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リレ抜粋 227その後 氾×朱ss

1自分の首を締めている…:2004/08/21(土) 15:48
時間もこってり取れなくなるし、尚六がなんや長くなりそうなので
短くさっぱりとssを…
簡単に終わりそうだし

65あら、視点バラバラ:2004/11/15(月) 02:27
 くす、と氾王は笑い、ゆっくりと朱衡の上着を脱がしながら、その胸元に手を入れた。
 指で辿るように胸の飾りを探す。触れると、身体の下、朱衡がわずかに眉根を寄せる。警戒して
いるような顔に、氾王は目を細める。
 つ、と飾りを指と指ではさむようにして弄る。ぴくり、と朱衡のわき腹に力が入るのが、氾王の
触れた手に伝わった。
 間違いなく女のそれとは違う小さめのそれを摘む指をくりくりと動かすと、固くしこって明らかに
粒になって存在を主張しはじめる。
「っ……」
 朱衡は片腕で目元を覆い、片手で氾王の肩を押した。が。
「あ、っ…!」
 空いた左側の胸に吸い付かれ、ちゅくちゅくと口内で先端を転がされ、しびれるような快感が
背中を這った。その拍子に、押した手はしっかりと氾王の肩を掴んでしまう。
「っ、……」
 胸など、弄られたことなどあっただろうか?
 はるかに、本当に遠い、まだ官にもなっていないころ。学舎で自分に興味を示した男がかつて
何人かいた。彼らの何人かは自分に慈悲を乞うたが、潔癖だった朱衡はそれを冷たく一蹴した。
軽蔑の目さえ向けたこともある。
 今の自分を彼らが見たらどう思うだろう?……恐れ多くも国の王に心を寄せ、そのくせ異国の
王に、身体をあけ渡そうとさえしている。

66書き手:2004/11/16(火) 20:05
オフ事情より、しばし更新されません
大変申し訳ありません

67単発更新:2005/01/17(月) 01:07
「………っあ」
 硬く閉じていた瞼に口付けられて、はっとして朱衡は目を開いた。
 すると驚くほど間近に氾王の顔があって、思わずこれ以上下がれないのに身を引こうとしてしまった。
「ちゃんと私をごらん」
 囁くように氾王が言う。
 おそらく自覚してやってるのだろうが、そうした声はひどく色めいて聞こえた。それも、何かーー何か、
いつもより男を感じさせる。
 氾王が筋骨隆々とした熊のような…そう、丁度かの同僚のような風貌であったなら、いくら誘われようが
応じはしなかっただろうな、とぼんやりと朱衡は思う。氾王は思わせぶりではあるのに、いつも戯れに思われて、
その男女どちらとも見える風貌と合間って、色事とは近いようで遠いのだ。
 それがどうだ。……目を閉じ開く間に、男の顔をしている。
「ふふ。……そう、そのまま見ておいで」
 誰がお前を高めているかよく分かるであろう、と氾王は機嫌よく笑い、ゆっくりと見せつけるように
身を下げていく。

