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ネタバレ@ファラミア/*  2

232萌えの下なる名無しさん:2004/07/15(木) 20:05
>221=225様

良いお話ありがとうございます。
実際に、ロリエンで弟君との夢ともうつつとも付かない邂逅が
兄上の身にあったならばと、夢見さしてもらいました。
それなのに、せっかくの一夜を覚えてないなんて、不憫な。

>長い時間をかけて彼をそういう人間にしてしまったのは、私自身であるのかも知れない。

兄上本人は認めたがらないだろうけども、兄上には
大将が「そういう」ものとして必要だったからこそ、
現在の形に、兄弟の在りようが決定されたのだろうと。
つまり、兄上が、自分自身受容し切れていない部分であろうが、
兄上を含む兄弟にとっての必然が、それをもたらしたのだろうと、
思うわけです。
そして、普段は情より理屈が優先してるのかと思わせてくれる大将が、
兄上の前ではかわいい弟っていうのが、なんともツボです。

兄弟に関係ないところで、ケレ様が持つ存在感に感動。
「殿」の名は伊達ではありませぬな。

233萌えの下なる名無しさん:2004/07/16(金) 20:55
>225

えーと、難しい講釈とかナシで。

萌 え ま す た(*´Д`*)ハァハァ

234225:2004/07/18(日) 12:41
ご感想ありがとうございました。
実は萌ルドールのようじょ(小文字が出せない・・・)ガラ様もけっこう萌え、
と言うかツボなわたくしw
銀の殿の腕に抱っこされつつご託宣を垂れるガラ様にハァハァ・・・(板違い)

リオソの、王様のせいで苦労の絶えない新執政ネタもけっこうツボ。
笑えるアラファラ(エレファラ?)話も、たまには読みたいです。とか言って
みる。

235萌えの下なる名無しさん:2004/07/19(月) 20:18
アラファラ便乗なうえ、どっかでガイシュツだったらスマソですのだが、
指輪戦争終結後のゴンドールで、故ボロミア元総大将を騙る連中が発生。
連中に対してキレる若者27代執政、執政には公正さの重要性を説くものの、
実は騙り野郎には執政同様怒り心頭のエレッサール陛下とか。

236SS<兄弟/イムラヒル> 1/2:2004/07/20(火) 21:34
学生の皆さんは夏休み本番。ということで、いきなり小ネタ@海、行かせていただきます。
アラファラでなくてごめんなさい。

場所は、ドル・アムロス。
登場人物は、執政兄弟中心に、イムラヒル大公を加えた三名。
兄弟の年齢は、兄上二十歳前くらいで。
捏造ものなので、原作との整合性が気になる方にはお勧め出来ないです。
それから、兄上が物知らず過ぎるのが許せない方もご注意いただきたく。
カップリングは、ありません。

2レス分、使用させて頂きます。

<ファラミア/ボロミア/イムラヒル/カップリング要素皆無> 1/2















 ドル・アムロスの海岸は、つかの間の恩寵のように降り注ぐ、目もくらむような夏の日差しに満ちていた。
 この地の大公であるイムラヒルが居城に招いた、彼の夭逝した姉の忘れ形見である兄弟は、石の都では決して目にすることのない海を、それぞれに堪能していた。
 兄であるボロミアは、泳ぎに堪能だったし、その事への自信も手伝ってか、とりわけ、海を気に入っているようだった。
 兄と共に海水に体を任せ、波にたゆたっていた弟、ファラミアは、心地よさげに水に浸かっている兄の方へ向き直った。
「わたしはこれで上がりますので。兄上もご一緒にいかがですか」
 ボロミアは、信じられないとでも言いたげな顔を、弟に投げかけた。
「もう限界なのか。そんなことでは、いざという時が思いやられるが」
「では、兄上はまだこちらにいらっしゃるので」
「ああ。一人で上がれ」
「承知しました。くれぐれも申し上げておきますが、わたしは、ちゃんと兄上をお誘い申し上げましたからね」
「何のための念押しか知らぬが、確かに聞いた」
「それでは、心おきなく上がらせていただきます。兄上は、お気の済むまでごゆっくりと」
 不思議そうな顔を見せる兄を海上に置いて、ファラミアは兄に負けず劣らず達者な泳ぎで、遠浅の砂浜に上がった。見つけておいた適当な木陰に入って、体の水分を拭っていたとき、ファラミアは近づいてくる人影に気付いた。つい身構えたが、その主が知れると、ファラミアは目に見えて表情を緩めた。
 人物は、彼ら兄弟の叔父、イムラヒル大公だった。
「叔父上。このような所までお越しいただいてありがとうございます」
 イムラヒルは、礼儀に則って立ち上がりかけたファラミアに手真似で座るよう促すと、自らも体を低くした。
「いや。来訪を乞うたのは私だ。そなたたちには礼を言わねばな。無論、許可を下さった執政殿にも」
「痛み入ります。われら兄弟、この地を堪能させて頂いております」
「それは何より」
 イムラヒルは、目を細くした。彼にとって、姉が残した子供たちはいくつになっても可愛いのだ。
「ところで、ボロミアの姿が見えぬが」
「ボロミアですか」
 ファラミアは意味深長に笑った。
「兄上は、海がことのほかお気に入りのようで。上がるようお誘いしても、一向に聞き入れて下さらぬのです」
 ファラミアとイムラヒルは、顔を見合わせた。
「私からも、一言申す事にするか」
「叔父上。お心遣いは有り難く思いますが。ボロミアは、常として、自らの身に体験して得心せぬ限りは、梃子でも動かぬのです」
 ファラミアとイムラヒルは、もう一度顔を見合わせた。
「間もなく、私が習慣にしている午後のお茶の時間が来る。ファラミアよ。兄弟二人で私に付き合ってくれるな?」
「喜んで」
 ファラミアは、心からの礼を叔父に見せた。
「では、これよりボロミアを呼び返して参ります。衣服を整え次第、叔父上の元に参上させて頂きますゆえ」
「相分かった」
「ありがとうございます。ボロミアに成り代わり、礼を申し上げます」
「何の。ただ、既に手遅れかも知れぬがな」
 イムラヒルは、波間に見えるボロミアの姿に思わしげな視線をやると、波打ち際に向かうファラミアの背を見送ってから、居城に戻った。

 さて、さすがのボロミアも、叔父の招きとあっては無碍には出来ないとあって、自分の元に舞い戻ってきたファラミアから事情を聞かされるなり、ファラミアに先立つように、海を後にした。ファラミアは、ボロミアの背を追いながら、やれやれと胸をなで下ろした。
 しかし、問題なのは今ではないと、ファラミアは理解していた。

237SS<兄弟/イムラヒル> 2/2:2004/07/20(火) 21:38
<ファラミア/ボロミア/イムラヒル/カップリング要素皆無> 2/2















 叔父、甥でたしなむ午後のお茶の時間は、ファラミアにしてみても愉快なひとときだった。
 ただ、ボロミアにとって不思議な事には、気付けば弟と叔父が、二人して、自分を伺うような目で見つめているのだ。何かと思い、視線を合わせると、つと目は逸らされてしまう。
 同じ事は、夕食の席でも起きた。

「お前と叔父上は、わたしに何か含むところがあるのではないか?」
 夜も更け、兄弟のために用意された部屋に二人きりになって、ファラミアは開口一番、ボロミアから疑問を投げつけられた。
「ございませぬ」
 ファラミアは即答した。ファラミアが兄を欺くような人間でないことは、ボロミアが一番よく理解していた。だから、ボロミアはファラミアの言葉に納得するしかなかった。
「そうか」
 言うと、ボロミアは寝台に体を横たえた。その枕元に顔を寄せて、ファラミアは囁いた。
「もし、何かお困り事が生じましたら、時は問いませぬ。ご遠慮なく私に申していただけますか」
「何を困ることがある? まあ良い。分かった。お前も休め」
「お休みなさい。兄上」
 就寝前の挨拶であるキスをお互いの額に送り合ってから、ファラミアも自分の寝台に体を落ち着けた。

 ボロミアは、翌朝、弟と叔父が見せていた視線の意味を、身を以て知ることになった。
 ボロミアは、目が覚めても寝台から起きあがれなかった。全身が、擦りむいた覚えもないのにひりひりと痛むからだった。
「強い日差しを許容量以上に浴びると、人間の皮膚というものは、軽い火傷のような状態になるのです。特に、皮膚の色が薄い方は、日差しに弱いといいます。ボロミア」
 寝間着をはだけて寝台に横たわったボロミアに説明をしながら、ファラミアは、火傷に有効だという薬草の汁をしみこませた布を、赤く腫れた肌の上に広げていった。それでも、望まぬ痛みが不快でないわけがない。ボロミアが恨めしげな目をファラミアに向けてきた。
「そこまで知っていて、なぜ兄に教えず、放っておいた?」
「わたしは、自分が上がる時に兄上をお誘いしました。もっとも、兄上はご自分のなさりたいようになさったわけですが。昨日の今日で、よもや、お忘れになったとはおっしゃいますまい」
 ボロミアは、黙りこくってしまった。
 ファラミアは、寝台に釘付けになるしかなくなった兄の、枕元に持ってきた椅子に座り、本を読みつつ、時折物言いたげに自分を見上げるボロミアの、皮膚の状態の面倒を見ることでその日を過ごした。
 ゆるゆると流れる時間。眼下には砂浜、そして海。耳には、くすぐるような波の音。カーテンで遮られ、一日薄明るい光に満ちた部屋。そして、傍らにはいつになく無力なボロミア。
 あまりに満ち足りた時間を得て、ボロミアには、これからもたまに、日焼けに苦しんでいただくことにしようかと、ファラミアは密かに考えていた。

//終わり

238萌えの下なる名無しさん:2004/07/21(水) 09:26
>236->237様
大将・・・腹黒・・・?
そして(どうでもいいことですが)サンバーン体質の自分には、兄君の
苦しみがよーくわかりますw
夏にふさわしいお話ありがとうございました。

それにしても、ここんとこ東京の暑さは異様だ。なんとかならんのか・・・

239萌えの下なる名無しさん:2004/07/22(木) 13:07
大将と叔父上GJ!(w
ところで泳ぐ時はやはり水着なんでしょーか。もしや裸・・・?

240236:2004/07/23(金) 11:09
【訂正】 >237 第2段落8行目

誤 >「もし、何かお困り事が生じましたら、時は問いませぬ。ご遠慮なく私に申していただけますか」  
                                        ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
正 >「もし、何かお困り事が生じましたら、時は問いませぬ。ご遠慮なく、わたしにおっしゃっていただけますか」 


兄上は、自分が動けない分、弟を顎で使いそうな予感。
小ネタの、さらに小ネタ。

「痛い」
「いずれ回復します。今は、我慢なさる他ありませぬ」
「元はといえば…」
「兄上が加減をごご存知ないせいでしたかな」

「喉が渇いた」
「水をいただいてきましょう」
「この姿勢で、どうやって飲むのだ」
「ご心配せずとも、わたしが、飲ませて差し上げますよ」

「退屈だ」
「本をお読みしましょうか」
「お前が選ぶ本は、つまらん」
「そうおっしゃらず」
(朗読。兄上熟睡)

「ボロミアの具合はどうだ」
「これは叔父上。お陰様で、眠れる程度には大丈夫なようです」
「ファラミア。ボロミアはうちの者に任せて、羽を伸ばしてきても構わぬぞ」
「ありがとうございます。ただ、わたしは兄上のお側にあって、お役に立ちたく思います」
「ボロミアも、それを、恐らく知っておるのだな」
「はい?」
「これは、信頼しきっておる者の顔だ」
(顔を見合わせるファラミアとイムラヒル。そして、両者ともに声をたてず笑う)。

//終わり

241萌えの下なる名無しさん:2004/07/23(金) 15:45
今日も暑いっすね。

兄へ「あんたは幼児か!」
弟へ「あんたはおかーさんか!」
そして、兄弟に対する叔父上のスタンスが絶妙。
コワイ父君の目の届かないところでは、ほんとにこんな感じで仲良くして
くれていたらいいな。

242萌えの下なる名無しさん:2004/07/25(日) 01:27
RoTK-CEのレンタルが始まった訳ですが、北米海軍基地のある町でヲタクの
祭典が開かれていまして、そこでSEE追加分に関するかなりのネタバレ情報や
実際の映像のさわりなどが公開された模様。
で、そのパネルディスカッションにおでましになったのが、我らが大将の
中の人と、ゴンドールの小さい騎士の中の人だったのですよ。
大将絡みで復活が期待されるシーンは、あらかたはいっているようですね。
以下、かなりネタバレなので・・・








大将がピピンと兄上のことを話す場面があるそうです。勿論、例の騎士の
制服が大将のお下がりだという話も。二人で笑い合ったり、大将にとっては
僅かな安らぎのひとときだったのでしょうね・・・
なお、大将の中の人が(自分の出番の中で)三部作中最も好きな場面は、
TTT-SEEのオスギリアスだそうで、やっぱりねw という感じですが、RoTKの
中では、「兄上と私の立場が入れ替わっていたら〜」のあたりと、上述した
ピピンとのシーンがいちばん好きなのだそうです。

今から来るべき冬のことを思い、現在の酷暑を少しでも忘れたいです。

243萌えの下なる名無しさん:2004/07/26(月) 01:53
>242サマ、情報ありがとうございます!
うわぁ〜、そんな祭典、うらやまし杉!!
フォー・ゴンドーーーール!!

