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番外企画スレ
1510
:
名無しさん
:2022/03/03(木) 10:54:34
>>1509
レジィ組、この時点でかなり他主従の情報を持っているな。
(マスターの情報は半グレや相馬の情報量によるので把握度は不明だが)
春花・カイム:直に見てたので外見まで知ってる。決闘中は異空間内なので戦闘スタイルまでは未把握
クルーゼ・セフィロス:直に戦ったのでかなり詳しく把握。
ココア・キャスター:ココアの身元と新たなサーヴァントを得た事を把握。半グレがバレないように遠くから見てただけなのでクラスや残り少なかった人形兵を使う戦闘スタイルまではバレてなさそう
ピーター・巧:こちらの半グレの遠くからの監視なのであまり把握されてないと思う
炭治郎・雲雀:上に同じ。炭治郎はアザが特徴的なので身元バレしてるかも
あとは派手なエレンとか指名手配されてるチノとかは名前だけとか断片的に知ってそう
1511
:
名無しさん
:2022/03/03(木) 11:26:13
>>1506
「ひ、人を殺すなんて……そんなことは出来ません」
ホメロスの提示した条件をチノは拒否する。おっこも当然拒否。
そしてこの発言からチノが聖杯戦争のマスターとしてあまりにも相応しくないことをシャアとホメロスは実感する。
「それにマコトさんやライダーさんに死んでほしくもありません……」
誰も殺したくないし、サーヴァントに死んでほしくもない。
サーヴァントを失いたくないという思考回路はマスターならば誰もがそうだろうが、チノの場合は明らかにサーヴァント達を「サーヴァント」ではなく「人間」や「仲間」と考えて発言している、とシャアとホメロスは解釈する。
ホメロスはマスターとしては有り得ないチノの発言を嘲笑い、それならば戦闘を放棄しないと彼女達に伝える。
(ばっかじゃない……?)
まりなちゃんはチノの発言に呆れつつも、チノやおっこがそういうタイプのお人好しということは理解していたからブレない二人の姿勢にちょっとだけ安心して。
(なにあいつ、有り得ないんだけど……!)
そしてわからず屋(とまりなちゃんが認識した)のホメロスに対してイライラする。シャアはともかく、こいつが居る限りどうにも出来ない。
無抵抗を示せば指名手配や処刑は中断するだろうが、果たしてマスターを生かして帰すだろうか?
自分なら今後厄介になる可能性があるマスターを放置しない。シャアの方は信用出来るが、ホメロスはどうにも信用出来ない。
お世辞にも性格が良いとは言えないまりなちゃんだからこそ、ホメロスが自分と同類の気がすると勘づいていた。
本当は緑の怪物のマスターに使うつもりだったけど、いざとなればこのガラスでホメロスを――
相手は自分よりも身体能力が遥かに高そうな軍人の男。勝ち目は薄いが、自分が弱いと認識されてそうな今だからこそ殺せる可能性もある。
シャアとホメロスは考える。
聖杯戦争のマスターとしては覚悟が足りない二人のマスターに、既にサーヴァントを失ったマスター。どちらもマスターとして論外だ。
それにサーヴァントを失ったマスターも他の二人と同じく、聖杯戦争の参加者として覚悟が足りない。自首という手段もそうだし、善性の強い二人と手を組むということはそういうことだろう、と。
他人を罪人に仕立て上げるという悪知恵は働くようだが、どういうわけか敵だった少女と手を組むところからその甘さが見て取れる。
まりなちゃんが覚悟を決めたことに気付いている者は、この場に誰一人いない
1512
:
名無しさん
:2022/03/03(木) 19:08:47
午後の間、医者はゴブリンと共同で疑似禁薬を精製する他に自己の外科整形を施していた
夕刻の処刑には宿屋にいた少女達が行動する可能性が高く、その中には自分の面を知っている雲母坂まりなも同伴している可能性が高い
なので自身の顔や体格、声帯なども弄って別人に成りすまし少女達に接近しやすいように変装する
ちなみに今回はモデルとして元の世界の知り合いである詐欺師(一般人)の姿に成り変わるつもりだ
彼女のことは好いてはいないが、あの人の良さそうな雰囲気に近づければ他の主従とも接近しやすいと考えての選択だった
ともかく元の姿から別人に成り代わった医者はゴブリンと共に公開処刑会場の近くを探索し、とある行政施設にて戦闘の気配を察知したため遠くから双眼鏡を使って様子を伺った
そしてセイバーvsランサーの激闘や巨人に対峙する覆面スーツ達、それと軍人と高官の二人組に相対する少女達の中にまりなの姿を確認する
さて、このあとどのように場を引っ掻き回すか、あるいは自分達の優位に立つかを考えている最中、戦場に向かっていくツインテールの少女を見つけた
◆◆◆◆◆◆◆
胡桃は街道や雑木林の中を駆け抜けつつ明さんや他の主従が戦っている戦場に向かっていたが、途中でジェット噴射の音が聞こえたため立ち止まって後方を確認する
すると一人の少女が慌てた様子でこちらに向かっており、さらにその後方から飛行する乗り物を巧みに操縦する緑の怪人を目撃する
キャスターから聞いていた爆破テロ事件の犯人と思わしきサーヴァントの登場に一瞬身構える胡桃だったが、「た、助けて!」と言って少女が自分の所に駆け寄ってくる
「と、突然あの怪人が襲ってきて!た、助けてください!」
「ちょ、ちょっと待って!あなた、もしかしてマスターなの!?」
「は、はい、そうです!でもサーヴァントを失ってしまって…」
(つまり、今の私達にはあのサーヴァントに対抗する手段がない!どうする、今すぐ令呪で明さんを呼ぶべきか…)
そう逡巡する合間にも緑の怪人が迫ってきたが、何故か数メートル先で停止してこちらを観察し始めた
「おーや?お前は確か、虎杖の女友達だったなぁ」
「!?あんた、なんで虎杖の事を知っているの!?」
「あぁ、だって奴は俺のマスターだったからな。たまにはお前らがイチャついているのも見ていたぜ」
「あんたが、虎杖のサーヴァント…!?それじゃあ、この間の爆破テロ事件は、あんた仕業か?虎杖の指示、でやったなのか?」
「それは確かに俺の演出さ、最高のショーだったろう?まぁ、ついでに言っちまえば虎杖は関係ないけどな」
「っ!!じゃあ、虎杖は今どこにいるの!?」
「あの世だよ」
「えっ」
「奴は俺が殺した」
「…うそ」
全く予想して居なかった事実を受けて、胡桃の頭は一瞬フリーズする
それと同時に、首元に痛みを感じて視線を下に移す
見れば自分にしがみついていたはずの少女が邪悪な笑顔を浮かべつつ伸ばした手で自分の首に注射器を打っていたのだ
嵌められた、と最後に思って胡桃の意識は暗転した
◆◆◆◆◆◆◆
一方その頃、ランサー・宮本明はセイバー相手に善戦していた
セイバーの強さは今まで戦ってきたアマルガムと同等かそれ以上の凶暴さを持っていたが、化け物狩りに長けた英雄・宮本明にしてみればそれに応じた戦い方もよく知っていた
そして同時に、正々堂々の決闘を望み自分との真っ向勝負に拘るセイバーにはある種の敬意を抱いていた
敵は全力でこちらを殺しに来ている、ならば自分も全力でセイバーを打ち倒すつもりで戦闘を続けていた
同じ頃、巨人と仮面ライダー二騎が小競り合いをしている横でホメロス&シャアと少女達の問答が続いていた
とっとと目の前の少女達を葬ろうとするホメロス、それを制止して彼女達と妥協点を模索するシャア、サーヴァントを仲間として裏切ることができないチノ・おっこ、そんなお人好し達に呆れつつ心の内で覚悟を決めているまりな
それぞれの思惑が交錯して中々決着がつかない中、新たな人物の登場で事態は変異する
一人の少女が緊迫するマスター達の近くに現われて助けを求めてきた
その少女は頭や腕から血を流しており、息切れや疲労感から危機的な状況であることが見て取れる
「助けて…緑の怪人が…」と言ったところで少女が倒れてしまい、心配したおっこが彼女の元へと駆け寄った
対応が遅れたチノや周囲の警戒で動けないまりな、突然の乱入者に場を見出されても警戒を解かずに様子を伺うホメロス、そして嫌な予感を感じるシャア
少女が倒れたと同時に空を横切る轟音が聞こえ、そちらも確認するマスターやサーヴァント達
そこにはグライダーに乗った緑の怪人・グリーンゴブリンが意識を失った少女・恵飛須沢胡桃を脇に抱えて姿を現したのだ
戦闘を中止したランサーが「胡桃ッッ!」と叫び、漢同士の決闘を邪魔されたことでセイバーが緑の怪人を敵視する中、ゴブリンは人質を取ったままチノ達に向かってパンプキンボムを投げ込んだ
逃げる準備が整っていないチノやまりなを守るためにホースオルフェノクが素早く駆け戻り、彼女達を爆風に巻き込まないために上から覆い被さり大ダメージを受けてしまう
木場やチノ達を心配するおっこは、直後に頸動脈を切り裂かれてしまう
おっこにメスを入れたのは怪我をした風に装った少女、否、変装した医者の仕業であった
【関織子@若おかみは小学生! 死亡確認】
※木場勇治は大ダメージを受けたためろくに体を動かせない可能性大、そうでなくてもマスター喪失で現界をあまり維持できない状態です
※ゴブリンは胡桃を人質にランサーを脅す予定、その結果ランサーとセイバーに敵視されますがホメロスはむしろランサー脱落に期待感を寄せそうです
※医者はホメロスとシャアに取り入って同盟を申し込む可能性もあります、またまりなに医術的時限装置を暴露して絶望させる可能性もあります
1513
:
名無しさん
:2022/03/03(木) 19:22:59
>>1494
カイトとオービタルを失ったココアは少なからずショックを受けていた。
ココアは決して聖杯戦争を侮っていたわけではない。だが固い結束で結ばれた友人が散ったという事実はあまりにも重い。
現実を受け止めるまで本来なら相当な時間が掛かるだろうが、これは聖杯戦争。ココアが倒れてる間にも状況は進む。
ココアが目を覚ました時にはキャスターが居て、必死に何かを話していた。
話を聞く限り、キャスターは悪人じゃない。どちらかと言えば善良なサーヴァントだとココアは考えた。
追い詰められたキャスターが人形兵を数体召喚したのを見て、カイトの言葉が蘇る。
――――どんな過酷な運命でも諦めるな。俺は残酷な運命に抗い、かっとビングで乗り越えた男を知っている!
諦めない心。かっとビング。
あのキャスターは自分より圧倒的に強そうなサーヴァントに挑み、返り討ちにあっている。
だがその諦めない心は正しくかっとビングだ。
――――ココア……後はお前に託す。運命に屈するな……。チノや仲間と共にお前達の手でこの聖杯戦争を……悲劇の連鎖を止めてやればいい……
ココアはカイトに大切なことを託された。
運命に屈せず、チノや仲間と共に聖杯戦争を終わらせる。
今にも消滅しそうになりながらも、後を託そうとするキャスターを見て。今ならば再契約で助かりそうな命を見て――ココアは奮起した
「私、キャスターちゃんのマスターになる!」
チノのため。
カイトに託されたことを果たすため。
目の前で散りそうな命を救うため。
炭治郎とピーターの足を引っ張らないため。
ココアは再び、かっとビングする。
「私もキャスターさんのマスターになるから、みんなで聖杯戦争を止めたい。きっとそれがカイトさんの託したことだから!
それに私がマスターになれば、足でまといにならないよね!!」
「ワオ。それが君の生き方かい?小動物」
雲雀はココアの決意を楽しそうに眺める。これがこの小動物なりの生き延び方。そして覚悟。
「うん。私、諦めないってカイトさんと約束したから!」
「いいよ。君がそう願うなら、この聖杯戦争を終わらせてあげる」
意外にもココアに真っ先に賛同したのは雲雀だった。
「はい。絶対に聖杯戦争を止めましょう、ココアさん!」
炭治郎も賛成してココア&マズルカ、炭治郎&雲雀は同盟を組む。
ちなみにこの時、改めて自己紹介したことで雲雀はこの場にいる全員に真名が知れ渡った。マズルカは慎重に念話でココアのみに教えつつ、サーヴァントとして意味不明な行動に出る雲雀に困惑。
「よろしくね、マズルカちゃん!」
結局ココアが真名で呼んだことでマズルカの真名も知れ渡り、自分のマスターの行動にまたもやマズルカは困惑。
ピーターも再契約を止めはしなかったが、同盟に対する返答は保留。聖杯戦争を終わらせるということは、自分の願いを放棄することになるからだ。
誰もピーターの意志に文句は言わず、それでも成り行きとはいえとりあえずはココアを守ることに決めてくれたピーターに炭治郎とココアは感謝する。
「マズルカちゃん、炭治郎くん、雲雀さん。みんなで絶対に聖杯戦争を止めようね!」
ココアの目と心には、カイトという誇り高き決闘者の生き様が刻み付けられている。
だから彼女は諦めない。カイトは消滅こそしたが、ココアの中で根付いたその魂は決して潰えない。
――――キャスター、お前はお前の任務を果たせ。
仮面野郎が創る世界よりは、マシだろう…。
ココアの決意に圧倒されて契約を結んだマズルカだが、バッターの最期の言葉を思い出して考え方を改める。
聖杯戦争を終わらせるということは自分の願いの放棄に繋がるが……心優しい彼女はココアの意志を尊重してそれを任務と決める。
自分の性格が聖杯戦争に向いていないということは、なんとなく気付いていた。
消滅しそうな時に頼んだ、戦争を起こそうとしている仮面のマスターとセフィロスを倒してほしいという願いもまたマズルカの本心だ。
「かっとビングだよ、マズルカちゃん!」
この後マズルカはココアからかっとビングという言葉の意味を聞いた
1514
:
名無しさん
:2022/03/03(木) 19:24:14
春花はアーチャーを倒したというのに、複雑な心境だった
アーチャーが放った最期の一撃。アレを自分達に向けて撃てば勝てる可能性だってあったのに、何故か彼は乱入者に攻撃した。
そもそもアーチャーはドラゴンでマスターを狙うことすらなく、彼らはサーヴァント同士で競い合っていた。
カイムはココアを殺すための術こそ教えてくれたが、直接的にココアを狙うことはなかった。
カイトが誇り高き決闘者であったように、カイムもまた気高き戦士。
二人のサーヴァントに敬意を抱きつつ、春花には迷いが生じていた
気絶したココアを殺さなかった理由は自分達ではなく、乱入者を狙ったカイトに対して敬意を払ったのもある。それにココアがサーヴァントを失ったというのも大きい
だが再契約というシステムがあるのにココアを逃した最大の理由は、春花の中に迷いが生じたからに他ならない
アーチャーは自分の運命を諦めるなと言っていたが、春花とカイムの運命はとっくに終わっている。
だから春花は運命を変えるために聖杯に頼ることを選んだ。
一方でカイムはカイトと交戦したことにより、カイトのような気高き戦士と殺し合いを楽しむという願望が生まれた。
今更聖杯に願うことはないが、カイトとの殺し合いはカイムにとって楽しかったから。
春花が行く宛てもなく彷徨っていると、半グレを引き連れた相馬の姿を偶然発見。何かを企んでいるようなので隠れながら様子を伺う。
彼は造船所へ行き、制圧すると飛空挺をどこからともなく現した。
ココアに対する煮え切らない気持ちが拭いされない春花は相馬と戦い、飛空挺でムー島へ行くことに決める。
ムー島ならば自分の覚悟が揺らいでしまいそうなココアと会うことはないだろう。
それに今回の相手はココアのような優しい人間じゃない。むしろ戦闘に乱入をして漁夫の利を得ようとした悪辣な輩だ。
今の春花は善良な人間に対して少しでも躊躇してしまいそうな精神状態だったが、相手があの乱入者ならばその心配もない。
他の主従を殺害することで覚悟を改め、聖杯を手に入れる。聖杯戦争を勝ち進むために情や優しさはこの戦闘で捨て切る
カイムも先程の乱入者には思うところがあったのか、剣を構えて攻撃を仕掛ける。
情によって覚悟が揺らいでしまったマスターと他のサーヴァントによって殺し合いの楽しさを思い出したセイバーの戦が始まる
1515
:
名無しさん
:2022/03/03(木) 19:41:08
>>1513
その後
マズルカ「マスター、あまり人前で真名を呼ばれるのはちょっと…」
ココア 「わかった!じゃあルカちゃんだね!」
マズルカ「…まあそれなら」
炭治郎(いいんだ…)
1516
:
名無しさん
:2022/03/03(木) 20:41:20
>>1502
チノの窮状を知るや否や炭治郎(と雲雀)が外へ出て行ってしまった
もう夕方であり今から向かっても間に合うとは思えないが、それでも彼のような全力で物事に当たる人物には多少なりとも好感を抱くキャスター・マズルカ
本当なら自分も一緒に行きたいところだが、自身の不調や再契約したばかりのキャスターも本調子ではなく、本来関係のないはずなのにチノの事を心配してくれる炭治郎に託すことにしたココア
炭治郎の行動力には驚かされ、しかもココア達のことを任されて困惑するものの、根が善良なためやはり彼女達を放ってはおけないピーターと巧
4人は炭治郎が去ったあと、チノ関連とは異なる情報についてそれぞれ交換を始めた
ピーター達は主に軍事基地での出来事を語った、ギャング達の暴動を鎮圧していたところに巨人が現われて、ランサー達と共闘したがその主従を殺されてしまい巨人も逃がしてしまった、だから巨人を許せない、と
ココアは春花達について語った、まるで姉妹のように仲が良かったが互いにマスターであることが分かってしまい、次に出会ったら戦うことになってしまったと
春花は明確にココアを殺そうとしたが、ココアはそんな彼女を止めたいと思っている。
この時に相手セイバーや竜についても語り、一緒に戦った天城カイトについても色々な事を教えてくれた仲間であることを伝えた
マズルカはランサー組と同盟を結んでいること、虎杖というマスターと敵対していたが知らないところで殺されていたこと、そのサーヴァントが緑の怪人であり交戦から得られた特徴を伝えた
マズルカの最後の説明について、ピーターは驚愕の顔を浮かべて彼女にもっと詳しく聞こうと詰め寄った
話を聞けば聞くほど、それが最愛のメイおばさんを殺したグリーン・ゴブリンではないかと確信を強めていた
1517
:
名無しさん
:2022/03/03(木) 20:48:10
>>1512
「関さん……!?」
木場やチノを心配して大声をあげていたおっこの声が急に途切れた。
頸動脈を切り裂かれ、首から血を流しながら倒れ伏すおっこ。それがチノとまりなちゃんを守った後に木場の見た光景で、動揺する。
まさか殺された?
血塗れのメスを持つ医者を見て、木場は自分達が騙されていたことを確信。
騙された挙句に大切な仲間を失い――かつて木場の仲間である海堂や長田を襲った悲劇を思い出し、木場は絶叫する。
「うわああああああ!!」
大切な仲間を殺された木場は激情に駆られる。
そして激情に駆られたオルフェノクは激情態という形態に変化する特徴を持つ。木場もまた激情態を持つオルフェノクの一人であり、ホースオルフェノクが激情疾走態に変化。
ロクに動かすことの出来ない肉体を気力だけで動かし、全力で疾走すると医者を突き刺そうとする――が、かすり傷に終わる。
これが万全の状態の木場ならば殺し切れたのだろう。
だがパンプキンボムによるダメージで弱っていたこと。おっこを殺した医者が、彼女と契約していたサーヴァントによる襲撃も想定していたこと。
そしてなにより薬によってパワーアップしていたこと。様々な要因が重なり、激情のままに繰り出された攻撃は大した成果もなく終わる。
木場はそこから更に追撃を加えようとするが、すかさずグリーンゴブリンがパンプキンボムを放ち、それを食らったことで瀕死になってしまう。
この時にはホースオルフェノクとしての姿すら維持出来ず人間・木場勇治としての姿に戻っていた。
「「「ライダー!」」」
「ライダーさん!」
マコト兄ちゃん、明さん、まりなちゃん、チノの声が重なる。
パンプキンボムのダメージとその爆風で吹っ飛ばされた木場は、偶然これまで出会ってきた者達の傍に転がっていた。
心配そうにこちらを見てくる彼らを見て、不思議と憎悪は和らいでいた。
いや。憎しみなんかよりも伝えなければならないことが、彼にはある。
だからもう視界もボヤけている中、木場は最期の言葉を口にする。
「俺に出来なかったことを……想いを、繋いでほしい……」
「ああ。ライダー、お前の想いは俺達が繋ぐ!」
マコト兄ちゃんが木場の手を固く握りしめ、力強い返事をしたことで木場は安心した。
結局彼は最期まで乾巧のようにはなれなかったが――その想いはきっと、繋がれていく
そして明さんの鋭い眼光が医者を突き刺す。
あの連携から緑の怪物とおっこを殺した女が主従だと即座に見抜き、みんなに伝えた
まりなちゃんはおっこと木場を殺した女と緑の怪物を睨み付け、ガラスを握り締める
【木場勇治(ライダー)@仮面ライダー555 死亡確認】
1518
:
名無しさん
:2022/03/05(土) 00:29:03
明確な認証は受けてないけど話の流れからして大丈夫そうなので仮投下
>>870
を本投下
「テメェ…とっととそこから降りてこい外道ッ!」
「ハッ、口の利き方には気をつけることだな、ランサー。さもないとうっかりこのガキを殺しちまいそうだ」
「クソッ…!」(これじゃあ身動きも取れねぇ…どうすればいい?!)
「キサマ…俺とコイツの戦いに水を差した行為、万死に値するぞ!」
(待て、セイバー…今のうちだ、ランサーを討て)
(なっ、そんな姑息な真似は許さないぞ!!)
(いつまでもランサーを仕留められず無駄に消耗している貴様にそんなことを言えた義理はない!!)
(ふざけるな!さすがにその命令は聞けない、この好敵手は俺自らの手で打ち倒してやる、マスターは黙ってろ!!)
(…このクソセイバーがッ!!こうなったら、令呪を使ってでもランサーを討ち取らせるか…?)
「ねぇ、そこの軍人さん。あなた、いつまでそこのお花畑を潰さないでいるのかしら?」
「それに隣の政務官も。聞き分けのない子供には現実を突きつけてあげなくっちゃ」
「キミみたいな手慣れた殺人鬼には言われたくないな。それに、私は無益な殺生は好まない」
「あら、生温いわね。これは聖杯戦争、願いを賭けて殺し合う儀式。いい子ぶっている方が狂っているわ」
「でも、軍人さんの方には見込みがありそうね。どうかしら、私達と一緒に手を組まない?」
1519
:
名無しさん
:2022/03/05(土) 01:16:06
おっこを殺した女が手にしているメス。
最小限の攻撃で首を切り裂かれていきなり死亡したおっこ。
悪質な手段で相手を嵌めるやり方。
そしておっこを殺された今となってヒシヒシと感じる、ゲス特有の雰囲気
「……あは。どうして気付かなかったんだろ……」
まりなちゃんはおっこを殺した女に心当たりがある。
姿形や声は違っても、性格や武器は変わっていない。
「まりなさん……?」
女に対して憎悪を向けるまりなちゃんを心配して、チノが声を掛ける。
おっこが死んだ。
ライダーも死んだ。
チノとマコトだけが生きている。
だからまりなちゃんは二人だけでも助けるために――一人にならないために自分に出来ることをする。
「その女が医者!まりなとアーチャーを利用して宿を襲わせた犯人!!」
まりなちゃんの叫びはシャアやホメロスを含め、全員に届いた。
医者だけは許せないから、精一杯の大声で叫んだ。
「あいつさえいなければ、おっことライダーは死ななかったはずなのに……!」
許せない。許せるはずがない。
どうしておっことライダーを殺したの?