68名無しさん:2006/04/19(水) 00:19:06
あげときます。

69名無しさん:2009/02/07(土) 22:26:38
あげ

70名無しさん:2010/02/24(水) 19:59:42
age

71名無しさん:2011/09/20(火) 16:51:23
「……!」
 服の上から思わせぶりに朱衡の腿を撫でていた手が、ゆっくりと朱衡自身の上に添えられる。
 真っ赤になっている朱衡を笑いながら、氾王はさらに身を下げて、見せ付けるように朱衡の下衣の前を寛げた。
「っ」
 そしてそのまま、その丁寧に手入れされたみずみずしい……指先まで艶やかな手にそれが捕らえられ、
焦るよりも先に、その先端にくちづけられた。
 朱衡は愕然とし、思わず手のひらで自分の口を覆う。もうこれ以上驚くまいと思うのに。
 氾王はゆっくりと温度の低い舌で挨拶でもするように朱衡自身を舐め上げた。呆然と朱衡はそれを眺めるしかない。
くす、と笑って氾王は朱衡を見上げる。目が合う。どうしようと思っているうちに……、ぬるり、と、その口の中に招かれた。
ぴったりと柔らかく吸い付きながら、ゆっくりと奥のほうまで。
「あ、」
 知らず自らが首をもたげていたことに気づき何か思うよりも先に、氾王の小さな頭がゆっくりと上下しはじめる。
「ん、んっ……」
 なすすべなく目をつぶり、口に手をあてて耐えている朱衡の耳に、氾王の吐息が聞こえる。……笑っている。
 行為としては知っている。しかし朱衡はこんな真似を長い人生のうちにされたこともしたこともなかった。
 氾王はゆっくりと丁寧に朱衡のそれを吸い上げ、何度も口の奥に招き入れる。それは静かな行為と言ってもよかった。ぬ、ぬ、と
音もなく自身が刺激されるうちに、朱衡は羞恥と申し訳なさでわけが分からなくなっていく。時折ぴちゃり、とぬれた音が氾王の口元から
こぼれる。
 さっきまであれだけ軽口をたたいていた口が、今はただ朱衡を慰めている。
「ふ、ぅっ」
 混乱は続いているのに硬くなっていく自らに愕然としながら、朱衡は生々しい感覚を追おうとする自分を押さえつける。
 ちろちろと先端をなめられ、ちゅ、わずかにこぼれ出たものを吸い上げられ、ぴくりと朱衡は身を震わせた。
「……見ておいで、と言ったろう?」

72名無しさん:2011/09/20(火) 16:57:42
 口を押さえていた手をつかまれ、そう強い力ではないのに、朱衡は抗うことができない。
「あ、」
「目をお開け」
 耳元で伸び上がった氾王がささやく。そのまま、耳朶に噛み付かれ、ひ、と身をすくませるうちに、ぴちゃり、と
音をたてて氾王の舌が朱衡の耳を犯した。
「ん、ん、ん」
 容赦なく立つ鳥肌に、ぶるりと朱衡は身体を震わせる。ぴたりと正面に身を寄せられ、開いた胸に氾王の衣の気配。
震えながら身を引こうとした朱衡を、氾王は右の膝をその腿に乗せることで封じる。
「朱衡。……よくごらん」
 そうするうちにも、氾王の手はゆっくりと朱衡自身を握った手を上下させている。

73名無しさん:2011/09/20(火) 17:06:29
「あ、」
 犯される耳と、ひやりとした手におっとりと慰められ血が集まる中心にしかもう意識がむかない。
「朱衡」
 何度目かに促され、朱衡はようやく目を開ける。……だらしなくはだけられた胸元と、一人前に立ち上がり、
その手の中で淫らに喜んでいる自分自身が目に入り、朱衡はこれでもかというぐらいに赤くなる。緊張に肩を
震わせ、膝を乗せた腿もこわばっているのを氾王はさも優しげに笑いながら寄せた体で感じる。
「ほら」
 そらした顔を追って美しい顔が唇が触れるほどの距離で笑う。いっそ清潔な笑みを浮かべたまま、
氾王は朱衡の顔を見たままで再び朱衡のそれを舐めあげる。そのまま鈴口のあたりを舌で舐めると、
朱衡はますます身を硬くした。

74名無しさん:2011/09/20(火) 17:24:53
「あ、……は、んおう」
「ん?」
「そのような、ことは、……なさらずとも、」
 あなたのような方に、と吐息で言われ、氾王は機嫌よく笑う。
強く吸い上げ、手の動きを早くすると、びくびくと朱衡は腰のあたりを震わせる。氾王の口の中に、ごまかしようのない朱衡の体液が
にじむ。それを見せつけるように舐めあげながら、氾王は左手で朱衡の頭を引き寄せる。
「哀れよの」
「んっ、あ」
 もとより解放するつもりはない。……高めるだけ。
 大きく育ったそれから口を放し、手の中の朱衡自身を弄びながら、近距離で朱衡の顔を見上げる。朱衡は目元を赤くして、困惑と怒りと
がないまぜになったような顔をしている。その目を見ながら、今まで彼を慰めていた唇をぺろりと舐めると、朱衡は泣きそうな顔をした。
「あ、ああ、」
 氾王の丁寧な、……いっそ優しげにさえ感じられる愛撫に耐えられないのだろう。こらえきれず、朱衡は小さく声を漏らす。
氾王はうっとりと目を細め、兎の淫らな表情を堪能する。困惑と羞恥と、手放せない自尊心の間で震えている男の顔は、
珍しいほど氾王を刺激した。