244242:2004/07/26(月) 21:30
いろんなネタバレ情報を見て回って、改めて思ったのが、実は映画では、
ピピンこそがベ(ry の役割を(大将に対して)担っていたのかも、という
こと。実際に炎の中から助け出したのが彼だったというだけでなく。
ネタバレに関しては、あっと言う間に隠し撮り映像(おいおい)なんてもの
まで出回っているけどーーー










ああ、大将笑ってるよ。ピピンに向けて。それだけで嬉しい自分がいる。
ピピンが大将を慰めると言うか励ます台詞もあるらしい。そこで一気に
ファラピピ萌えが・・・とか言うより、いろいろな人から
「あなたは決してひとりではない」
と言われながらも、一人で行こうとする大将が、なおさら痛々しく思えて
きそうです。

245萌えの下なる名無しさん:2004/07/27(火) 00:22
>242さま
ネタバレ?なのでさげます。












あの隠し撮り(モロ隠し撮りーって感じでしたね)での
ピピンへ向けた笑顔、これまでのどれとも違ってるように見えました。
オスギリアスでボロミアに対しての全開の笑顔、戴冠式でのエオウィンとの
ふわっとした笑顔、フロドたちを放す時の腹くくった笑顔、
どれとも違いますよね…。中の人、ホント上手いなあと思いました。

246SS1/2:2004/07/30(金) 23:29
皆様、夏バテですか?それとも、わが国の祭典に向けての準備中?
という中、SEEネタバレ情報に触発されて、ファラピピ小ネタいきます。
その情報も、以前別の所で見たものとは少し異なるように思えますが、
はっきりしたことが判る前に、あえて書かせて頂きます。

<ネタバレ@ ピピン/ファラミア しるけ皆無>

*/はピピン視点という意味。
*大将オスギリアス撤退後、次の出撃前。
*ファラピピと言いつつ、半分くらいガンピピ。





白い花のような人だと、ピピンは思った。
初めて会った時には、前線から戻ったばかりで血と埃にまみれたその姿を、恐ろしいと感じた。
しかし、この冷やかな石造りの建物の中に佇むその人は、都の公子に似つかわしくない革の胴衣も籠手もまだ身に着けたままでいながら、慎ましく咲く白い花を思わせた。
自分が黒い石の中で燃え落ちる姿を見せられ、この都に来て枯れ果てたその実物を目にした、あの白い木がもし花をつけることがあるなら、この人に似ているかも知れない。
大将と呼ばれる人に対してふさわしい連想ではなかったが、ピピンはそう思わずにいられなかった。

そして、その人は今、実の父親から死を宣告されたにもかかわらず、穏やかな微笑さえ浮かべて、自分の前にいる。
この人の兄はこんな風には笑わなかった、とピピンは思う。
少なくとも、自分やメリーに向ける笑顔は、どこまでも明るく、太陽の光を集めたかのようだった。
それが失われたことは、もちろん自分たちにとっても打撃だったが、その父や弟にとっては、量り知れないほどの影響をもたらすものだったのだと、ピピンは思い知った。

「僕でお力になれることがあれば・・・」
と声をかけると、その人は微笑を浮かべたまま、静かに答えた。
「なすべきことはもうない。自分の身を護ることだけ考えるがよい」

ああ、この人は死ぬ気だ。
そう思った。
父親にそう言われたからだけではない。おそらくあの光を失った時から、この人は死ぬ気だったのだ。むしろ、父親の口からはっきりとそれを告げられることを、望んでさえいたのではないだろうか、と。
しかしーーー

「ガンダルフ!ガンダルフ!」
広い宮殿の中、やっと魔法使いの姿を見出して、ピピンは駆け寄って行った。
「ガンダルフ、どうかあの方を助けて下さい。あの方は死ぬ気です。ガンダルフ、お願いだから、やめさせて下さい」
「ペレグリン・トゥックよ、何の話じゃ」
白い衣にしがみついた手をぐいと引き離し、魔法使いは訊ねた。
それでピピンは、自分が目にしたことを、彼に話して聞かせた。
「こんな時だから、命がけでしなくちゃならないことだってあるでしょう。でも、あんなのは間違ってる・・・」
言ううち、ピピンの目からは涙が溢れ出した。
「ぼ、僕は、ボロミアさんが僕たちの前で斃れた姿が忘れられない・・・今また、その弟さんにまで、死んでなんかほしくないんです。たったひとりで、身を捨ててほしくなんか・・・」

あんなに傷ついたままで。
あんな微笑だけを残して。

247SS 2/2:2004/07/30(金) 23:33
<ファラピピ 2/2>














「しかし、あれも昔から、自分で決めたことに関しては枉げるということのない子じゃったよ。その点は、父や兄とよく似ている。それに、いったん執政の命令が下った以上、そう易々とは覆せん」
「ガンダルフ!」
「だが、おまえさんは、彼の助けになりたいんじゃな」
ピピンは頷いた。

ボロミアの弟だからーーーフロドとサムの無事な姿を最後に確認した人だからーーー
しかし、自分の気持ちがそれだけによるものでないことに、ピピンは気がついていた。
ボロミアには、彼が導いてくれるのであれば、自分はただどこまでもついて行きたかった。だがーーー

「僕は、あの方の為に何かしてさしあげたいんです。何ができるかはわからないけれど」
「そう思う者は、おまえさん以外にも、この都には大勢おると思うぞ」
と言うガンダルフの声は、いつになく優しかった。
「あの子が、ちゃんとそれに気づいてくれるといいのじゃが」
「だから、あなたがそうおっしゃって下さい」
ガンダルフは首を振った。
「言ったじゃろう。人がこうと決めた心を簡単に動かすことなどできん。そんなことは魔法使いの仕事でもないわ。だが、おまえさんならあるいは、本当に何かをなし得るかも知れんな。ホビットには、人間や魔法使いの思い及びもしない力がある。ボロミアの心を最後の最後で踏みとどまらせたのも、おまえさんたちだったのじゃから」
そう言われて、また涙が出そうになった。それがこぼれ落ちる前に、ガンダルフはピピンの肩にそっと手を置いた。
「が、まあ、わしも彼には伝えておかなくてはならんことがある。おまえさんはおまえさんで、その"できること"について考えればよい。さしあたっては、いま身に着けている制服にふさわしい振舞いをすることじゃ、小さい騎士よ」
「この服ですけど・・・」
ピピンは少し腕を広げ、白の木の徴しを捺した黒い胴衣に目を落とした。
「あの方が子供の頃、着ておられたものなのだそうです」
「ふうむ?」
魔法使いは眉を上げた。
「なるほどな。では、あれの父親にも、まだ少しは望みがあるやも知れぬ」
去り際、ガンダルフはもう一度言った。
「忘れるな。おまえさんにできることは必ずある筈じゃ」

あの人を守りたい。
と、ピピンは思った。
どう考えても、身に過ぎた思いには違いない。共に前線に出る訳にいかないことも判っている。
またそれは、ボロミアが自分たちを守る為に命を掛けてくれた、その恩に報いたいというだけの気持ちではなかった。

白の木を燃え尽きさせてはならない。
血を浴び、踏みにじられ、それでもなお端然と咲く白い花のようなあの人を、僕はただ守りたい。
その為に命を掛けることになろうとも。

「できることは必ずある。必ずーーー」
魔法使いの言葉を、もう一度、ピピンは自分の口で繰り返した。


***
お粗末さま。1と2の間に1行あけ願います。

248萌えの下なる名無しさん:2004/07/31(土) 17:56
>246さま

世間は夏祭り準備の予感。

読後の今、気分はまさにベレゴンドです。
この追い込まれっぷりが大将だと思いつつ、
もっと楽になって欲しいのも本当だし。悩まし過ぎます、大将。
ピピンは成人前なのに、見事な腹のくくりっぷりを見せてくれるし。
小さい人には改めて感服しました。

ファラミア=白い花の喩えがぴったりで、一行目がもう萌えだったんですが。

兄上は熱帯雨林のイメージなんですが。中つ国にあるかどうかは…。
あるいは月見草と向日葵とか。嫌なたとえだったらごめんなさい。

249萌えの下なる名無しさん:2004/07/31(土) 19:30
>246さま
大将=白い花にツルッ禿になる程同意ですヽ(゚∀゚)ノ
大将のイメージカラーはなんとなく白、緑、茶・・・まさにお花色。

全然関係ないのですが、
某ケータイ指輪ゲームの人物紹介の大将、
一人キラキラしてて眩しかったです。
大女優用スポットライトでも当てられていたのかと思う程に。

250SS<ベレゴンド執政兄弟> 1/2:2004/08/01(日) 22:43
唐突に、季節感のない小ネタいかせて頂きます。
原作のどのエピソードとも絡みません。捏造ものです。ご注意お願いします。

登場人物はベレゴンド、ファラミア、ボロミアの三名。
主役はベレゴンドです。カップリングはありません。
大将二十代後半くらい。
読み流していただければ幸い、というお話です。
2レス分使用させて頂きます。



<ベレゴンド/ファラミア/ボロミア しるけなし> 1/2















 ミナス・ティリス第三中隊の近衛兵、ベレゴンドは面食らった。
 今まで無い事に、総大将殿から直々に呼び出しがあったからだった。
 ともかく、ミナス・ティリスでは総大将といえば執政に次ぐ責任者である。その総大将の呼び出しとあらば、何を置いても駆けつけなければならない。夜更けにも拘わらず、ベレゴンドは支持された場所へと急いだ。
 城塞の一角に総大将であるボロミアは、いた。
 ベレゴンドもミナス・ティリスに仕える身である。その姿は見知っていたが、直接に顔を合わせるのは初めてのことだった。平伏しようとするベレゴンドにボロミアは近づき、耳元で低く言った。
「ベレゴンドであるな。事は急を要するのでな。事情は道々話す」
 先に立って大股に歩き出したボロミアに遅れないよう、ベレゴンドは姿勢を正し、足を速めた。ベレゴンドの気のせいでなければボロミアは、通常ならば一介の近衛兵に過ぎない身であるベレゴンドなどが入ることを許されるような場所ではない、執政家の個人的な居住空間へと進んでいた。
 意識に上らすまいとしても、どうしても緊張が勝って身構えてしまうベレゴンドに構わず、ボロミアが振り返りもせずベレゴンドに問う。
「お前には妻があるな」
 何故、今、ボロミアがベレゴンド個人の話を聞きたがるのか、ベレゴンドには実は分からなかった。が、考えても仕方がなかった。
「その通りにございます」
「子供はあるか」
「息子がおります」
「妻子は、かわいいか」
 総大将殿は、何を聞きたいのだろう。ベレゴンドの混乱は増すばかりだった。
「大事に思っております」
「結構な事だ」
 ボロミアが、頷いたような気がした。しかし、総大将殿と会話するというだけで強いられる緊張感から、背中にしたたる嫌な汗をこらえるので、ベレゴンドは精一杯だった。ボロミアとの会話は、ベレゴンドにとっては、光栄というより、ただ、畏怖の念が勝るものだった。
 ベレゴンドが連れて行かれた先は、湯殿だった。ますます訳が分からない。待ちかまえていた女官が、ベレゴンドを中へ引っ張っていく。
「念入りにな」
 ボロミアが女官に告げる声が聞こえた。
「何がどうなっているのです」
 されるがままになるしかないベレゴンドは、普段親交の持ちようもない女官たちに尋ねた。が、答えはなかった。
 すっかり体を洗われ、袖を通したこともないような真っ白なガウンに身を包まされて、ベレゴンドは女官に付き添われて、湯殿から出された。
 まるで品定めされるように、頭のてっぺんから足の先までボロミアの遠慮無しな視線に晒されて、ベレゴンドは居心地悪いことこの上なかった。
「ご苦労」
 女官をねぎらうと、ボロミアは再び歩き出した。置いて行かれてはどうにもならない。ベレゴンドは、目的が知れずとも、どこまでもボロミアに従うしかなかった。
 扉の一つの前でボロミアは足を止めた。
「以降、足音は厳禁である。不用意に気配を立てることも許さぬ」
 殊更抑えた声で告げられた命令に、ベレゴンドはごく低く短く御意と答えた。
 慎重かつ丁重に、ボロミアが扉を開いた。
 広く、薄暗い部屋に、人の気配があることに、ベレゴンドは気付いた。そして、部屋の空気は、ただならぬ湿気と熱に覆われているように感じられた。
 ベレゴンドに指示した以上に注意深く、ボロミアは部屋を進んだ。ベレゴンドは、粗相がないよう神経を尖らせながらボロミアに続いた。
 ボロミアが再び立ち止まったので、ベレゴンドはそれに従った。
 ボロミアの体越しにベレゴンドが見たのは、寝台だった。人の気配はそこにあった。禁じられていたにも拘わらず、ベレゴンドは息を飲んだ。彼が、職務上の義務からだけではなく、崇拝してやまない、ファラミア大将の姿があったからだ。気付かれたのだろう、ボロミアが振り返り、ベレゴンドにきつい非難の目を向けていた。ベレゴンドは、非礼を詫びるために頭を下げるしかなかった。