どうして大切な人を奪っていくの?
本来ならあの医者を相手にするなら色々と策を練るべきだろうが――考えるより先に体が動いた。感情が肉体を突き動かした。
まりなちゃんは全力で走って、手に持ったガラスで医者に襲い掛かる。
怒りと憎しみで満ちた心によって思い切り握られたガラスはまりなちゃん自身を傷付けて、血が流れるが関係ない。
「おっことライダーを返せよ!!!」
大切なモノを奪った悪魔を殺すために――少女は因縁の相手へ刃を向ける
1520
:
名無しさん
:2022/03/05(土) 04:02:26
>>1519
「うわああああ!」
医者に尖ったガラスの破片を突き刺そうと走るまりな
「まりなさん!?」チノが危険人物に向かって走るまりなに驚いて声をかけるが止まらない。
医者は愉快気な表情でそれを見ている
「こっちにいらっしゃい」とでも言うかのように両腕を広げて笑みをうかべている
そしてまりなの刃が医者に届くかというとき
医者は片手を手刀の形にして振り上げた。
まるで、親が子を叱るようなビンタか、友達同士がじゃれあいでチョップをするような体勢
しかしその腕には異様な血管がビキビキと浮き上がっており、
腕のシルエットもか細い女の細腕だったものが筋肉が膨れて膨張していた。
医者が自身の体に打ち込んだ擬似禁薬の効果だ
医者は手刀を振った。その増強した力の一撃は、少女の首など一撃で折りかねない!
「さようなら」
医者が手刀を振った!しかしその手は空振りに終わる。
ブンッ!と人間の振った腕が出すとは思えない風切り音が鳴っただけだ。
突如横から乱入してきた少年が、前のめりになりながら、まりなを抱きかかえて横飛びに転がったのだ
その拍子に少年、竈門炭治郎は、まりなの持っていたガラスで頬をわずかに傷付けた。
しかしそんなことなど構わず、炭治郎はおっこ殺した下手人を睨みつける。
グライダーで飛翔しながら、歯噛みするランサーを眼下にいい気分になっていたグリーン・ゴブリン
しかしその背後から、何者から空中に足場を置きジャンプするように飛んできたのを、
夕焼けの散乱光から生まれる影から察知した。
「何ィ!?」
すぐさま、胡桃を盾にするように振り返る。
だが背後からの襲撃者は直前に回転とびの要領でグリーンゴブリンの頭上を通り抜け、
空中で体を捻り、がら空きの背中に一撃を叩き込んだ
「グエッ!」
人質の少女が落下する!
「胡桃ィ!」
ランサー・宮本明が闘っていたセイバー・ハドラーを放って全力ダッシュ。
セイバーはその背にわざわざ追撃を繰り出そうとせず、
そのセイバーの態度にマスターのハドラーはまたもイラつく。
ランサーは胡桃が地面に激突する前にキャッチした。
「君がテロ事件を起こした小動物だね。」
「何だテメェは!!!」
「君はここで噛み殺す。」
グリーン・ゴブリンはお楽しみを邪魔したアサシン・雲雀恭弥を敵と見定め、
グライダーに取り付けた機関砲を斉射した。
2人がムー島に到着した時には既に戦闘が始まっており、おっこ達が殺害された直前のパンプキンボムの爆発音が聞こえてきたところだった。
アサシンは炭治郎の服やら腕やらを引っ張ってサーヴァントの跳躍力ですぐに移動、
途中で医者に特攻するまりなと、胡桃を抱えるグリーン・ゴブリンを目撃し、
炭治郎はまりなの元へ、雲雀はグリーン・ゴブリンの元に建物の間を駆け上がりったりロールを足場にしたりしながら接近していた。
1521
:
名無しさん
:2022/03/05(土) 16:35:05
(仮投下修正したもの。自分とチノに攻撃の矛先が向き、まりなと逃げるように促すライダー)
>>1518
の続き
◆◆◆◆◆◆◆
突然の乱入者による半ば強制的な戦闘中断、またシャアの戦闘停止が起因となってバーサーカー・エレンの狂化が発動、チノの元にまで後退したクリミナル・深海マコトを無視して胡桃をキャッチしたランサー・宮本明に襲いかかる。
ちなみにバーサーカーはシャアの方針でチノ達は狙わずにサーヴァントを倒すのは合意していたが、胡桃とランサーは勘定外でありなおかつ狂化の度合いが増したため二人をまとめて潰すつもりである。
一方、ランサーは胡桃を抱えているためまともに戦闘はできず、何とか攻撃を躱しながら逃げるために動き出す。
ランサーとの戦いが有耶無耶になってしまったセイバー・ハドラーは、バーサーカーの暴走にも腹を立てていた
更に重ねるように、ホメロスが令呪で「クリミナルとそのマスターを速やかに殺せ」と命じてしまう
マスターの蛮行に激怒するセイバーだが、令呪の強制力には逆らえずにクリミナルに刃を向けた
バーサーカーの暴走やホメロスの行動に「やめろ!」というシャアだが、ホメロスはシャアにも剣を突き付ける
あの女の言う通り生温い、これは戦争だ、敵を倒さねばいつまでも終わらない、お前も聖杯に託す願いがあるなら黙っていろ、と鬼の形相でホメロスは抑止しようとするシャアを牽制した
◆◆◆◆◆◆◆
武人のような風格のあった男が、マスターへの怒りを顕にしながら自分とチノに襲いかかってきた。
ライダー・深海マコトはセイバー・ハドラーの攻撃をディープスラッシャーで受け止め、真意を問う。
「どうした?何があったんだ、セイバー!?」
それに対してセイバーは自身がホメロスの令呪で強制的に動かされていると答えた。
セイバーとしても好敵手であるランサーを自らの手で打ち倒したかった。バーサーカーの暴走も想定外で、彼としても獲物を変えてクリミナルやそのマスターを襲うことは不本意。
ちなみにこの際「速やかに」という命令だったのに即宝具を使わなかったのは、ハドラーが対魔力により多少は令呪に抗っているからである。
それでも対魔力Bのセイバーでは限界があり「速やかに」という部分のみに対する反発に収まっている。
なかなか宝具を使おうとしないセイバーに苛立ったホメロスは重ねて命ずる。宝具を使え、と
令呪を二画使われたことでセイバーの些細な抵抗すらも許されず、超魔爆炎覇を使う。
「目を覚ませ、セイバー!」
ゲンカイダイカイガン!ディープスペクター!ギガオメガドライブ!
ディープスペクターも必殺のライダーキックを繰り出し、激突の末に両者の痛み分けに終わり、吹っ飛んだディープスペクターにチノが駆け寄る。
だがこの状況では逆にチノの身が危ない。戦闘中の自分の傍にいればセイバーの攻撃の流れ弾で傷つきかねない。
念話でチノに、まりなと逃げろ!と伝え、ディープスペクターは木場に託された想いを繋げるため、不屈の闘志で立ち上がり再び戦闘態勢に入る。
対するセイバーも吹っ飛ぶが、ホメロスから罵声を浴びせられながらも立ち上がる。
そしてその一瞬。セイバーが吹っ飛ばされ、ホメロスの注意がセイバーに向けられたその一瞬をシャアは見逃さない。
ランサーと戦っていたバーサーカーを自分とホメロスの間を割って入るように令呪で呼び出し、更にホメロスを狙うように令呪で命ずる。
ホメロスとは元から相性が悪かったし、今ならばランサー、クリミナル、アサシンと手を組む好機である。
少女達の命を奪わずにも済む。この機会を見逃す手はない。
突如ワープしてホメロスを襲おうとするバーサーカーをランサーは、胡桃を抱えながらハァハァと荒い呼吸をしながら眺めていた
1522
:
名無しさん
:2022/03/05(土) 16:36:33
>>1520
の続き、
>>1521
とほぼ同時(令呪カット、細かい位置情報消し、呼び方ちょっと変えた)
◆◆◆◆◆◆◆
異様に筋肉が膨張した女を炭治郎は一瞬、鬼だと錯覚したが匂いで彼女が人間であることに気付く。
しかし相手が人間だろうが関係ない。鬼にも良い鬼はいるし、人間にも悪鬼はいる。
「関さんとライダーさんは……」
「2人は……死んじゃった……。あいつが……医者がおっことライダーを殺した……!!」
関織子とライダー。
心優しき2人の死に炭治郎は歯噛みする。
目の前の人を皮を被った人間が悪鬼なら、木場は化け物の皮を被った人間だ。
関織子とライダーは死ぬべき人じゃなかったと炭治郎は心から思う。
目の前の、愉悦の笑みで人を殺す人間は、もはや無惨が生み出した鬼と何も変わらない。炭治郎はそう判断した。
「君は危ないから下がってて。この悪鬼は俺が斬る!」
日輪刀を構え、炭治郎は医者と対峙する――が医者は彼の正義感を嘲笑い、まりなを優先して狙う気はないと言う。
何故ならまりなには時限爆弾式に死ぬ手術を施してあるから、と。
「………お前、何を言っているんだ?」
「あはは、簡単に言うと〜彼女は残り数時間で死ぬ、ってこと!」
「ッ!!この子の体を元に戻せ!!」
「アハハ。お願いなら地面に頭こすりつけて土下座したらぁ?」
関織子と木場の死も。
まりなの決意も。
炭治郎の勇気も。
チノの優しさも。
マコト兄ちゃんの想いも。
なにもかも無駄で、そこの少女は直に死ぬと嘲笑う
「……あは」
それでもまりなは、誰よりも自分に残された時間が少ないことを悟っていたから。
だから彼女は余命宣告に怖気付くことなく、僅かに残された命の灯火を燃やす。
手に割れたガラスの刃物を握り締める。
――俺に出来なかったことを……想いを、繋いでほしい……
木場の最期の言葉を思い出す。
想いを繋ぐ。まりなにはその言葉の意味を理解することは難しいけど……友達をこれ以上巻き込まないために炭治郎に並び立つ。
死んでもまりなは一人じゃない。おっこやライダーも一緒だ。
だからみんなを守るために、ちゃんと医者を殺さなきゃ。
◆◆◆◆◆◆◆
殺意を高めて覚悟を決めたまりなの腕を引く手があった。
まりなが振り向くと、そこには泣きそうな顔をしたチノがいた。
「ここから逃げましょう。まりなさん。」
まりなは困惑した
なんで?なんでチノはそんな事を言うの?
ライダーもおっこも殺された。その仇が目の前にいるのに逃げようなんて。
木場さんも言ってたでしょ。想いを繋いでほしいって。今がその時なんだよ。
どうせあたしはこいつに殺されるだろうけど、そのスキにあのサムライみたいなお兄さんが医者を殺してくれるかもしれない。
だから
「まりなちゃん、香風さん。ここは俺に任せて逃げて!」
炭治郎は医者に向かって駆け出しながら、
各々の主従や戦闘地点から離れており、なおかつ医者が標的をまりな達に向けても自分が対応できる方角を指さした。
想いを繋ぐ。
それは憎しみや恨みを次に引き継ぐということではないはずだ。
誰かに理想を託し、未来へと希望を繋げる、そういう意味で、きっと木場はその言葉を残した。
炭治郎は医者と戦闘を始めた。
医者を拘束し、無理やりにでもまりなを治療させる。
無謀にしか思えない方法だが、それしかまりなを救う方法はない。
(ここまで)
1523
:
名無しさん
:2022/03/05(土) 16:51:10
(
>>1521
は一応、医者とゴブリンに炭治郎と雲雀が立ち向かっているのを確認したうえでそれらからも逃げるよう促してるという感じで脳内補完を願います…。)
1524
:
名無しさん
:2022/03/05(土) 16:54:06
>>1522
炭治郎はおっこを殺した殺人女を止めようと接近する、ただし人を殺めるつもりはなく逆刃で叩くつもりだ
しかし疑似禁薬によって炭治郎の動きにも対応できるようになった医者は、彼が接近する前に隠し持っていたパンプキンボムを投げ込んだ
咄嗟に爆弾と判断した炭治郎はそれを回避するが、それは爆発しなかった
実は相手を騙すための爆弾もどきであり、炭治郎がそれに気付いた時には接近していた医者が炭治郎を蹴り飛ばし、遠くの建物まで吹っ飛ばされた
だが医者は追撃することなく、大声で叫ぶ
「今すぐ撤退よ、アルターエゴ!」
令呪一画が光輝いて消えたあと、アサシンと戦っていたゴブリンがマスターの元へ転移する
実は令呪を使用する前に医者はゴブリンと念話で話しており、シャアとホメロスのいざこざから戦況が変わりいつまでも居座るのは不味いと判断したのだ
手筈通りに医者を改修したゴブリンはグライダーを全速力で飛ばし始める
突然逃げ始めた緑の怪人達をアサシンは執拗に追いかけようとしたが、ゴブリンが放った手裏剣とボムに阻まれて捕まえることは叶わなかった
1525
:
名無しさん
:2022/03/05(土) 17:00:48
>>1520
機関砲の弾丸をたかだかトンファーで弾き落とすアサシンという暗殺者のクラスにあるまじき脳筋戦法の化け物を見て、グリーンゴブリンは「お前本当にアサシンか?」という感じの質問をする。
「アサシン?知らないな。僕は並盛中学の風紀委員長だよ」
並盛中学の風紀委員長。何故か勝手に個人情報を教えてくれた雲雀にグリーンゴブリンは名前を問う。
よくわからないやつだが、個人情報をここまであっさり教えるなら真名も教えてくれそうだと考えたのだ。
「雲雀恭弥だよ。そんなことを知ってどうするの?」
グリーンゴブリンは自分から真名を教える特大級の馬鹿を内心嘲笑うが、雲雀が猛攻に出る。
「じゃあ続けようか」
孤高の浮雲はなにものにも囚われない。
それゆえに聖杯戦争の常識にも囚われず、堂々と真名を口にする。
理解不能なイカれた存在にペースを乱されつつも、グリーンゴブリンは応戦して
>>1524
に至る
逃走こそ成功したが最後に放った手裏剣とボムもあっさり対処されて、雲雀恭弥という男の凄まじさを知るが同時に医者とグリーンゴブリンはアサシンの真名や並盛中学の風紀委員長という情報を持ち帰ることに成功した
戦闘結果だけ見れば雲雀は大した負傷もなく、グリーンゴブリンの方は多少のダメージを受けた
しかし情報を得て逃げることが出来ただけでも、グリーンゴブリンにとっては成果として十分だ
1526
:
名無しさん
:2022/03/05(土) 17:03:29
>>1524
に追加
戦場から見事脱出した医者とゴブリンはグライダーで移動しながら今後の方針について話し合う
今回の乱戦で色々な情報を得ることができたが、一番の問題はセイバー組以外の四組が仲良く結託する可能性を危惧していた
このままでは多勢に無勢、いくら暗躍しようともいずれ追い詰められるかもしれない
ならば、と二人の乗るグライダーは前進を続ける
このままレムリア島に向かって心機一転、新たなヴィランと同盟を組んで対抗せねば
1527
:
名無しさん
:2022/03/05(土) 18:50:33
>>1521
の続き
ホメロスがセイバーの方に気が向いた僅かな隙に、シャアは令呪を使って巨人を呼び戻す
さらにシャアが自分を狙うよう令呪を重ねてたことにより、ホメロスがどんな行動をとるよりも早く巨人の拳が先に動き出していた
呪文を唱える時間などなく、剣で斬りつけようとも防御しようとも圧倒的質量には無意味に等しい
たった一瞬で自分が窮地に立たされたことも何かを思い浮かべる暇もなく、ホメロスは迫り来る暴虐に対して目を閉じてしまった
…だが、いつまでたっても衝撃は来ない
恐る恐る目を開いてみると、セイバーがバーサーカーの巨拳を押さえていた
「な、なぜだ…なぜ、私を助けた!?」
「全く、なぜだか俺にも分からん。横暴を振るい騙し討ちばかりを指示する小悪党なぞ、俺にとっては大っ嫌いな存在だ」
攻撃を止められたバーサーカーは拳を一度引っ込め、今度は両腕でセイバー諸共ホメロスを葬ろうとする
だがその殴打の連発をセイバーは防ぎ続けている
「だがな、どうであれお前が俺のマスターだ。今回の闘争に喚んでくれたことだけは感謝している、それでいいだろ」
「なっ…!?」
「だが、正直言うと長くは持ちそうにない。だからお前は今のうちに遠くへ逃げろ!」
今のセイバーは「クリミナルとそのマスターを殺せ」という令呪の命令に縛られている、それを対魔力と意地で無理矢理無視してマスターのために盾となっているのだ
その代償として本来の力が出せなくとも、想像していた戦いが望めなくても、戦士として召喚してくれたマスターを全力で守ろうとしているのだ
「…セイバー、もう少しだけ耐えてくれ、私がなんとかする」
「くっ、とっとと逃げればいいものを…だが、任されたからには応えてやるさ!」
バーサーカーは両腕を硬質化させてさらに殺傷能力を高める、それでもセイバーは攻撃を捌き、躱し、防御してホメロスには一歩も触れさせなかった
だが全力の巨人の猛攻を受け続けていれば、全力を出せない超魔生物とて徐々に押されてしまい、その猛威はホメロスにも迫っていく
やがてその均衡が崩れそうな時、ホメロスは呪文を唱え終えて言い放った
「ドルモーラ!」
放たれた闇の魔力はバーサーカーの頭部へと飛翔し大爆発、神秘による上位呪文では対魔力を持たないエレンはもろにダメージを受けてしまい、半ば頭部が欠損した状態で倒れてしまった
「バーサーカー!?」
「ハッ、随分と上等な呪文を使えるじゃないか、マスター」
「ああ、相手が対魔力を持たない狂戦士で助かった」
「さて、それじゃあ」
そしてセイバーはクリミナルの方に向き直して武器を構える
今でも令呪の効果は継続中だが、自身の必殺技『超魔爆炎覇』にライダーキックで対抗したディープスペクターに対して認識を改めて強敵と認めていた
マスターであるチノへの攻撃は自身の対魔力と気合いで押し留めて、クリミナルとの戦闘に集中しようとする
「待て、セイバー」
そこへ、胡桃を抱えたランサーが現われてクリミナルとチノ&まりなの方に合流する
ランサーはチノ達に意識のない胡桃を預けると、武器を構えぬままセイバーと向き合う
「俺との勝負はどうした、セイバー」
「…すまない、今の俺は令呪に縛られている、そいつと戦わなければならない」
「そうか、なら仕方がない、俺はお前を止めるために動くぞ」
「構わない、とても不本意な戦いになるが、それでも俺は全力で戦わせてもらうぞ!」
「…いや、もういい」
「令呪でもって命ずる、『お前の好きなように、存分に闘え、セイバー』」
「「「!!!?」」」
それはホメロスから発せられた不意な命令であり、今にも衝突しそうだった三騎の英霊たちはあまりの出来事に一瞬動きを止めてしまう
さらにセイバーはそれまで味わっていた束縛感から解放され、むしろ力が漲る感覚を覚えていた
「これはどういうことだ、ホメロス!」
「言葉通りだ、セイバー。ランサーと一騎打ちだろうとなんだろうと構わん、ただお前が最強であることを示せ」
「…感謝するぜ、マスター。ならば、この二騎のサーヴァント相手を打ち倒して名誉挽回させてもらうぜ」
「ふん、勝手にしろ」
「いいのか、俺はタイマンでお前と勝負を着けたかったんだが」
「ふん、甘く見くびられたものだな。かつて魔王と呼ばれた俺と戦うなら、二人でかかってこい」
「…わかった、セイバー。その信念に敬意を表して、俺も全力でアンタと戦おう」
「我の真名は“ハドラー”、魔王軍の一員として勇者達と敵対した魔王の端くれだ、その脅威をお前らにもしらしめてやる!」
「“宮本明”だ、今まで戦った吸血鬼共の中にはお前みたいな武人とも相まみえた。今度こそ決着をつけるぞ、ハドラー!」
「俺は“深海マコト”、仮面ライダースペクターだ。マスターを守るため、木場の意志を繋げるために、俺は戦い抜く!」
◆◆◆◆◆◆◆
英霊三騎が激突するその前後、シャアはバーサーカーに三画目の令呪を使いホメロスへの攻撃を中止させ、戦意なく佇むホメロスの傍に近寄った
「どうして、あんなことを」
「…もうすでに趨勢は見えている。乱入者共に場を荒らされ、お前に裏切られて、あの医者という女にも逃げられて、私一人が虚勢を張ったところで事は上手くいかないだろう」
「………」
「だからせめて、セイバーの願いでも叶えてやろうと思った、それだけだ」
「そうか」
「そういうお前こそいいのか、私を殺さずに放置しといて」
「言っただろう、無益な殺生は好まないと」
「ふん、そんな余裕でいられるのも今のうちだけかもしれんぞ」
「と、いうと?」
「我が最強のセイバーならばあの二騎を同時に相手しても倒すはずだ、そのときはお前ともまたやりあうかもしれん」
「ふっ、その時はその時さ」
「…やはり貴様はいけ好かないな」
※ホメロスもシャアも令呪を三画使用しました
1528
:
名無しさん
:2022/03/05(土) 19:41:30
>>1527
木場の想いを一身に受けて、ディープスペクターは果敢に戦う。
チノとまりなちゃんはそれを二人で眺めていた。
自分達に託し、散っていった木場の想い。おっこの無念。
そしてチノとまりなちゃんの希望。
まりなちゃんが見ているマコト兄ちゃんの背には憎悪などなく、代わりに熱い想いが乗せられている
「散っていった友のため。今を生きる少女達のため――俺達は負けん!」
1529
:
名無しさん
:2022/03/06(日) 08:24:50
>>1526
続き
「どこに行くつもりだい」
「ああ!?しつけえ野郎だな!!」
グライダーで飛行してちょうどムー島の「へり」から飛び立とうとしているグリーン・ゴブリン。
だが雲雀が『雲のブレスレットVer.X』の形態変化状態で屋根を飛び越え、雲ハリネズミを足場にし、ゴブリンに接近していた。
まだ多少距離が開いているが、雲雀は後端からチェーンブレードのついたトンファーを振り回している。
武器に付属の鎖などがこの距離で届く筈がない、筈だが。
「爆弾で吹き飛ばしなさい。」
医者は嫌な予感を感じてゴブリンにそう指示を出す。
ゴブリンも従い、精一杯の爆弾を出して雲雀に向かって放り投げる。
しかし雲雀はそれを、雲属性の炎の力で異様に長く伸びたチェーンブレードを振り回して迎撃する。
既に見た攻撃だ。どこぞのボム使いのようなトリッキーな攻撃ならともかく、この程度の攻撃、雲雀の戦闘センスなら簡単に対処できる。
そのまま雲雀はトンファーを奮い十分に伸びたチェーンブレードをゴブリンに向けて振るおうとしている
「令呪で命じる!逃げ切れアルターエゴ!!」
医者は令呪を発動し、ゴブリンの操るグライダーは異様な加速と方向転換を行い、チェーンブレードを掻い潜った。
ゴブリンと雲雀の距離が更に開く。だが雲雀は追うのをやめない。空中を飛びながら更にチェーンブレードを伸ばして再び攻撃しようとする。
だが雲雀は下に飛空艇がいることに気付く。
グリーン・ゴブリンの攻撃で雲雀に当たらなかったボム。それが下の飛空艇に着弾しそうになっていた。
それは雲雀が乗ってきた飛空艇。甲板には怪訝な顔で上空を見上げる不良少年と数人の乗組員。
「…くっ」
雲雀はやむなく下方向に雲ハリネズミを蹴って跳躍。着弾前に爆弾をチェーンブレードを切断し空中で全部爆破させた。
「うわー!?」「なんだ!?」「敵襲か!?」
甲板上で驚き騒ぐ飛空艇の乗組員たち。雲雀は霊体化していないが船の側面の凹凸を掴むように張り付いているため見られてはいない。
だが、ゴブリン達の方向を見ると巨大な雲が流れており、敵はそちらに潜って隠れたようだった。
自分も雲に潜り虱潰しに探すか、それとも目的地であろうレムリア島まで走って渡るか考えたが、
雲の中に潜った敵がムー島に引き返す可能性や、流石に元々飛行に特化していない自分では到着までに炭治郎の魔力が保たない可能性があると考え、
雲雀は不本意ながらムー島に一旦引き返すことにした。
雲の守護者が雲に阻まれる。なんと皮肉なことか。
令呪の効果はすぐに切れ、通常速度に戻ったグライダーに運ばれながら医者は考える。
医者はアサシンの思わぬ執念深さに令呪を短時間に2画消費してしまったことについて惜しいと思った。
しかしこのアルターエゴには残りの令呪の数など大して意味はないだろう、とも考えている。
当然、最後の令呪を使うような状況は避けたいが、そもそもこいつはマスターが気に入らなければ令呪の画数に関わらず切り捨てるのだ。
それに客観的に見て自分以上にこの外道と合う奴はおそらくいないだろう。
こいつも聖杯を欲している以上、安易に切り捨てに走る真似はしない。そう医者は考えている。
令呪よりも問題なのは負傷だ。
先ほど令呪を使った時に無茶な挙動により医者の体に強烈なGがかかった。元の体だったら間違いなく即死していただろう。
劣化版の禁薬で強化した体ではギリギリ耐えられた。ただしそれでも骨を何本も損傷した。
だがそれも自分で処置すれば治すのは容易い。いや、強化されたこの肉体なら放置していても時間はかかるが治るだろう。
他の主従との戦闘より自分のサーヴァントによる負傷のほうが大きいとは。医者はふぅとため息をついた。
1530
:
名無しさん
:2022/03/06(日) 08:32:25
チノとまりなちゃんが応援しているのは、マコト兄ちゃんだけではない。
共に戦うランサーのことも二人は応援していた。
特別何か繋がりがあるわけではないが、マコト兄ちゃんの仲間だからこそ共に戦うランサーのことも応援する。
それはセイバーを倒して、勝ってほしいという願い。
少女達の祈りはランサーに届き、彼の宝具である吸血殲鬼が発動される
無限に進化する力。
人間の可能性は、無限大だ
それを証明するかのようにランサーはディープスペクターと共にセイバーを徐々に追い詰めていく
相手が強力な化け物であり、仮面ライダーの助けがあり、少女達の想いがある。
ゆえに今のランサーは最高のコンディションを誇り、人間の身でありながら数々の化け物を屠ってきた宮本明という英雄の集大成とすら言える。
勇者と呼ぶに相応しいその男を最高の好敵手と認めたハドラーは遂に切り札を使う。
超魔爆炎覇。セイバーが誇る最強の必殺技に対して迎え撃つランサーの手段は――丸太、ではなく義手刀。
ザンッ!という音が鳴り響き、ハドラーは真っ二つに――されない。
だが確実に大きな負傷は与えており、同時にランサーもまた致命傷を受ける。
しかしどちらも決定的な致命傷にはならず、その存在を保っている。
だがランサーはこの化け物を倒すには自分の攻撃だけで足りないことを察していた。
だから本命の一撃――そのダメージを少しでも上乗せするために、丸太を投げる。
「魔王のお前に一つ教える!