75名無しさん:2011/09/20(火) 19:34:55
「なかなかにそそる。……憂い奴よの」
 もう身体を支えてられず、椅子に倒れこみそうになっている朱衡は、氾王の手で支えながら、ゆっくりと倒された。その上に跨るように
身を寄せる間も、氾王は手を止めない。
「あ、氾、」
 羽のような柔らかさで、絶妙の調子で氾王の手は朱衡を追い詰める。心の準備もできないうちに、このままでは、
「あ、あ、もう……んっ」
 上機嫌に氾王は何か言い訳めいたことを口にしようとする朱衡の口を自分の口でふさいだ。そのまま濃厚な口付けを与えられ、朱衡は
眉根を寄せる。
「はっ、」
 耳のあたりをなでられ、口の中を蹂躙され、自らと氾王の間ではあつい熱が高められていて、朱衡はみじろぐ。が、それをがっちりと
氾王の足が押さえこんで許さない。
「あ、」
 少しも逃げられない。……優しく縫いとめられるように、ただ氾王の手の中に、

76名無しさん:2011/09/20(火) 19:45:27
「氾、王、もう……!」
「どうした?」
 唇を触れ合わせて囁くのも、腰のあたりに響くばかり。それは氾王の手の中で、恥ずかしげもなく塗れた音を立てている。
朱衡は泣きたくなった。いや、泣いていたかもしれない。
「もう!お、許しを、」
「うん」
 このままではあなたを汚してしまいます、と。声にならない声で訴える。それだけは避けねばならないと思った。
「よい、許す」
 そんな、と朱衡は目を見開く。にっこりと氾王は微笑んでいる。自分ばかりが乱れていることを見せ付けられるような、美しい、
はんなりとした笑み。その彼がまとっているこの豪奢な、雅な衣装。
「い、けません……!あ、やめ」
「何故に?」
「なぜって……!」
 貴方は美しいのに、とかすれた声で言うと、氾王は声をあげて笑った。
「あ、」
 早められていた手がゆるゆると遅くなり、朱衡は息をつく。

77名無しさん:2011/09/20(火) 19:59:54
 さっ、と空気が動いた。
 潤んだ目を開けると、朱衡に跨った氾王が鮮やかに衣を脱ぎ捨てるところだった。颯爽と、という言葉が
不思議と思い浮かぶほど、絵になった。彼は片手で上着を脱ぐと、ふっとそれを近くの床に放り投げる。そうするのに不思議と音ひとつしない。
 雅な男は服の脱ぎ着さえ美しいか、と朱衡は一瞬自分が今していることも忘れて見蕩れた。
 結っていた髪をほどき、簪すらもたやすく引き抜いて放り出してしまう。……氾王が髪を下ろすなど。
 瞬きもせずそれを朱衡は見つめる。すると氾王は見せ付けるように、最後の一枚を脱いだ。朱衡は息を呑む。
 現われた体は朱衡と比べても白かった。……月明かりにほの明るく浮かぶかと思うほど。
 しかし細い体は鋼のように鍛え抜かれている。武官を見慣れた朱衡でもあっと思うほどに。
 一国の王には失礼かもしれないが、舞踏でも踊ればさぞ映えるだろう。あるいは踊れるのかもしれない。
 彼が男であるということに朱衡はぞっとするほど感じ入る。ただの男、ではない。なんて麗しい、男か。

