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【お気軽】書き逃げスレ【SS】

270尚+利×六:2007/01/03(水) 01:24:33
ふわりとした甘ったるい臭いで六太は眼が覚めた。
頭がぼうっとしている。それになんだか、やけに喉が渇いていた。
体が気だるく、うっすらと熱を持っている。
不快ではないが、ひどく奇妙な感覚。

六太はくらくらする頭を起こした。この甘い臭いは何なのか。
自分は寝る前に香を焚く日課はないし、女官だってそのことを知っている。
ならば誰が・・・・・。
そう思うよりも早く、暖かな陽光のような王気、そしてその持ち主の声が聞こえた。
「よう、眼が覚めたか?」
そちらを見なくても分かる。延王、小松尚隆。
彼は六太の横で、座っていた。
だが、何故彼がここに?

「しょうりゅ・・・、お前なんでここに・・・?」
「私もお邪魔してるよ」
いるんだ、と聞こうとした六太を遮って第三者の声が聞こえた。
「利広・・・・・・」
六太の視線を受けて、利広はひらひらと片手を上げる。
「夜分遅くに御免ね、風漢がどうしても寄ってけって言うから」
「お前が勝手についてきたんだろうが」
笑顔で堂々と嘘を言う利広に、尚隆は顔を顰める。

何故二人がここにいるのだろう。
尚隆はまだ分かる、だが利広まで。
一体何が起こっているのかわからなくて、六太は体を起こそうとする。
が、体に力が入らず寝台に倒れこんでしまった。
なんだかこの香の香りをかいでいると、体がまるで自分のものではないかのように動かしにくくなっていく。
「無理はせん方がいいぞ。お前のために特別な香を焚いたのだからな」
「とく、別、な香・・・?」
上手く舌が回らない。疑問符を浮かべても、二人はただ笑っているだけだ。
―――何かがおかしい。
六太の直感が警報を鳴らしている。二人とも口元を笑みの形に歪めてはいるが、眼がまるで笑っていない。
例えるなら・・・・・・・・・・飢えた獣。その表現がしっくりくるような気がする。
不安げに後ずさる六太に、利広が笑みを深めていった。
「範の特別製の媚薬だよ」


「そういうことだ」
言うなり尚隆が、後ろから六太の首筋を舐め上げた。
「っ!」
びくりと大きく体を震わせた六太を、利広が前から押さえつける。
「な、やめ」
「駄目だよ、六太。最高の気分を味わわせてあげるから、ね」
「無駄なことはせずに大人しくしとけ」
言いながら、尚隆は六太を自分の膝の上に乗せる。
後ろに尚隆。前に利広。
六太はこれから自分が何をされるのか知って、可愛らしい顔を強張らせた。


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