――人間の可能性は、無限大だ!!」
ゲンカイダイカイガン!ディープスペクター!ギガオメガドライブ!
タケルがよく言っていた台詞を叫び、マコト兄ちゃんはギガオメガドライブを発動。
そしてディープスペクターの一撃をくらい、魔王は打ち倒された。
厳密にはライダーキックと丸太の協力技。
ランサーの投げ飛ばした丸太を、ディープスペクターの強烈な一撃でセイバーに対して杭のように叩き込んだ。
しかし強敵共と全力で戦えたハドラーには一片の悔いもなく、満足そうに消滅。
魔王は人間の可能性に敗れ、平和が訪れる
「ハァハァ……」
訪れるはずだった。
「胡桃……!?」
ランサーは吸血鬼のようになってしまった自分のマスターを見つめ――僅かな逡巡の後、胡桃に鋭い眼光を向け、義手刀を構える
【ハドラー(セイバー)@ダイの大冒険 死亡確認】
1531
:
名無しさん
:2022/03/06(日) 08:48:33
おっこを殺した殺人鬼をみすみす逃がしてしまい自分の至らなさに歯噛みする炭治郎
だが今はチノ達の無事や見知らぬ少女(胡桃)の安否を確認するために体中の痛みを耐えながら駆け寄った
(この時シャアはホメロスの傍にいるため、チノ達とは距離を取っている)
(またハドラー、宮本明、深海マコトは激闘中、エレンはシャアの近くにいる、雲雀はゴブリン達を追いかけたためだいぶ離れている)
チノに怪我はなくむしろ自分の心配をされてしまい、まりなは医者達に相当な憎しみを抱いていたが炭治郎を傷つけてしまったことに謝ってくれた
二人の無事を確認して、目が覚めない少女にも怪我がないことに安堵した炭治郎は英霊三騎の激闘を見守っていた
そして戦闘が終結する頃
「…ぁぁ、ううん…」
「キミ、大丈夫か!?」
見知らぬ少女がついに目覚めそうになったため、炭治郎は覚醒を促すために声をかけた
やがて意識を取り戻した少女は横になった状態からゆっくりと上半身を起こした
「大丈夫?どこか怪我はない?」
「…あーーー」
胡乱な目をした少女は声を掛けた炭治郎の方に顔を向けて、やがて彼に倒れ込むように身を寄せた
突然の出来事に若干赤面して驚く炭治郎だったが
ガブリッ!
喉元を、少女の強力な顎によって抉られてしまった
◆◆◆◆◆◆◆
時は遡って、医者達が胡桃を騙して無力な状態にしたあと
「ハハッ!上手くいったな、マスター」
「ええ、順調ね。このまま向こうにいって演技を続けるから、手筈通りによろしく」
「了解。だが、その前に」
グリーン・ゴブリンは『狂気を生み出す禁薬』を手に取り、胡桃にそれを投与した
胡桃は先に投与された薬によって意識を失っている状態であり、数十分は目を覚まさないだろう
その間に邪悪な薬液が体内を巡り、彼女の細胞をより凶悪に変異させる
そしてゴブリンは動かないままの胡桃を抱えて戦場を荒らしに行く
もし仮に途中で彼女を手放してしまったとしても、彼女から生まれる凶悪な人格が後々に爆弾となって派手にやらかしてくれると期待しながら
―――医者とゴブリンは知らないことだが、ゾンビに噛まれて感染した胡桃にさらなる変化をもたらしていた
超人的な身体能力を与えると同時に、人を喰らう感染者特有の欲望を禁薬が増長させてしまった
意識を取り戻さないうちは何もできないが、意識を取り戻した時に彼女がどうなるかは医者もグリーン・ゴブリンもわからない
その果てに誕生するのは新たなる超人ヴィランか、ただ人を貪るだけの強力な屍人に成り果てるのか、はたまた、とある世界で「死徒」と呼ばれる化け物みたくなるのか
◆◆◆◆◆◆◆
胡桃は目の前にいた人間を一心不乱に貪る、命を奪う、冒涜を犯す
完全に不意を突かれた炭治郎には為す術がなかった、しかも首に穴を開けられては呼吸すらままならない
激痛で体が痙攣する、激痛で思考が鈍る中、チノやまりなに目で訴えかける
逃げろ、早く
この時炭治郎はチノ達が自身の妹達に見えていたかもしれない
けれども、唐突に始まった凄惨な猟奇を見せつけられたチノおよびまりなは足がすくみ動けなかった
炭治郎の想いは届かず、彼の意識は遠のいてしまった
【竈門炭治郎@鬼滅の刃 死亡確認】
あらかた炭治郎を食い終わり、食人鬼の視線は新たなる新鮮な獲物に切り替える
怯えて動けないウサギ達にその牙を向けるが、素早くやってきたエレンがチノ達を抱えて離脱したことで回避することができた
これはチノ達の異変に気付いたシャアが指示したものであり、進撃の巨人の頭を吹っ飛ばされて巨人化を解除したエレンが立体機動装置で移動、胡桃が炭治郎を食い終わるまでに少しの時間があったため彼女達の救出に間に合ったのだ
目の前のご馳走を奪われた胡桃はそれらを追いかけることはせず、今度はシャアとホメロスに向かって跳躍する
「…あは、あはははは!なんてすがすがしい気分なんだろう、私!」
【恵飛須沢胡桃@がっこうぐらし! 疑似死徒化】
1532
:
名無しさん
:2022/03/06(日) 09:48:55
>>1531
『雲雀さん……チノちゃんとまりなちゃんを守ってあげてください……』
炭治郎は雲雀に念話をする。
呼吸すら出来なくても、声を発することさえ不可能でも。唯一、自分のサーヴァントである雲雀とは会話することが出来るから。
『それと俺の代わりに、チノちゃんをココアさんの元へ送り届けてくれませんか……?』
炭治郎には果たさなければいけない約束があった。
姉と妹を再会させたい。今にも手放してしまいそうな意識を必死に繋ぎ止めて、炭治郎は雲雀に託そうとする。
『いいよ』
雲雀はいつものように軽く返事をして。
『小動物。――君の最期の願い、叶えてあげる』
雲雀は炭治郎の命が危ういことを感じ取っていた。
念話が途切れ途切れであることもそうだし、なによりこの小動物が無責任に他人に全てを任せるわけがない。
『ありがとう、ございます……。雲雀さんが仲間で……よかったです……』
炭治郎はサーヴァントではなく、仲間という言葉を使う。
それは雲雀を従者ではなく、共に戦う仲間だと思っているから。
そして雲雀に想いを託せた炭治郎は、息を引き取る。
「竈門炭治郎。君は本当に、あの小動物と似てるね」
死ぬ間際まで自分よりも他人を優先する、心優しい少年。彼の姿は大空を想起させる。
竈門炭治郎は死亡した。
しかし彼の想いはそれを託された仲間がいる限り永遠であり、不滅。
大空に内包された日輪は孤高の浮き雲を動かし――その存在は雲雀恭弥の心に刻み付けられた
1533
:
名無しさん
:2022/03/06(日) 10:45:19
ハドラーが消滅した後の、シャア達のいる場所に疑似死徒化した胡桃が飛び込んできた。
まるで吸血鬼のように様子のおかしくなっている胡桃に義手刀を構えたランサー・宮本明。
直後、胡桃は信じられない速度で跳躍して生身のままハドラーとシャアに飛び掛かった。
シャアはニュータイプの直感で異常を察知し、武人のホメロスはなんなく避ける。
ホメロスが剣を振るうが、胡桃は異常な身体能力で飛びずさり距離を取る。
「どうしちまったんだ胡桃!!」
ランサーの脳裏に、胡桃から聞いていた「かれら」の事が脳裏をよぎる。まさか、この聖杯戦争で病状に変化が?
「うるさいな。」
今まで聞いた事のない圧力のある視線と声をランサーにかける胡桃。
てっきり理性を失って暴れているのかと思った明は驚き絶句する。
いや、間違いなく正気ではない。ランサーに向けられた胡桃の瞳は白目も虹彩も血走り異様な光を放っている。
「胡桃!!さっきの奴らに何かされたのか!?」
「うるさいって。
令呪をもって命じる。『これからは私に逆らうなランサー』。もう喋るな。黙れ。」
にべもなく明の発言を封じる胡桃。曖昧な令呪ゆえに拘束力は低いが対魔力の無いランサーには一先ずこれで十分。
胡桃は「かれら」の本能による強烈な飢餓感を抱いていた。
しかもグリーン・ゴブリンの禁薬で強化された体はエネルギーを多く消費し、飢餓感はより一層増していた。
あの少年を食いちらしただけでは足りない
先ほどみた少女達は実にうまそうだったが、この周辺に残るのはそれだけでリスクが多い。
「かれら」のように理性を失っていない胡桃は冷静に考えて、自分の食欲を満たすためにこの場を離脱する。
聖杯戦争?願いの為に戦う?そんな理想は飢えに支配されている今の胡桃にとってクソ喰らえであった。
むしろ、まだ利用価値のあるランサーに対しても、こいつがいるせいで他の主従に狙われるなら自害を命じていいとさえ考えていた。
「ついてこいランサー。」
ランサーに命令する。そして胡桃は超人的な速度でその場から走り抜ける。
先ほどの逆らうなという令呪の効果が未だ継続中なのに加え、そうでなくても異常な様子の胡桃から目を離すわけにはいかない。
ランサーは追う。消耗しているとはいえ油断するとサーヴァントである自分を引き離しかねない速度で走る胡桃に戦慄しながら。
餌を求める胡桃が向かった先。
偶然か、「かれら」の生前の行動を模倣する性質が今の胡桃にも現れているのか。
胡桃の向かった先は市街地ではなく、自分が通っていた学校だった。
1534
:
名無しさん
:2022/03/06(日) 11:06:25
ホメロスとシャアは戦闘終了後に、激しい戦闘音におそるおそるやってきた兵士に向かって指示を出した。
ホメロス「おい。店主はまだ拘束したままだな?」
兵士「は、はい。何か異常事態が起きていたようでしたので、処刑どころでなく指示を待っておりました…。」
ホメロス「…爆弾テロの真犯人が判明した。
店主は無実であり、誤解による拘束であった。
処刑は中止すると通達しろ。」
兵士「ははっ!」
若い兵士は恐ろしい公開処刑が中止になったことで安堵したようだ。
シャア「…すぐに解放しては混乱した民衆に何かされかねない。
明日、誤解であったことを市内に広く通達した後、夕方に解放したまえ。」
兵士「承知いたしました!」
1535
:
名無しさん
:2022/03/06(日) 12:16:30
>>1530
自身の切り札でトドメを刺せず、逆にランサーとクリミナルの連携攻撃をもろに受けてしまったハドラー
強靱な超魔生物とはいえ超ダメージを受けてしまえば、その膝を地に着けさせるのも当然であった
さらには自らの闘志、自らの霊基すらも燃やして全力で戦っていたのだ、もはやボロボロの身体を維持することもままならない
それでも、かつては魔王として、今では人間の強さを認めている一人の漢は、負けたにもかかわらず笑っていた
「実に見事だった、宮本明、深海マコト」
「その人間を守ろうとする想い、アバンやダイにも引けを取らないお前達はこの世界の勇者に違いない!」
「いつまでも戦いたくなるような、心躍る最高の勝負だった、ありがとう、英雄達!」
そういってハドラーの身体が崩れ始め、光の粒子が次々と天へ昇り始めた
(ああ、ただ一つ…フォーリナー、お前とも決着を付けたかったな)
消滅する間際にこの世界での心残りを思い起こしながらも、全力を出し切った武人は潔く英霊の座へと還っていった
1536
:
名無しさん
:2022/03/06(日) 12:33:59
突如として狂ったランサーのマスター、彼女に従い悔しそうな表情でついて行ったランサー、それを追跡したバーサーカー。
そしてランサーのマスターによって殺された炭治郎。医者によって殺されたおっこと木場。
戦闘こそ終わったが、急に色々なことが起こりすぎて。色々な人を失い過ぎて、チノとまりなちゃんは涙を流す。
マコト兄ちゃんとランサーが敵と戦っていた時は、彼らの勝利を信じて素直に応援が出来た。
恐怖心よりも希望が上回り、見事二人はセイバーを打ち破った。
だがその後にいきなりランサーのマスターが狂って、炭治郎が殺されて。二人の少女には感情の整理が追い付かない
「君たち、なにやってんの?」
雲雀が到着したのは、全てが終わった後だった。
一通りの事情をマコト兄ちゃんから聞かされた雲雀は、炭治郎だったであろう肉片を見る。
あまりにも凄惨でグロテスクな血溜まりだったが、雲雀はそこから視線を背けない。
竈門炭治郎は怪物に食われながらも、必死に想いを託した。雲雀恭弥はその想いを受け、炭治郎から守るように言われた小動物二匹を見る。
彼女達もまた正真正銘の小動物――というわけでもないようだ。
チノは自分のサーヴァントの戦いを見守り、弱者の身でありながら自分に出来ることを精一杯やろうとした。
まりなちゃんはガラスを握り締めたことで未だに溢れ出ている血を見れば、彼女なりに何か覚悟を決めて実行しようとしたことが見て取れる。
まあ弱いばかりの生き物ならばとっくにこの聖杯戦争で死んでいるだろうから、当然ではあるのだが。
二人の少女を眺めた後、雲雀はマコト兄ちゃんに声を掛けた。
「それと君には竈門炭治郎から遺言がある」
「どういうことだ?お前は他の場所に居たはずだ、アサシン」
「念話というやつさ」
念話。それは聖杯戦争に巻き込まれた者ならば誰もが知っている常識だ。
声が出せないほど傷付いても、念話ならば伝えられる。それに雲雀とはそこまで関わってきたわけじゃないが、彼がそんな下らない嘘をつくような者じゃないということもマコト兄ちゃんは知っていた。
「それはどんな遺言だ?教えてくれ、アサシン」
「そこの小動物二匹を守ってほしいと言っていたよ。それとココアという小動物の元へそこの青髪の小動物を送り届けてほしいってさ」
「……わかった。炭治郎、ライダー。お前達の想いは、俺が繋ぐ」
ライダーに続き、炭治郎の想いもマコト兄ちゃんは背負う。
なぜ雲雀がマコト兄ちゃんにも炭治郎の想いを教えたのか?
それは炭治郎がこの男にも想いを託したかっただろうと雲雀が感じたからだ。
炭治郎にとって彼は仲間であり、きっと本当は想いを託したかったに違いない。竈門炭治郎とはそういう少年だ。
ここまで雲雀がお節介を焼いたのは、心から竈門炭治郎を認めたこと。そして最期に遺した言葉くらいその仲間にも伝えてやろうと思ったからだ。
「小動物二匹の保護は僕も手伝ってあげる。それが竈門炭治郎の意志だからね」
木場や炭治郎の想いは受け継がれる。
ひとまずチノも落ち着き、まりなちゃんの方を見ると――まりなちゃんが血を吐いていた。
力なくその場に崩れ落ちるまりなちゃんを、チノは心配する。
「まりなさん、大丈夫ですか……?」
「……あは。もうまりなの時間も残されてないみたい……」
タイムリミット。
時限爆弾が、遂に爆破間近になった。
意識が遠のいて苦しいけど――それでもまりなちゃんには伝えたいことがあった。
「チノ。まりなの想いも繋いでくれるよね……?」
「まりなさん……生きてください……」
「それは無理……。だからチノ、まりなの想いだけでも……」
「……はい。わかりました」
まりなちゃんには時間が残されていない。
そんなことはチノにも理解出来るし、死んでほしくはないが彼女が最期に残そうとしている想いを聞くことにする。
「チノ……生きて……。それがまりなの想いだから……チノとマコトだけでも……」
おっことライダーが死んだ。
宿で仲良くなった友達はもう二人しかいない。自分を助けてくれた炭治郎も死んだ。
色々と失ったが、それでもチノとマコト兄ちゃんだけは生きている。
だから二人には生きてほしいという想いをまりなちゃんは託した
(おっことライダーはもう天国にいるのかな……?)
薄れゆく意識の中、まりなちゃんは死んだ二人のことを考えて。
(やっぱ名前くらい聞いてやれば良かった)
友達なのに木場のことだけ名前を聞いてなかったことを思い出して、最後にそんなことを考えて。
「ねえ。まりなはもう、一人じゃないよね……?」
自分を心配そうに見詰めてくるチノを眺めながら。
「はい。まりなさんには、私たちがいます」
「……ありがと、チノ」
それだけ言い残すと、まりなちゃんは安らかに眠った。
まりなちゃんを看取ったチノの瞳からは大粒の涙が溢れ出していた
【雲母坂まりな@タコピーの原罪 死亡確認】
1537
:
名無しさん
:2022/03/06(日) 15:36:29
>>1533
ランサーは胡桃が「かれら」になり、改心出来そうな余地もなければ殺すしかないと思っていた。
仲間を屠った経験はこれまでにも何度かある。胡桃の様子からして元に戻るなんて可能性も皆無に等しく、和解も不可能。
だから明さんは彼女を斬るしか選択肢が残されていなかった。そして彼にはそれを選択するほどの覚悟があった
だがそんな意志や覚悟さえも踏み躙るように、胡桃の令呪によって強制的に逆らえなくなる。
当然、攻撃も出来なくなり「ついてこい」という指示にも逆らえない。
普段の宮本明ならば、間違いなく胡桃と戦えていただろう。
しかし今の彼は胡桃のサーヴァント。どれだけ強固な覚悟があろうと、令呪に抗うことは出来ない
どうにかして胡桃を止めたいが、自分の手ではどうしようも出来ない。
(ちくしょう……!)