251SS<ベレゴンド執政兄弟> 2/2:2004/08/01(日) 22:44
<ベレゴンド/ファラミア/ボロミア しるけなし> 2/2














 ファラミアは、眠っているようだった。
 ベレゴンドの目には、それが安らかな眠りであるようには見えなかった。見間違いでなければ、顔は上気し、ただの寝汗とは思えない玉のような汗が、額に滲んでいた。僅かに開いた唇の間から漏れる息は、多分、熱を帯びてるのだ。
「どう思う」
 いきなりの問に、ベレゴンドは答えることが出来なかった。
「痛々しい事だ」
 悲痛な響きを持つ呟きに頷く事が、ベレゴンドに出来る精一杯だった。
「熱がある。薬の処方を受けたが下がらぬ」
 おいたわしいことだ。そう思ったが、ベレゴンドが声に出すわけにはいかなかった。
「添い寝を言いつける」
 えっ。と声を上げそうになるのを、ベレゴンドは自分の両手で口を塞ぐことで、なんとか抑えた。
 命じられたことは理解出来た。が、聞き違いかも知れないと、礼も忘れてベレゴンドは総大将殿の顔を、目を丸くして見た。
「聞こえぬのか」
 念を押されて、ようやくベレゴンドは体を動かすことが出来た。
「失礼を」
 自分が使っているよりは広い寝台に、ベレゴンドは慎重に慎重を重ねて体を滑り込ませた。こもっている熱と、汗によるしっとりとした湿り気に体を包まれてもなお、自分のしていることが、到底現実とはベレゴンドには思えなかった。
「余計な事を為すな。考えもするな。明朝、迎えの者を寄越す。以上だ」
 ボロミアは、一方的にベレゴンドに告げ、身を翻した。部屋を出ていく気配がベレゴンドにも感じられた。

 大将殿は、目を覚まさなかったのだろう。
 とてもまともに体を向き合わせる気にはなれず、自分の背中越しにようやく盗み見るようにしてベレゴンドが確かめたのは、呼吸のため大きく上下しているファラミアの体だけだった。
 自分は、一体、ここで何をしているのだろう。
 ベレゴンドは何度も自分自身に問うた。
 手を伸ばせば触れられる位置に、大将殿がいる。それどころか、自分は同じ寝台に身を横たえている。これは命令だった。添い寝だ、と総大将殿は言った。いい年をした大人に添い寝が必要なのだろうか。そして、何故自分なのか。もしそれが必要ならば、医術の心得がある者や、兄弟である総大将殿の方が、より相応しいのではないか。
 色々な考えが頭に浮かんだが、何一つ確かな道筋を示すものにはならなかった。

 それにしても、大将殿だ。
 熱に浮かされて寝付いているにしても、佇まいは整っていて、普段見かける様子と変わることと言えば、多少弱々しさが見えるくらいのものだった。
 余計なことを為すな。
 不意に、ボロミアの言葉が頭によみがえってきて、ベレゴンドは自分が、ファラミアの姿に不躾にも見入っている事に気付いた。
 自分も、寝れば良いのだろうかと、ベレゴンドは目を閉じてみた。しかし、ファラミアの呼吸と、体の持つ熱が、殊更、体に染みるように感じられて、寝付くどころではないのが、分かっただけだった。
 それでも、命令は命令だった。気配をなるべく殺し、自分の心臓の鼓動が己の耳に煩いのを我慢しつつ、ベレゴンドは自分の上官の寝台に、寝転がっているしかなかった。
 そうして、まんじりともしないまま、ベレゴンドは朝が来るのを待った。

 視界は暗かった。横たえている体が重かった。
「ベレゴンド」
 名を呼ばれて、くっついたままでいようと粘るまぶたを、なんとか開いた。
 視界に入ったのが、誰なのか頭が認識するまで多少かかった。
「ファラミア…様」
 ベレゴンドは跳ね起きようとしたが、何故かひどい頭痛と倦怠感が体を支配していて、思うようにならなかった。
「迎えが来ている。療病院に寄って指示を仰ぐが良い」
「は…」
 ふらつく体を、迎えだという近衛兵に支えられて、なんとか立ち上がるとベレゴンドは、自分の上官に深々と礼をした。
「いかにも総大将殿の考えそうなことだ。ご苦労だった」
 張りのある声は、病人のそれではないと、ベレゴンドは意識の片隅で思った。本当に良かった。とベレゴンドは思った。
 次に気付いた時には、ベレゴンドの体は療病院にあった。
「風邪だね。まったく、どこで貰ってきたのやら」
 喉に苦い薬を流し込まれたが、大将殿に貰った風邪なら悪くはないかも知れないと、昨夜取れなかった分までも取り戻そうとするかのように、朦朧とする割に痛む頭に心悩ませつつ、ベレゴンドは深い眠りに落ちていった。

252SS<ベレゴンド執政兄弟> (2/2)+1:2004/08/01(日) 22:47
<ベレゴンド/ファラミア/ボロミア しるけなし> (2/2)+1
















***

「兄上」
 身支度を調えたファラミアは、真っ先にボロミアの元に向かった。
「ファラミア。元気になったか。結構な事だ」
 満面の笑みをたたえたボロミアは、熱が引いた弟の体を抱き締めた。
「ありがとうございます。しかし、他人を巻き込むのは感心しませんな」
「気付いていたか。風邪は人にうつすと治るという。単なる民間伝承だと思ってはいたが、試す価値があったというわけであるな」
「兄上…」
 思わぬ溜息が漏れた。
「ベレゴンドはとりわけ信用のおける人物であると、調べはついている。でなければ、任せるものか」
「そのようなことは申しておりません」
「では何だ」
 幼い頃、あの場所にいるのは必ずボロミアだったのだが。
 この兄は、自分の言いたいことになど、一生気付くまいとファラミアは思った。だから、黙って兄の背を抱き返しただけだった。

//終わり

253萌えの下なる名無しさん:2004/08/03(火) 23:11
>250様
あの・・・子馬限定かどうかわかりませんが、ベレって総大将殿の思いつきの
おかげで、いろいろ大変な目に遭ってません?w その反面役得も有り、と。
そして兄上、「弟は心配。でも自分がうつされるのはいや」って・・・w

私事ですが、DVD封入の中つ国住民票で、晴れてゴンドールの民と認定され
ました。これはやはり、今後とも執政家の為に尽くせという啓示でしょうか。
(え、帰還あそばした王様には・・・?)

254萌えの下なる名無しさん:2004/08/04(水) 14:16
>250−252女神様
夏風邪注意ですな。いやあ、べレゴンドさん役得。
でも「ファラミアさまぁー!!」(原作)のひとだからオールおっけー。

>253
いいえ、兄上は涙をのんで職務を優先したのですよ。
白い都の大将と総大将がそろって寝込んでいたんでは
東よりの悪しき風が機に乗じる恐れがある。
なにより、父上がパらんティあで見てるかも、だ!!

255萌えの下なる名無しさん:2004/08/05(木) 10:50
>パらんティあ
そ れ だ !
そうでなければただの感冒、何を恐れることがあろうか!
と断腸の思いで諦めたのですね、兄上は(w
というかプライバシーの侵害ですよ父上……

256萌えの下なる名無しさん:2004/08/05(木) 21:20
小ネタを引っ張ってごめんなさいなのですが。
こんな父上出ました。



<父上、次男が高熱に伏せるの報を受け部屋を訪れる>






時は遡り、ファラミアが伏せった直後。
起きあがれないファラミアの枕元で、
無言のまま立ちつくす父上。
その気配のため落ち着かず、眠れないファラミア。

ファラミア心の声:
(責任ある大将の身でありながら伏せるなど
 不甲斐ないとのお怒り、ご尤もです。
 回復後にはどのようなお叱りも受けますゆえ、
 どうか今は療養に専心させて下さい)。

父上心の声:
(父に手の一つも差し出しさえしてくれば、
 握るなり添い寝なりしてやれるというのに、
 なぜこのような時でさえ、ファラミアは父を頼みにしてこぬのだ)。

自分から手を伸ばせば話が早いにも拘わらず、
素直になれない純情(?)父上。
待てど暮らせどファラミアからのアクションが
無いことに業を煮やして自ら退室。

「そしてかれは多くの他のことと同様
このことでも父の不興を買ったのである」(追補編より)。




//双方とも「よく人の心を読」むらしいのに擦れ違う大将と父上。
 …失礼しました。




引用部分の補足
出典:新版指輪物語10追補編/p69
「かれ」…ファラミア
「このこと」…ガンダルフの智恵をファラミアが喜んで学んだこと。

257萌えの下なる名無しさん:2004/08/05(木) 22:11
>256
父上…
部屋を立ち去る時、例によってシニカル笑いをうかべながら
「寝たふりなど」
とか、聞こえるようにつぶやいて
大将の寒気を倍増させているんだろうな(笑)

そんな気配は感じつつ、おろおろしてしまう兄上。
で、ベレを呼ぶのか。風鈴家の人々はつくづく可愛いな。

258萌えの下なる名無しさん:2004/08/06(金) 16:09
いざとなれば父上もファラミアを気遣うのだな。
と、現象だけを見て一人で心温まってる兄上とか。
大将、確かに父兄から愛されてるんだけど、
不憫さ増量(当初比)な気もしたり。

ここらで、"幸せな"大将を禿げしくキボン。

259萌えの下なる名無しさん:2004/08/09(月) 18:36
>"幸せな"大将
と言われて、何も思いつかないことに気づきました。ひでぇ・・・
う〜ん、イシリアン大公御夫妻のほのぼのバカッポー話とかなら何とか
なるかもだけど、この板的にはどうかと思うし。
それ以外で大将の幸せはどこに・・・?

260萌えの下なる名無しさん:2004/08/09(月) 21:24
あるだろう、ささやかなのが。
兄上のかげにはなったけど父上の視界にはいったとか。

261萌えの下なる名無しさん:2004/08/09(月) 22:24
父上に久しぶりに声をかけられたとか?
「その醤油をとってくれ。」とか?

262萌えの下なる名無しさん:2004/08/10(火) 15:27
↑ひ、ひどい!!w

263萌えの下なる名無しさん:2004/08/10(火) 22:03
>260>261
君たち・・・w

264萌えの下なる名無しさん:2004/08/11(水) 13:26
ささやかに愛されてるな、大将w

265萌えの下なる名無しさん:2004/08/13(金) 17:05
だけど御大将、口答えするんだよな…
父上がだんだんおかしくなってきて
「自分が王になるのだ!」みたいなことを言い出しても
「父上、冗談だとしたら全然面白くありませんが
本気だとすれば、かなりおかしいですな」
とかしれっと言いそうだ。

266萌えの下なる名無しさん:2004/08/14(土) 10:51
>265
父上相手に、生真面目な受け答えをする大将かわいいなー。
そんなところはデネソールにそっくりなんでしょうね。

267萌えの下なる名無しさん:2004/08/15(日) 20:43
デネソールに似ているのは大将で、
デネソールの父君は兄上に似ていたのかも。

そんでもってSSなのですが。
兄弟を分ける要素ってなんだろうというところから出発。
テーマは「大人になるってどういうことなんだろう?」
ファラミア視点。
ファラミアを直接指導していたのは教師と兄だったという前提。父上不関与。
登場人物。子どもファラミア、子どもボロミア、教師(捏造)
4レス分予定。

しるけは、なしで。それでは数レス分お借りします。

<ファラミア/ボロミア/しるけなし/捏造子ども時代> 1/4













 自分というものがある限り、兄の役に立つこと。それが自分の存在理由だった。
 ファラミア、一二歳。
 そして、何より兄は自分の支えだった。

 五歳になった年、母を亡くした。
 何も分からない子どもでしかなかった自分に、役割を教え、道理を説き、義務を自覚せしめたのは、教師たちよりもむしろボロミアだった。なぜならば、ボロミアは誰よりも自分と近しい位置にある。あるいは、あろうとしているからだ。
 時と共に母の記憶は薄らいでいく。父親は、自分を省みる事が稀であるかに思えてならない。父の心の内は知らない。
 そうした環境にあって、感情というままならぬものを受け止めてくれるのは常にボロミアだった。
 疑問に、時に理不尽な物言いに耳を傾け、困り事は無いかと体を抱き締めてくれる。そのたびに得られるのは、安らぎに他ならなかった。誰も代わりはない。懐疑を抱くたび、自分はここにいるべき人間であるのだと、ボロミアが言葉ではなく飽かず繰り返し教えてくれたのだ。

 だから、ボロミアと自分は分かちがたく生涯に渡って共にあるものだと、ファラミアは思っていた。
「大人になる」という事が、自分の理解にある事柄以外の意味を含むものだと、教えられるまでは。
 兄の姿を見上げるたび思ったものだった。早く、ボロミアのようになりたい、と。背が伸びること、体が発達することに伴って身に付く頑強さをファラミアは羨望した。とはいえ、ボロミアもまだ年は十七で、いわゆる「成人」の体と比べれば、ボロミアが持つのもまだ少年のそれには違いなかったが、ファラミアの目には随分、大人であるように感じられていた。ファラミアにとって、目に見えて変わろうとしている自分の体は喜ばしく、誇らしいものだった。
 しかし、体の発達は、重い剣を自在に操ることや、長く早く歩むことだけに役立てるものではないという。教師いわく、こうだ。
「いずれはしかるべき方を妻と迎え、後継者となるお子をなさねばなりません。そのためにも、お体はそれにふさわしく、健康に保たねば」
 それは、「自立」するという事を同時に意味していた。
「もちろん、今すぐ、という事ではございません。しかし、来るべき時のための準備は、今から為さねばならぬでしょう。お気持ちの上でも、お体の上でもです」
「わたしがですか? 執政の後継者は兄です。兄に必要であるのはわかりますが」
「ボロミア様は、もちろんご理解なさっております。ファラミア様が同じくご成長なさり、お力になるとすれば、執政殿にとってもボロミア様にとっても、さぞお心強いことでしょう。そのために必要なことについてお話させていただかねばなりません。つまりはです…」
 初老の講師が語る言葉は、どこか遠くを滑って行くようだった。
 いずれ自分は、ボロミアと離れるのだ。ボロミアもそれを受けいれているという。
 そんなばかな。
 理屈ではなかった。ただ、認めたくないだけだと分かっていた。今すぐ、というわけでさえない。それでも、言いようのない喪失感をファラミアは拭えなかった。

