒿里。これは小水を漏らしたわけではない。何よりすごく気
持ち良かったろう?」
「はい……」
「これはな、おまえが大人になったという証なのだ」
「じゃあ、ぼく、変なことしてないんですね?」ほっとして尋ねる。
「していないとも。おまえは立派に儀式を行なったのだ」
 泰麒は褒められて嬉しくなったが、それではこれで儀式は終わりなのだと思
うと残念だった。驍宗に抱きしめられるのは快感だったし、何よりも今まで経
験したことのないほどいい気持ちになれた。しかもそれは民のためになるのだ。
「あのう。これでもう終わりなんですか?」
「いや、まだ半分ほどだ」
「そうですか」
 晴れやかな思いが声音に混じる。ではもっと気持ちいいことをしてもらえる
のだ、と思うと泰麒の胸はまた高鳴った。
 驍宗は泰麒をうつぶせにすると、可愛らしい尻を左右から押し開いた。顔を
近づけ蕾をぞろりとなめあげる。
「あっ……!」
 背筋から脳天にかけて電撃のような快感が走り、泰麒は小さく叫んだ。驍宗
に後ろを丹念になめられるたびに、火花が散るような衝撃と快感に冒されて全
身を震わせた。先ほどと違って前をいじられていないというのに、股間がまた
勝手に熱を持っていく。
 泰麒は思わず、すがるものがほしくて枕を抱え込んだ。驍宗がなめるだけで
なく舌の先をねっとりと挿入してきたときは、まるで雷に打たれたかのようで、
常世の果てまで駆けてしまうのではと思われるほどのすさまじい快感に激しく
あえぎ、ささやかな精をあっけなく放出した。

362秘密の儀式(驍宗×泰麒)7:2007/09/05(水) 21:59:35
 驍宗は枕を抱きしめたままあえいでいる泰麒の腰を両手でつかむと、唾液で
濡れそぼった蕾に自分の逞しい一物を押しつけた。固くなった先端を少しだけ
挿入し、円を描くようにぐるりと腰を回して入口を刺激する。
「ああ……あ……」
 あまりの気持ちよさに泰麒はあえぎっぱなしだった。しかし驍宗が本格的に
挿入してくると大して快感を感じなかったため、泰麒は戸惑った。自分は気持
ちよくならなくてはいけないというのに。おまけに激しく出し入れを繰り返し
始めた驍宗の声は、先ほどまでとは異なり妙に獣じみていて、「あうっ、おう
っ!」という咆吼のような声を上げ始めたので、泰麒の困惑はますます深まっ
た。
 しかし驍宗が咆吼の合間に「ううっ、これは……すごくいいっ……!」と感
極まって叫んだので、彼が非常な快感を感じていることはわかった。
 最初に驍宗は麒麟を気持ちよくさせると言ったけれども、王も気持ちよくな
ったほうがいいのではないだろうか。何と言っても半身同士なのだし。それな
らば先ほどは泰麒が、今は驍宗が気持ちよくなっているのだから、儀式として
はこれでいいのかもしれない。
 そう結論づけてしまうと、自分の上で驍宗が我を忘れて快楽に悶えているさ
まも何だかとてもいいと思えてきた。麒麟である泰麒の体を味わうことで王が
気持ちよくなっているのだから、それは民のおかげで王が幸せになることを意
味しないだろうか。
 ほどなく腰の動きを早めた驍宗は、最後に泰麒の奥まで激しく突き上げたの
ち、不意に律動を止めて「ううっ」とうめいた。泰麒は先ほどの自分の経験が
あったので、驍宗も同じように大人の証を吐き出して気持ちよくなったのだと
理解した。
 だらりと脱力して泰麒に覆い被さったままあえいでいた驍宗は、やがて体を
起こすと、泰麒から一物を引き抜いた。
「驍宗さまも気持ちよかったですか?」
「う、うむ」
 泰麒に無邪気に尋ねられた驍宗はうろたえた様子で赤い顔を背けたが、汗や
大人の証の液体で汚れた泰麒の体を丁寧に拭いてくれた。
「蒿里、そのう。おまえ、最後はあまり気持ちよくはなかったようだな……」
「ええ。でも驍宗さまが気持ちよかったんならぼくは嬉しいです。ぼく、麒麟
だけじゃなくて王も気持ちよくなったほうがいいと思うんです」
「そ、そうか。そうだな」