悔しさに歯噛みするランサー。
しかし彼の目に機動力の優れたバーサーカー――エレンが追跡しているのが見えた
バーサーカーを振り切るために胡桃は丸太を投げ付けて牽制するように命令。ランサーは逆らうことが出来ず、バーサーカーへ丸太を投げるが――同時に覚悟が込められた鋭い視線で語り掛ける
普通の者が見たら、その視線はさぞ恐ろしいものだと思うだろう。
だが調査兵団の兵士であったエレンにはその視線に込められた意味が理解出来た
『俺のマスターを倒してくれ!』
ランサーのそんな言葉が今にも聞こえてきそうだ。
人類最後の希望が人類を絶滅させかけた悪魔に願いを託す。
普通ならば有り得ないことだが、ランサーはバーサーカーが二人の少女を助ける姿を見ていた。
それがマスターからの指示であろうが、令呪によるものでない限りバーサーカーの意志も関係してくる。
バーサーカーは案外、根っからの悪というわけじゃないのでは?とランサーは考えたのだ
もちろんどんな理由があったにせよ、彼の蛮行を許す気はない。人類に害を成すならば叩っ斬るが、今この場で頼れる者は機動力に優れたこのバーサーカーしかいない
1538
:
名無しさん
:2022/03/06(日) 16:28:57
魔力消耗によって意識を失ったクルーゼは、そのあとセフィロスによって軍事基地に運ばれ、私室で横たわっていた
やがて目を覚ましてセフィロスからあの後の状況を聞き、加えて配下の者にレムリア島にて事件がなかったか聞いたが特に何もなかったと知らされた
(※この時点では相馬達の造船所襲撃は発生していないor隠密が上手くいって気付かれていない)
しばらくは休養を兼ねて軍事基地で大人しくしていたが、夕刻が終わり夜が始まったころに電報がクルーゼの元へと届けられた
それはムー島に潜ませた密偵の一人から発せられたものであり、内容は「ムー島の公開処刑の前に大規模な襲撃事件あり、巨人や緑の怪人が出現、その他にも複数の人影を確認、その中にはホメロス司令とシャア政務官の姿あり、戦闘によるものか爆発や衝撃音が多数あり」と書いてあった
そこには詳細な戦闘状況や現場にいた人物を把握する情報は入っていなかったが、遠くから隠れて観察していたならば仕方がないことだとも理解していた
「なるほど、ホメロス達の餌にかかった参加者たちで盛大に争っていたらしいな」
さらに緊急入電ありと部下が伝令を持ってきた、そちらもムー島の軍部にいる情報源からのものであり、内容は「処刑中止」と書いてあった
「さて、これはどういった意味を持つと思う、フォーリナー?」
「ホメロスの目論見が上手くいったか、その逆か、この情報だけではそこまでしか推測できないな」
「そんなところだろうな。願わくば、向こうの戦争でかなりの混乱や脱落があれば我々としては助かるのだが」
1539
:
名無しさん
:2022/03/06(日) 18:10:59
>>1514
春花とカイムは半グレ集団を率いる相馬とレジィにとって相性最悪の敵だ
この戦闘で相手を殺し、聖杯を勝ち進むと決めた春花はすぐに令呪を使用して目の前のキャスターとそのマスターを殺すように命令する。
戦闘開始直後にカイムは宝具を解放、アンヘルを呼び出す
アンヘルにより放たれたアンヘルの火炎ブレスが半グレ集団を焼き尽くし、半グレ集団が瞬く間に壊滅。
間髪入れずにカイム自身による斬撃がレジィに迫る
アーチャーとの戦闘でセイバーは消耗しているが、令呪によるブーストで力を増している
相馬とレジィが彼らに対抗するには令呪を消費するか最強の契約書を使う他ないだろう
1540
:
名無しさん
:2022/03/06(日) 21:13:28
>>1535
「さようなら、誇り高き魔王……」
最期まで潔く、そして誇り高き武人のようだった漢へマコト兄ちゃんは別れを告げる。
敵として拳をぶつけ合うことになったが――彼らの間に怨みや憎しみは一切ない。
だからマコト兄ちゃんの心には彼の名やその生き様が刻み込まれる。
セイバーではなく、ハドラーとして。
もしも出会った場所がこんな殺し合いの場じゃなければ……もしかしたらアランのように友になれていたかもしれない
1541
:
名無しさん
:2022/03/07(月) 00:57:31
>>1516
の続き 3日目 夕暮れ時
ここは、ココアが働いているパン屋のバックヤード。
ムー島で激しい戦闘が繰り広げられているのと比べれば、こちらは落ち着いた時間が流れていた。
ピーターがマズルカから話を聞き終わった時には、空は暗くなり、星がちらちらと瞬いていた。
炭治郎が戻ってこないということは、ギリギリで間に合って船に乗れたのだろう。
ピーターは思う。間違いない。グリーン・ゴブリンがこの世界にいる。
しかも、自分と同じ生身ではなく、サーヴァントという存在になって。
グリーン・ゴブリンは虎杖というマスターが死んで消滅したのだろうか?それとも…
怒りや不安、混乱を抱えるピーターに巧が落ち着かせるように声をかける。
まだグリーン・ゴブリンがこの世界にいるかは分からない。
別のマスターを見つけて暗躍し続けているなら俺が倒してやる。と。
ココアも、恐ろしいサーヴァントの存在を記憶に刻み込んだ。
セフィロス、巨人、グリーン・ゴブリン、カイム…様々なサーヴァントたちとマスター。
そんな強者といつか会うかもしれないし、会う前に誰かに殺されてしまうかもしれない。
話を聞いているだけでも聖杯戦争という場の苛烈さを感じるのだった。
それはともかく、もう夜といってもいい時間だ。
幸い、ココアの熱も急激な魔力の消費による一過性のものだったようで、もう引いていた。
高い才能を持つ魔女のマズルカも、ピーターと話した後はそれなりに魔力が回復しているようで、ココアの目の前で人形兵たちの修理を行っている。
とりあえず人目を避けながらピーターの家のあたりで馬車小屋を展開し、そこで今晩を過ごす、という方向に落ち着いた。
パン屋の店員という素性が割れた以上、ココアの家よりはピーターの家(の付近)の方がまだ安全だ、という判断だった。
(一応ピーターもパン屋を監視していた半グレに遠くから目撃されてはいるがそれをピーターは知らない。
また大した特徴もないので遠くから監視していた半グレには結構若い男、ぐらいしか伝わっていない)
ココアは、その前にパン屋の店長と一言話したい、と言い出した。
昼間に配達の時に、春花と戦う時に別れてそれっきりだし、喫茶店の店主のように危険な目に遭わないように島から遠ざけたい、と。
1542
:
名無しさん
:2022/03/07(月) 11:49:40
>>1537
ランサーは丸太を何本も投げて牽制し、バーサーカーは自身やワイヤーに当てられないように回避運動をとる
その隙に距離を離した胡桃は「私を邪魔する意思を持つ奴がいたら攻撃して妨害しろ、もしくは倒せ」と念話でランサーに命令を出す
令呪の呪縛によりランサーはその命令にも対応せざる得えず、他者に狂った胡桃の打倒を願いながらもその相手を足止めしなければならない矛盾に苛まれていた
一方、エレンはシャアと念話を通じて状況を説明する
暴走した少女を追いかけるもランサーの妨害により追跡が難しいこと、それと無口になったランサーが視線で自分のマスターを止めて欲しいと訴えかけていることを
その内容をシャアはチノ、クリミナル、アサシンに伝え、少女が向かっている方向には学校があることも分かった
一方、先に学校に到着した胡桃はすぐに人の気配を探し始めた
しかし今は薄暗い夜、日中のような学生達が溢れかえる環境ではなく、戒厳令が継続中でもあるため校内は閑散としていた
ある意味アテが外れた形であり、胡桃がそこまで考えていなかったのかはよく分からない
ただ、それでも少しだけ人間はいる
この時巡回に来ていた憲兵が胡桃に声を掛けて近寄ってきたため、何も知らないソレを胡桃は食い殺した
さらに夜間宿直の用務員が悲鳴を上げて逃げたため素早く捕まえて捕食、校舎で今後の授業について会議していた教職員達も逃げ場をなくして食い尽くした
ああ、なんたる甘美かな
この満たされる感触、充足感から生まれる感情から胡桃の頬は赤らんでいた
空腹感は弱まり、体の活力が漲っていき、魔力が体内を巡っていく感覚すら覚えるようだ
この血肉がさらなる狩りへと繋がり、さらにはランサーの動力源になるとはなんたる皮肉か
新たに誕生した“鬼”はまだまだ獲物が食い足りない様子で、さらに見知った校内をくまなく探索し始める
【少し状況を整理整頓】
・胡桃は疑似死徒となり飢餓状態、先程ランサーが大量に魔力を消費したのも影響していると思われる
・ランサーは令呪で強制服従させられている、今はバーサーカーの足止めをしている
・シャアはホメロスと共に騒動の後始末に奔走する可能性大、バーサーカーの情報をチノ達と共有する
・バーサーカーは胡桃達を追跡していたがランサーに足止めを食らう、まだ巨人化はできると思うが連戦連発による巨人制御の問題やマスターへの負担、その他の要素があってか現在使用していない(今は市街地にいるかな?)
・チノはそれなりに魔力を消耗している、鯖の戦闘行為およびギガオメガドライブの連発の影響が大きい
・クリミナルは遅れて胡桃を追跡することもできるが、チノの負担やシャア達を含めた護衛を考えると離れづらい気もする
・アサシンはマスター不在、Aクラスの単独行動があるため独自に追跡は可能。学校に行けば能力がプラスされる。ただし膨大な魔力の消耗は霊基消滅を早める
・公開処刑を喧伝して大規模戦闘が発生してかなりの注目を集めたため、これ以上他の参加者が集まる可能性は低いとシャア達は考えている。ただし他の主従を全部把握している訳ではないため、自分達の知らない主従が登場する可能性をまだ捨てきれない
・医者&アルターエゴはムー島を離脱してレムリア島に向かうのをアサシンが見ているので、彼らが再度襲撃に来ることは殆ど考えていない
1543
:
名無しさん
:2022/03/07(月) 14:22:01
>>1542
胡桃をどうするか各々が悩む中、雲雀が真っ先に動いた
「この小動物達のことは君に任せるよ」
「ああ。チノ達のことは俺が守る」
雲雀はチノ達のことをマコト兄ちゃんに任せると、一人学校へ向かおうとする
竈門炭治郎は沢田綱吉のようなタイプの小動物だ。無数の人々が苦しむ姿を見れば、必ず助けようとするだろう。
「アサシンさん……」
「なんだい?」
アサシンの後ろ姿にチノが声を掛ける。
学校。日常の象徴とも言えるその場所が危機に陥っている。
今こうしている間にもランサーのマスターによる被害が増えているはずだ。
これ以上まりなちゃんやおっこや炭治郎のような悲劇が起きないように、チノは勇気を振り絞って声を出した。
「アサシンさん。皆さんのことを助けてあげてください……」
「いいよ。学校の風紀を乱す者は僕が咬み殺す」
なにものにもとらわれることなく、独自の立場からファミリーを守護する孤高の浮雲。
それがボンゴレ雲の守護者の使命であり、雲雀はその体現者とも言える存在。
そして相手は学校を荒らしている。
場所は並盛中学ではないようだが、風紀を乱す者に鉄槌を下すのが風紀委員長だ
「ありがとうございます、アサシンさん。がんばってください……!」
学校へ向かう雲雀の背中へチノは応援する。
今の自分に出来ることは、それくらいしかないから。
「がんばれ、アサシン!」
チノの精一杯の応援とマコト兄ちゃんの力強い声に見送られ、雲雀は学校へ向かう
1544
:
名無しさん
:2022/03/07(月) 20:07:17
>>1542
校内で大量の人間を食い殺してご満悦な胡桃は次の獲物を発見する。
それはたまたま忘れ物を取りに戻っていた少女。この世界の胡桃とは友人であった。
悲鳴や破壊音が校内に響き困惑していた少女は、退学したと教師から聞かされた胡桃が廊下を歩いてきて驚いた。
胡桃の顔はとても笑顔で、鼻歌なんかも歌って、くるくる踊るように回っている。
元々元気で親しみやすい子だったが、こんなに無邪気で浮かれている様子は見た事がないかもしれない。
そのギャップにさっきまで聞こえていた悲鳴や破壊音のことも忘れてしまった。
さらに次の瞬間には、暗さから気付くのが遅れた胡桃の血まみれの姿に更に驚き叫んだ。
まさか胡桃が短時間のうちに大量殺戮を引き起こした元凶などと知らない少女は、一体どうしたの?と心配して声をかける。
その少女に、胡桃は目を輝かせながら、血まみれの手を伸ばして捕えようとする。
少女は胡桃の目を、笑顔を、血まみれの口元を見て、恐怖のあまり動けなくなった。
…しかし胡桃が少女を捕まえる直前、凄まじい速度で迫った何かが胡桃に思い切りぶつかり、隣の教室に吹っ飛ばした。
目の前から胡桃がいなくなり、女子生徒は、さっきの胡桃の狂った笑顔を思い出し、一目散に逃げ出した…。
強烈な一撃を受けて苦しみ悶える胡桃を見下ろすのはアサシン・雲雀恭弥。
1545
:
名無しさん
:2022/03/08(火) 00:58:22
雲雀に吹っ飛ばされた胡桃。
咄嗟に攻撃をガードした右腕は折れ曲がっていた。
サーヴァントの攻撃を生身で防御した代償としては安いものだろう。禁薬の身体能力の強化の凄まじさが窺える。
胡桃は刹那の時間で考える。
この場でアサシンと追跡している巨人のサーヴァントを消す方法はないか?
仮に残りの令呪2画をこいつらを殺すことだけに使えば勝ち目は僅かだがあるかもしれない。
だがその後、令呪を失った自分をランサーは殺そうとするだろう。最初の令呪の内容は曖昧で、効果が薄い。
そろそろ解けかかっているかもしれない。
どうする。
ああ、それにしても、とにかく目の前のこのアサシンに腹が立つ。食事を邪魔され腕も壊された。
薬のせいか「かれら」になりつつあるせいか興奮のせいか痛みは感じないがこの腕では…。
そして胡桃に芽生えた邪悪な人格は決断した
胡桃は損傷した右腕を自分で引き千切った
断面から鮮血が噴き出る。唐突な自傷行為にアサシンが軽く眉を顰める
「令呪で命じる。『死ぬ気で敵を倒せ』
令呪で命じる。『右腕を私に寄越せ』」
アサシンの前で胡桃の右腕があった部分に「ランサーの右腕が生えた」
明らかに異形だが、胡桃はもはや自分の体がどうなっているかなど気にしない。
ただ、目の前の敵を倒すと決断した。
胡桃は右腕のガワを外し、絶大な破壊力を持つ義手刀を曝け出すと、アサシンに斬りかかった。
1546
:
名無しさん
:2022/03/08(火) 01:04:17
胡桃が殺戮や死闘をしている時
もう1人の胡桃は夢を見ている
学園生活部の皆との夢
壊れてしまった世界でも、皆と一緒にいる日々が楽しい
苦労もあるけれど…平穏なこの日々が続きますように
ずっとみんなと一緒にいられますように
夢の中の胡桃はそう願った
1547
:
名無しさん
:2022/03/08(火) 08:35:59
>>1545
気狂い少女の表情が一瞬にして変化した。
目の前の小動物からその肉体に相応しくない男のような右腕が生え、義手刀を振りかざしてきた。
雲雀はそれを難なく避けてトンファーを叩き込むが――先程よりもダメージが浅い。
いやダメージは確実に与えているはずだが、悶え苦しみながらも足に力を入れることでその場に踏み留まり、カウンターとして刀を振り回す
もう片方のトンファーでそれを受け止めるが、右腕のみはランサー同等の筋力と化した胡桃の一撃は凄まじく、その衝撃で逆に雲雀が吹っ飛ばされる
相手がただのマスターだと見誤り、軽い動作で受け止めようとした雲雀の判断ミスだ
「君のその覚悟は認めよう。――なかなか噛みごたえがありそうだね」
仕込みトンファーを構え、雲雀は目の前の敵の覚悟を認める。
どうしてこんな決断をしたのか。どうして小動物が急変したのかは知らない。
だがそれほどの覚悟があるなら、マスターであれど相応の強さがあるはずだ
死ぬ気の強さは、覚悟の強さだ
1548
:
名無しさん
:2022/03/08(火) 12:03:52
>>1547
雲雀は覚悟を決めた敵を認め直して立ち上がる、だがその間に胡桃は自分で引き裂いた右腕を咥えて教室を抜けて走り出した
それを追いかける雲雀、英霊の走力は超人的な走破をする胡桃をも上回り、途中で追いついてトンファーを振るう
対する胡桃も義手刀で打ち合うが、学校という環境で筋力パラメータが上昇し全力で噛み殺すつもりの雲雀の攻撃は、まだ宮本明の右腕と馴染みが浅い胡桃の太刀筋では受けきることはできず、再び別の部屋に吹っ飛ばされた
瓦礫の中で少しだけ動きが鈍くなった胡桃に追撃を仕掛けるべく雲雀は急接近したが、その直前に胡桃が不適な笑いを浮かべる
そして雲雀が攻撃する直前、彼の顔に胡桃の 引 き 裂 か れ た 右 腕 が飛び付いてきた!
原因は不明だが、胡桃は自分の部位を操る能力を得ていた。禁薬と「かれら」の作用が合わさって新たに目覚めたマーベル的な超能力の一種か、あるいは疑似「死徒」のくくりによって発現した特異な魔術の表れか、色々と考えられるが定かではない
だが分離した右腕が不意に雲雀の頭を掴み視界を奪ったことで攻撃のタイミングをずらされ、トンファーは胡桃を掠めて空振りしてしまった
そしてその隙を胡桃は逃さず、雲雀に明さんの豪腕で雲雀の胴体を袈裟斬りにする
モロに斬られてたたらを踏みながら後退する雲雀、さらにそこへ別の「なにか」が彼に組み付いて来た
それも一つではない、複数の「それら」が雲雀に襲い掛かり彼の身動きを奪い彼を食おうとする!
その正体は、先ほど胡桃が捕食した教職員達の成れの果て、胡桃から感染して変貌した「かれら」であった
実は胡桃は直接戦闘では分が悪いと感じて相手を罠にはめるために、わざと会議室に誘い込むように誘導していたのだ
1549
:
名無しさん
:2022/03/08(火) 12:06:16
>>1542
エレンがシャアに現状を念話で連絡した後、今度はシャアから「アサシンが学校に向かった」と伝達してきた
令呪の強制力を対魔力で抗いながらもこちらを足止めするランサー、その相手をしながらアサシンもこちらに来るものだとエレンは予想していたが、いくら待てどその気配は現われなかった
(直接頭を狙いにいったようだな、俺に面倒事を押し付けやがって)
頭の中で少し愚痴りながらも、一刻を争う今の状況では仕方がないと理解する
そうこうして戦闘は続き、ランサーがもう何本目か分からない丸太を投げて、エレンが回避して、そこへランサーが接近戦を仕掛けてくる
ランサーは本気を出していないのは何度も打ち合っていれば自明であり、ランサーほどの筋力を持たないエレンでも剣で相手の義手刀を防げるような状態であった
なので今回も防いでから回避しようとするが、そこで事態が一変する
ランサーが攻撃する瞬間、相手の気配が変わり攻撃の鋭さが増してエレンに襲い掛かろうとしていた
ランサーの魔力の高まり、強制的な殺気の発露から令呪を使われた、とエレンは一瞬で判断する
だが、エレンが危機感を覚えるよりも前に、ランサーの右腕が突如として消え去り攻撃が空振りに終わった
明らかに防ぎきれない攻撃が迫っていた状況から一転、これが三画目の令呪の仕業とは見抜けず困惑するエレン、本来ならば後退するはずだった思考が一瞬だけどこかにいってしまった
またランサーも驚いた表情を浮かべていたが、すかさず左手に丸太を抱えてそれをぶん回してくる
遅れて回避運動をとるエレン、相手が無理な体勢で攻撃してきたこともあって本来より打撃力は弱まっているがその一瞬の遅れによって丸太が当たってしまい吹っ飛ばされてしまう
攻撃を受けてしまったがなんとか動ける状態のエレンは、続けざまにこちらを殺しにかかるランサーの攻撃を躱して相手との距離を取る
(マスター、状況が変わった、巨人になってランサーを葬る)
1550
:
名無しさん
:2022/03/08(火) 18:59:28
>>1548
常人ならば発狂してしまいそうな絶体絶命の危機だが、雲雀は冷静に対処した。
何故ならばこんな状況、雲雀にとっては難なく突破可能だからだ。
「ロール、形態変化(カンピオ・フォルマ)」
雲雀は宝具を解放し、学ランを身に纏う。
燃費こそ非常に良いが、それでも魔力は消耗する。
そしてトンファーに仕込まれたチェーンブレードが「かれら」を一斉に引き裂いた。雲属性の特性である増殖により伸びたチェーンブレードはこの場に居ない「かれら」すらも咬み殺す
500体もの敵を単独で撃破した雲雀にとって戦闘経験すらない「かれら」の大群を始末することなど造作もない
近くに居た胡桃にもチェーンブレードは直撃し、その耐久性から命は助かったが深手を負ってしまう
「嘘だろ……」
人喰い鬼となった胡桃は、自分の相手が更なる化け物――鬼神であったことに戦慄する
どんな小細工を弄しても、雲雀恭弥という男は真っ向から噛み砕く
「人形遊びは終わりだよ。あとは君を咬み殺すだけさ……」
「うわぁぁああああああ!!!」
胡桃は義手刀を構え、無謀にも走り出して――
もう一人の胡桃は、未だに夢を見ている。
聖杯戦争のことも忘れて、学園生活部の皆と平穏に暮らして。
胡桃がいつものように「かれら」を退治したら、なんとそれが最後の一人だった。
唐突なハッピーエンドに胡桃は驚くが、ようやく「かれら」の居ない平和な世界を掴み取り心の底から皆と笑った。
そしていつものように皆と眠る。今日はいつも以上にぐっすり眠れた
現実では無謀にも突っ込んできた胡桃を雲雀がチェーンブレードで切り裂き、遂に胡桃の命は尽きる。
だが胡桃が意識を手放すその直前、校歌なようなものが胡桃の耳に届いた。
「緑たなびく並盛の〜♪」
ヒバードが並盛中学の校歌を歌い始めたのだ。
校歌斉唱。学校ではよくある行事だ。呑気な校歌を聞いて、もう一人の胡桃の意識が覚醒する。
胡桃は自分が何をしたのか思い出して、自分を止めてくれたアサシンに「ありがとう……」と礼を言う。
そして胡桃は最期の余力でランサーに「ごめんな、明さん……」と詫びた。
学園生活部の皆の姿が見えた気がして「おかえり」という言葉に対して「ただいま」と笑顔で返事をして、胡桃は眠る
【恵飛須沢胡桃@がっこうぐらし! 死亡確認】
※雲雀が宝具の使用によって魔力を消耗しました。これにより単独行動の有用時間が削られました
1551
:
名無しさん
:2022/03/08(火) 20:57:41
ランサー・宮本明とバーサーカー・エレンが戦っている場所は廃工場である
喫茶店の店主が勾留されていた施設から学校までの途中にある人気がない場所であり、ここでなら彼らも思う存分に戦うことができた
特にバーサーカーは立体機動装置による三次元移動が活かせるため、全力を出さないランサー相手にも戦い易かった
だが令呪により強制的に戦意を高めたランサーが殺しに来たため、バーサーカーも敵を倒すべく巨人化を選択する
二騎以外は誰も居ない静寂に雷鳴が轟く、接近したランサーはバーサーカーを中心に発生した衝撃に吹き飛ばされ、進撃の巨人が顕現する
こうして始まった第二ラウンドだが、実を言うとバーサーカーにとって状況が良くなる訳ではなかった
状況を整理しよう、まずバーサーカーは狂化が発動していない状態だと筋力・耐久・敏捷はDランクに留まりランサーのパラメータには及ばない
建物を破壊しながら広範囲に攻撃することはできても、素早く動くランサーに瓦礫などの障害物を利用されて上手く捉えることができないのだ
たとえ攻撃を当てても見掛倒しのパワーでは相手の全力を突破することは難しく、また敵に攻撃を当てられようものならば打たれ弱い
一方、巨大で出鱈目な攻撃を仕掛ける化け物達と戦い殺してきたランサーはこういった戦いにも慣れており、地形も利用した戦術で巨人を翻弄する
特に宝具の『丸太』や『吸血殲鬼』が「巨人」という化け物にも有効なため、上手く攻撃を当てれば大きなダメージを期待できる
しかし現状では片腕を失ったためせっかくの馬鹿力を発揮することができなくなっており、かろうじて巨人の攻撃を丸太で打ち合うことで対抗できるが、とにかく弱体化している状態である
また片腕のため生前ほどのアクションが取りづらく、さらに丸太を左手で抱えれば自由に動かせるのは両足のみとなりできる行動も制限されている
とまぁ各騎の性能を見てみるとエレン側が不利なようにも見えるが、まだそれだけでは戦いは決まらない
バーサーカーの狂化が発動していない、つまり理性が残っている状態であり戦い方を工夫することができる
鉄槌の巨人の力で大きな鉄槌を作り出し周囲を破壊する、廃工場の高い場所へと移動して巨人の頭部を狙っていたランサーはその脅威を回避するが足場を失う
さらにランサーが地面に降り立ったところで硬質化の棘を生み出す、続けざまの攻撃によりランサーは回避したものの多少のダメージを受けてしまう
鉄槌の能力でバーサーカーは猛攻を続ける、マスターに負担を掛けてはしまうがここでランサーを倒さなければ自分の身が危ない
しばらくバーサーカーの攻勢が続き、ランサーはじわじわとダメージを受けていく
その最中にランサーはマスターとの魔力供給のパスが切れたことを感じ、誰かが狂人に成り果てた胡桃を止めてくれたことを察する
胡桃については色々と想うところがあるランサーだが、これ以上の悲劇がなくなった事に対して安心感を抱いていた
だが令呪の束縛からは逃れられなかった、未だ『死ぬ気で敵を倒せ』を履行しなければならず、さらに最後の宝具『命ノゼンマイ』が強制発動してバーサーカーとの戦闘を続行する
自身のマスターが死亡した時にスキルを含めたステータスが1ランク上昇、Cランク相当の単独行動のスキルを獲得する、宮本明の生き様が再現された能力によりランサーはバーサーカーへの反逆を試みる
(ただし「要石」を失った状態なので宝具の連発は難しくなり、ランサーは丸太一本で巨人と相対することに)
マスターの胡桃を失い孤高の戦士となったランサーは宝具のブーストもあり巨人と真っ向勝負を仕掛ける
巨人の鉄槌と丸太で打ち合い、硬質化した槍の茨を丸太で破壊し、折った槍片を片手で掴んで巨人に向かって全力投射する
敵のさらなる強化に押し返され始めた事にバーサーカーは驚愕し、槍片の数々を巨体に受けて倒れてしまう
この好機を逃さず、ランサーは巨人の上に飛び乗り頭部を丸太で何度も殴打した
やがて巨人が動かなくなり蒸気を発した頃合いにランサーは勝利を確信し、『死ぬ気で敵を倒せ』の束縛からも解放された
背中に強力な衝撃を感じてバランスを崩し、ランサーは巨人の骸に倒れ込む
なにかと振り返ると、自分の背後から伸びる細長い棒槍と、人間状態のバーサーカーが近くに立っていた
そしてバーサーカーは容赦なくアンカーを引っ張り、雷槍を爆発させた
実は、バーサーカー・エレンは進撃の巨人のうなじには存在していなかった
巨人化した際にエレン本体は硬質化能力で作り出した結晶体を瓦礫の中に隠し、進撃の巨人を戦闘端末として操りランサーと戦っていたのだ
これは先代の鉄槌の巨人が駆使していた戦術であり、進撃の巨人がランサーに打倒される辺りでエレンは硬質化を解除してランサーの背後に移動したのだ
進撃の巨人の骸がエレン本体の気配をかき消し、全力を出し切って令呪の呪縛から解き放たれたランサーが緊張から弛緩したこともあって気付かれることなくトドメを刺すことに成功したのだった
【宮本明@彼岸島 死亡確認】
1552
:
名無しさん
:2022/03/08(火) 21:46:46
戦闘こそ雲雀の圧勝のような形で終わったが、ランサーの腕を使用して胡桃から受けた一撃は響いている。思った以上に傷が深い
一見すると圧勝したかのような結末だが、多大なダメージを受けたせいか若干ふらつく。
「やあ、小動物」
「アサシンさん……!」
チノ達が待っていた場所まで戻ると、チノの表情が少しだけ明るくなった。
「おかえりなさい、アサシンさん」
チノはずっとアサシンの心配をしていた。
雲雀を信じて送り出したマコト兄ちゃんとは違い、こういう場に慣れていないことが大きいだろう。
「アサシン。ランサーのマスターは……」
「倒したよ」
クリミナルにそれだけ返事をすると、アサシンはその場に寝転び始める
「ふわあ……」と呑気にあくびをするアサシンにチノが問い掛ける。
「アサシンさん、その怪我は……」
「かすり傷さ」
負けず嫌いの雲雀は自分が多大なダメージを受けたこと、元からそれほど多くもない魔力を消耗したことを誰にも教えない。
「小動物。君の名前はなんだい?」
雲雀は竈門炭治郎が命を賭して守ろうとした小動物の名前を聞いた。
「チノです。香風智乃です」
「ふうん。変な名前だね」
「アサシンさんの名前は……」
「雲雀恭弥」
自分の名をチノに告げると雲雀は目を瞑った。
「僕の眠りを妨げたら、咬み殺すよ」
「それは怖いです。マコトさん、雲雀さんが起きないように見守りましょう」
「雲雀。お前は本当に身勝手なやつだな」
かつて青空を掴み取った戦士は、戦いとは無縁の少女と共に孤高の浮き雲の眠る姿を見守る。
雲雀恭弥。この激闘で色々と失ったが、新たな仲間が出来た気がする
今までよくわからないやつだったし、未だによくわからないが炭治郎が居ない今でも彼のことを信用しても良さそうだ
1553
:
名無しさん
:2022/03/10(木) 09:06:56
>>1534
ホメロスはこの後、チノの指名手配を取り下げてクルーゼと結んだ休戦協定を解除することに決めた
グレイグとお揃いの誓いのペンダントを眺め、自分の行いを改めて見つめ直す
色々と複雑な思いこそあるが、セイバーの背中を見て何か大切なものを思い出した彼は一人の騎士として聖杯戦争よりも島の統治を優先するように方針を変える
ホメロスにはもうサーヴァントもいないし、セイバーの勇姿を見て憑き物が落ちたような感覚すらした
1554
:
名無しさん
:2022/03/10(木) 09:38:42
>>1541
その時ちょうど、パン屋の店主が帰ってきたことを、霊体化して周囲を見張っていた巧がピーターに念話で伝えた。
人形兵を妖路歴程にしまって霊体化するマズルカと、そそくさと裏口から表に出るピーター。
そしてパン屋店主とココアは再会する。
ココアは、配達中にいなくなってごめんなさい、散らかった店の片づけをする予定だったのに、と謝った。
パン屋店主はココアの無事を喜んだ。
配達中、姿が見えなくなったと思ったら、どこかで轟音が響いてきた。
周囲を探し回っても見つからなくて、心配した。と。
ココアは店主の寛大さと優しさに感極まった。
そしてココアは考えた。この店主が自分の巻き添えにならないようにするには…。
「明日から世界一周の旅に行ってください!!」
ダメだこりゃ、と霊体化した巧とマズルカは思った。
(ルカちゃん!魔法でなんとかできない!?)