78名無しさん:2011/09/20(火) 20:09:20
「その気になった」
 氾王は猫のように目を細めて笑った。
「あ……!」
 そのままいきり立ったそれにしゃぶりつかれ、朱衡は悲鳴を上げる。両手で顔を押さえ、のけぞるように。抗うようでまるで、ねだるように腰を
氾王に押し付けてしまう自分に慄然とする。吸い上げられ、舐められ、手で擦られ、もうすべてをゆだねてしまう、と思ったときだった。
ぐっと根元を手で押さえられ、朱衡ははっとする。
「っ、え、あ」
「よもや逝けるなどとは思っておるまいね?」
 唇を朱衡自身からはなし、悪戯めいた声で氾王は言うと、潤んだ朱衡の目元を舐めた。

79名無しさん:2011/09/20(火) 21:29:08
「よもや肌をさらすとことになろうとはの」
 独り言のように氾王が言うのを聞きながら、朱衡は捨てられた熱い高ぶりに眩暈を覚え唾液を飲む。肩がみっともなく震えているのに気づいて
片手で抱いた。久方ぶりに肌を合わせることに情けなくも震えているのか、それとも氾王そのものに圧倒されているのか、自分でも分からなかった。
 厳しく選びぬいた装飾をとりはらっても、氾王は美しかった。もしかしたら自らの肉体の端から端にまで、あの厳しい審美眼を向けているのかもしれない。
同じ生き物とは思われぬ、それでいながら生き物として際立っている身体美。夜の森にこんな生き物がいるやもしれぬ、と朱衡は思う。無骨な
朱衡でさえ、つまらぬ比喩が浮かんでは消える。その爪先まで磨かれていることをもう朱衡は知っている。
 何度めかの口付けを受け止める。もう抵抗する気力もない。ただただ心地よいことを知ってしまったからかもしれなかった。
 嗅いだことのない香り。いずれから取り寄せたのだろう。意外にもみずみずしい植物のような香りがした。

80名無しさん:2011/09/24(土) 00:19:18
「つまらぬ自尊心など捨てよ」
 唇のそばで、酷く優しく響く。言葉とは裏腹に、朱衡を守るように。
 朱衡の上に座ったままで、すり、と腰をすり合わされる。氾王は下衣を脱いではいないが、互いのたかぶりが布ごしに触れる。張り詰めた朱衡のものに
比べ、氾王のそれはまだうんと柔らかいのを感じ、朱衡はいたたまれない気持ちになる。
「……ん、」
 ゆっくりと、氾王はそれを繰り返す。朱衡のそれが、もどかしい刺激に震える。その官能的な動きにめまいを感じた。締まった腰。上半身を
ほとんど揺らすこともなく、氾王は身体を動かす。
「あ、……」
 ゆるやかな、穏やかな心地よさに朱衡は目を閉じる。そうする隙に、氾王がぞろりと耳に舌を入れた。
「あ、あ。あ……」
 はりつめていた息を吐き、朱衡は目を閉じる。塗れた音と風のような吐息が耳を犯す。触れたそこから全身に、さざなみのように鳥肌が広がっていく。
指の先までと思うほど。
「は……」
 耳から舌が離れ、気配を感じ、朱衡は自らの目の前まで寄った唇を吸った。その、朱衡のものよりは薄い、温度の低い唇を迎える。くす、と
それは笑みの形になり、開き、朱衡の舌をゆっくりと奪う。からめとり……。その裏側まで愛される。

81名無しさん:2011/09/24(土) 00:29:00
 その形をすべて知ろうとするよに、氾王の舌は朱衡の舌をなぞりつくした。
 朱衡は知らず、氾王の肩のあたりをつかんでいた。吸い付くようにしっとりとした、張りのある肉体を手のひらに感じる。彼のばねのような
筋肉が、皮の一枚下で躍動している。
「は、……」
 もう息遣いと口付けの音しか聞こえない。
 口付けに夢中になっていた朱衡は、ふいに乱暴に頭を座椅子に押し付けられて、はっとして目を開けた。そして朱衡が見たのは、にぃ、と
意地悪く笑う氾王だった。さげすむように?……否、違う。哀れみ?それとも。朱衡には分からない。でもこの男は楽しんでいる、と朱衡は思う。
それでいい、と彼の目が言っている。ひどく満足げに。
 なのに朱衡は、追いすがるように彼の肩をつかむ手に力をこめて、彼の身体を抱き寄せようと力をこめた。座椅子から背が浮く。
 その背に手をそえ、氾王は笑う。そして自らのひとさし指と中指を、見せ付けるようにべろりと舐めた。
「はん、おう……」
 かすれた声で呼ぶと、待っていた唇が与えられた。歓喜しうっとりとそれに応えると、今度こそ面白そうに、反応が口づけながら
声を出して笑っているのが分かった。