363秘密の儀式(驍宗×泰麒)8/E:2007/09/05(水) 22:02:12
 驍宗はどもって答えると、「延麒も最初は感じなかったと延王もおっしゃっ
ていたしな……」とひとりごちた。
「延台輔? 延台輔がどうかなさったんですか?」
「あ、いや。その」驍宗は咳払いをした。「何しろ私は王になって間がないか
ら、ひそかに延王にご教示いただいたのだ。雁も男王と麒ゆえ、秘儀も戴と似
ているだろうと思ってな」
「ああ、そうだったんですか」
「もちろん秘儀ゆえ、普通は他国の王にも他言しないものなのだぞ。それゆえ
おまえも、たとえ景台輔が相手であっても、決してこのことには触れぬように」
「はい、わかっています」
 泰麒はにっこりとして答えた。驍宗は泰麒を抱きしめると一緒に臥牀に横た
わり、鋼色の髪をいとおしそうになでた。
「最後のあれもな、回数を重ねればおまえも気持ちよくなるのだ。前をこする
よりはるかにいいそうだぞ」
「えっ……」
 泰麒は顔を赤らめた。驍宗に愛撫されて大人の証を吐き出してしまったとき
は、あれほど気持ちいい思いをしたことはないと思ったのに、あれよりもずっ
といいなんて。いったいどんな感じなのだろうと想像すると、また心臓がどき
どきしてきた。
「この儀式は頻繁に行なう必要があるゆえ、おまえもすぐ慣れて気持ちよくな
るぞ」
 驍宗は低くささやきながら泰麒の頬をなで、胸元に抱き寄せた。そうしてい
る間にだんだん眠くなってきた泰麒は、やがてとろりとまどろみ、主の腕の中
で安らかな眠りに落ちていった。
----------------------------------------------------------------------


もちろん秘密の儀式なんて嘘っぱち。
泰麒を自分のものにしたかった驍宗が、近習の女官を使って仕組んだだけです。

いちおう明け方には泰麒はこっそり仁重殿に戻ることになります。
それから何度か驍宗と床をともにするものの正寝は遠い。で、漣から戻ったら
住まいが驍宗と近くなったので、もっと頻繁に召し出されるという展開の予定でした。
お粗末さま。

364名無しさん:2007/09/05(水) 23:49:34
なんて萌え設定、姐さんGJ!!!!
延編もお願い

365名無しさん:2007/09/06(木) 12:16:31
戴のエチー初めて読みますた。悪いオトナな驍宗様に萌えー

366355-363:2007/09/06(木) 19:32:48
>>364
えっ、雁ですか?Σ(゚Д゚;) いや、その……。
泰麒と違って、自分には六太がこんな口実で言いくるめられるとは思えないので、
雁編はもっと想像力豊かな他の方にお任せします(汗)

>>365
ちなみに驍宗は何だか不器用でヘタそうなイメージだったり。
泰麒のためにあらかじめ尚隆に教えを請うていたものの、
やっぱり講義だけじゃ足りないよね、ってとこ。

……なんて書いていたら、閨での技巧に関する講釈を
偉そうに驍宗にたれる尚隆を見たくなってしまいました。
コメディ半分ほのぼの半分なら、軽い感じでおもしろそう。
おちゃらけている尚隆と、対照的に真面目にメモを取る驍宗とか。
(さすがに500年の蓄積にはかなわないし、驍宗も泰麒のために一生懸命になるかなと)
しかも次第にのろけとも猥談ともつかない話に発展していくとかだと、いいなぁ。
でも自分には無理なので、誰か書いてー。

367金波宮の夜1:2007/09/22(土) 15:40:59
王宮ってどこの国も構造は似通っているから、
初めての場所でもだいたいの道はわかるし、散歩にはうってつけね。
蠱蛻衫をまとっていれば官の目も誤魔化せるし、
それに玻璃宮はなかなか良かったわ。ああいうのは範にはないもの。
ちょっと豪華すぎるのが難だけれど、そうね、もうちょっと装飾を抑えれば……。

あら、あそこの後ろ姿は尚隆ね?
夜も更けたというのに、また掌客殿をうろうろして。六太だったらさっき、
疲れたとか何とか言ってその辺の榻にのびて寝ちゃったわよ。

いえいえ、そういえばあの人、廉麟が目当てじゃなかったかしら?
そりゃあ、このあたりは官の目も届きにくいだろうし、
やりたい放題かも知れないけど、廉麟は難攻不落だと思うわよ。
何たってほほえましいくらい廉王に首ったけですもの。若いっていいことね。ふふ。