(ううん、ちょっと無理…。)
困惑するパン屋だったが、ココアの熱心というより必死なアピールに何かを感じたようだ。
ココアに対して
心配してくれてありがとう。すぐにここから離れる。自分の事は心配しなくていい。
と、応じ、明日にでも島の外に行くと言った。
1555
:
名無しさん
:2022/03/10(木) 10:22:57
ピーターはある程度落ち着いて他の主従や自分の状況を顧みる余裕ができたことで、
各々が事情を抱えている事を今更ながら実感した。
元々若さゆえに無茶に走ることも多いが、今度巨人のバーサーカー(エレン)と遭遇してもいきなり激高したりすることはなさそうだ。
1556
:
名無しさん
:2022/03/11(金) 07:52:36
>>1541
「グリーンゴブリンか。俺の知り合いにも、似たような奴がいたな……」
グリーン・ゴブリンの話を聞いた巧はその狡猾な性格に草加を思い出して苦い顔をした。
ノーマンという人格は凶悪じゃないようだが、元人間のオルフェノク達と戦ってきた巧は彼を殺し、罪を背負う決意をする
迷ってるうちに人が死ぬなら、罪を背負ってでも戦うことを選ぶ男が乾巧だ
グリーンゴブリンとノーマンの関係性にココアやマズルカは驚いたが、真剣に話すピーターの表情を見て嘘偽りない情報だと認識する
1557
:
名無しさん
:2022/03/13(日) 09:09:43
>>1412
のモブ住人の語る異変はやはり聖杯戦争の影響だったか…。
当時も権力者の中にマスターは一定数紛れ込んでいたようだ
1558
:
名無しさん
:2022/03/13(日) 12:06:40
雲雀の眠る姿を眺めながらチノはまりなちゃんの最期の言葉を思い返していた
『チノ。まりなの想いも繋いでくれるよね……?』
想いを繋ぐ。
それは木場も言っていたことだけど、今まで普通の日常を謳歌していたチノにはまだ深く理解出来ていない。
だけれど彼女達が心から望む大切なことだということは、チノにもわかった。
『チノ……生きて……。それがまりなの想いだから……チノとマコトだけでも……』
死にかけの状態でまりなちゃんから託された「生きて」という想い。願い。
まりなちゃんは最初こそチノを敵視していたが、本人と接しているうちに友達になっていた。
まりなちゃんを友達と認識していたのはチノも同じで、ライダーやおっこやまりなちゃんの死は悲しい。もちろん炭治郎の死も悲しい。
それでもチノは前を見て進まなければならない。
言葉こそ聞こえなかったが、死に際の炭治郎が自分やまりなちゃんに何かを訴え掛けていた。
足がすくんで動けなかったけど、きっと炭治郎は自分達に「逃げろ」と言ったのだとチノは受け取った。
『俺に出来なかったことを……想いを、繋いでほしい……』
そしてライダーも。
木場もまた、チノやまりなちゃんを庇って死んだ。
もしもあの時に自分達を庇って大ダメージを負っていなければ医者を倒せて、ライダーも生きていたかもしれない。
チノは木場の死に心を傷めたが、彼が最期に憎悪から解き放たれて安らかに眠る姿を見て少しだけ救われた気がする。
木場勇治は心からまりなちゃんやチノを守りたいと思ったから庇い、そして信用出来るクリミナルに想いを託した。
ライダーに庇われ、炭治郎に守られ、まりなちゃんに生きてほしいと願われた。
だからチノは生きなければならない。
どれだけ辛いことがあっても前を向いて進まなければならない。
「マコトさん。想いを繋ぐのって大変ですね……」
「そうだな……」
マコト兄ちゃんはチノを見る。
自分だけならともかく、こんな少女にも想いを背負わせるなんて、あまりにも過酷なことだろう。
しかし散っていった仲間達はもう帰って来ない。そして彼らが命を賭してでも守り、願われたチノは彼らの分まで生きなければならない。
「散っていった友の想いを繋ぐことは大変だ。でもみんなのために俺達が出来ることは、もうそれくらいしかない」
自分が想いを背負った三人の父さんも、既にこの世にいない。
そのうち一人は覚悟を決め、自らが殺めた。彼は決して褒められた人間ではなかったが、それでもマコト兄ちゃんの父さんだ。
想いを背負い、罪を背負い、マコト兄ちゃんは生きている
「はい。だから私も、がんばって想いを繋ぎます……!」
マコト兄ちゃんの言葉を聞いてチノは奮起する。
ライダーや炭治郎やまりなちゃんは死んだ。
それでも彼らが託した「生きてほしい」という想いはまだチノの中で生きている
「ああ。一緒にがんばろう、チノ!」
マコト兄ちゃんが手を差し伸べる。
チノは少しだけ困惑した後、握手をしようとしていることに気付いた。
「改めてよろしくお願いします、マコトさん」
チノとマコト兄ちゃんは固く握手を交わした
1559
:
名無しさん
:2022/03/13(日) 14:31:52
バーサーカー・エレンが戻ってきて、シャアはクリミナル・深海マコトと話した。
シャアはチノを外の島への船に乗せ聖杯戦争から離脱することを求める。
ちなみに元のfate世界とは違い、この世界ではサーヴァント、もしくはマスターが島の外へ出ると
霊核を維持できなくなり数時間から1日程度で消滅するらしい。
それは聖杯戦争のルールとしてこの世界の聖杯からサーヴァント達に与えられた知識であり、
聖杯が嘘をついているわけでもない限り疑う余地はないと思えた。
マコトは葛藤した。
チノやまだ見ぬココアを元の世界に帰せないことになる。
しかし彼女たちに他の願いを持つであろう貪欲な主従を倒すことはできるのだろうか。
それならばこの世界で命だけでも守ることが、既に散っていった仲間に報いることなのではないだろうか?
たしかにゴブリンのような民間人を狙う悪辣な主従はいる…
それらを倒すために自分が傷つくのは構わない。
しかしそれでチノ達の命を危険に晒すことが本当に正しい選択なのだろうか?
このシャアという男、手段は選ばないようだが今までの行動からするに根っからの悪人というわけではないようだ。
彼のような聖杯戦争参加者の行動に委ねてしまっていいのではないか?
マコトはチノと目を合わせ、自分はサーヴァントという存在であり、たとえもう一度死んでも座に帰る、
いわば幽霊のような存在であることを告げた。
そしてココアと合流出来たら自分の事は気にしなくていい、命を守るためならシャアの提案に乗り
この島から出ても、いや、場合によっては令呪で捨て駒にしても構わない、と告げた。
チノはそんなことしません!と言いたかったが、マコトの真剣な瞳に何も言えなかった。
1560
:
名無しさん
:2022/03/13(日) 14:46:23
これはこの聖杯戦争が始まる前のこと。
「此度の聖杯戦争の準備が整ったようだな」
島の最深部にある広間。
そこにはこの地に封印された大魔王バーン、そして魔王と対峙するムスカがいた。
前回の聖杯戦争にて聖杯を破壊され、願いを叶えられなったムスカは諦めず国王となり、草加と共にこの地の仕組みについて入念に調べた。
そうしてたどり着いたのがこの場所であった。
そうしてバーンから事の顛末を聞き、自分たちの願いを叶えるべく彼と取引し、今までその準備を行なっていた。
後はしばらくこの地を離れ、戦争が始まれば潜伏させている自分の手の者に情報を送らせ、頃合いを見て再び島に戻ればいい。
それまでにこちらは準備をじっくりと行い、戦力を整えることが出来る。
あの屈辱から再び聖杯を手にする計画が大詰めを迎えようとしていた。
「貴方とはあくまで聖杯戦争が始まるまでの関係だ。それ以降は敵同士、どちらにしろ自分以外の主従を滅ぼすつもりの者とは手を組めるはずもない。
あくまで我々が取引したのは早期に聖杯戦争を始めるためにすぎない」
「そうだな、開始の周期を早めるためにうぬらと取引をした。この封印がある限り、余自らは動くことは出来んからな」
「逆にこちらはその封印がある限り、そちらに手は出せない。それは今の貴方を討つことが叶わないということでもある」
全陣営の思惑を統一できるかという懸念もあったが、前もって徒党を組みバーンだけを倒すという方法が不可能だったのはこのためであった。
聖杯の顕現はある程度のサーヴァントが脱落するまで始まらない。
そして顕現が始まるのに必要な魔力が貯まり始めるのはバーンの封印が解けてからのこと。
つまり聖杯で願いを叶えるにはこの大魔王を討つことを前提に動く必要がある。
だがそれはムスカにとって悪いことばかりではなかった。
他の主従を消耗させる存在としてバーンはうってつけの存在。
そしてその情報アドバンテージを自分たちだけが所持してることは小さくない。
今回の聖杯戦争で呼ばれる主従がどのような者たちか思案する。
そうしてムスカは広間を後にしたのだった。
1561
:
名無しさん
:2022/03/13(日) 15:35:16
>>1559
おっこ、ライダー、まりなちゃん、炭治郎に加えて更にマコト兄ちゃんまで失う。
それはチノの望まない結末だが、迷いのない真剣な瞳を向けられて勇気を出せなかった。
『逃げろ、早く』
声を発せない状態で、それでも必死に目で訴えかけてきた炭治郎を思い出す。
あの時は恐怖で足がすくんで逃げられなかった。幸い生き残ることは出来たが、あのままだと自分やまりなちゃんまで死んでいた。
全てが終わったあとに後悔しても遅い。
『チノ……生きて……。それがまりなの想いだから……チノとマコトだけでも……』
まりなちゃんの言葉を思い返す。
彼女はチノだけではなく、マコト兄ちゃんにも生きてほしいと言っていた。
「まりなさんは、マコトさんにも生きてほしいと言ってました」
生きてほしい。
それはサーヴァントにとって非常に難しい願望だ。
それくらいチノにだってわかる。マコト兄ちゃんに説明されたことは理解出来ている。
それでも――
「マコトさんも生きてください。自分だけで背負わないでください」
深海マコトはきっとすごく重い荷物を背負っている。
それはどれも大切モノで、だから背負うなとは言わない。
「私もみなさんの想いを背負いますから……」
香風智乃は深海マコトの自己犠牲を許さない。
それは雲母坂まりなの意志でもあり、願いでもある。
「それにマコトさんだけ死んでしまったら、まりなさんに怒られます」
だからチノは自分なりにがんばって、託された想いを繋ぐ。
「きっとココアさんも、そんなこと望みません」
香風智乃の知る保登心愛は。
お姉ちゃんはそんな人じゃないから。
「……わかった」
珍しく譲る気もなさそうなチノの姿勢にマコト兄ちゃんは観念する。
出会ったばかりの頃に比べて、今のチノは随分と強くなかったように感じた
友との出会いや別れ。そして彼らの想いが彼女を強くしたのだろう。
「チノ。約束通り、俺がお前を元の世界へ帰す。それまでは俺がお前を守る」
「はい。お互いがんばりましょう、マコトさん」
迷いは晴れ、二人の心に青い空が差し込む。
それはダントンを倒した時に見た、あの綺麗な青空のようだった
1562
:
名無しさん
:2022/03/13(日) 15:35:55
大きく数を減らしていた半グレは、一騎当千のセイバーの前に秒殺されていく
根本的な火力の差は態勢が整わなかった半グレが散発的に発射してくる銃や爆弾ごと紅蓮の炎で焼き尽くしていく
このままでは相馬どころかレジィごと殺されない
「使うしかないか……キャスター! 時間を稼げ!」
相馬は叫ぶとガチャガチャとアタッシュケースを開け、モタモタとベルトを巻いた
『Standing by……』
「使けにくいな……変身!」
『――complete』
この空島には似合わない電子音声と共に相馬の体に走った黄色いライン、そこから全身を包む閃光が放たれる
数瞬後、そこには黒いボディスーツのようなものに黄色いラインが入った鎧に身を包んだ相馬がいた
一方その頃、ムー島の王宮ではこれもオーパーツな無線がベルを鳴らしていた
「私だ、ムスカ大佐だ」
「久々だね、大佐」
「そろそろ来る頃だと思っていたよ。レムリア島で軍事施設からも略奪があったと聞いた。やはり、あちらの政府が抑えていたようだ。喜びたまえ、君のベルトの所在がわかったのだから。」
会話していたのは八年前の聖杯戦争の主従であるムスカとライダー・草加
王族軍人から謀略によりムー島の国王の地位を手に入れたムスカこそ今回の聖杯戦争を強行した『主催者』である
彼は過去の経験から聖杯戦争の期間中、最初の一週間程度を外遊することで身の安全を確保していたのだ
そして聖杯戦争の激化によって自然に帰国の理由をつけ、NPCのように振る舞っていたのである
一方、逸話によって宝具を実体化したまま紛失したライダー・草加
八年間どこにあるか不明だったせいで今回の聖杯戦争にも今まで関われないでいたが、レジィ達が盗み出し相馬が宝具を発動してくれたおかげで、彼はベルトの位置を特定できた
ライダーの宝具は誰であろうと公平に力を授ける
たとえマスターであっても、サーヴァントに並び立つ程の力を振るえるのだ――その命と引き換えに
1563
:
名無しさん
:2022/03/13(日) 15:58:04
>>1562
相馬がカイザに変身したことは致命的なミスとも言えるけど、変身者が死亡するというデメリットまでは知ることが出来ないから仕方なかった
しかしカイザの圧倒的な力を得た相馬はカイムとほぼ互角に戦い、レジィの援護もあって徐々に押していく
春花が強さ的に戦力外ということもあってこの戦闘は実質2VS1になっていた
そしてベルトの位置を特定した草加は邪悪な笑みを浮かべると現地へ向かうことに決めた
カイザに変身した者の末路を彼は当然、知っている
1564
:
名無しさん
:2022/03/13(日) 20:49:03
元から喧嘩が強い相馬と自身が変身するタイプの宝具であるカイザギアは非常に相性が良い
カイムが得意とする斬撃もカイザブレイガンで対処。元々ナイフを武器とするだけあって刃物の扱いに長けている
加えてカイザブレイガンは銃撃も可能とする。
相馬が容赦なく春花を狙って発射する度にカイムはマスターを守るために庇わざるを得ない
焦った春花は目の前のキャスターとそのマスターを絶対に殺すように令呪を使い、更にカイムをブーストする
今回の戦闘で二度目の同じ令呪だ。必然的に戦況は変わり、カイムはレジィと相馬を相手に拮抗する
それは皮肉にも草加が到着するまでの時間稼ぎのようになっていた
1565
:
名無しさん
:2022/03/14(月) 18:30:16
ブーストした速度とパワーで2人相手に拮抗するカイムの戦いは凄まじかった。
パワーアップして対応していた相馬だったが、カイムの剣術の間合いを見誤り傷を傷を負ってしまうほどだった。
レジィと相馬は念話で合図を送り、あえて左右二手に分かれた
カイムとまともに戦うのではなく無視して掻い潜り春花を狙うような動き
カイムはサーヴァントであるレジィを止める為に動き、アンヘルを召喚してマスターである相馬にブレスを吐かせようとする。その直前
相馬「令呪を以て命ずる。切り札を使え!」
レジィは令呪にブーストされて目にもとまらぬ早業で「切り札」たる契約書を使用
出現させたのはこの世界の軍部が「万が一、空島外部から船などで攻め込まれた時の為の防衛兵器」の契約書。
これは現実世界の「ロケットランチャー」に相当する兵器だった。
レジィはこれをカイムに向けない。
無視して相馬を狙って口に火炎を溜めるドラゴンに式神と化したロケランを発射した。
「グオオオオオオオオオオオ!!」
ドラゴンは放つ直前の炎とロケランの爆発で炎に包まれた
しかしレジィはその間に僅かに隙ができてカイムに斬り捨てられる…ことはなかった。
レジィに迫りくるカイムの全身からバキバキボキと骨の砕ける音やジュウジュウと肉の焼ける音が響き、剣が空を斬った。その体にレジィの召喚した刃物が突き刺さる。
レジィはカイムの真名を見抜いていたのだ。
竜を従える英雄、だけでは解らなかった。
だが、レジィは見ていたのだ。
半グレ達をなで斬りにしながら剣の外装が変わっていた事や
相馬に傷を負わせた時に剣が一瞬長剣に変化していた事を。
それらの情報を加えて導いた答え。
かの英霊はレッドドラゴンと契約せし復讐の王子カイム
その弱点、契約相手のドラゴンと苦痛を共有し、片方が死ねばもう片方も死ぬ!