82名無しさん:2011/09/24(土) 00:35:44
 彼の唾液にぬれた手が再び朱衡自身をからめとる。
 しかしその手はなだめるように何度か摺ると、そのままその奥、朱衡自身でさえ触れたことがないすぼまりに向かった。
「え、」
 困惑を口付けで上塗りされる。上顎をなめられ、頬の内側をなぞられ、唾液を飲まれる。
「ふ、」
 円を描くように、強弱をつけて中指がそこを何度も何度もなぞる。ぐ、と周囲を押され、筋肉をほぐすように。
ぬるりとそれが滑り、時折入り込みそうになる。そのたびにわずかに身をすくませると、なだめるように口付けは浅くなり、
ほぐす力が強くなると口付けは深くなった。
 とんでもないことをされている、と、ほんのわずかに残った理性が訴えるのに、朱衡にはもうそれが分からない。
 何の痛みもない。そこに器官があったのを忘れていなかったのが不思議なように。

83名無しさん:2011/09/24(土) 00:41:50
 だから氾王の指がぬるりと入り込んだときも、その動きのほんのわずかの延長のように
感じられた。もう内と外もないように。
「は、あっ」
 それでもその指が、入り口のあたりを撫でるように開こうとしていたのが、時折伺うように
奥へ、わずかに強引にもぐりこんだことには、朱衡は知らない感触に抑えきれない声をもらす。

84名無しさん:2011/09/24(土) 00:51:19
「え、あ、あ、あ!」
 奥のほうを摺られ、ふいに違和感を感じ、ぴくぴくと動く脚をなだめるように氾王が乗せたままの脚でなでる。
「よいのかえ」
 揶揄するように言われ、朱衡は首を振る。
「わ、からな、」
「いちいちそちは正直よな」
 これを心地よいと言っていいのか、と思うような。不快と呼ぶこともできるだろうに、言い切れない。
 何度か入り口のあたりをほぐし、時折そこを指がなぞる。その感覚を追ううちに、朱衡はそのことしかもう考え
られなくなる。
「あ、」
 そこを触れられると、淫らに立ち上がった朱衡自身に響く。情けなく涙をこぼしてしまう。
 それが氾王の下衣をぬらしてしまうのを恐れて、身を引こうとしたときに、氾王はそれまでの優しさが偽りだったように
朱衡をつき飛ばした。座椅子に背を打ち、軽い衝撃に我にかえるよりさきに、氾王が空いた手で朱衡の腰を抱える。
 そのまま突き入れるように、氾王の指が朱衡の後を突くように、何度も出入りする。そして身をすくませるより先に
氾王の口が、朱衡の前で立ち上がっているそれを一気に包み込んだのが分かった。裏側に添えられるように
そえられた舌の上を滑り、朱衡自身が氾王の喉にまでひきずりこまれる。

85名無しさん:2011/09/24(土) 00:54:29
「あ、あああ、ああっ……」
 とたん激しい指の動きと、容赦ない口淫に、耐える間もなく朱衡は達した。出したというより、出た、という感じだった。
門番もいない門が開いたようなものだった。
 震えるままに、朱衡はすべてを氾王の口に注ぎ込む。もうどちらで達したのかも分からなかった。

86名無しさん:2011/09/24(土) 01:00:40
 すがりつくように氾王の頭を抱え込んでいた。
 涙で視界がぼやける。喉の奥が震えていた。別に哀しいわけではないのに。
「も、うしわけ、ございません」
 すぐに言うべきなのに、上手く言葉が出てこない。手をゆるめると、氾王は朱衡の腰を支えていた手をゆるめ、
体を起こす。ふ、と笑い、氾王は口の中の液体を手に吐いた。そのことにせめてほっとして目を細める。
「かまわぬ」
 萎えた朱衡の前にそれを塗りたくり、氾王はなめらかに抜いた。一滴も残すつもりがないように。
 でももう朱衡には、出ているのかどうかもよくわからない。