 ファラミアは年の割に口数の多い方ではなかった。暇があれば書物を読みふけり、疑問があれば自分で本を開く。何かと言えば表に出て体を動かそうとする兄とは対照をなす、そういう子どもだった。
 その日を境に、ファラミアの口数はますます減った。
 それを見とがめたのは教師でも父親でもなく、兄だった。
 ボロミアは僅かも待たなかった。
 一日の日課を終え、後は部屋で休むだけだという時間になって、ファラミアは自室にボロミアの訪問を受けた。

268SS<ファラミア/ボロミア> 子ども時代2/4:2004/08/15(日) 20:46
<ファラミア/ボロミア/しるけなし/捏造子ども時代> 2/4
















「兄上?」
 部屋にボロミアを迎え入れつつも、ファラミアは疑問を隠せなかった。逆はよくあることだった。ファラミアは、自分で処理しきれない問題が起こるたびに、ボロミアを頼ったものだ。しかし、ボロミアが自らファラミアを訪ねてくることは、至極稀だった。
 ファラミアが勧めた椅子を、ボロミアは断った。
「今の時間なら横になっていたのだろう。ファラミアは寝ていて良い」
 弟が持つ旺盛な知識欲と頭の回転の良さは、ボロミアも舌を巻くほどだったが、それでもファラミアはやはり一二歳の子どもに違いなく、ボロミアにしてみれば、まだ、かれの保護下に置くべき存在だった。そして、ファラミアもそれに薄々気付くだけの年にはなっていた。「兄上の役に立つ」どころではないのが今の自分ならば、それがたとえ不遜な考えであろうと兄と肩を並べるほどに成長したいと、ファラミアは望まないではいられなかった。教師からあの言葉を与えられた今にして思えば、それに付随する何かがある事を知ろうともしなかっただけの、無邪気過ぎる願いであるにしても。
「それではお言葉にあまえます」
 ボロミアの来訪があるまで寝転がっていた寝台にファラミアは上がって、再び眠る姿勢を取った。そのファラミアの顔が見えるよう寝台の端に腰掛けたボロミアの手が、ファラミアの体を包む布団を引き上げ、ファラミアの肩口辺りに具合良く整えていく。納得いったらしい手が、ファラミアの生来ゆるく癖のある髪に触れると、それだけでファラミアは、心地よさから眠りに落ちてしまいそうになるのだが、それを堪えた。
「どうかなさったのですか。兄上」
 寝転がった姿勢では見上げるしかないので、そうしてファラミアはボロミアの顔を見た。
「どうかしているのは、ファラミアであるとわたしは思う」
 ファラミアは目を瞬かせた。
「なぜそう思われるのですか」
「ファラミア。何か、思い詰めていることがあるのではないか」
 言われて思い出されるのは、教師から聞かされた「大人になる」という事の意味だった。しかし、それをボロミアに吐露して何になるだろう。ファラミアは、片手を伸ばしボロミアの膝を覆う寝間着を手の内に掴んだ。
「それは、おたずねにならないでいただきたく思います」
「兄に、話せぬ事があると申すのだな」
 ボロミアの顔に険しさが浮かんだ。
「それはよほどの重大事に違いないな。ファラミア。ならば、是が非でも耳にせぬわけにはいかぬが。兄は、頼りにならぬか。ファラミア」
「いいえ」
 いつでも兄だけが頼みだというのに、ボロミアはなぜ平気でそう問えるのだろう。
「ならば兄に話してみよ。ファラミア。思うより兄には良い知恵がきっとあるぞ」
 ボロミアの声は優しい。髪に触れたままの手も、また。ファラミアは、ボロミアの寝間着を掴んだ拳を更に強く握りしめた。思うところを口にすれば、ボロミアはこれが自分の弟かと幻滅するだろうか。義務を忘れて何事を言いだすかと呆れ果てるだろうか。
 怖かった。ボロミアの暖かな目が、自分に注がれなくなる可能性を考える事は、ファラミアを何より苦しくさせた。
「ボロミア。−−兄上」
 言うべき事はあるだろうに、言葉が見つからない。ボロミアの膝頭に額を寄せたファラミアの髪を、ボロミアは悪戯でもするようにくしゃくしゃとかき混ぜた。
「辛いことがあったか。−−怖い夢を見たか?」
 後半低く潜められたボロミアの声に、ファラミアの背は思わず竦んだ。それを見越したわけではないだろうが、ファラミアが置いた頭と高さが合うようにボロミアは、足を床に残して腰までを寝台に横たえた。ファラミアの額に、兄の額が触れた。泣き出してしまいたいくらいだった。様子に気付いたのか、ボロミアはファラミアの体にかかる布団の下に腕を入れ、ファラミアの体をボロミア自身の体に触れ合うよう、抱き締めた。
「どんな事にせよ、己の身に降りかかる事は己で受け止めなければならぬ」
「承知して、おります」
 か細い声をボロミアはどう取っただろう。
「だがな。ファラミア。頼みに出来るものがあるなら、そうすることに何もためらう必要はない。結局はお前が負うものであろうともだ。兄に話せば気は軽くなるかも知れぬぞ。わたしは、いつでもそのつもりでいる。お前の信頼に足るようにと」
 そうして、ファラミアの目をまっすぐ見据えてくる。
「兄上、わたしは」
 自分が何を言おうとしているのか、ファラミア自身分かっているわけではなかった。しかし、何も言わないことはつまり、兄にとっては手ひどい裏切りなのだ。

269SS<ファラミア/ボロミア> 子ども時代3/4:2004/08/15(日) 20:49
<ファラミア/ボロミア/しるけなし/捏造子ども時代> 3/4
















「わたしは、ずっと兄上のお側にあって、お役に立ちたく思います」
「うん? もちろんであるとも。誰もそれを咎め立てしたりはせぬぞ」
「兄上。わたしはそれがかなわぬと知りました」
 ボロミアが眉をひそめるのが見えた。
「かなわぬ理由などなかろう。それこそ、お前の心一つであることだ」
「わたしの心は、いま申したままです。かわりはしません」
「やはり、何か悪い夢でも見たのか。心が揺らぐような。−−ファラミア。父上同様にお前は"見える"のだろう。何か見たのだな。ファラミア」
「兄上」
 自分の表情から何かを知ろうとするのかのように、ボロミアは不安を隠そうともせずつめてくる。それがボロミアにとって殊更気がかりになるのは、ボロミアには"見えない"からだろう。得体が知れぬものほど、その正体が何であれそれは恐ろしいものとして立ち現れるのだ。そういえば、ボロミアはロスロリエンに住まうという魔女の話をひどく嫌っていたような記憶がある。ボロミアにとっては、ファラミアが時折語る夢の話も、それとさして変わらぬのだろう。
 それでいてボロミアは、自らの目に見えず、体感しようがないものにも、自分と共に向き合おうとしているのだ。
 ファラミアは思う。誰もボロミアの代わりにはならない。かれが自分の兄だからというだけでは、おそらくない。ボロミアが自分に向ける姿勢が、ボロミアの心のあり方が、自分には必要であるから。それ以上に、それらが何より増して好ましいものだからだ。
 しかし、ファラミアを捕らえて離さないのは、夜に訪れる夢ではない。それが何かと敢えて言わねばならぬならば、それは、来るべき未来に待ち受けている自分が果たすべき役割の一つなのだろう。民を安んじること。国を統べる者を助けること。それと同じ意味で。
「兄上は、大人になるとはどういうことであるとお考えですか」
「いきなりどうした」
 言いながらも、ボロミアはファラミアに与えるべき答えを探しているように見えた。
「人に助けられるのではなく、人を助ける存在になるということではないか。わたしとて、これからの身だが」
「これから」
「そうだ。ファラミア。だからといって心配はいらぬ。ファラミアにはわたしも、父上も、教師たちもついている」
 ついている。そうだ。今はそれが真実だ。だが、不安として心に上るのは「今」ではなく「これから」なのだが。ファラミアは核心を口にする覚悟を決めた。
「どちらからか妻を得て、世継ぎを為すことも、大人になるということであると、聞きました」
「わたしも、それは聞いた。時が来ればそうするのかも知れないが」
 事も無げにボロミアは言う。ボロミアにとってはその程度の事でしかないのだろう。そう思うと、望みもしないのに声が震えた。
「そのときは、わたしはもう、兄上のお側にはいられないのでしょう」
「何をばかな」
 ボロミアは声を殺して笑った。なぜ笑えるのか、ファラミアにはボロミアの気持ちは分かりかねた。ボロミアが足先を使って履き物を脱いでいるのが気配で分かった。そうして、ボロミアは寝台に体の全てを上げ、ファラミアの体を腕だけでなく全身で包み込むよう抱き締めてきた。
「妻子がいようがいまいが、ファラミア。お前は変わらずわたしの弟ではないか。それに、われらの為すべきことに終わりがないとすれば、ファラミア。生涯ずっと、わたしを助けてくれなければ、わたしが困ろうというものだ」
 ファラミアは、自分のものより二回りは大きな兄の体に、まるでしがみつくかのように腕を預けた。
「それに、そのときにはおそらく、ファラミアも自分の妻子を持っているだろう。つまりは、お互い様というわけだが」

270SS<ファラミア/ボロミア> 子ども時代4/4:2004/08/15(日) 20:51
<ファラミア/ボロミア/しるけなし/捏造子ども時代> 4/4

















「兄上…。わたしには、それはまだ見通しの利かない霧の中にあるように、ぼんやりとしたものとしてしか、思い描けないのです」
 ファラミアの額に額を押しつけるようにして、ボロミアは背を震わせて笑った。
「それならば、わたしも同じだ。教師たちは準備が肝要なのですと言うが。わたしに言わせれば、ゴンドールを脅かす存在を滅ぼす力を得ることが、他の何よりも優先されるべきことだ」
 兄らしい物言いだと、ファラミアは思った。
「わたしは、兄上のお力になれますね」
「わたしは、それを望んでいる。それに、ファラミア。それこそ己の心次第だろう」
「わたしの心はすでに決まっております」
 明瞭な口調で、ファラミアは断じた。
「それでこそ、わが弟だ」
 顔を見るとボロミアははちきれんばかりの笑みで、ファラミアを見つめていた。
 他に何も要らない。
 ファラミアはいつも思う。しかし、いつまでこれが自分だけに向けられるものであるのかは、誰にも分からない。助けられるのではない存在が大人というものであるなら、そのうち自分の手からは失われるべく定められたものなのかも知れない。
「兄上。今日はいっしょに休んでください」
 離れてしまわないように、自分のものより太い腕を、自分の腕で絡めとる。
「難しいことを聞いてくると思えば、そのようなことを言う。まだ甘えたい盛りであるらしいな」
 愉快そうなボロミアの声に答えず、眠いわけではなかったが目を閉じた。ファラミアが眠ろうとしているのだと思ったのだろう。ファラミアの耳元に口を寄せ、ほんの僅か囁くような声が、耳をくすぐる。
「今夜は兄がついていよう。一晩休んで、不安は忘れるが良い」
 次に来るのは、額へのキスだ。ほんの僅か触れて離れるだけの。
 どうやら、ボロミアも眠る体勢に入ったらしい。呼吸が深くなるのが分かる。
 愛しくて、満ち足りすぎていて、苦しいほどだった。
 かれは、ファラミアが欲しいと言えばそれを与え、言わずとも与えようとするのだ。
 
 「大人」になりたい。それが兄の役に立つことだから。しかし、同時にそれが失うことを意味するのだとしたら。その流れは不可避なのだろうか。
 どうしたら、失わずにすむのだろう。
 考えても考えても、ファラミアには答えは見えなかった。
 
 そしてそのうち、眠りがファラミアをさらっていった。



【おわりです】

271萌えの下なる名無しさん:2004/08/24(火) 06:03
執政兄弟の過去捏造は最高です。
ファラミアかわいいなー。
いつまでも兄上をお幸せに‥w

272萌えの下なる名無しさん:2004/09/04(土) 02:29
あ、久々に他スレにも書き込みが増えてる。
えーと、このスレ的には・・・と言っても、実はスレどころか板も違う気が
するけど、ここ何日か大将の中の人来日祭りで、燃えるやら萌えるやら
大変でした。また新たな活力が湧いてきそうです。

273SS<ファラミア/エオメル> 1/2:2004/09/10(金) 23:16
大将の萌えネタでなくて申し訳ありません。
ファラミア/エオメルらしきSS置かせて頂きます。
女神様ご光臨までの繋ぎになれば幸いです。2レス分予定です。

