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ネタバレ@ファラミア/*  2

349萌えの下なる名無しさん:2006/01/27(金) 23:51:04
アラファラ(の、つもりだったんです)書かせてもらいます。 
王様変です、すいません。
しるけ無しです。


(1/3)
「我が王よ」
いつもの穏やかさからは程遠い、低く地を這う声にエレスサールは静かに固まった。
「や、やあ、我が有能なる摂政、ミナス・ティリスの気高き番人、ゴンド−ルの至宝
ファラミ」
「我が王よ」
おどおどとした挨拶を断ち切って、ファラミアは重々しく繰り返した。
敬愛する主君に対して随分な態度ではあるが、激務が一段落ついて今夜はゆっくりと
休めると寝室に向かえば、窓の外で野伏時代のうす汚いマントを羽織った男が笑顔で
手を振っていたら普通引く。
ましてやそれが先ほどまで一緒にいて、大量の書類を前に頭を抱えていた王だとしたら
第一の臣下としては、ドン引きである。
「………危のうございますから、どうぞこちらに御移り下さい」
細い幹の上で長い足をぶらつかせているエレスサールの姿に、深く溜息を吐きつつも
ファラミアは窓を開いて手招いた。
まったく、近衛兵にでも見られたら洒落にならない。
自分とは違い広い世界を歩いてきた男にとっては、西方世界の偉大なる王が夜中に一人、
木の上に座って摂政と話していようと、特に問題ない事かも知れないが、ファラミアに
とってはひたすら絶対の存在であり、常に威厳に満ちているべき人だ。
節度ある距離を崩すつもりはない。
今はもう遠い日。
同じ様に窓から現れて自分を驚かせていた優しい兄の事を思い出した。
普通にドアから入ればいいものを、少しでも弟を笑わせようと随分と馬鹿らしい事を
繰り返していたが、いつも呆れた顔で部屋に迎え入れていた弟が、それをどんなに嬉しく思っていたかなど、多分ボロミアには想像もつかないことだろう。
しかし、目の前のこの男は兄ではないのだ。
王なのだ。
「さあ出かけよう、早く上着を羽織って来なさい、出来るだけ汚れたヤツを」
ファラミアの回想を破って響いた声は、子供じみて強引だった。
機嫌をとっているつもりなのか、出来るだけ可愛らしく小首を傾げたエレスサールは、
窓枠に飛び移りファラミアの前に降り立つと、急かす様にマントを振り回した。
本当に良く分らない人だ。


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