1566
:
名無しさん
:2022/03/14(月) 18:31:11
春花は願った。アンヘルの叫びと同時にカイムの全身が悲鳴を上げるのを。
そして願った。「令呪で命じる!死なないでカイム!」
状況を見て迷わず最後の令呪を切る。その決断力は称賛に価するといえた。
だがそれは間違いだったのかもしれない。
話が飛ぶようだが、春花はココアとアーチャーの主従と闘った。
そしてココアは令呪を全て失い、アーチャーはセイバーの攻撃を受けても生きていたが、敗北した。
結果的に横槍は入ったが、あの時点でもセイバーにはまだ余力があり、令呪も残っていた。
最後の宝具がセイバーに向けられていたとして、ダメージは受けただろうが生き残ったのはセイバーだっただろう。
だが、奇妙なことがある。
確かに元々、殺し合いをする戦士であったセイバーと、
いわば競技者でしかなかった決闘者のアーチャーでは元々の力の差が大きかったのだろう。
しかし、それにしてもココアが令呪を三画全て使ったのにも関わらず
春花たちが令呪を一画も使わず、しかも余力を残して勝てたのは……?
それは願いの中身が関係していたとは考えられないだろうか。
もしもココアがアーチャーに生きて欲しいという気持ちの他に、
「セイバーを倒して」と願っていたら、結果はどうなっていただろうか。
カイトのプレイスタイルがより攻撃的で捨て身なものとなり、
モンスターの攻撃が実際の数値より強い威力を伴ってカイトを追い詰めたりはした可能性は無いか。
…もちろん、これはただの仮定の話であり、検証もしようもなく誰にも答えは出せない。
戦闘の結果を述べる。
令呪により、カイム自身がアンヘルと契約で繋がった事で受けた、瀕死になるような傷は癒された、
しかしアンヘルの受けたダメージは甚大であり、令呪一画のみでは契約で繋がったカイムとアンヘル、
両者の傷を十分に癒すには至らなかった。
そしてカイムは、レジィの事は無視してでも春花の身を守るため、相馬に向かって全力で剣を投擲した。
その剣は相馬の腕を斬り落とす。
しかし、相馬は一瞬早く銃撃を行い、春花の命を奪った。
もしも3画目の令呪を重ねて「敵を殺せ」と命じられていたら…
戦闘続行と加虐体質のスキル、そして尽きぬ殺戮の意志を持つカイムは
たとえその直後に腕が引き千切れようと、平時の全力以上で相馬に剣を放ち、一瞬早く届いた剣は春花を救えたかもしれない。
意味のない、そんな仮定の話。
【野咲春花@ミスミソウ 死亡確認】
1567
:
名無しさん
:2022/03/14(月) 19:21:45
>>1566
† † † † †
魔力なくしてサーヴァントは存在し得ず。
すなわち、マスターなくして彼らは存在し得ない。
厳密には、英霊の召喚および現界に用いる魔力は、聖杯――
小聖杯が行うことになる。
聖杯こそが不可能を可能とする。
是は、大聖杯が万能の願望機であるという傍証として考えられる。
ただし。
召喚した後のサーヴァントの肉体維持、その他、戦闘行動等による逐次消費。
これらの魔力については、すべてマスターが受け持つことになる。
更に言えば――
マスターはサーヴァントにとっての“現世への寄る辺”となる。
召喚された英霊は、その時代の人間であるマスターを要石として現世に留まるのだ。
やはり、マスターなくして彼らは存在し得ない。
ならば、マスターを失えば?
英霊本来の性質にも依るが、多くはただちに消滅する。
マスターを失った時点でサーヴァントは寄る辺を失い、現世から霧散する。
単独行動スキルを有していれば一日から数日間は肉体を維持できるが、単独行動スキルはアーチャーのクラス特性であり、他クラスのサーヴァントには当てはまらない。
だが、例外は存在する。
神話、伝説、逸話に於いて長期の単独潜入等の相応の活躍を果たした英霊は、クラスに依らず単独行動スキルを有する可能性がある。
故に、マスターを殺害した直後でも決して油断するな。
更なる例外が――
大量の魔力消費による霧散の抑制、肉体の維持である。
一例が、魂の“摂取”による魔力補充・維持となる。
我ら魔術師にとって魂の“摂取”は必ずしも禁ではない。
しかし、過剰に行えば神秘の漏洩を容易に招く。
例外の例外が発生した場合、速やかに――適切な処置を行う他にない。
(古びた一冊のノートより抜粋)
† † † † †
サーヴァントはマスターからの魔力供給で現界を保ち、さらにマスターは英霊が世界に留まるための要石としての役割を持つ
そのため、スキル「単独行動」を持たない限り、例え魔力があったとしても手足が重くなり、現界を保つために使用する魔力量も増える
詳細に言えば魔力が「活動するためのエネルギー」、マスターとの契約が「現世に留まるための要石」であり、マスターを失うと「エネルギー」と「要石が失くなった負担」2つの魔力を自力で捻出しなくてはならなくなる、ゆえに主を失ったサーヴァントはすぐに消える運命にあるのだ
だから、目の前でマスター・野咲春花を失い、魔力供給の源を失ったカイムは急激に体が重たくなる感覚に陥り膝を突いてしまう
さらには召喚したアンヘルも光の粒子となっていく、もはやカイムに相棒を維持するだけの魔力の余裕はなく、アンヘル自身も口惜しく思いながら消えていった
最後の令呪でカイムの致命傷は治癒されたものの、もはや目の前の二体の敵に抗うだけの力は発揮できない
それでも、令呪二画による敵の殲滅を命じられたカイムは最後の力を振り絞って相馬とレジィに立ち向かった
たとえ令呪で命じられていなくとも、彼は最後まで戦場から離れることはあるまい
たとえ、それが命を散らす自殺行為であろうとも
【カイム@ドラッグオンドラグーン 霊基消滅】
※「Fate/prototype 蒼銀のフラグメンツ」より現界についての記述を抜粋しました。
※その他、英霊の現界についての補記は仮投下スレの1093を参照してください。
1568
:
名無しさん
:2022/03/15(火) 08:37:52
春花とカイムを倒した相馬はライダーの変身を解いた。
そして上着で肘下で切断された右腕の応急処置を行った直後だった。
「うわあ。悲惨な光景だなあ。君達がやったの?コレ。」
造船所に男が入ってきた。
暗い緑色のステンカラーコートを着た男だ。
半グレや春花の死体が転がり所々焼け焦げた造船所内の様子にも動じない様子はただの一般人ではない。
実体はあるから人間なのだろう。サーヴァントではあるまい。
負傷の身の相馬とやや消耗したレジィは警戒。撤退が連戦か見極めようとする。
「じゃ、そろそろ俺の元に返してもらおうか。そのベルト。」
男が言った途端、相馬が崩れ落ちる。苦悶の声を上げて苦しみ出し、全身が灰に変化し始めた。
相馬は苦しみながらベルトを取り外したがその変化は止まらない。
「それは代償さ。ベルトを届けてくれてご苦労。そのまま死んでくれ。」
コートの男―――過去の聖杯戦争で受肉したセイバー。草加雅人がそう言っている間に相馬の全身は灰になり、崩れてしまった。
【相馬和樹@LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶 死亡確認】
1569
:
名無しさん
:2022/03/16(水) 20:45:57
>>1568
相馬がベルトの副作用で灰となり、マスターを失ったレジィは予断を許さない状態となった
単独行動を持たない彼では現界を保てずそのまま消滅する
自身の敗北による消滅ならともかくマスター不在での消滅はあまり好ましいものではなかった
ゆえにレジィは目の前でベルトを回収する謎の男に再契約を持ち掛ける、相馬の死因に関係する相手だろうともなりふり構わず危険を承知で交渉をしてみた
しかしコートの男(草加雅人)は過去の聖杯戦争で受肉した元セイバーであることを明かし、サーヴァントと契約を結ぶことができないと返答されてしまう
衝撃的な真実を告げられ、もはや新しいマスターを探す余裕などないと諦めかけたレジィ、だがそこへ「待った」と声を掛ける医者が登場する
実はムー島からレムリア島まで飛翔してきた医者とグリーン・ゴブリンは到着直後に造船所での戦闘の気配を察し、霊体化した彼を同伴させて様子見に来てたのだ
春花が銃殺され、セイバーが蹴散らされ、相馬が灰化して、残る二人の会話を聞いた後、医者は彼らに同盟を提案する
曰く、ムー島では聖杯戦争に消極的な連中が徒党を組んでいるため、対抗するために優勝を狙う者同士で一時的に結託して対抗すべき、と
またマスターを失い消滅の危機に瀕しているキャスター・レジィに対して、戦力として役立つならば二重契約を結んでひとまず消滅を回避させてもいいと申し出る
むろん医者は二重契約のリスクを把握している、マスター側は魔力供給量の増加という負担がありサーヴァント側は供給不足による弱体化が発生するため、十全に運営するのは至難であると
しかし難題への対処法もある、単独行動スキルを持つグリーン・ゴブリンならばマスターからの魔力供給が多少滞っても活動はできるためリスクを幾らか緩和できる
また魔力を補充するならば「魂喰い」がある、極悪人のアクダマであり良心の呵責など全く持ち合わせていない医者ならばこそできる外道の戦術である
――そしてレジィ(や草加)には知らせていないことだが、状況次第ではゴブリンを戦力として残してレジィは捨て駒にする、など状況次第では使い潰すことも医者達は考えているのだ
運用次第で二重契約も活用する術があり戦力を確保するため、と説明して医者は選択肢を突きつける
対してレジィは医者が語らぬ捨て駒としての使い道を瞬時に見抜き考えを巡らす
つまりは医者達を拒めばすぐに殺されるに違いない、ならば今ここでなす術もなく消滅するよりかは危険を承知でも生き存えるのはアリかもしれないと
自分の願いももちろんあるが、この聖杯戦争の行く末も見てみたい気持ちも出来始めたところではあった
1570
:
名無しさん
:2022/03/16(水) 21:46:59
>>1569
「悪いが俺に君と手を組む気はない」
草加は医者の提案を拒否。
そもそも邪魔者を始末せず「待った」をかけた医者を放置すること自体が彼の性格的に珍しいことだが、これは医者に二重契約させることでわかりやすく共通の敵を作るためでもあった
二重契約の優位性は誰にでも簡単にわかるものであり、狙われるリスクが一気に増える。
それにどうにも医者からは自分と似た雰囲気を感じられ、はっきり言って草加にとってはかなりの邪魔者だ。しかし彼女にもサーヴァントが存在する以上、瞬殺することは出来ない。時間稼ぎをされている間にキャスターと契約されるという事態は防げないだろう
キャスターを真っ先に始末するにしても、医者のサーヴァントに妨害されるかキャスターが最後の力を振り絞って抵抗することは目に見えている
ならばこの場は撤退し、他の参加者と手を組んで医者を叩く。
優勝を狙うからこそ二重契約した医者と手を組むなんて論外だし、圧倒的な力を持つバーンも待ち構えている。
それらを相手に単独で勝てると思うほど草加は慢心しない。聖杯戦争に消極的な連中が徒党を組んでいるならば、むしろ好都合だ。
きっと乾や木場のようなタイプの人種だと考えた草加は彼らに取り入り、まずは医者とバーンを倒すことを先決する。
どの道バーンは自分だけでは倒せない。自分と医者が組んでも勝てるか怪しいし、そもそも徒党を組んだ連中と戦っている最中にこちらの戦力は確実に削られる
医者が敵視している徒党を組んだ連中はそれなりに数が多いのだろう。素性もわからない相手にわざわざ同盟を持ち掛けるということは、そういうことだ
ならば彼らの力を借りるまで。医者やバーンや他の聖杯狙いを倒した後、消耗し切った彼らを倒せば良い。
まあその時には自分も間違いなく消耗しているだろうが、ムスカという王の後ろ盾があるだけ優位に立てるだろう
「情報には感謝するよ。それにしても素性も知らない他人にそんな情報を渡すなんて、迂闊過ぎないかなぁ?」
憎たらしい顔で医者を軽く煽ると草加はサイドバッシャーに乗り、その場を去った
1571
:
名無しさん
:2022/03/16(水) 22:10:31
(造船所の騒動も終結したので本投下)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
三日目が終了、そして、四日目
夜の帳が下りて幾刻か、更けりて旧き終わり新たに始まる、その刹那
大半の者が微睡みに身を委ねる頃合いに、聖杯戦争のマスターにだけ伝達される夢があった
それは日中に垣間見た光景の続きであり、並んでいた12枚のカードからまた一枚一枚とこぼれていく
堕ちいく絵柄は、ライダー、セイバー、ランサー、セイバー、計四枚がさらに暗黒の園へと消えていった
そして残ったカードが空を舞うように動き出す
気付けば新たな盤面に移っており、ムー島とレムリア島を象った地図の上にカードが並べられていく
アサシン、バーサーカー、クリミナルの三枚がムーに、ライダー、キャスター、キャスター、フォーリナー、アルターエゴの五枚がレムリアに、降り立っていた
是は新たなる啓示なり
四騎が脱落して残るは八騎の従者達、それらの大まかな所在もここに示された
これは新たなる波乱の幕開けか、さらなる闘争を求める声か
ただ言えることは、この儀式も後半戦へと移り変わったということ
刻一刻と、聖杯の降臨が近いということだけである
1572
:
名無しさん
:2022/03/17(木) 10:56:14
ピーターと巧、ココア・マズルカの2組の主従はレムリア島のピーターの家にいた。
ココアは昼間の疲れからか眠っているが、ピーター、巧とマズルカは遠方からの爆発音や光に気付いて警戒していた。
中世的な文明の空島である。たとえ距離があり風の音がしていても、騒ぎがあれば気付く。
人形兵の修復を終え、魔力も回復したマズルカがフルネラ型人形(バッターの令呪でレムリアに転移した際に人形素体の姿で全員一緒に転移した)を偵察に向かわせようとした時だった。
イメージ映像が流れて来た。ココアが飛び起きて、2組の主従は状況を整理した。
ピーターと巧、マズルカとココアの主従は互いの持っている情報(殆どは炭治郎がもたらした情報)により、
現在の殆ど全員の主従の正体を推測できた。
彼らの視点は以下の通り
クラス : 推測(主な情報源) 【正体】 ←わかりやすくするためこう書く
脱落したサーヴァントについて
セイバー1:カイム(ココア) 【カイム】
セイバー2:不明 【ハドラー】
ライダー:炭治郎の会った、チノ達と一緒にいる、おそらくオルフェノクのサーヴァント(炭治郎・巧) 【木場】
ランサー:胡桃のサーヴァント(マズルカ) 【明】
ムー島の残ったサーヴァント
アサシン:雲雀 (ピーター・巧) 【雲雀】
バーサーカー:巨人(ピーター・巧) 【エレン】
クリミナル:チノのサーヴァント(炭治郎) 【マコト】
レムリア島に残ったサーヴァント
ライダー:【巧】
キャスター1:【マズルカ】
キャスター2:不明 【レジィ】 (距離だったり突然の事だったりでココアはレジィのクラスを知るまでには至らず)
フォーリナー:セフィロス(マズルカ) 【セフィロス】
アルターエゴ:グリーン・ゴブリン(マズルカ&ピーター) 【グリーン・ゴブリン】
脱落したセイバー2とキャスター2の正体までは分からないが、
仮に飛空艇などで移動していない場合、セイバー2の主従がチノや喫茶店の店主を罠に嵌めた主従。
キャスター2の主従がココアを不意打ちした主従。と、推測した。
ココアはあの強いカイムが倒されたことに驚いて、敵対していた事も忘れ悲しんだ。春花は大丈夫だろうか?と、その身を案じた。
そして状況は分からないがチノのサーヴァントが無事であることに少しだけ安堵した。
しかし、隣にいるマズルカの例からもわかるように、サーヴァントが無事だからだといってマスターも無事だとは限らないと気付き、手を胸の前でぎゅっと握りしめて無事を祈った。
ピーター、巧、マズルカは、グリーン・ゴブリンがこの島にいることに緊張を走らせた。
そしてこのアナウンスの露骨さに、元の世界で危険と悪意に触れる事の多かった3人は確信する。
「明らかに聖杯戦争を進めたい、仕掛け人のような存在がいる」と。
1573
:
名無しさん
:2022/03/18(金) 08:29:15
ココアは聖杯戦争に関するイメージ映像が流れて起きる直前、夢を見ていた。
夢の中ではマズルカと黒髪の魔女が、多数の魔女と戦っていた。
マズルカ達は必死に応戦していたが、黒髪の魔女が倒れ、魔女達に何かの鍵を奪われてしまった。
黒髪の魔女の元にマズルカが駆けつけるが、深手を負っており…
そこで別のイメージ映像が流れて来て、ココアは目を覚ました。
「ルカちゃん。さっき変な夢を見たんだけど…。」
ココアはマズルカと2人の時に、イメージ映像の直前に見た夢の内容を話した。
マズルカはそれは自分の過去の記憶だろうと教えた。マズルカは当時の概要を話す。
マズルカの師匠(黒髪の魔女)が妖路歴程をバーバという魔女から盗み出したこと。
妖路歴程を使って異世界を探索し、15年かけて3つ集めれば願いが叶うという鍵という秘宝を手に入れた事。
しかし全ては出し抜いたと思っていたバーバの掌の上。追っ手を差し向けられて鍵も奪われてしまった事…。などだ。
過去を覗いてしまい申し訳なさそうなココアに気にしないでと苦笑しながら、
マズルカはイメージ映像の方について考え始める。
一度目の白昼夢(
>>1475
)の時はココアは魔力を消耗して深く気を失っていたからか、
それともカイトが脱落したことでマスターではないと見做されたのか、見ていなかった。
バッターもなぜか(幻と片付けて)マズルカに話していなかったので、このアナウンスが具体的にどんなものか、
ピーターや炭治郎から一応は聞いたものの、イマイチ掴み切れていなかった。
どこかにある聖杯の情報がマスターに流れ込み、本来は明確な形を持たないそれを、マスター達の精神が理解できる形に変換して感じているのかもしれない、と考えていたが…。
先ほど4人で話した時に、ピーターからもイメージ映像の話を聞いた。
1度目との内容の差異や残りサーヴァントの位置を示すやり方と言い、明らかに残りの主従を争うように仕向ける意図を感じる。
なんらかのマジックアイテムであると予想される聖杯自体が意志を持つのか、それとも
(聖杯戦争を引き起こしている黒幕がいて、戦いが進むにつれ好戦的主従や情報収集が苦手な主従が減り、
状況が膠着する事を嫌がって戦うようけしかけている…?
…私たちは生き残った1組の主従の前に聖杯が姿を現すと思っていたけど、
もしそいつがバーバみたいに、他人を掌の上で転がす狡猾な奴だとしたら、
実は聖杯そのものはそいつが握っていて、最後に誰が生き残っても聖杯はそいつが手に入れる、っていう筋書きを立ててるかも…?
…むむむ。憶測に憶測を重ね過ぎているか…。)
「ルカちゃん?」
「ちょっと考え事をねー。」
(もしも…聖杯がサーヴァントが脱落するごとに力を蓄えるアイテムで、完全に力を蓄えることで願望機になるとしたら…。
未完成の状態の聖杯にもそれなりの魔力はあるはず。
新たな願いを叶えるような力は発揮できなくても、
聖杯戦争の参加者を集める為にマスター達をこの世界に呼んだ術式を模倣して元の世界に帰すぐらいはできないかな…?)