時期:指輪戦争終結後。ファラミアとエオウィン婚礼前。
登場人物:ファラミア、エオメル、エレスサール
前提:ファラミアは生真面目である。お兄ちゃん子だった。
    エオメルは妹思いである。ある面では器用さに欠ける。
しるけ:なし。風味だけファラミア/エオメル

ご注意:しるけなしですが、"風味"はあるのでファラミアが
性にあけすけで抵抗感皆無なのが苦手な方には辛いかもです。


<ファラミア/エオメル/+エレスサール> 1/2















 王が帰還したばかりのゴンドールは、新たな歴史の第一歩を踏み出そうとしていた。
 新体制の執政にと請われたファラミアは、ゴンドールが蓄積した歴史と英知の集積所とも言える、ミナス・ティリスにある書庫の整理に着手した。修復すべき文書、写本を取るべき文献、蔵書の分類法など、書架に向きあったファラミアが考えるべきことは、いくらでもあった。
 ファラミアは集中力に欠けるような性格ではなかったが、あまり心地良いとも言えない視線を受けて作業の手を止め、その元になっているらしい方に顔を向けた。
 いつからいたのか書庫の隅に、ファラミアの妻となるべき女性の実の兄が、壁に背をもたせかけてこちらを見ているのがファラミアの目に入った。
「これは、エオメル殿」
 作業のせいで多少の埃に見舞われた手をはたいてから、ファラミアは義理の兄になる予定の人物に歩み寄った。
「このようなむさ苦しい所までご足労いただくほどの事とは…ご用の向きはエレスサール陛下の所在でしょうか」
 仕事の中断を余儀なくされたにも拘わらず、不快さを微塵も感じさせない機嫌良さで、ファラミアはエオメルに笑顔を向けた。
 一方のエオメルは、ファラミアに投げかけていた過剰なばかりに生真面目な視線を少しも動かさなかった。
「私は、あなたを探してこちらに参ったのです。ファラミア殿」
 多少の強張りを伴いつつ、にこりともしないでエオメルが言う。
 ファラミアの気のせいであるはずもなく、エオメルは神経を尖らせているように見えた。
「ファラミア殿は我が妹を妻とされるお方ゆえ、不躾ながら、兄として多少なりともお人柄を存じ上げておきたいと思いまして」
「得心致しました」
 エオメルの言葉にじっと耳を傾けていたファラミアは、真顔になってエオメルを見た。
「エオメル殿は、私がエオウィン姫の伴侶に相応しいか否かをご心配なさっておられるのですね」
「失礼を承知で申し上げればお言葉の通りです。何せ、われわれはお互いをほとんど存じ上げないのですから」
「お気持ちは理解出来るつもりです」
 ファラミアが難しい顔を見せたので、エオメルは思わずそれを覗き込んだ。
「それにしてもです。エオメル殿のお気をそのように煩わせるような不安材料とは、一体?」
 問わず語りのようにも聞こえるファラミアの言葉に対する答えの持ち合わせは、エオメルには無かった。少なくともエオメルの耳には、ファラミアに関する悪い噂は届いていなかったし、むしろ、ミナス・ティリスでは程度の差こそあれ誰もが彼を慕い、尊敬の念をもって彼に接しているように見えた。だから、具体的な心配事は抱きようがなかった。それでも、たった一人の妹が選んだファラミアという人物は、漠然と気にかかる存在だった。エオメルの意識にあったのはそれだけのことだった。
 言葉のないエオメルの代わりにファラミアが口を開いた。
「どうやら、口になさるのを躊躇われるような事でございますね。もしや、私の男性的機能に問題があるやも知れぬとのご憂慮ですか」
 まるで天気の話でもするかのような響きと口調でもって問われたせいか、ファラミアが言わんとすることをエオメルが理解するのに少しの時間が必要だった。理解したところで、どう応じるべきなのか咄嗟に決めかねたエオメルに、ファラミアは畳みかけるように言葉を続けた。
「いずれ知れることとはいえ、婚礼前にエオウィン姫の兄であるエオメル殿が自らご確認されたいとおっしゃるなら、エオメル殿のご安心のため尽力させていただくのは、やぶさかではありません」
「それは…痛み入ります」
 そう言ってはみたものの、エオメルは困惑を深くするしかなかった。

274SS<ファラミア/エオメル> 2/3:2004/09/10(金) 23:26
<ファラミア/エオメル/+エレスサール> 2/3
 分割数2の予定が3になりました。ご迷惑お掛けします。














「決して快適な環境とは申し上げられませんが、そこにある閲覧用の机は寝台の代用品くらいにはなりましょう」
 果たして、エオメルは困惑に囚われている場合ではないような気がしてきた。
「少々お待ちをファラミア殿。ご発言が意味するところを、ご自身でご理解なさっておられますか」
 エオメルに言えたのはそれだけだった。みっともなく舌がもつれていたかも知れなかったが、今、気に掛けるべきはそんな事ではなかった。
「私は何事であれ確信なく申し上げたりはしません。従ってご遠慮は無用です」
「遠慮など…」
 していない、という言葉が口から出る前に、ファラミアがエオメルの方へ一歩踏み出したので、エオメルは一歩下がらざるを得なくなった。更に一歩引こうとしたエオメルの体を阻むように、ファラミアが言った通り、数人が並んで書物を閲覧出来るくらいの大きさを持つ机に、エオメルの体が突き当たった。
 ファラミアがもう一歩を踏み出せば、エオメルの体の置き場は無くなるに違いなかった。
 たちの悪い冗談かも知れず、そうでなくともエオメルの立場ではまさか、妹の夫になろうという人物を恫喝するわけにも、ましてや拳を上げるわけにもいかない…が。
 進退窮まったエオメルに対し、ファラミアは本当にもう一歩を踏み出してきた。
 せめて不用意に体が触れ合わないようにと、エオメルは自分の後ろに回した両手を閲覧台について、背を反らした。しかし、引けば引いただけファラミアは間を詰めてくるのだから、あまり有用な行為とは言えなかった。仕方なくエオメルは自分でも何をしたいのか分からないまま、そっと、しかし力のこもった拳を固めた。
「万事休す、といったところかな」
 二人共に覚えのある、少々呆れを含んだ声がファラミアの背後から聞こえた。
 ファラミアはまだ体を固くしているエオメルを余所に、書架の向こうから姿を現した声の主に対して極めて愛想の良い笑顔を向けた。
「エレスサール陛下。ご担当部分は無事片づかれましたか」
 エオメルの視線もまた、ファラミアの体越しにエレスサールに向けられていた。その目に浮かんだのは安堵だけではなく、明らかに助けを求めるものでもあった。
「執政殿よ。その方は、仮にもあんたの義兄となるべきローハン王エオメル殿であろう。そのくらいにしておくというのはいかがかな」
「承知致しました。陛下」
 エレスサールの言葉を受けたファラミアは、あっさりと体を引き、下がった。
「私は自分の仕事を続けて参ります」
 二人に向けて深々と頭を下げると、ファラミアは何事もなかったかのような様子で再び元の書架に向かい、それからは振り返ることもなかった。
 緊張と安堵の余り体の力が抜けたらしいエオメルは、エレスサールが勧めた椅子に倒れ込むように腰を下ろした。
「同じ部屋に私がいるというのによくぞまあ、二人で愉快な会話を交わしてくれたものだ」
 エオメルの視線の高さまで体を低くしたエレスサールは、笑いながらもなだめるようにエオメルの背を軽く数度叩いた。

275SS<ファラミア/エオメル> 3/3:2004/09/10(金) 23:27
<ファラミア/エオメル/+エレスサール> 3/3














「あなたは、いつからおられたのです」
「ファラミアが書庫の整理を始めたときから、ずっとここにいた」
「気付いておられたのならば、もっと早く止めて頂きたかったものですが」
「いや。成り行きが興味深くてな。すまない」
 エレスサールは相変わらず笑っていた。
「笑い事なのでしょうか、一体。…何なのです」
「あれが、我がゴンドールの新しい執政であり、あんたにとっては義弟になるファラミアだ。まあ、笑い事だと思っておく方が、心穏やかに過ごせるであろうよ」
 幾分憔悴気味なエオメルは、溜息が漏れるのを隠せなかった。そのエオメルの耳元にエレスサールは声を潜めて囁いた。
「ファラミアは"兄"というものに対し、少々敏感なところがあるように私には見える。私は兄弟というものを知らぬし、彼ら兄弟がどのような関わり合いにあったのか詳しくは分からぬが」
 はっとしたように、エオメルはエレスサールを見た。エオメルの胸にはファラミアの兄であり、エオメルにとって知己でもあったボロミアの姿が去来していた。
「誰もが変化と無縁ではいられぬ。が、変化は必ずしも不幸と同義ではあるまい。たとえばエオウィンとファラミアは新しい家族になる。そして、エオウィンの兄であるあんたも当然その一員であろう」
 それだけ言うと、エレスサールは自分の役割に戻るためエオメルの傍を離れた。
 エオメルは物言わぬファラミアの背中に注いだ呆然とした視線を逸らせずにいた。他の誰でもない、義理とはいえファラミアの兄になることがお互いにとってどのような意味を為すのかという問いが、エオメルの頭から離れなかった。エレスサールが声を掛けなければ一体どうするつもりだったのかと問いたい心と共に。
 そのエオメルを、ファラミアが振り返った。
 見透かされたのかとエオメルは一瞬ひやりとしたが、ファラミアは屈託無く笑っているように見えた。
 そして何を思ってかエオメルに頷いて見せた。
 そのときエオメルの脳裏には、「笑い事だと思っておく方が…」というエレスサールの言葉がなぜか蘇っていた。


//終わり



不手際すみません。
それでは女神様ご光臨、萌えネタどうぞです。

276萌えの下なる名無しさん:2004/09/25(土) 22:45
せっかく女神様降臨なさってたのに
したらばだからいぶどあだかなかなかここに来られなくて…

不思議ちゃんな大将ですねー。風変わりで楽しかったです!

277萌えの下なる名無しさん:2004/10/06(水) 23:12
ピピたんが自分の子どもにファラミアと名付けた事に対する
感想を目にしたのですが。
ピピたんファンの方に対して失礼だったらごめんなさいという妄想。
萌えネタではありませぬ。






大将は兄上の最期に関して何か良いことを為したのだろうと
考えてましたが、その「何か」がピピたんの内に結実した結果として、
あの名付けがあったのかな、なんて。
ボロミアが愛していた祖国や苦労性の弟を、ボロミアの分まで
自分が見守り幸せにしたいとか。

ボロミアさん大好きの延長上にある感情がそうさせたのかなってことですが、
ピピたんが、ボロミアの愛したものとして大将を認知してくれてるってのが、
妄想の妄想たるゆえんというところで。

278萌えの下なる名無しさん:2004/10/08(金) 01:20
>277
それはあると思いますね>ボロミアの分まで
加えて、映画ピピは執政親子のあのやりとりを目の当たりにしちゃった訳で、
だから、真っ当に親に愛される「ファラミア」も、自分の内に結実させたかった
のかな・・・などと、私も妄想しております。

ところで、SEEの療病院大将の痛々しい画像も出回り始めたようで・・・
盾の姫との出会いはどうやらちゃんとはいるらしいけど、癒しの手はどうなる
のか・・・なかったら暴れちゃうかもw

279萌えの下なる名無しさん:2004/10/08(金) 23:58
>278
癒し手のシーン、カットされていたら私も暴れちゃうよ。
でも入っていたら入っていたで、
萌えのあまり部屋中転げ回りそうだわ(w

280萌えの下なる名無しさん:2004/10/17(日) 00:20
SEEトレイラー(ティーザーって言う方が合ってるのかな?)来ましたね。
この板的な話は措くとしてw、大将、男前。と言うか、お美しい。
何回も見直しては、そのたびに見とれてしまいます。
ああ、12月が待ち遠しい・・・!

281萌えの下なる名無しさん:2004/10/17(日) 00:52
>280
見ました見ました。
本当お美しいというかお可愛らしいというか。
なんであんなに可憐なのか・・・(*´Д`)ハァハァ

282萌えの下なる名無しさん:2004/10/17(日) 19:00
もうね、あんなお顔で見つめられたら、そりゃ姫だって落ちますとも。
いや、兄も王も野伏も近衛も、みーんな落ちます。
特に毎日(?)あんな目を向けられていたであろう兄上は、さぞ理性と忍耐力を
試されていたことでしょう。

ところで、癒しの手の新画像も、某所で見ました。やっぱり入れてくれるの
でしょうか。

283萌えの下なる名無しさん:2004/10/23(土) 21:27
>282 入れてくれることを心から願っています。

大将が来る前には
「都のボンボンの面倒なんか見れるかヽ(`Д´)ノ」と不満タラタラだった南の野伏が
実際大将を見て総ベレゴンド化する妄想が頭を離れませんよ、タスケテー。

284萌えの下なる名無しさん:2004/10/24(日) 17:22
>283
(・∀・)イイ!