87名無しさん:2011/09/24(土) 01:10:11
 ぐちぐちと塗れた音ばかりが響き、冷静さを取り戻した頭が今更それを恥じる。
 しかし氾王は朱衡が帰ることを許さなかった。入れられたままの指を、いっそ図々しく動かされ、
朱衡は目を見開く。
「ちょっ……お止めください!」
 逝ったばかりでは尚辛い。が、びりびりと前に響くような感じに顔をしかめると、なだめるように
指は優しくなった。
「ん、」
 その優しさに文句を言えずにいると、氾王は美しく笑った。その笑みにもっと何も言えなくなってしまう。
何度も何度も、そこを行き来されるうちに、朱衡の前が再び首をもたげる。さっき逝ったばかりだというのに。
 そんなことが起きているのに、激しくも不思議なぐらいゆったりとした時が過ぎているようにさえ思う。
もっと意地の悪い、酷い夜伽を命じる男だと思っていたのに。
 困惑と、優しくされることに対して気を許すようなやわらかな感覚。どこかで、自分はこのまま
侵略され、征服されてしまうのだろうと思う。何百年も閉じたままの門さえも、この男にはあっさりと
許してしまった。もっと抵抗させてくれたら、言い訳もできたのに。
 嫌がる暇も与えないほど、彼の動きは優しい。そのまま流されてしまう。

88名無しさん:2011/09/24(土) 01:16:41
「ん……う」
 自らの吐き出したもので濡れに濡れ、ゆらゆらと揺れるそれを、朱衡は見ないように顔をそむける。するとその
頬を、ぺちぺちと軽く叩かれた。うつろに見返すと、にたりと笑った氾王がこちらに脚を投げ出した。
「脱がせ」
 ぞくり、悪寒が走る。
 それまで聞いたことのない、男の言葉だった。
 柔らかな、あの耽美さを印象づける、こちらの内側へ入り込み撫でるような喋り方ではなく、
ただ命じるそれは、王の声。
 ……自分の主と同じ、君臨する男の、傲慢な。
「氾、」
「脱がせ。三度は言わぬ」

891:2011/09/24(土) 01:20:25
尚六タイトル未定と同じ書き手です
見苦しい1でのいいわけを見かねて書きはじめました。
もう古いものなので更新には迷ったのですが、けじめ(というと大げさでしょうか)
をつけたいなと思っています。
当時とは温度もテンションも違うと思いますが、
いつ終わるんだろうと一人でもちょっとでも思った方がいて、読んでやれやれと思ってくれたら
と思います。
そうでなくても、一人でも少しでも楽しんでくださる方がいればと思います。
身勝手ですがよろしくお願いします。

901:2011/09/24(土) 01:26:47
見苦しい1でのいいわけを見かねてというのは自己嫌悪です
現在の書き手と1は同一人物です
のろのろ更新になるかもしれませんし、需要があるかもわかりませんが、
よろしくお願いします

911:2011/09/24(土) 02:07:37
 のろのろと、震える手で氾王の下衣を締める紐に手を伸ばす。美しい形に結われたそれをどうにか
ほぐし、抜き取る。そこで手が止まった。
 ここから先は、さっき自分がされたように、彼の前をくつろげてしまうことになる。今更のことなのに、耳まで熱くなり、
朱衡はうつむいた。
「どうした」
 低い声。
 何度かその手は朱衡の頭を優しげに撫でていたが、すぐにぐっとその顎をつかみ、
強引に上向かせた。氾王と間近で見詰め合うような形で。
 朱衡は真っ赤になったまま目をそらそうとすると、さらに顎にかけられた手に力がこめられる。
「目を逸らすな」
 この男はこんな風に喋ることができたのか。
 ぐい、と引き寄せられ、促され。朱衡は震える手を叱咤して腰を浮かせた氾王の脚から下衣を抜きさった。
 ……なんて長い脚。いちいちそんなことを思う自分が忌々しい。
 下着一枚になった氾王を前に、朱衡は三度固まる。
「朱衡」
 目元まで赤くして、朱衡はきり、と噛み締めた歯をきしませた。
「朱衡」
 二度呼ばれ、知らず睨むように氾王を見つめ返す。……この男は、汗ひとつかいていない。自分と違ってまだ、
何の高ぶりもない。
「……できぬのかえ」
 くすり、と笑って、いつもの調子で氾王が言う。