1574
:
名無しさん
:2022/03/18(金) 10:35:40
>>1570
木場がサイドパニッシャーで去った後、レジィと先ほどの再契約の話を進めようとする医者だったが。
「オイ待ちなマスター。俺というサーヴァントがいながらよぉ。浮気は許さねえぜ…?」
グリーンゴブリンはふざけた口調だがその目は笑っていない。
てっきりまりなのようにマスターのいるサーヴァントを傀儡にするつもりで医者の行動に賛同していたが、はぐれサーヴァントとの二重契約となれば話はまた違ってくる。
たしかに自分は単独行動というスキルで魔力の消費を抑えて活動できるが、それは激しい戦闘や宝具の使用に制限がかかる。
そもそも新たにキャスターが医者のサーヴァントとして加わるのなら自分への供給魔力は単純に考えて半分になる。
更に、いざとなったら敵の多い自分を残った令呪で切り捨て、キャスターをただ1人のサーヴァントにする可能性だってある。
マスターを切り捨てたグリーンゴブリンなら思い至って当然の発想だ。
無理に契約しようとしてもその前に目の前のキャスターを殺しかねない眼光の鋭さだ。
1575
:
名無しさん
:2022/03/18(金) 10:51:33
>>1574
取り下げます。(詳細は仮投下スレ1169前後の議論)
1576
:
名無しさん
:2022/03/18(金) 11:41:53
>>1569
、
>>1570
「おいおい待てって兄弟。そう簡単に逃げられると勘違いしていないか?」
「…ちっ、ついてくるな」
サイドバッシャーで早々に造船所を後にした草加だったが、グライダーで滑空するグリーン・ゴブリンに接近されて声を掛けられる
草加が同盟の提案を拒否した瞬間から、医者とグリーン・ゴブリンは元セイバーの男が自分達にとって邪魔になる存在と認定した
狡猾そうなこの男からして、こちらが同盟を組む理由として挙げた対聖杯の集団に入って自分達を袋叩きにする可能性が充分にある
また以前の聖杯戦争の参加者がこうやって表舞台に現われたのだ、この聖杯戦争についての秘密を何かしら知っているに違いない
ゆえに、元セイバーが乗り物で立ち去ると同時に医者は念話で追跡を頼み、グリーン・ゴブリンも応じてすぐさま追いかけた
「つれない野郎だな、せめてこっちが情報をあげたんだからそっちも何か情報を寄こせよ」
「そっちが勝手にやったことだろ、こっちにはそんな義理はない。とにかくとっとと失せろ!」
「あーそうかい、それじゃあお前が死ね、そしたら俺ともお別れできるだろう!」
バイクに跨がる男が口を割らないため、ゴブリンは併走しながらグライダーを横に向けて機関銃をぶっ放す
警戒していた草加は急激にハンドルを切って迫りくる怒涛の銃撃を回避、カイザブレイガンで反撃する
それを空中で器用に躱したゴブリンはグライダーからミサイルを射出、草加もバトルモードに変形させたサイドバッシャーでバルカンを放ちながら応戦する
こうして始まったチェイスバトル、互いの武器を躊躇いなく使い走りながらドンパチを繰り広げている
ちなみにだが、バイクに騎乗した草加側はほぼ二次元的にな動きに限定され、さらに彼が元いた世界とは違い路面の舗装が荒かったりオフロードを走ったりするので走行や回避が困難になりやすい状況である
騎乗スキルを有する草加ならばそれを苦ともせずに巧みに操縦し、時にはジャンプして回避することも訳ないが、一瞬でも気が抜けてしまえば不味い状況にはなりえる
一方、ゴブリンは三次元的に動けるため自由度の高い回避や攻撃で優位に立っているが、ムー島での戦闘や島間の移動でマスターや自身の魔力を消耗しているのが少し問題であった
とはいえ今目の前の獲物を逃してしまえば火の粉として残ってしまい、後々自分たちに燃え移る危険もある、なのでこの時ばかりは出し惜しみをしている場合ではなかった
ともあれこの勝負、最終的には相撃ちとなり引き分けて終了した
戦闘しつつ走り続けていた草加は悪路に嵌まって一瞬だけ操縦が狂ってしまい、そのタイミングでゴブリンが放ったミサイルの爆発に巻き込まれてしまう
だが同時に草加もミサイルとブレイガンを数発放ち、ゴブリンは咄嗟に手裏剣を飛ばしてミサイルを迎撃したものの爆風と銃撃によってダメージを負ってしまう
爆発によって吹き飛ばされた草加はダメージにより意識が飛びカイザが解除されてしまうが、不幸中の幸いかそれにより気配が薄れて森の中に飛ばされたことで探すのが困難になってしまう
一方負傷して標的を見失ったゴブリンはこれ以上の戦闘は困難と判断し、医者の元へと帰還する
1577
:
名無しさん
:2022/03/18(金) 11:42:32
時は遡って、レジィがマスターを失った頃
物陰で様子を見ていた医者とゴブリンだが、戦力補充のためにキャスターと二重契約を結ぶことを医者がゴブリンに提案する
レジィと草加のやり取りを盗み聴きしながらゴブリンは難色を示す、自身の戦闘能力の弱体化や鞍替えを警戒するのは当然のことである
とはいえ戦力や捨て駒が欲しいという言い分も分かる、なのでゴブリンは医者に次のことを要求する
一つ、自分が目の前にいる状態でキャスターと契約を結ぶことを
一つ、キャスターに令呪を使い「アルターエゴを攻撃してはならない」「謀叛を懐いたら自害せよ」と縛りをつける
一つ、その二つを行う前にゴブリン自身に令呪を使い「ゴブリン不在時に勝手に契約を結ぶ場合、あるいはキャスターを縛る令呪を使わなかった場合、即座に自身のマスターを殺害せよ」と強制的な報復措置を備えさせる
刃物を突き付けながらこの三つを医者に要求するゴブリン、もしここで快諾しなければここで殺すという脅しの意味を込めていた
対して医者は怯えたり焦ったりする様子もなく淡々と承諾し、ゴブリンを裏切れば自分も殺される内容をゴブリンが言ったように復唱して令呪を切った
医者としてはここでゴブリンに不快を買って戦力増強の目論見が破綻するのは良しとせず、レジィと草加の交渉も終わる頃合いであり割って入るチャンスを逃す訳にはいかなかったので即断実行したのだ
こうして裏側でも駆け引きがあり医者とゴブリンは協調を崩さずにレジィと草加の前に姿を表す
そして同盟を結ぶ話と再契約を結ぶ話をしたが、草加が拒否して立ち去ったちめに医者は急遽ゴブリンに追跡を依頼する
その際、ゴブリンは医者に自衛用の手裏剣とボムを渡しつつ、勝手に話を進めないようにと念を押して元セイバーの後を追った
「アルターエゴが帰ってくるまで、再契約はひとまずお預けね」
「ふざけるな!こちらの命の手綱を握っているからっていい気になるなよ!」
「まぁ確かに、こっちも悪いとは思うけれども。彼、どうも私が浮気しないか心配しているのよ」
「だから彼との約束を破る訳にはいかないし、マスターを失ったからってすぐに消える訳ではないでしょう、キャスター?」
「あなたも随分と弱っているようだし、彼が帰ってくるまでは一休みしていれば?」
「…もし奴の戻りが遅い場合は、すぐに契約をむすべ」
この待遇の悪さにキャスターは不満を表すものの、かといって何かしらの行動に移すことはできなかった
今の自分は現界するのに精一杯であり、弱体化した身体では目の前の女にも敵わない可能性が大きかった
事実、医者は疑似禁薬の影響で見た目以上の強さを持っており、ゴブリンから渡された武器もあるためキャスターが下手な真似をしても充分に対応できる状態であった
それに聖杯戦争に喚ばれた者が英霊の座に戻るには数時間の猶予は残されている、下手に動かず目の前の悪女とでも契約した方が生き延びられるならば少し待つことぐらいならば我慢することを選んだ
1578
:
名無しさん
:2022/03/18(金) 23:50:33
>>1576
『ムスカ大佐。アルターエゴはここまで生き残ってるだけあって思った以上に強そうだ。これはなかなか期待出来るね』
意識を取り戻した草加は近況をムスカに報告する。
草加が最も得意とする地上戦ではないという要因も大きいが、それを差し引いてもアルターエゴは予想以上に強かった。
草加自身のスキル、異形と戦う者も地上戦でなければ無意味に等しいことから相性的にも最悪といえる。
しかし運も実力のうちだ。なにはともあれ、草加は命を取り留めた。
「だがダメージを受けたことは、むしろ嬉しいよ。他の陣営に潜り込む時、自分だけ無傷だと流石に怪しまれるからなぁ……」
自身がダメージを受けたのに、ニヤリと笑う草加。彼は戦闘によって負傷したことすらも利用する。
それにグリーンゴブリンの戦法も把握出来た。草加は相手が異形ならば自身のスキル、異形と戦う者で有利になる。
だから何も知らずに戦うことになっていたらグリーンゴブリンを真っ先に狙うだろうが、先程の戦闘で相性の悪さを実感した草加は彼とはもう二度とまともには戦いたくないと思うのだった
1579
:
名無しさん
:2022/03/18(金) 23:54:18
>>1571
この夢は自身のサーヴァントを失ったホメロスも当然、見ていた
聖杯戦争。それは島の民が巻き込まれ、傷付く催しであり真面目に島を統治しようとする今のホメロスにとって許容出来るものではない
ホメロス自身もマスターとして願いを叶えるために参加していた身で、他人をとやかく言える立場ではない。
だが島の民を守りたいという新たな気持ちもまた本物だ。
かつてグレイグと共に国を守る騎士になろうと決意した時のように、ホメロスは寝床から立ち上がる
自分にはもうサーヴァントがいない。ホメロスが最強だと信じていたセイバーは――ハドラーはもういない。
だがホメロスには力がある。相手が対魔力がないバーサーカーとはいえ、有効打を与えられるくらいには強い。
もちろん自分だけで他の主従を倒せるとは思っていない。
だが幸い、ハドラーと戦い、拳で互いに分かりあった深海マコトがいる。彼のマスターも聖杯戦争を止めることが目的と見て間違いないだろう。
それとシャア。彼は聖杯を狙っていると同時に話が通じる部類だ。ホメロスとしては島に危害が及ばなければ、最終的に誰が聖杯を手に入れようがどうでも良い。シャアならば再び同盟を組んでくれる可能性もある
彼らと手を組み、聖杯戦争を早急に終わらせる。特に島に被害を撒き散らすような悪辣な輩は優先して討伐する。
それこそがこの島に住む民のためだとホメロスは判断した
1580
:
代理投下
:2022/03/19(土) 06:38:43
巧はオルフェノクのサーヴァントと思わしきライダーの脱落に歯噛みする。
自分の知っているオルフェノクの中でライダーのクラスで呼ばれそうな者といえば真っ先に思い浮かぶ男は木場だ
「木場……。お前のことだから、きっと誰かを助けて死んだんだろうな」
巧は木場のことを信じている。
だから彼がどうやって死んだのかも、なんとなく想像がついた。
「やっと会えるんだね、チノちゃん!これからは何があってもお姉ちゃんに任せなさい!!」
ココアは春花の安否やセイバーの脱落など、気になることは色々とあるがまずはチノを助けようと意気込む。
普段ならもっと動揺していただろう。元々の保登心愛はそこまで強い人間じゃない
『ココア……後はお前に託す。運命に屈するな……。チノや仲間と共にお前達の手でこの聖杯戦争を……悲劇の連鎖を止めてやればいい……』
もしも自分と最初にしたサーヴァントが天城カイトじゃなければ。かっとビングを知らず、彼の勇姿を見ていなければ聖杯戦争の途中で諦めていたかもしれない。
それでもココアの中にはカイトが居る。カイトに託された想いがある。
だからココアは諦めずに前を見る事が出来るのだ
「カイトさん……。やっとチノちゃんと会えそうだよ!」
天城カイトは死んだ。もうこの世にはいない。
そんなことはわかっているが、それでもココアはカイトに語り掛けた。
誇り高き決闘者はココアの魂に大切なモノを刻み込んでいた。
「……炭治郎のやつ、大丈夫か?これだけのサーヴァントが脱落したなら、向こうの島で何かあったんじゃないか?」
巧は木場の脱落の他に炭治郎のことが気掛かりだった。
チノを密航させると言っていたが、何かの騒動に巻き込まれた可能性もある。
もしも自分以外のライダーが本当に木場ならば――彼が誰かを守って死んだのならば。
それはきっと何かの騒動に巻き込まれたか、悪辣なサーヴァントにやられたのか。そのどちらかだろう。
「……炭治郎くんなら、きっと大丈夫だよ!」
何か具体的に根拠があるわけではないが、ココアは炭治郎を信じている。
信じているからこそ、チノのことを任せた。
「まあ、炭治郎に何かあったらアサシンのやつも脱落してるはずか」
サーヴァントが生存しているということは、高確率でそのマスターもまだ生きているはずだ。
マスター死亡でサーヴァントのみが残る場合もあるが、そんな可能性まで心配していたらキリがない。
今は炭治郎を信じて、自分達は自分達に出来ることをするのが先決だと巧は判断する。
「そういえばグリーンゴブリンってやつもこの島にいるんだったな。……ピーター、お前はあいつをどうしたいんだ?」
そんな意味の無い問いを投げ掛ける。
答えは既にわかっていたが、それでも一応自分のマスターに方針を確認しておきたかった。
そして案の定ピーターは「この島にいるグリーンゴブリンを倒す」というニュアンスの言葉を口にする。
「やっぱりそうなるよな」
巧は暫く思案すると
「ココアとキャスターはここで待ってろ。グリーンゴブリンは俺達が倒す」
それだけ言い、巧とピーターは二人を残してバイクで駆ける。本当にグリーンゴブリンが草加のようなタイプなら、自分達だけで倒した方が良い
ココアとキャスターを巻き込まないというのは、ピーターとしても賛成だった
――そして偶然。
本当にただの偶然だが、
>>1162
で草加と戦い、医者の元へ帰還する途中のグリーンゴブリンと遭遇した
ピーターが彼の名を叫ぶと、巧もそれがグリーンゴブリンだと気付く。
「おい、ピーター。あいつがグリーンゴブリンってことでいいんだな」
対するグリーンゴブリンも因縁の敵であるピーターの登場を見逃さなかった
バイクから降りた二人組へ容赦なくボムを放つ――が、意外にもそれはまさかの形で防がれる。
バイクが変形すると手に持った盾で攻撃を受けたのだ。
しかしオートバジンの被害も大きく、戦闘に介入することはこれで難しくなっただろう
「――変身!」
そして巧はファイズに変身する。
先程の元セイバーと似た見た目の戦士へ変化を遂げる。
1581
:
代理投下
:2022/03/19(土) 06:39:47
立ち去る草加と追い掛けるゴブリンの姿が闇夜に消えた後、医者とレジィは造船所から離れて遠い場所から様子を伺うことにした
造船所はレジィ達とセイバー組が戦闘した影響で炎が燃え広がり、先の戦闘音も加味すればかなり目立つ場所になっていた
事実、彼女達が離れた後に人集りができており、消防活動をする人や軍人やらが入り乱れている様子であった
他の人間からは自分達が見つからないようにしていた医者とレジィだが、そこへ誰かが接近する気配を感じ取る
そして彼女達の前に現われたのはクルーゼとセフィロスの二人組だった
最初は半グレ集団が造船所を占拠したことなど報告に受けていなかったクルーゼ達だが、やがて戦闘音が鳴り響き造船所が炎上し始めると流石に耳に入ってきていた
噂によるとドラゴンみたいな生き物を見たという声もあったが、とにかく聖杯戦争の参加者同士で戦闘が始まっていると断じてクルーゼ達も動き出した
まずは一個中隊を現場に向かわせて調査および消火活動や不審人物の確保を命じ、自分達も現場に向かう
そして造船所を調べたところ、多数の荒くれ者や一人の少女の遺体があるのみで生き残りはいなかった
だがセフィロスが造船所を見ている気配を感じたので、クルーゼは部下にその場を任せてセフィロスと共に視線の先に向かっていった
ゴブリンが不在、なおかつ未契約で弱体化したキャスターしか残っていない最悪な状況に危機感を抱く医者
一方クルーゼは軍事基地に侵入したキャスターと謎の女に警戒をするが、キャスターは弱体化していてまともに戦えないだろうとセフィロスが口にする
とりあえずクルーゼは医者とキャスターに話し合いを持ち掛け、やがてこちらに危害を加えない限りはこちらも攻撃しない、できれば他の主従に対抗するために同盟を結びたいと提案する
いとまずまともに話ができる聖杯狙いと出会えたことに医者は思考を巡らせ、そちらが攻撃しなければこちらも下手な真似をしないと同意して同盟を結ぶ手筈を話し合い始めた
その最中に日を跨ぎクルーゼと医者は白昼夢を確認し、さらに医者はムー島の主従達は聖杯戦争に消極的で真っ当に聖杯戦争をしている自分達を潰しにくるだろうと一押しする
それにはクルーゼも同意し、アルターエゴが彼女の従者であることも共有してそれが帰ってくるのを待つことにする
そしてアルターエゴ・グリーン・ゴブリンがこちらに向かって接近する気配を感じ取るがが、同時に別の気配も向かってきていることを察する一同
医者が念話で確認したところ、バイク乗りのライダーと宿敵スパイダーマンに追い掛けられている、とのことだ
そこで医者は同盟相手ができたことを伝え、一緒に追跡者を迎撃しつつキャスターとの二重契約を一緒にやることをクルーゼ達にも知らせる
同盟を結んだからには相手に恩を売っておこうとクルーゼが同意し、彼らの有視界に入ったところでセフィロスがライダー・乾巧との戦闘を始める
一方スパイダーマンは執拗にゴブリンを追い掛けるものの軽くあしらわれ、戦闘の最中ではあるが医者とキャスターが再契約を結び令呪二画を使用する場面をゴブリンは確認する
1582
:
代理投下
:2022/03/19(土) 06:40:34
>>1581
セフィロスとファイズではスペックに圧倒的な差があり、巧は苦戦を強いられる。
今まで戦ったどのサーヴァントよりも強い。草加や木場のような仲間と共闘してようやく互角に戦えるか、それでも自分達が負けるか――そう考えてしまう程の力量差だ。事実、オートバジンとの2人掛かりでもかなり押されている。
ココアやキャスターを置いて来たのは、ある意味正解だったかもしれない。こんな奴と戦ったら、命がいくつあっても足りやしない。
だが巧にも負けられない理由がある。
自分が願いを持っていながら因縁の敵であり、災いを撒き散らすグリーンゴブリンを倒そうと覚悟を決めたピーターの意志を少しでも汲み取ってやりたい。
「ったく、困ったマスターだな……!」
アクセルフォームやウルフオルフェノクのスピードでなんとかするか、ファイズブラスターで勝負に出るか……。
きっと純粋な力勝負では勝ち目が薄い。まだ宝具すら使わずにこの強さだ、ブラスターフォームになっても宝具次第で巻き返される可能性が高い。それにブラスターフォームはここぞという時に使わなければ、魔力の消耗も激しい。宝具もわからない状態で使うのは危ういだろう。
ならばまずはアクセルフォームを使って、相手が宝具を使う前に速攻で決める
『Start up!』
電子音が鳴り響き、ファイズの装甲が変わると――目にも止まらぬ超高速で動き始めた。
この瞬間のみはセフィロスの速さすらも上回り、この戦場にいる誰よりも速い。此度の聖杯戦争でも最速クラスだろう。
たった10秒。ほんの10秒だけ、今のライダーは誰よりも速い。
そしてクリムゾンスマッシュの円錐状の赤い光がセフィロスの周囲に幾つも生み出される。相応の魔力を消耗するが、セフィロスに勝つにはこれしかない。
後はこのまま蹴るだけで大ダメージか、或いは致命傷を負わせられるはずだが、巧には一つだけ誤算があった
たしかにセフィロスには超高速に対抗出来るほどの速さがない。しかしファイズアクセルに対抗する手段は何も素早さだけではないのだ。
そしてセフィロスはファイズの気配を微かにではあるが、確かなものとして感じ取っていた
1583
:
名無しさん
:2022/03/19(土) 14:12:42
>>1561
の後、チノは一連の出来事に疲れて眠っていた。
雲雀とチノの眠る姿をマコト兄ちゃんが見守る。
少し前まではあれだけ居た仲間も、今やこの二人だけだ。
シャアやバーサーカーは現段階だと互いに敵対関係ではないが、向こうが聖杯を狙ってる以上は最終的にぶつかり合うことになるだろう。
「勇者、か……」
マコト兄ちゃんはハドラーの最期の言葉を思い出す。
勇ある者と書いて、勇者。それはタケルやアランにこそ相応しいとマコト兄ちゃんは考えるが、勇者と呼ばれること自体に悪い気はしない。
「魔王ハドラー。お前のその想い、確かに受け止めた」
ハドラーが言っていたアバンやダイという人間が、どんな者かは知らない。
しかしハドラーは自分を勇者と――英雄と言った。怒りや憎しみのない純粋な戦闘で互いの拳に想いを乗せ、殴り合った男の言葉だ。
だからそんな彼に恥じないためにも深海マコトは負けるわけにはいかない。強敵(とも)のために。
暫くしてチノと雲雀が目を覚ます。疲労が溜まっていたのか、チノは少しだけ起きるのが遅かった。
そしてマコト兄ちゃんと雲雀はチノから夢の内容を聞いた。
「マコトさん。雲雀さん。いよいよ最終局面です……」
「ああ。チノの夢の話を聞く限り、俺達とバーサーカーとそのマスター以外は向こうの島っていうことか」
チノとマコト兄ちゃんが真面目な会話をしている間、雲雀は何処吹く風か欠伸をしている。
「雲雀さん、真面目に聞いてください」
チノを無視して自由気ままに欠伸を終えると雲雀は入口付近へ視線を向けた。
「どうやら客が来たみたいだよ、小動物」
そして現れたのは、ホメロスだ。
ホメロスはチノ達に挨拶をすると、夢の内容を信じるならばこの島にいるサーヴァントはここに居るクリミナル、アサシンとシャアのサーヴァントであるバーサーカーのみだと話す
ホメロスとしては島の民が聖杯戦争に巻き込まれる状況は見過ごせず、なんとかしてこの戦争を終わらせたいと伝えた
「……どうする?チノ」
マコト兄ちゃんはチノに問い掛ける。
雲雀は無言で小動物を眺め、その返事を待っている。
マコト兄ちゃんはセイバーと正々堂々と戦ったからこそ、今のホメロスを信じていた。
雲雀はホメロスについて大して興味もないが、チノがどんな決断を下すのか興味を持った。……もちろん、ホメロスが下手な動きをしたらすぐに動く準備は出来ているのだが。
「少し迷いましたけど……わかりました。ホメロスさんに協力します」
こうしてチノ達とホメロスは同盟を組んだ。
その後ホメロスはシャアに連絡をするが、シャアとしてはチノのような少女を自分達と共に危険なレムリア島へ連れて行くことは気が進まない。
だが友人達の死を乗り越えて生き抜いているチノの覚悟を認め、同盟相手として共にレムリア島へ行くことを承諾。彼らは飛行艇の乗り場へ向かった。
チノに対して色々と思うところはあるが、クリミナルとアサシンという戦力自体は非常に心強い。なにしろ向こうの島にはフォーリナーが存在するのだ。
出来ればホメロスとアサシンに契約してほしいと考えるシャアだが、互いの性格的に難しそうだと思い、提案はしなかった
1584
:
名無しさん
:2022/03/19(土) 16:42:23
「ココアとキャスターはここで待ってろ。グリーンゴブリンは俺達が倒す」
それだけ言って、ピーターと巧は2人でグリーンゴブリンを倒すために行ってしまった。
残されたココアは、うろたえていた。
2人を心配する気持ちがある。
また、恥ずかしいが正直に言えば、マズルカがいるとはいえ4人から2人になってしまった心細さもある。
だが、1番大きな気持ちは、戸惑いだった。
てっきり、マスターとなった自分も一緒についてきて、マズルカと一緒に戦うよう言われると思っていたのだ。
しかし、2人は危険な戦いの場にココアを連れてはいかなかった。
「ルカちゃん。私達もピーターさんと巧さんを追いかけた方がいいかな?」
どうしよう、という不安からマズルカに尋ねる。
マズルカはきっと強い魔女だ。とココアは(特に根拠はないが)信じている。
しかし、マスターの自分は非力で、足手まといだ。
自分がいては逆に戦いにくいから来るなと、そういうことなのだろうか。ココアは不安になり尋ねる。
マズルカは思う。
きっと2人がココアを置いていったのは、ピーターとグリーンゴブリンの因縁とか、
一般人の少女を危険に晒したくない気持ちとか、色々あるのだろうが…。
一番の要因は、ココアの「心」が戦いに向いていない。そう思われているのだろう。
マズルカはフルネラ型人形を一体、人形兵を数体召喚してココアに会わせる。
外見は人間と変わらない人形達…。特に外見が幼く可愛いフルネラ型(根っこの性格はともかく…)にココアは目を輝かせる。
彼らはマズルカに忠実な人形達だが、心の無い存在ではなく、生物と殆ど変わらない存在であることを伝えた。
そしてココアに、自分が元の世界でどのような戦い方をしていたかを語る。
必要なら人形兵の捨て身の戦術や、生贄を使う自爆技も躊躇なく使ってきたこと。
オオガラスの手先と戦うため、今まで何百体もフルネラ型を生み出して戦わせ、死体の山ができたこと…。
そして、自分にはこの戦い方しかできないこと。
自分と戦いに赴くなら、人形兵達が傷つき倒れても、気にしてはいけないこと。
真剣なマズルカの話をココアは身を震わせながら聞いていた。
*要路歴程には魂が込められてないけど人形兵自体は人形素体を核とした魔法生物(マナニア)で厳密には人形ベースの生物に近い
要路歴程の魂の有無は艦これで例えるなら指揮官が自我のある人間かAIかみたいな違い。
個々の性格がある艦娘はどっちが指示しても忠実に動くけど人間(魂あり)のほうが臨機応変で強い…みたいな感じ
と解釈してます。
*原作では人形兵に心はあるのかとかそこらへん全くノータッチだったんでぶっちゃけよくわからない。
(性格とかあるし戦闘中のボイスもあるし人形兵同士の好感度とかはある)
1585
:
名無しさん
:2022/03/19(土) 16:54:47
>>1584
戸惑うココアにフルネラや人形兵達は「マズルカを信じて忠誠を誓っているからこそ捨て身の行動や自爆も出来る」と説明した
自分達を気に入り、心配してくれるには感謝する。だからこそマズルカやココアの役に立ちたい。
それがマズルカと人形達にとっての絆だ。
「……それがルカちゃんやフルネラちゃん、人形兵さん達の繋がりなんだね!」
誇り高きドラゴン使いと彼に仕えていたロボットを思い出す。
『見ておけ、ココア。これが決闘者の世界だ』
決闘者の世界。
それはあまりにも過酷なものだった。
オービタルはココアを守って死に、カイトも最期に銀河の如き煌めきを遺して散った。
しかし彼らは最期まで決して後悔していない。
『カイト様……。オイラの活躍、見てくれたでありますか……?』
『――よくやった、オービタル』
そういう絆もあるのだと、二人の勇姿が迷えるココアに道を示す。
だからココアはマズルカと人形達の在り方を否定しない。
カイトもオービタルが殺された時、闘志を燃え上がらせて切り札を放った。
オービタルを信じているからこそ彼の犠牲を無駄にせず、後へ繋いだ。
マズルカと人形達もきっと同じだ。悲しくても、苦しくても諦めずに前を向く。
それこそが――
「――かっとビングだよ、ルカちゃん!」
1586
:
名無しさん
:2022/03/19(土) 20:28:31
>>1581
、
>>1582
一方、ピーターvsゴブリンは互角の勝負だったな
本来の状態ならばサーヴァントであるゴブリンが優勢になるはずだが、先の戦闘による負傷および魔力も大量消耗、なおかつ二重契約によって魔力供給量も減ったことにより弱体化
片やピーターは万全の状態であり、マズルカから人形兵の武器を借りているため英霊ゴブリンに対してもある程度ダメージを通せるようになっている(ただし英霊の持つ神秘が強い武具よりかは威力は落ちるが)
またピーターのゴブリンに対する怒りがいつも以上の力を出しているため攻勢側に立っているが、仮にも英霊であるゴブリンは弱っていてもピーターに討ち取る隙を与えず、一進一退の攻防が繰り広げられていた
ただし、今その場で戦っているのはその二人だけではない
戦闘の最中にピーターはスパイダーセンスを感じて緊急回避、飛翔する凶弾を紙一重で躱す
その攻撃は再契約により魔力不足から解消されたレジィが仕掛けたものである、こちらも供給不足により全力は出せないが多少は戦うことはできる
さらにピーターは追撃によってゴブリンから引き離されてしまう、それを為したのは医者であった
今の彼女なら疑似禁薬によって超人的なパワーを獲得している、もしピーターとタイマンするならば戦闘技術の差によって劣るものの攻撃面ではあまり変わりない
蹴り飛ばされたピーターがすぐさま起きると超人一人と英霊二騎、一対三という状況になっていた
※ピーターvs医者達三人となりましたが、三人側は弱体化の影響もあるため戦力バランスは不明、戦い方は色々とあると思います
※ピーターの装備は戦術甲(篭手)が有力候補、ウェブシューターに干渉しないようにカスタマイズしているかもしれません
※次点ではシノブシが持っているとされる短剣のようなもの、あるいはマーベル側が好きそうな刀を装備していそう(デップースタイル?)