全然旬じゃない古い画像&ガイシュツだろうとは思いますが禿しく萌えたので・・・
ttp://www.warofthering.net/photoforum/showphoto.php?photo=1515&password=&sort=1&size=medium&cat=514&page=

285萌えの下なる名無しさん:2004/10/24(日) 21:14
>284
萌えました・・・というより禿しく和みました。
しかし実際の執政家はこんな風に笑い合うことなく、
兄が逝き、そして父が逝ったかと思うと・・・。・゚・(ノД`)・゚・。

あと大将の目が三日月型でちょっと笑いました。

286萌えの下なる名無しさん:2004/11/24(水) 22:36
ファラミア様の微笑みは聖母の微笑み

と思える瞬間がある

287萌えの下なる名無しさん:2004/12/07(火) 08:38
SEE予告ロングバージョンはもう公式に上がって来ているし、ネタバレも
各所で出回ってるんだけど・・・けど・・・
大将ファンとしても原作ファンとしても、ちょっとそれってどうなの!?
と小一時間問いつめたくなるような情報が伝わってきていて、
正直なところ、期待は半分くらいにしぼんでしまいました・・・
以下、超ネタバレ。内容も内容なので、嫌な人は絶対!見ないで。










アラゴルン→ファラミアの「癒しの手」カット。王がそれを発揮するのは
エオウィンに対してだけ。
わーん、兄上の背後霊とか出すんなら、そっちを入れてほしかったよ〜。
いや、兄上もに出て来てほしかったのは確かだけど、なにもそんな出方を
しなくても・・・・゚・(ノД`)・゚・。
やっぱり、PJの大将に対する扱いって、はげしく疑問なんだわ・・・

288萌えの下なる名無しさん:2004/12/08(水) 18:38
カットって・・・・・・(;゚ロ゚) (゚д゚;)゚ロ゚;)

289萌えの下なる名無しさん:2004/12/10(金) 01:25
え??は?ちょっとハゲしく動揺……

290萌えの下なる名無しさん:2004/12/11(土) 19:54
気を取り直して(取り直せないかも知れないけど)、あと10分足らずで
TTT地上波初登場だよ、と言ってみる。

291萌えの下なる名無しさん:2004/12/11(土) 22:19
実況板を見ていたら初心者の方が多かった。
じゅうのシーンで御大将が初めて出てきたとき
兄上と勘違いした人がいた。
皆が「弟だよ」と説明すると
「それで同じ役者なのか」と妙な納得をしてしまっていました。
いやあ、新鮮。

292萌えの下なる名無しさん:2004/12/12(日) 00:02
>291
ワロタ

TTT、改めて思った事はアルウェンの出番を削ってファラミア様を(ry

293萌えの下なる名無しさん:2004/12/16(木) 16:12
>287
ショック大………悲しくて潰れてしまいそうだ
PJのイケズ……!
(;_:)

294萌えの下なる名無しさん:2004/12/17(金) 22:39
景気づけにSSとか。おねだりは御法度かもですが、
女神様ご光臨お願いしたいです。


TTTの地上波放映で、大将を堪能させていただきました。
目隠しを当たり前にさせてる大将…。
ホビットたちに食べ物を分け与える気配すらない大将…。
噂には聞いていたので見る前は気にとめてもいなかったのですが、
目の当たりにしたら結構な破壊力でした_| ̄|○

295萌えの下なる名無しさん:2004/12/20(月) 23:15
女神様待ちの間に、おつまみでも。
ちょうどガイドライン板のそのスレで指輪ネタだったので…

元ネタは以下

それはヴェルタースオリジナルで、私は4才でした。
その味は甘くてクリーミーで、こんな素晴らしいキャンディーをもらえる私は、
きっと特別な存在なのだと感じました。
今では、私がおじいいちゃん。孫にあげるのはもちろんヴェルタースオリジナル。
なぜなら、

彼もまた、特別な存在だからです。


**************


そこはオスギリアスで、私は35才でした。
兄と一緒に飲んだ発泡酒はとても美味しくて、こんな素晴らしい日は私にそって
きっと特別な存在の一日なのだと感じました。
でも今では、私が執政。孫バラヒアに語り継ぐのは、父と兄と一族の物語。
なぜなら、

彼もまた、執政の白い杖を受け継ぐ存在だからです。

296萌えの下なる名無しさん:2004/12/23(木) 21:00
ガ板のスレを探したものの見つけられなくて(´・ω・`)ショボ-ン

執政となった大将は、
ゴンドールに王がいる時も空位の時も、
役割は違うけど国を執政家が守ってきたのだと
語ったんだろうかとか。
父親と兄の死をどんな気持ちで捉えてたんだろうかとか。
とりとめのないことを考えてしまいました。

関係ないですが、大将の孫はさぞや可愛いでしょうな。

297萌えの下なる名無しさん:2005/01/05(水) 15:55
|・`) <・・・・・

|ω・`) <前スレ671に萌えました・・・

|´・ω・`)ノ【あぷろだの256】 ッパ
http://souko.s4.xrea.com/fellowbbs/bbsnote.cgi

|`)三サッ


|`) <>287はマジなの?ほんとなの?

298297:2005/01/06(木) 17:58
|`) ・・・・・・

|`)そ <ハッ! 

|ω・`) <297の絵はマドリル+ファラミアです・・・言い忘れた・・・

|`) <なんか忘れたなぁ、なんだろうなぁと思ってたんだよ・・・

299萌えの下なる名無しさん:2005/01/10(月) 17:17
>297女神様!
萌えです萌え!
くたりとした大将と、支えるマドリル氏!いいなあ。

300萌えの下なる名無しさん:2005/01/11(火) 11:31
>297様
苦労の絶えない大将にとって、せめてマドリル氏くらいは心許せる存在で
あってほしいですね・・・
以下、SEEネタバレ。いやな方はスルーよろしく。











実は自分287なんですけど、例の話は本当でした・・・(UK版で確認)
でも、あの流れの中では、まあ入れにくかったんだろうなと、納得は
できないけど理解はしております(諦めモード)。
あ、マドリル氏はちょっとだけ出番が増えてます(笑)。
でも、あの無惨な御最期に変わりはない訳だけど(泣)。

301297:2005/01/12(水) 16:38
|・ω・`)<ファラミアって人の気配で起きてしまいそうだけど、
      この人ならいても寝ていられる、みたいな人が数人いそうな気がします。

>299
|・ω・´)<ありがとうございます!

>300
|・ω・`)<まったくです・・・だからこそ生きていてほしかったマドリルさん・・・





|・ω・`)<以下SEEネタバレに対する感想ですので、嫌な方はスルーしてください・・・

|;ω;`)<SEEの楽しみにしていた部分の半分が煙のように消えてゆきました・・・

|;`) <でもマドリルさんのシーンは増えてるのですか・・・それを楽しみにして待とう・・・

302萌えの下なる名無しさん:2005/02/19(土) 15:11:50
SEEのファラミア大将が超絶美人だった件について

303萌えの下なる名無しさん:2005/02/28(月) 00:46:48
>302
姫と一緒にお見送りシーンの
襟の高い服着た大将は
禁欲的でありながらも非常に艶っぽかったですな。
顔はもちろんのこと、立ち姿のシルエットの美しいことよ。

304萌えの下なる名無しさん:2005/03/01(火) 16:38:56
まず腰が細えろい。エロスサールになって腰からお尻にかけて撫で回したい。
そのわりに性格が固めでえろい。気付いてない。えろい。
SEE観てたらなんか変な汗出る。大将えろい超えろい。

305萌えの下なる名無しさん:2005/03/01(火) 21:54:25
>304
ワロス&全文禿同
中の人は細いわけではないけどえろい身体だ。ラインがえろい。
性格が禁欲的なのが逆にえろい。ヤバい。大将超えろい。
漏れもエロスサールもしくはエロメルになって(ry。

306萌えの下なる名無しさん:2005/03/02(水) 21:51:34
王と執政ってなんかえろいな。
社長と秘書みたいだな。
男の社長に男の秘書がつくなんて
想像したらえろ過ぎた。

307萌えの下なる名無しさん:2005/03/02(水) 23:04:00
なんか「宇宙ヤバイ」のコピペを思い出したけど改変できなかったorz
棺台に寝かされる大将の呻き声えろい。

308萌えの下なる名無しさん:2005/03/03(木) 13:19:31
王と執政えろいっすね〜。
王よ、是非職務中に執政のお尻をナデナデしてくれ。
「陛下、お止め下さい・・・あっ!」「ファラミア、良いではないか良いではないか。」
ってなんか違うか。

309萌えの下なる名無しさん:2005/03/03(木) 16:45:14
セクハラが始まった一週間後に耐えかねて平手打ちをかまして
「立場をご理解ください!」と男らしく叫ぶ執政が浮かんだわけですが。

その後すごい勢いで執政が謝り倒して
政務に戻ってポツリと「激した顔も色っぽいな」とか王様が呟いたりして
恥ずかしさのあまり涙目になりつつ耐える執政が浮かんだわけですが。

兄の墓前で夜中ひっそりと涙する姿をうっかり見ちゃった王様が
うっかり惚れつつ「控えよう・・・」と決意とかしてみたりして。

310萌えの下なる名無しさん:2005/03/04(金) 20:56:52
でも次の日には
早速尻を触っている王様なのでしたー(´ー`)ノ

311萌えの下なる名無しさん:2005/03/04(金) 23:39:38
>309-310
(・∀・)イイ!
執政 苦 労 続 き だな

312萌えの下なる名無しさん:2005/03/06(日) 01:04:41
苦労姿にも色気がある。
それが大将クオリティ。

313萌えの下なる名無しさん:2005/03/07(月) 03:19:00
大将クオリティ 

それはどんな時でもそこはかとなく漂う色気

めくるめく薄幸美人の世界へあなたを誘います

お求めは中つ国エロスサール事務局まで今すぐお電話を
※「ファラミアを一つ」とお申し付けください

314萌えの下なる名無しさん:2005/03/09(水) 20:39:35
  ♨_♨                              
 ( ☼∀☼)                             
☜     ☞                              
  |  |  |                             
 (__)_)

315萌えの下なる名無しさん:2005/03/11(金) 00:13:06
漏れの煩悩のせいか大将=高級娼婦のようなイメージが・・・
ごめんよ、大将

316萌えの下なる名無しさん:2005/03/12(土) 00:55:19
>315
その理由を是非。

317萌えの下なる名無しさん:2005/03/13(日) 23:08:28
や、理由といってもここで散々ガイシュツな
ストイックで禁欲的なのに色気が漏れちゃってる辺りです。
漏れの中では高級娼婦ってそんなイメージが(たぶん違う)

なんかこう、国同士のお付き合いの時に密かに身体を要求されたりとかですね・・・。
本当は断りたいけど断ったらパパンに怒られそうとか、国の将来を考えると断れないとか
そんなこんなで一人悩む大将。

なんてありえない事考えて萌えてしまってる漏れを許して下さい。

318萌えの下なる名無しさん:2005/03/14(月) 23:54:37
>317許す。自分も同じ穴のムジナだから(;´д`)
最初、高級娼婦と聞いて椿姫な大将を妄想してハアハアしてたよ。

自分は大将=深窓の令嬢だな。
野伏の大将なのに・・・。

319萌えの下なる名無しさん:2005/03/15(火) 17:48:48
>>307
あんまり上手にいかなくてスマソ



「宇宙ヤバイ」改め「大将エロイ」

エロイ。大将エロイ。まじでエロイよ、マジエロイ。
大将エロイ。
まず腰細い。もう細いなんてもんじゃない。超細い。
細いとかっても
「キリス・ウンゴルの階段くらい?」
とか、もう、そういうレベルじゃない。
何しろ無限。スゲェ!なんか単位とか無いの。何センチとか何ミリとかを超越してる。
無限だし超細い。
しかもくびれてるらしい。ヤバイよ、くびれだよ。
だって普通はオヤジとかくびれないじゃん。ウルク・ハイがだんだんくびれてったら困るじゃん。
オークとか超細いとか困るっしょ。 飛蔭がくびれて、ガンダルフだけなら乗れるのに、
ピピンも乗せたら動けなかったとか泣くっしょ。
だから中つ国とかくびれない。話のわかるヤツだ。
けど大将はエロイ。そんなの気にしない。くびれまくり。
王様とか撫で回しても飽きないくらい細い。エロすぎ。
無限っていたけど、もしかしたら有限かもしんない。でも有限って事にすると
「じゃあ、その下にある尻ってどうよ?」
って事になるし、それは誰もわからない。エロイ。誰にも分からない尻なんて凄すぎる。
あと超真面目。約27代目の執政。年代で言うと第三紀の終わり。エロイ。際ど過ぎ。
白い杖返す暇もなく執政。かわいい。
それに超ストイック。超禁欲的。それに超涙目。涙とか平気で出てくる。
涙て。チワワでもうるうるしねぇよ、最近。
なんつっても執政は色気が凄い。王はセクハラとか平気だし。
うちらなんて尻とかたかだかぺろっと触っただけで訴えられちゃうから我慢したり、
薪の上に油まみれで置いてみたり、パランティア使って覗き見したりするのに、
王様は全然平気。執政を触り放題に扱ってる。凄い。エロイ。
とにかく貴様ら、大将のエロさをもっと知るべきだと思います。
そんなエロイ大将を執政にしたエレスサールとか超うらやま。もっとがんばれ。超がんばれ。


お粗末。

320萌えの下なる名無しさん:2005/03/15(火) 20:27:40
>霧ス・雲ゴルの階段くらい?
禿ワロス

321萌えの下なる名無しさん:2005/03/15(火) 23:35:41
>だから中つ国とかくびれない。
くびれ談議禿ワロタ

322萌えの下なる名無しさん:2005/03/16(水) 09:24:43
>319
ワロタ。乙彼!