まあ、あの人、六太を抱きかかえて出てきたわ。
六太ったらすっかり寝込んじゃって。
山猿にしては、けっこういいところがあるじゃないの。
それなりに自分の麒麟の面倒は見ているってわけね。

――え? 尚隆ったら何をきょろきょろして人目を気にしているの?
挙動不審だわ。思わずこっちも隠れちゃったじゃない。

あらら、その房間には確かに臥牀が運び込まれていたけれど、
陽子があなたたちに割り当てた房間じゃないでしょ。あくまで臨時の休憩所なんだから。
面倒なのはわかるけど、ちゃんと自分の臥牀に戻ってお眠りなさいな。

368金波宮の夜2:2007/09/22(土) 15:43:03
――まあ、扉が開かない。
房間の鍵をしっかり閉めて、何をそんなに警戒しているのかしら。
他国の王や麒麟に危害を加えるものが金波宮にいるとでも?
確かに、何事も気をつけるに越したことはないかもしれないけれど……。

あら? 何か房間の中から妙な声が……。

あら。
あらら。
あらー……。

いいわ、聞かなかったことにしておいてあげる。

それにしたってあまりにも不用心すぎない?
ここに陽子が来たら、あの子、真面目そうだし、きっと卒倒しちゃうわよ。

六太もここは玄英宮じゃないんだから、
もうちょっと声を抑えたほうがいいと思うわ。
それとも寝ぼけてそんなことも忘れちゃったのかしら? ありうるわね。

そういえば尚隆と六太のことって、もしかしたら陽子は何も知らないのかしら?
今度さりげなく聞いてみようっと。



おしまい

369名無しさん:2007/09/24(月) 17:43:59
第三者視点ってかなり萌えますね。尚六ハァハァ
おませさん氾麟もイイ!
後日談を激しくきぼん

370(尚六)玄武に乗って(1):2007/09/27(木) 21:53:18
「ここ蓬山から雁の玄英宮までは一昼夜。どうぞおくつろぎあそばして、延台
輔ともども、ごゆるりとお過ごしくださいませ」
 碧霞玄君玉葉はそう言うと、扇を口元に当ててほがらかに笑った。天勅を受
けたのち、玄武とかいう大亀に乗って俺たちは雁に向かうのだという。
 空飛ぶ亀か。こちらの世界での理にいまだ慣れぬ俺だが、そういうものかと
思うしかない。
 不意に玄君は俺に流し目をくれると顔を近づけ、扇の陰でひそやかにささや
いた。
「必要なものはすべて室内に揃っております。またしきたりにならって、媚薬
を仕込んだ香をたきしめてございますので、心ゆくまでお楽しみくださいませ」
「……媚薬?」
 さすがの俺も真意をはかりかねて問い返した。小僧とふたりきりで過ごす一
昼夜に、なぜ媚薬が必要なのだ。すると玄君は意味深な笑みを浮かべて答えた。
「もちろん王と宰輔の仲を円滑に取り持つためでございます。延台輔はまだ十
三と幼く、いくら麒麟の常で聡いとはいえ、王の欲求に進んでお応えになるほ
ど成熟してはおられません。しかしこれはお国のこれからを占う重要な事柄で
ございますので、古来より媚薬を用いるのが慣例となっております」
「ちょっと待ってくれ。それはつまり……俺とあの小僧が同衾するということ
か?」
「もちろん」目を白黒させている俺をからかうように、玄君は妖しく微笑んで
答えた。「王と麒麟は半身同士。それゆえもともと心身ともに相性が良いとは
言われておりますが、体を重ねることで、さらに互いを理解しやすくなるので
す。何しろこれからおふたりで国を支えていかれるわけですから、最初が肝心。
むろん無理にとは申しませんが、心の垣根を取り払うためにも昔から推奨され
ていることでございます」
 俺は眉根を寄せた。もともと蓬莱で武士だった俺は、稚児を愛でることに別
段抵抗はない。しかし……。
「六太は承知しておるのか?」
「さ、それは延王の手管次第」玄君はまた意味深に微笑した。「あれで延台輔
はうぶなかたでいらっしゃいますから、どうぞ優しくお願いいたしますね」


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