921 氾王の喋り方が難しすぎます:2011/09/24(土) 02:20:28
「そんなに脱ぎたくば、ご自分で脱げばよろしいでしょう…!?」
 かすれる声で、ようやく朱衡は言う。喉がからからに渇いていた。
 ふふん、と氾王が鼻で笑う。
「ふむ、偉くなったものよの。おのが手を煩わせるなということかえ」
「ち、がいます」
「ふん、元気が戻ってきたようよの」
 もっともお前はまだまだ力を余しているようだが、と悪戯に氾王は朱衡の性器に指をからめる。
 そうしながら、あまった左手で自らの前をくつろげた。朱衡ははっと息を呑む。
「背いた罰を与えてくりょう」
 氾王は立ち上がり、朱衡の肩のあたりを踏みつけた。そう力はこめられていなかったとはいえ、朱衡は
そのあからさまに粗暴な行為に呆然とする。
「なに、を」
「慰めよ」
「……!」
「なに、わたしがしてやってお前ができぬなどということはあるまい?」

931:2011/09/25(日) 04:52:01
 目を細め、氾王は朱衡をすらりとした片足で踏みつけたままで朱衡の頭を優しげになでる。頬をなで、唇をなでる。
さんざん氾王に翻弄された朱衡の唇は、しっとりと濡れている。
「お前のくちづけは悪くない」
「……それは、どうも……」
 だからできる、とでも言いたいのだろうか。さきほどまでの、氾王の口淫を思い出して朱衡は
恥じ入る。自分にはあんな風にはとてもできない。
「朱衡」
 ささやくように呼ばれ、朱衡はうつむく。
「朱衡」
 音楽的な響き。優しげなのに、それは響きだけだ。
 抗えない強さを感じる。
「お前のその唇で私を癒しておくれ」
 頬をつかまれ、上向かされる。もう何度そうされたろう。
「勤勉を説き、部下にどんな時も適当な命令を下すばかり、歌うことも愛も夢さえも語らない
その清潔な口を、私に汚させよ……朱衡」
 残酷な目は嬉々としていた。その目にまっすぐに見下ろされ、朱衡はぞくりと背を震わせる。
ぐ、と朱衡の肩のあたりに押し付けられた足に力がこもる。
「待っていることは許さぬ。お前が私に触れるのだよ」

941:2011/09/25(日) 05:06:55
 震える手で自分を踏みつけ立ったままの彼の下着に手をかけた。
 長身の身体に見合って、彼のそれは小さくはなかった。朱衡を踏みつけて興奮したのか力を持っている。
朱衡は覚悟を決めて息を吐く。今更怖気づいても仕方がない。
 おそるおそる先端を口に含むと、満足気に氾王は朱衡の頭を撫でた。それに苛立ちながら、
朱衡は見よう見真似に氾王自身を吸い、抜いた。多少おぼつかない動きではあったが、
氾王自身はしなやかに立ち上がる。くわえているものの先端にじわりとにじむものを朱衡は感じる。
「そう、もっと奥のほうまで。手も使え。……力むなよ」
「……ん、」
 しゃぶればしゃぶるほどそれは長さを増し、もうすべてをくわえることはできない。
「手を動かして。……そう。先を口に入れて」
 ぐ、と朱衡の頭に乗せられた手にわずかに力がこもる。
 少しは気持ちがよいのだろうか、と朱衡は氾王を口に入れたまま見上げる。と、男の顔をした
氾王が朱衡を見下ろして長い睫にふちどられた目をわずかに細めた。色香にあてられ、慌てて
朱衡は目を伏せる。踏みつけられたままで少し伸び上がるようになる姿勢が辛く、自分を踏む
氾王の左足を抱いた。