323萌えの下なる名無しさん:2005/03/18(金) 18:26:48
>白い杖返す暇もなく執政。かわいい。

大将がかわいい理由はそれなのかw
なんとなく分かる気もするけど
大将って健気よね

324滅びの山へ投げ込まれました:滅びの山へ投げ込まれました
滅びの山へ投げ込まれました

325萌えの下なる名無しさん:2005/03/19(土) 20:14:50
>319
ワロタw GJ!

326a:2005/04/13(水) 21:20:21
|∀・)つ[ http://g-castle.com/ ]

327萌えの下なる名無しさん:2005/06/19(日) 17:37:55
思えばこれが僕らの旅の始まりだった…。
http://www.engel-wind.com/blog-lovedor/01/
http://www.engel-wind.com/blog-lovedor/02/

328萌えの下なる名無しさん:2005/10/16(日) 21:28:28
強制sage設定の為スレ移動します。

329萌えの下なる名無しさん:2005/10/16(日) 23:17:14
強制sage設定の為スレ移動します。

330萌えの下なる名無しさん:2005/11/21(月) 11:41:51
アラファラサイトを探して歩いてます。

331萌えの下なる名無しさん:2005/11/23(水) 15:18:11
アラファラサイト、知ってるのは4つぐらいかな
もっとあるんだろうか

332萌えの下なる名無しさん:2005/12/12(月) 11:25:01
冬のカタログ見た
ファラ受けは6サークル
オン専の人もいるだろうから、ファラ/*の人はもうちょっといる計算?

333萌えの下なる名無しさん:2005/12/29(木) 22:50:23
今日の冬コミで始めてエオファラ本買ってみた
うん、いける、いけるよ!
何でもっと早く気がつかなかったんだろう
ファラ受けハマったかも

334萌えの下なる名無しさん:2006/01/05(木) 00:36:31
友人にボロファラ本買ってきてもらったー。

335萌えの下なる名無しさん:2006/01/05(木) 22:12:13
ボロファラ本、あった?

336萌えの下なる名無しさん:2006/01/07(土) 18:25:51
Aまで止まりのラブラブ兄弟本。気持ちはボロファラだと思われる…。
アラ/ファラ本がほしいです。

337萌えの下なる名無しさん:2006/01/08(日) 03:02:21
アラ/ファラ本友達に買ってきてもらって3冊です
自分で行ったらもっと見つけられたかな

338萌えの下なる名無しさん:2006/01/08(日) 13:38:02
アラファラ裏山鹿
3冊もあったなんて素晴らしい。

339萌えの下なる名無しさん:2006/01/08(日) 15:34:15
ここに書き込んでる人って今何人位いるのかな
2人とかで交換日記になってそうな悪寒もしながら書き込んでみる

アラファラやってる人、大きめのイベには参加してる人割といるよ
今度のMPのサークルリストでも参加になってる人いたし

340萌えの下なる名無しさん:2006/01/10(火) 19:54:46
二人で交換日記…だったら寂しいけど
書き込みがあるだけ、よいということで。w
MP行こうか悩むな。

341萌えの下なる名無しさん:2006/01/10(火) 23:00:39
3人目ーノシ
MP、同じく悩み中
もう参加サークルってもう決まってる?

342萌えの下なる名無しさん:2006/01/11(水) 00:10:39
四人目、ファラ受にハマりたてがここに。

343萌えの下なる名無しさん:2006/01/11(水) 06:36:47
五人目w
ファラ受ならなんでも美味しくいただけるけど
アラファラが一番好きかも…。
MP、行くつもりなかったんだけど迷うなあ…。

344萌えの下なる名無しさん:2006/01/12(木) 01:32:35
5人に増えてるw
私もアラファラが一番好き
エオファラも好きだけど

345萌えの下なる名無しさん:2006/01/12(木) 18:15:45
5人もいたなんて(つД`)ウレシイ
私はアラファラ>ボロファラ>ベレファラ>マドリルファラ
エオメル相手だと、エロしか考えられない・・・私の腐脳。

346萌えの下なる名無しさん:2006/01/13(金) 23:17:54
MPの参加サークルリスト、掲載されたみたいね
ちょっと調べてくる

347萌えの下なる名無しさん:2006/01/13(金) 23:32:47
確認漏れがあるとは思うけど・・・
・アラファラ 1
・エオファラ 1

RPSで狩公が1
それとVHでヘルカルで取ってるサークル8で、
その中の3つほどがアラファラやってる所のような希ガス

348萌えの下なる名無しさん:2006/01/15(日) 18:54:56
MP情報ありがとー。
ヘルカルとアラファラがそんなダブっていたとは知りませんでした。
デイジーファンなんですね。私もそうだけど。

349萌えの下なる名無しさん:2006/01/27(金) 23:51:04
アラファラ(の、つもりだったんです)書かせてもらいます。 
王様変です、すいません。
しるけ無しです。


(1/3)
「我が王よ」
いつもの穏やかさからは程遠い、低く地を這う声にエレスサールは静かに固まった。
「や、やあ、我が有能なる摂政、ミナス・ティリスの気高き番人、ゴンド−ルの至宝
ファラミ」
「我が王よ」
おどおどとした挨拶を断ち切って、ファラミアは重々しく繰り返した。
敬愛する主君に対して随分な態度ではあるが、激務が一段落ついて今夜はゆっくりと
休めると寝室に向かえば、窓の外で野伏時代のうす汚いマントを羽織った男が笑顔で
手を振っていたら普通引く。
ましてやそれが先ほどまで一緒にいて、大量の書類を前に頭を抱えていた王だとしたら
第一の臣下としては、ドン引きである。
「………危のうございますから、どうぞこちらに御移り下さい」
細い幹の上で長い足をぶらつかせているエレスサールの姿に、深く溜息を吐きつつも
ファラミアは窓を開いて手招いた。
まったく、近衛兵にでも見られたら洒落にならない。
自分とは違い広い世界を歩いてきた男にとっては、西方世界の偉大なる王が夜中に一人、
木の上に座って摂政と話していようと、特に問題ない事かも知れないが、ファラミアに
とってはひたすら絶対の存在であり、常に威厳に満ちているべき人だ。
節度ある距離を崩すつもりはない。
今はもう遠い日。
同じ様に窓から現れて自分を驚かせていた優しい兄の事を思い出した。
普通にドアから入ればいいものを、少しでも弟を笑わせようと随分と馬鹿らしい事を
繰り返していたが、いつも呆れた顔で部屋に迎え入れていた弟が、それをどんなに嬉しく思っていたかなど、多分ボロミアには想像もつかないことだろう。
しかし、目の前のこの男は兄ではないのだ。
王なのだ。
「さあ出かけよう、早く上着を羽織って来なさい、出来るだけ汚れたヤツを」
ファラミアの回想を破って響いた声は、子供じみて強引だった。
機嫌をとっているつもりなのか、出来るだけ可愛らしく小首を傾げたエレスサールは、
窓枠に飛び移りファラミアの前に降り立つと、急かす様にマントを振り回した。
本当に良く分らない人だ。

350萌えの下なる名無しさん:2006/01/27(金) 23:52:31





(2/3)
もう一度深く息を吐きながらファラミアは、乱れた王のマントの裾を直してやった。 
「このような時刻にお出かけになられるのでしたら、付いて来るなと言われましても
私は何処までも供をいたしますが、どちらへ行くのです?」
「あの、ちょっとそこまで」
目を泳がせて答えるエレスサールに、王らしからぬ事を考えているのだと、摂政の中の
ヌメノールの血が告げている。
「どこまで?」
「あの、燭工通りに」
「何をしに?」
「あ、あの、旨いビールを出す酒場が出来てね」
「……………我が王よ」
民と触れ合うのは良い事だとか、ミナス・ティリスの市場価格について御自らお調べに
なるつもりなのだとか、いくらでも真面目な理由は考え出せたが、ファラミアには
エレスサールが素で飲みに行こうと誘っていると分ってしまった。
それが悪い事だとは思わないが、何故わざわざ、下町の飲み屋なのだ。
勿論、護衛をつける事など思ってもいないだろう、この王は。
王と摂政はそのような馴れ合いをするものではないのに。
「………御身の立場というものについて、どうぞお考え下さい」
急速に顔を引き締めて正論を説くファラミアに、エレスサールは肩を竦めた。
「顔なんて誰も見やしないさ、君の綺麗な顔は目立ってしまうかも知れないけれど
フードを深く被ってしまえば大丈夫、ばれやしない、だから一緒に行こう」
呑気な言い種に目眩すら憶えながら、どうにかして行くのを止めさせようと口を
開きかけると、そっと暖かい指先で唇を押さえられた。
「いいかい?これは重要な責務なのだ。ファラミア」
「は?」
「君をもっと良くしりたい、私を知って欲しい、手っ取り早い方法でいこう」
完全に動きの止まったファラミアに、畳み掛けるように追い詰める手管は、さすがに
海千山千の元野伏だった。
「私達は狭い店の片隅で互いの馬鹿っぷりについて語り合った後、飲み過ぎて道端に
ゲロ吐いて苦しむのだよ、そして明日は酒臭いのをどうにかしようと、二人で惨めに
慌てまくって結局、女官達にねちねち虐められるんだ!楽しいぞ!」

351萌えの下なる名無しさん:2006/01/27(金) 23:53:32





(3/3)
「………………はあ……」
ぽかんと口を空けたファラミアは随分幼く見えて、エレスサールは人の悪い笑みを
浮かべた。
「……………我が王よ」
ここは怒る所か無視する所か迷ったが、ファラミアも引きつった笑いを浮かべてみた。 
「何かございましたら、私は夕星王妃に申し訳が立ちません」 
「アルウェンは君の奥方に夢中なのだよ、私は放っとかれっぱなしなのだ、今夜だって
女同士語り合うのだそうだ、君は聞いていないのかい?」
「は、初耳です」
「奥方達の方が進んでいる、見習いたまえ我が摂政」
どうやら堅苦しくしているのは、自分だけらしいと気付き腹を決めたファラミアは、
王に対して極めて生意気な口調で問いかけた。 
「もちろん今夜は奢って下さると、考えて宜しいのでしょうか?」    
「いやいや、先に酔いつぶれた方が払うのだ」
とうとう耐えきれず腹を抱えて笑い出したファラミアに、アラゴルンと呼ばれる男は
芝居掛かった仕種で友人に手を差し出した。
「君は、私のとても大切な人なのだよ」

ああ、兄上、貴方と同じ様に私を外の世界に連れ出して下さる方がいます
貴方の大きな手を握り返す時、ファラミアは何と幸せ者であった事でしょう
もう、貴方無くしてあの喜びは二度と無いものと思っていました
しかし、今も

「では、お言葉に甘えまして……御一緒に」
小さく俯いてしまったファラミアの言葉は涙声だった。
アラゴルンを酷く動揺させてしまい悪いとも思ったが、止める事は出来なかった。
悲しいだけの涙ではないのだ。
喜びでも泣く事はある、ファラミアは久し振りにそれに気付いた。


お粗末様でした

352萌えの下なる名無しさん:2006/01/28(土) 10:25:29
おお、久しぶりに女神様が!
戸惑う真面目ちゃんなファラミアと、
砕けまくりの王様に萌え萌えです!
ありがとうございました!

353萌えの下なる名無しさん:2006/01/28(土) 13:10:13
本当に久しぶりの女神さまが!嬉しい!
ファラミアの兄回想にいけずな王様…
続きが読みたくなるようなお話でした。w
ありがとうございました!!!

354萌えの下なる名無しさん:2006/01/30(月) 21:01:14
ほんと、続きが気になる二人ですね!
女神様、また気が向かれたら是非続編を

355萌えの下なる名無しさん:2006/02/08(水) 00:01:37
MP行った方いい本買えました?

356萌えの下なる名無しさん:2006/02/08(水) 21:30:40
アラファラの無料配布本をいただいてきました。<MP

357萌えの下なる名無しさん:2006/02/08(水) 22:29:54
本、あったんだ
私も寒さに負けず行けばよかった・・・
こんなにアラファラに飢えているというのに

358萌えの下なる名無しさん:2006/02/08(水) 23:50:17
ボロファラに飢えてますー!

359萌えの下なる名無しさん:2006/02/09(木) 00:16:16
ここでどんな本だったか聞くのは反則?
次のイベとかで探したいんだけど。。。

360萌えの下なる名無しさん:2006/02/09(木) 01:55:03
コピ小説でエッチなし<アラファラ

361萌えの下なる名無しさん:2006/02/09(木) 02:05:52
>360
探すヒントを。。。

362萌えの下なる名無しさん:2006/02/10(金) 10:46:05
すいません。ヒントになるようなものが何もなくて…
サークル名もわからず。

363萌えの下なる名無しさん:2006/02/10(金) 21:52:57
私は2冊入手<アラファラ
両方コピー本で1冊は無料配布だった
サークルは別々
無料配布の方は同じのかな

364萌えの下なる名無しさん:2006/02/10(金) 22:47:20
次にイベントに行った時に探すので
サイズとページ数と表紙の色だけでも教えて貰えないでしょうか

365萌えの下なる名無しさん:2006/02/11(土) 14:34:34
無料配布の方はネットで探したらサイトがあって、アラファラのお話読めました。

366萌えの下なる名無しさん:2006/02/12(日) 13:26:23
>364
表紙は白っぽい水色。
表にアラ裏にファラがそれぞれ同じ構図で横向きに小さく。
サイズはB6で表紙含め28ページ(ノンブルないけど)
中は1段書き。

表紙は白っぽいピンク。
夕焼け?みたいな写真がやっぱり小さく。
サイズはB6で表紙含め16ページ
中は2段書き。
こっちが無料配布。

こんな感じでいい?

>365
言ってるのって同じ無料配布本かな?

で、ボロファラ本は無かったんだろうか。

367萌えの下なる名無しさん:2006/02/12(日) 13:38:35
>366
無料配布本は同じものです。そんな表紙でした。

368萌えの下なる名無しさん:2006/02/13(月) 22:13:02
ありがとう。
今度探してみます。

369萌えの下なる名無しさん:2006/02/14(火) 23:18:48
364です。
>365.366
ありがとうございます
私も次のイベントで探してみます

370萌えの下なる名無しさん:2006/02/23(木) 23:52:19
ボロファラが読みたい…
破滅的で絶望的で不道徳な関係って堪らんよ
それに葛藤だとか後ろめたさとか加わってもうどうにもなりません
女神様プリーズ

371萌えの下なる名無しさん:2006/02/24(金) 22:09:18
>>370が萌えたぎる思いをSSにして
ここに投下してくれると嬉しい

372萌えの下なる名無しさん:2006/02/25(土) 14:10:01
私もボロファラが読みたい…
近親相姦でもラブラブでも、喧嘩でも、兄上死んでても…
兄弟馬鹿(失礼)イチャイチャでも

373萌えの下なる名無しさん:2006/02/27(月) 23:51:16
>>370さん、すまんね、ボロはいないの。 
一応ファラミア総受け、王様変です、レゴラスも変です。
しるけ無しです。


(1/4)
長い戦乱が終わりミナス・ティリスでは建築ラッシュが続いている。
特に歓楽街に至っては、毎週末に新しい酒場が開店していった。
しかし商売敵は増えども、ビールと肉料理が旨いと評判の店、鷲の止り木亭は今夜も
盛況だった。
広い領土の様々な場所から訪れる人々は、この都に新しい活力と多少のトラブルを、
もたらしていく。
それも賑わいの内と割り切れる事と、客についての詮索をしない事、この商売に関わる
上での大切な教訓を知る鷲の止り木亭の主人は賢い男だった。     
彼の目の前を、粗末な身なりの怪し気な二人連れが通り過ぎたが、金さえきっちり
払ってくれる分には、何の問題もない。
それに何よりも今、このミナス・ティリスには帰還せし王が居るのだから。
恐れるものなど何もない。

「やあ、エステル、ファラミア」
「……何でいる?」
上擦った声を上げたアラゴルンの視線の先で、大量の空樽を脇に転がして店内の
一画を陣取ったイシリアンのエルフがにっこりと手招きした。
ぶかぶかの頭巾で耳を隠してはいたが、並外れた美しい顔だちといいその飲みっぷりと
いい、店中の注目浴びまくっていた。
慌ててアラゴルンは自分と連れのフードを深く引き降ろしたが、おかげで更に怪しさが
深まった。
しかし、ここで王と摂政が飲みに来たとばれるよりはましだった。
「レゴラス殿!お久しぶりです、イシリアンで最近お見かけできなかったので寂しく
思っておりました」
アラゴルンの配慮をよそに、ファラミアは満面の笑顔でレゴラスに駆け寄ると、優雅に
ゴンド−ル宮廷様式の一礼をした。
「ああ、ファラミアったら、貴方は本当に可愛い方!」
手を取り合い躍りだしそうな二人の間に分け入って、ファラミアを座席の奥に押し込み
他の客の目から隠すと、アラゴルンは眉間に皺を寄せエルフの前に座り込んだ。
たとえレゴラスといえど、ファラミアとの二人きりの時間を邪魔する者は、今は敵なの
だから。

374萌えの下なる名無しさん:2006/02/27(月) 23:52:50





(2/4)
「レゴラス、一応イシリアンの森の主人の身でだな……少しは飲む場所を考えろ」
自分の事を遠い棚の上に置いといて顔を顰めるエレスサール王の姿に、ファラミアは   
小さく吹き出し、レゴラスは、
「へえ、それでエステル、貴方達はここに何しに来たのさ?」
と遠慮なくせせら笑った。
アラゴルンは子供っぽく口を尖らせると、隣のファラミアを乱暴に抱き寄せた。
「私達は信頼を深める為に、日夜努力をしているのだ」
微妙な手つきで脇腹を撫でる左手をすげなく払い落として、テーブルの下で重い蹴りを
敬愛する主君にいれると、ファラミアはにっこりレゴラスに向き直る。
「本当にお久しぶりですよねレゴラス殿、王宮の方にお顔を出して下されば宜しいのに、
夕星王妃がお会いになりたがっていましたよ」
「ええ、さっき彼女に叱られてきたんですよ、アルウェンは今エオウィンと、えーと
ほらエメオルの彼女なんだっけ名前?」
「ロシーリエル殿ですかな?」
「そう!あの三人で遊ぶのに忙しいから、たまにはエステルの面倒見に来なさいって、
ファラミア殿にばかりお手数かけて申し訳ないってさ」
「それはそれは、夕星王妃のなんと素晴らしいお心づかいなんでしょう」
股間を押さえて呻くアラゴルンを放っといて盛り上がる綺麗所は、なみなみとビールの
入ったゴブレットを仲良く飲み干した。
「真面目な話ファラミア、エステルに虐められていない?」
「とんでもないございません、我が王はそれはお優しく私をお導きくださいます」
「でもさーセクハラっぽい事はされるでしょ?」
「あ、はいそれは時折」
「……おいこら」
「あ、エステル復活」
アラゴルンは荒い息を吐きながらレゴラスをきつく睨み付けると、なんとか椅子に起き
上がった。
「……レゴラス、言っとくがな私とファラミアは相性ピッタリだぞ、いろんな意味で」
「その微妙な言い方はおやめ下さい」
懲りずに肩に回される大きな手に、ファラミアは深々と溜息を吐いた。
いい加減馴れてきてしまった自分にも。

375萌えの下なる名無しさん:2006/02/27(月) 23:53:53





(3/4)
それなりにラブラブに見えなくもない二人の様子にレゴラスは、
「貴方がずっと摂政殿を独り占めしてるって………本当だったんだねぇ」
としみじみ呟くと、アラゴルンに非難を、ファラミアに同情の目を向けた。
「何だそれは」
「アルウェンが言ってた、エステル、少しはエオウェン殿に旦那を返してあげなよ」
すっかり悪者になっているらしい自分の批評に、かなりへこんだアラゴルンは無言で
ゴブレットをあおったが、ひどく咽せて口元を汚した。
ファラミアは笑いながらもビールの泡の付いた頬をそっと指先で拭ってやり、気の毒な
王の為にそれは誤解だと笑った。
「レゴラス殿はからかわれたのですよ、むしろ捨て置かれているのは私達の方なのです
から、御夫人方達はすっかり仲良くなってしまわれまして、まあ、寂しい夫達としては
長い夜をこうして空しく過しているのです」
政務の時には見られない戯けた顔で、レゴラスに向かって肩を竦めた。
「うーわーまだ新婚だったいうのに冷えきってるーじゃあ私、ファラミアを口説いても
怒られないかしら」
ゲラゲラと笑い出したレゴラスを悔し気に見つめていたアラゴルンだったが、不意に
ニヤリと口を曲げると猫撫で声で尋ねた。
「そう言えばレゴラス、確かギムリとしばらく北を旅して来ると言ってなかったか?」
ピタリと動きを止めたエルフに、鋭過ぎる勘を持つ元野伏は更に優しい声を出した。
「ギムリに振られたな?それでこっちに来たんだろ?」
「…………すみませーん、ここで一番強いお酒下さーい、あとはタン塩ー」
アラゴルンを無視して、店の奥に向かって大声で注文を始めるレゴラスを、ファラミアは
慌てて慰めようと手を伸したが、笑いを堪えて震える腕に止められた。
「え、えーとあの」
「放っときなさい、ファラミア」
図星を突かれたレゴラスが自棄になって飲み始める姿に、すっかり機嫌を好くした
アラゴルンは、ファラミアの顎を掴んで引き寄せ耳元に甘ったるく囁いた。
「私は貴方と過ごせる夜を寂しいとも空しいとも思えないのだが、もしかして摂政殿は
お嫌だったのかな」
「わ、私とて、その、そう思っている訳ではございません」
いきなりの王のアップに思わず頬を赤らめると、ファラミアは上目遣いで言い訳をした。

376萌えの下なる名無しさん:2006/02/27(月) 23:54:49





(4/4)
「ほう、では楽しんでいるのだな」
「どっどこを触っておられるのですか!我が王よ!」
「大人しくしなさ……」
したリ顔でにじり寄るアラゴルンの後頭部を、名剣グースヴィネが静かに撫で上げた。
「………我が義弟に何をしておられるのかな?エレスサール王」
「………やあエオメル王、幸多き我が友よ」
急激に温度が下がった背後を振り向かないまま、アラゴルンは汗を滴らせ挨拶をした。
なぜここに来るのとか、あんたも女性陣に構ってもらえない口なのかとか、うわー多分
店中の客に見られてるよとか、ツッコミたい所は沢山あったが、
「エオメル遅かったね、ああ、噂は本当だったよ、可哀想なファラミア……エステルに
あんな事や、そんな事されて……」
美しい顔を歪ませて目尻を押さえたエルフの復讐の言葉に、アラゴルンはファラミアを
抱えてとりあえず店から逃げ出した。
後ろで激しい破壊音が響き、アラゴルンは気の毒な鷲の止り木亭の主人に向かい、
心の中で必死に詫びた。

しかし勿論、これからもファラミアを連れ出す事を止めるつもりはない訳だが。 


お粗末様でした。

377萌えの下なる名無しさん:2006/02/28(火) 00:00:37
改行おかしくてご免なさい。
後は、摂政→執政
ああ、ずっと間違えていた……

378萌えの下なる名無しさん:2006/03/02(木) 00:10:28
面白かったです!ありがとう女神様!
賑やかなお話が読んでみたかったので、すごく楽しかったー
メインはアラファラなのかな
そして王様はセクハラ王なのかw

379萌えの下なる名無しさん:2006/03/16(木) 23:09:55
>>373-377
幸せそうな様子に癒されました!
ありがとうございます。

380萌えの下なる名無しさん:2006/04/23(日) 11:13:11
もう人いないのかな

スパコミでファラ受本がありますように・・・
アラファラでもエオファラでもボロファラでも。

381萌えの下なる名無しさん:2006/04/23(日) 16:05:52
まだいるよーノシ

382萌えの下なる名無しさん:2006/04/26(水) 20:02:51
ここにもーノシ

383萌えの下なる名無しさん:2006/05/02(火) 10:49:12
ファラミアさまあーノシ

384萌えの下なる名無しさん:2006/05/06(土) 20:58:02
いるよーノシ

385萌えの下なる名無しさん:2006/08/11(金) 22:32:46
明日の夏コミはファラ受本を買いまくるぞー

……あったらいいなあ

386萌えの下なる名無しさん:2006/08/11(金) 22:37:24
きっとあるよ!

387萌えの下なる名無しさん:2006/08/13(日) 23:54:20
超萌えエオファラ本に出会ってしまった
アラファラ派だったのに………
だめだ、顔が笑っちゃう

388萌えの下なる名無しさん:2006/08/16(水) 01:35:16
私はボロファラとアラファラでお気に入りを見つけた
まだまだこういう発見はあるんだねー

389萌えの下なる名無しさん:2006/08/17(木) 02:15:45
夏コミ不参加組でしたが、ファラミア本はどれくらいありましたか?

390萌えの下なる名無しさん:2006/08/20(日) 11:59:52
新刊(コピ除く)はアラファラ2・ボロファラ1・メルファラ1・ウィンファラ1

391萌えの下なる名無しさん:2006/08/20(日) 18:54:53
>ウィンファラ
この場合でも表記はこれでいいのかw

コピー除いてもそれだけあったんだね
少ないは少ないけど
まだオフセットで出しているところがあるっていうのがうれしいな

392萌えの下なる名無しさん:2006/08/25(金) 00:06:20
ってことは、コピ本入れるともうちょっとあったってこと?

393萌えの下なる名無しさん:2006/12/06(水) 19:08:04
冬コミ期待していいでしょうか…
アラファラあるといいなあ
ボロファラも…

394萌えの下なる名無しさん:2006/12/09(土) 17:36:11
カタログを見たところでは、ファラ受結構ありそうだけどな
期待しよう

395萌えの下なる名無しさん:2006/12/09(土) 17:47:17
期待値から−1でお願いします
出せるかどうか微妙

396萌えの下なる名無しさん:2006/12/15(金) 22:01:04
もちろん何時までだって待つので、無理しないでください。
ああ、ファラ受本なら夏までだって待てるさ!
……でも、頑張って下さい。

397萌えの下なる名無しさん:2006/12/24(日) 14:51:39
今日は皆さん原稿うpして、王様おかえりなさい祭参戦でしょうか。
腐女子で実況したい…


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