951:2011/09/25(日) 05:24:50
 舐めあげながらどうにか丁寧に手を使うと、氾王の腹筋や足の付け根のあたりに
力が入っているのがわかる。……感じている。
 首の後ろのあたりがざわついた。会話でも何でも、一方的に朱衡を追い詰めるばかりだった
氾王が、朱衡の手と口に感じているらしいことは、少なからず朱衡を満足させた。
 彼を追い上げたい。
「、ふ、……ん」
 慣れない動きにぴちゃぴちゃと音がする。卑猥さに羞恥を感じたが、朱衡は理性に耳をふさいで
没頭する。手を早め、唇は彼を包んだまま何度も往復する。
「っ」
 氾王がほんのわずか息をつめた。朱衡は疲れた顎をひいて鈴口のあたりを熱心に舐める。
「ふ、……可愛らしいことをしてくれる」
 見上げると、上機嫌そうな氾王が意地悪く笑った。不穏な気配を感じて朱衡が口をはなすより
先に、氾王は朱衡の後頭部をつかんでぐっとひきよせた。
「う、んっ!」
 喉の奥のほうまで突かれることになり、とっさに朱衡は抵抗する。えづきそうになっているところを、
強引に氾王が腰を動かして高ぶりを押し込んでくる。
「は、ん、ぅっ……」
 踏みつけられ、頭をつかまれた状態では、ろくな抵抗もできない。半ば窒息しそうになりながら、
なみだ目で朱衡が氾王を睨みつけると、急に高ぶりが口から引き抜かれた。
 げほげほと咳き込んでいるところに、左頬に熱いしぶきを浴びる。
「なっ……」
 氾王が自らのものをそこに放ったのだ、と気づき、朱衡は慌てて袖で頬をぬぐった。
口元もぬれていて、知らず口に入り苦味に顔をしかめる。
「なんという、ことを……」

961:2011/09/25(日) 05:30:12
 脱力して起き上がる気力もない朱衡を褒めるように氾王はなで、踏みつけていた足を
おろし身をすり寄せてきた。身をそらして抵抗しようとする朱衡を押しとどめ、汚れの残る左頬に
舌を這わせてくる。
「な、」
 猫のように丁寧に、何度も何度も舐めあげられ、甘えるように身体をすりよせられ、朱衡は何が
なんだか分からなくなる。
「……汚い、ですよ」
「そう思うかえ?」
「それは、」
 何度も舐めていた舌は、最後に朱衡の唇に忍び込み、朱衡の舌も舐めあげて出ていった。
 こんなときでも氾王の舌はひんやりと冷たい。

971:2011/09/25(日) 05:37:25
 氾王は全裸だが、朱衡は上着も下衣も半端に着たままだ。
 身を摺り寄せられると、空いた胸元に肌が触れた。体温の低い氾王の身体はしっとりとしていて、
彼が人の身体をしているのだということを朱衡に感じさせる。その脈動が伝わり、朱衡は息をつく。
「あ、」
 氾王は猫のように身をすべらせ、ぬれたままの朱衡に手を這わせる。そのまま抜きあげられ、
驚くほどあっさりと立ち上がる自分自身に朱衡は呆然とする。
 最初と同じように跨られ、ぼんやりと自分はこの男に抱かれるのだと朱衡は思う。自分はこの男に
自らをあけ渡さなければならないのだ、という気がしてならなかった。彼の目に支配されているのかも
しれなかった。

981:2011/09/25(日) 05:40:25
 氾王は朱衡自身と自らをすりあわせるように、何度か腰を前後させる。朱衡の
吐き出したものでよく滑り、朱衡は呻いた。
 そのまま先にほぐされた後ろに彼のものが滑り込むのだろう、と思ったときだった。
 ふっと重みがなくなったと思い、何が起きているのか気づき驚いたときには既に、
腰をあげた氾王の中に、朱衡自身が入り込んでいた。

991:2011/09/25(日) 05:43:57
※リバにはなりません


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