1587
:
名無しさん
:2022/03/19(土) 21:52:04
>>1582
自分を取り囲むように展開された無数の赤い光を目撃した瞬間、セフィロスは迷わず片翼の天使を使用した
セフィロスはファイズのことを知らないが、これらを一撃でも受けたら危ういと戦士の勘が告げている
マスターには負担を掛けるが、まだキャスターと戦闘した際の傷が完治したわけではないこの状態で直撃を受けることは避けたい。だが流石のセフィロスでも通常の状態でこれだけの数の必殺を対処することは困難を極める
だが片翼の天使で機動力が上がったセフィロスならば話は別だ。
クリムゾンスマッシュのロックのほとんどを正宗で弾き、対処。一つだけ取り逃してしまい、ファイズのクリムゾンスマッシュを真正面から受けることになるが――正宗を叩き付けることでファイズとセフィロスの両者がダメージを受け、その衝撃で弾き飛ばされる。
『Time out!』
同時にファイズアクセルのタイムリミットが訪れ、巧は通常のファイズに戻ってしまう。
「そんなの、ありかよ……!」
仮面で隠れて表情こそ見えないが、巧はセフィロスの圧倒的な強さに驚愕していた。
まさかアクセルフォームがこうも簡単に対処されるとは思わなかった。
セフィロスも相応のダメージを受けているが、仕留めきれなかったこと自体が巧にとっては驚きだ
1588
:
名無しさん
:2022/03/21(月) 01:59:23
>>1583
発着場に着いたチノ達だが、そこで思わぬ人物と出会う
正確にはホメロスとシャアが気付き、何故このタイミングでと思ったのだが
彼らを待ち構えていたのはムー島における統治者、国王ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタであった
1589
:
名無しさん
:2022/03/21(月) 08:30:06
ムスカはあくまで聖杯戦争と無関係を装い、
外遊から帰ってきたら島で事件が多発している事に
心を痛め、各地で調査をしている部下や兵士達の元へ出向き報告を受けている最中だと告げた。
(ちょうどゴブリンの爆弾で破壊された船が発着場に引き上げられていた)
ちなみにエレンやマコトは霊体化している。
シャアとホメロスはレムリア島と事件解決のため協力するための調整、などのあらかじめ用意していた理由を述べた。
ムスカは2人を激励し、自分の部下達も調査の為に同行させるよう命じた。
少しばかり面倒なことになったと思いつつも、ここで断るのも不自然であるし、
ムスカ帰還の時期やイメージ映像の分布からも聖杯戦争とは無関係であると考え、申し出を受けた2人あった。
ちなみにチノは緊張していた。王様が目の前にいるので当然の反応である。
ムスカは優しい王様といった体で鷹揚に接し、その場は何事もなく3人(とサーヴァント達)は出航する船に乗った。
ムスカの部下たちは軍人数名と、大きな無線機を背負った通信兵である。
(民間レベルでは普及してないが原始的な無線技術は一応できていた。)
この部下達はムスカの命令に忠実な兵士であり、いわば密偵である。
指示があればホメロス達を襲う事も辞さないし、草加の念話ではわからないレムリアの情報を把握したりするのに活用しようと考えている。
1590
:
名無しさん
:2022/03/21(月) 09:07:57
>>1589
ムスカとしては自分がマスターであると名乗った方が円滑にバーンの情報を教えられるのだが、イメージ映像で残りのサーヴァント数やクラスが判明していることが彼の思惑を邪魔していた
しかし草加の連絡通り、本気で聖杯を狙っている連中よりも安心して手を組めそうだ
本気で聖杯を狙う連中は利害の一致で動いている関係上、仲間であろうが蹴落とそうとする者もいる。前回の聖杯戦争にもそういう輩は居た
逆にこういう善寄りの連中こそ自分が裏切られるリスクは低いだろうとムスカは考え、部下達には身を呈してでも三人を守るように伝えてある
そうすることで彼らから信頼を得て、バーン討伐のために自分が正体を明かした時に怪しまれないようにする
それにムスカとしてはバーンを倒すまでは部下よりもサーヴァントを使役出来るマスター達の方がよっぽど貴重で大切だ。
部下はいくらでも替えがきくし、彼らが束になってもバーンを討伐することは出来ないのだから
ちなみに明らかに場違いなチノに対して何も言及していないことを部下に問われるが、ムスカは適当に理由付けをする。
「きっと彼らが護衛しているのだろう。少女が一人でいるよりも軍人が寄り添っていた方がよっぽど安心だ。他人の意志に言及するなんて、野暮だとは思わないのかね」
1591
:
名無しさん
:2022/03/21(月) 09:43:37
>>1587
オートバジンは多大な被害を受け、切り札のファイズアクセルすら対処された。
クリムゾンスマッシュを真正面から受けたセフィロスは負傷しているが、致命傷や深手を負わせたとは言い難い
片翼の天使で性能の上がったセフィロスが正宗で猛攻を仕掛ける。
巧もファイズエッジで対抗するが、剣士であるセフィロスには剣の技術が及ばない。そして単純なスペックすらもセフィロスに劣っている。
必然的にセフィロスがファイズを追い詰める形になるが、セフィロス側もクルーゼが消耗する。圧倒的な強さを誇るセフィロスだが燃費が悪く、マスターは魔力の消耗を強いられる。それが唯一の弱点だ
だがマスターの魔力が消耗しようともセフィロスは攻めの手を止めない。やがてファイズからベルトが外れ、巧は強制的に変身解除される。
勝った。セフィロスとクルーゼは勝利を確信し、巧に刃を向け――ライダーの姿が消えた。
いや、厳密にはライダーが謎の生き物に変身した。
予想外の展開にセフィロスとクルーゼは面食らうが、その瞬間にもウルフオルフェノク 疾走態と化した巧は行動を開始。クルーゼに攻撃を仕掛けるが、セフィロスが立ち塞がり正宗で受け止める。
咄嗟の判断で行動したセフィロスと先に動いた巧。この衝突の軍配はウルフオルフェノクに上がり、攻撃した勢いのままに拳を叩き込むと最後に強烈な蹴りをお見舞いし、セフィロスを吹っ飛ばす。
ちなみにセフィロスがクルーゼへの攻撃を防ぐことを想定して巧は動いていた。巧本人の性格上、マスター狙いは気が進まないが今回はあくまで敵に有効打を与えるためだ。
『おいピーター。こいつを……フォーリナーを倒すには奥の手を使うしかなさそうだ。……俺はどうすりゃいい?』
巧の念話に対してピーターは令呪で回答をする。全力でフォーリナーを倒せ、と。
巧の肉体に力が漲る。それは何故かピーターの令呪だけではなく、亡き木場にも力を与えられているような感覚だった。
「きっついなぁ、お前らの期待に応えるのは……」
フォーリナーをなんとかしなければグリーンゴブリンを倒すどころではない。ライダーが倒された瞬間、追い付いたフォーリナーによって均衡は崩されるだろう。
「……でも、いいぜ。俺がこの聖杯戦争(ひげき)をハッピーエンドに変えてやるよ!――変身!」
セフィロスが戻ってきた時、そこには赤いファイズが立っていた。
闇を切り裂き、光をもたらす救世主。ファイズ ブラスターフォーム――これぞ乾巧の全力を出した姿だ。
対するクルーゼも即座に令呪を使う。目の前のライダーを倒せ、と。
互いに令呪のブーストが掛かり、条件は五分五分。この場にライダーのマスターは存在せず、ライダーもクルーゼを狙う気はない。
サーヴァント同士がぶつかり合い、最後まで立っていた方が勝者だ
1592
:
名無しさん
:2022/03/21(月) 09:45:20
>>1250
ブラスターフォームへの変身によりファイズはパワー・防御・火力が向上し、アクセルフォームほどのスピードは出なくともセフィロスの攻撃に対応して応戦している
セフィロスは魔術を交えつつ片翼の天使により攻撃性と機動性が向上し、凄まじい火力を放つファイズブラスターにも対応して全力で挑む
互いに負傷し令呪も使い、戦闘においても互角である、ゆえに熾烈な戦いは膠着し数分が過ぎる
やがて互いの距離が離れて一呼吸ついたところで、一気に決着をつけるべく互いの魔力が上昇する
これ以上決め手に欠けたまま戦い続けてもマスターに負担を掛けるだけ、なので一気に敵を討ち取るべく必殺技を繰り出す
飛行能力を得たファイズブラスターは上空へと舞い上がり、そこから急降下して超強化クリムゾンスマッシュを放つ
一方、地上にいるセフィロスは居合いの構えをとり、クリムゾンスマッシュが目の前に迫った瞬間を狙って虚空を斬った
ファイズの周辺には濃縮フォトンブラッドが放出され、渦を巻きながら拡散される飛翔の蹴りは通常版よりも更に強力な破壊力をもたらす
その力の奔流は周囲の建造物をも破壊してしまう程に有り余る代物であり、たとえセフィロスが必殺技の打ち合いをしていてもそれを打ち破り彼を貫いていただろう
だが、この時セフィロスは宝具を開帳し、『悍ましき熾天の彼方(スーパーノヴァ)』を放っていた
その結果、仮面ライダーファイズはいつの間にか宇宙空間に放り出されており、彗星のような破壊天体によって数々の惑星が破壊される様を見せつけられる
さらに星喰いの流星は終息地である恒星、灼熱に満たされた太陽のような輝きの中に消え、続けて宇宙を破滅に導く超新星爆発が発生して観測者をも光の中に呑み込んだ
――むろん、この光景は人間という小さな視点では観測不可能なものであり、宝具によって歪曲された認識への暴力である
だが、自身のスケールを超越した超常現象を突如見せつけられた被対象には、そのような解釈を想起させることなどほぼ無理であっただろう
ともあれ、二騎の英霊が互いの奥義を放って交差した後に勝負はついた
普通なら死んでいてもおかしくないセフィロスが整然とした状態で立っており、数々のオーバーフローを起こし霊核を損傷した仮面ライダーファイズが膝を突いた後に地面へと倒れ伏してしまった
※自分的にはライダー・乾巧が脱落するつもりで書いています
※ファイズ未把握なのでググって設定を読んだり動画で必殺技を確認しましたが、ブラスターの超強化クリムゾンスマッシュだと円錐状のポインティングマーカーで目標をロックオン&拘束するかどうかを把握しきれませんでした
軽く映像を見ただけではロックせずとも攻撃していると判断して今回の内容で書きましたが、もし違っていたら修正します
1593
:
名無しさん
:2022/03/21(月) 09:49:03
>>1592
倒れ伏したファイズを一瞥するとセフィロスはピーターを対処するべきか気絶したクルーゼを抱えて撤退するべきか迷う。
セフィロスという規格外の存在は顕現しているだけでも魔力の消耗が激しい方なのに全力でぶつかったのだ。キャスター戦に続きまたしても気絶するのも仕方なく、セフィロスはそこを責めたりはしない。
とりあえずセフィロスはその場を去ろうとするが
「……どこに行くんだよ」
ライダーに声を掛けられた。
オーバーフローして倒れたはずの男が気力だけで再び立ち上がり、流石のセフィロスは驚く。
もしも木場勇治が脱落していなければ。ピーターがグリーンゴブリンを討伐しようとしていなければ。きっと巧はこのまま退場していた
だが木場が死に、ピーターの覚悟を見てしまった。ならば自分はここで引くわけにはいかない。
巧には背負っているものがあり、それが彼を強くする。先程の宝具を巧の精神力はギリギリのところで耐え切ったのだ
このまま楽に死なず、自ら率先して痛みを背負う彼を。希望という病に蝕まれてるライダーの姿をセフィロスは感慨深く見つめた
『……俺の方はそろそろ限界だ』
しかし巧はこの状況でセフィロスに勝てると思うほど、楽観的でもない。消耗し切った彼に勝つ手段は残されていない
『最後に令呪で俺に力をくれ。……こんな身体でも、時間稼ぎくらいは出来る』
ピーターはライダーの脱落がほぼ確定していることに歯噛みするも令呪を二画使う。まだ死なないでくれ、と。
自分が要求していた令呪とは違う内容に巧は笑った。ああ、こいつはそういう奴だったな……と。
自分も願いがあるのに聖杯を狙わず市民を守る。そんな心優しい男を巧はこう呼ぶ。
『お前みたいなやつをヒーローって言うのかもな』
――ヒーロー、と。
そして巧はセフィロスに食らいついた。勝ち目のない戦いだが、幸い負傷は多少マシになった。ピーターがグリーンゴブリンと決着をつけるまでくらいの時間稼ぎは出来る。なるべくピーターに負担を掛けないために、魔力の消耗は最低限にするつもりだ。
セフィロスはライダーの覚悟を認め、この場に留まると正宗を構えた。
度重なる魔力の酷使やマスターの状態を考慮して片翼の天使は使わない。だがそれでもライダーとフォーリナーの差は埋め難く、ほぼ間違いなくライダーは負けるだろう。
そんなこと巧はわかってる。それでも仲間のために勝ち目のない戦を再開させるしかない。
「俺の名前は乾巧。聖杯戦争らしく夢を言うなら……そうだな。世界中のみんなを幸せにすることだ!」
ライダーの名乗りに対してセフィロスも自分の真名を教える。それは強者の余裕か、はたまた戦士として多少はライダーに敬意のようなものを示したためか。
大前提としてライダーが今から自分に殺されるということも大きいが、もしかしたらセフィロスは乾巧という男を多少は認めたのかもしれない
そして彼らの他にも戦闘音を聞き、駆け付けた者がいる。草加雅人だ。
サイドバッシャーに跨っていた彼は、乾巧とフォーリナーの姿を視認すると付近に隠れて様子を眺めた。
あの薄汚いオルフェノクは相変わらず綺麗事を垂れ流しているようだが、あの様子では脱落も近いことを草加は察している。それでも最後まで彼の最期を見届けようとしたのは、腐れ縁だからか。はたまた乾巧というオルフェノクの死に様を拝みたいからか。
もちろんフォーリナーの情報を知りたいということもあるが、それよりも乾巧の存在に気持ちが沸き立つ
※乾巧の脱落はほぼ確定ですが、ピーターが決着をつけるまではセフィロスを食い止めることでしょう
※最後に草加が出てきたのは巧が死ぬ時にちょっと絡みを入れたいから。お互い認知せず、絡みもない状態で巧脱落はちょっともったいないというのもある
1594
:
名無しさん
:2022/03/21(月) 10:48:47
>>1586
三対一という不利な盤面で戦い続けるピーターだったがライダーが対峙している相手はかなりの強者であり、宝具の解放と令呪の使用をしなければならないほどであった
そして度重なる宝具の使用により発生する魔力消費はピーターの消耗を著しく起こす
戦い方をある程度把握してるグリーンゴブリンはともなく他2人の戦い方はあまり情報がない状況
均衡は確実に傾きつつあった
1595
:
名無しさん
:2022/03/21(月) 11:11:25
スーパーノヴァさえ食らわなければたっくんはセフィロスに勝ち目あったんだがなあ
クルーゼはこの戦いで令呪一画使っても魔力切れに陥ったし、ブラスターモードで持久戦を強いれば撤退には追い込めただろうに
ただその場合はピーターの魔力切れがもっと早くなるんでグリーン・ゴブリン達との戦いの結果も変わっただろうけど
1596
:
名無しさん
:2022/03/21(月) 15:40:20
>>1594
自分の体力が著しく消耗し、メイおばさんに続いてライダーまで失うことが確定してピーターは焦りから医者に標的を変えようか悩む
相手はサーヴァントだ。マスターさえ仕留めれば勝ったも同然。マスターを狙えば他のサーヴァントは間違いなく魔力の消耗も惜しまず本気でカバーに入るだろうが、焦燥感からそこまで考えが及ばない
そうしている間にも追い詰められていくピーター
『お前みたいなやつをヒーローって言うのかもな』
だがライダーからヒーローと呼ばれて、ピーターは冷静さを取り戻す。
今までグリーンゴブリンに対して頭に血が上っていたが『ヒーロー』として彼だけでも道連れにすることに決めた
他二人に対してはスパイダーセンスを駆使した回避に専念し、グリーンゴブリンのみを一点集中して狙う
1597
:
名無しさん
:2022/03/21(月) 15:42:49
グリーン・ゴブリンだけを狙うことを決意したピーターだったが、他の2人の攻撃を掻い潜りながらグリーン・ゴブリンを狙うのは並大抵のことではない。
追い詰められるピーター。
その時、周辺に魔力のある弓が数本降ってきた。
戦っているピーターと巧を助けようとココアが決意し、マズルカと共に馬車小屋で向かっていた。
そして射手(マッドラプター)の人形兵達が矢を放ったのだ。
しかし、その弓は戦闘中の4人とはやや離れたところに降り注いだ。
この時、ココア達は馬車小屋を(これも宝具の一部である)馬に引かせて戦闘の現場に向かっていたが、
まだその距離は数百mほども離れていた。
マッドラプターはボウガン状の武器を使用する。
ボウガンや弓の武器の特徴として、有効射程距離に比べて飛距離が非常に長いというものがある。
実際に動く的を狙い撃てる有効射程距離に対して、斜め45度で大きく弧を描いて飛ばせばその十倍の飛距離を叩き出せる。
当然、ここまで距離が離れている上に、走行する馬車の上からの射撃、更に曲射ではたとえ今が昼間だろうが当たるものではない。
弓兵のサーヴァントならもしかしたらそれでも可能なのかもしれないが、マッドラプターはたかが人形兵でしかない。
だが、マズルカは初めから当てるつもりはなかった。
これはあくまでピーター達と闘っている相手に対する威嚇やプレッシャー、そして彼らに加勢に向かっていると知らせるのが目的であった。
自分の存在を知られることで不意打ちのチャンスを失ったり、自分達の方に敵が向かってくるリスクもあった。
しかし、暗いうえに遠すぎて豆粒ほどにしか見えないが、飛び回るピーターとグリーンゴブリンのグライダーの炎などが見えたマズルカは
たとえピーターが強くともサーヴァントとサシで戦っている状況だとしたら長期戦は分が悪いと考え、遠方から牽制の弓を放ったのだった。
医者たちは数の優位があるとはいえ、あまりに消耗が激しい。
機動力に優れるピーターをこの場で瞬殺はできない。手間取っているうちに他のサーヴァントと戦ったら敗色は濃厚である。
真っ先にグリーン・ゴブリンがグライダーを具現化して逃げようとしたが、ピーターはそれを見逃さなかった。
ウェブシューターから発した糸を空中のグリーン・ゴブリンのグライダーに巻き付けた。
そして糸が引き千切れるまでに、まるで凧揚げのように空中で振り回し、本来は当たる筈のなかった降り注ぐ矢に当てることに成功。
当たり所が悪かったのかグライダーが破壊され、グリーン・ゴブリンは落下した。
グリーン・ゴブリンがグライダーを放棄して地面に着地した時にはレジィと医者は既に遠くへ離脱していた。
レジィは「アルターエゴを攻撃してはならない」「謀叛を懐いたら自害せよ」と令呪で縛られているが、
このグリーン・ゴブリンを見捨てる行動はレジィが攻撃しているわけではないし、
生命線であるマスターを守るという行動が謀叛になる筈もない(とレジィは認識している。)
横槍を入れていた2人が離脱し、ピーターと、グリーン・ゴブリンの一騎打ちが再開した。
1598
:
名無しさん
:2022/03/21(月) 16:45:45
>>1597
矢を放つ新手の敵、たぶん日中に戦ったであろうキャスター・マズルカがこの戦場に接近していると感じ取るセフィロス
そしてアルターエゴを置いて退却する様を確認して、セフィロスもまたこれ以上の戦闘より撤退を決める
幸い、一時的な魔力の過剰供給により少しだけ気絶していたクルーゼも微かに意識を取り戻し、彼もまた継続は厳しいと考えて撤退を選択する
セフィロスとしてもライダー・乾巧とは最後まで決着を着けたかったところだが、状況がやむ負えない
ゆえに、再起したファイズと戦っていたセフィロスはピーターの方に向けて刃状の衝撃波を放つ
ピーターはアルターエゴに集中している、たとえスパイダーセンスでも躱しきれない程の複数の刃が瞬時に迫る
その攻撃はピーターに届く前に、ボロボロのファイズが身を挺してマスターを守りきった
これは先ほどオルフェノクになった巧がクルーゼを狙った事への意趣返しでもあり、そう行動すると信頼していたセフィロスはすぐさまクルーゼと共に戦場から離れた
1599
:
名無しさん
:2022/03/21(月) 19:52:58
>>1598
医者達が逃亡する様子を見ていた草加は彼らが向かった方角をムスカに報告。レムリア島に密かに忍ばせていた部下に追跡させる。彼らが潜伏する場所を特定出来れば幸い。もしそれに失敗しても部下なんて所詮は捨て駒だ。草加やムスカにとって彼らの命なんてどうでも良い。
そしてセフィロスの強烈な攻撃によりファイズの変身が解除される。
ピーターの動きが一瞬だけ止まり、その隙にグリーンゴブリンは逃げようとするが何者かが乱入して彼に殴り掛かった。
予想外の一撃を受け、吹っ飛ばされたグリーンゴブリンはファイズと似た紫の戦士を睨み付ける。巧は自分がよく知る仲間の復活に目を見開いた。
「草加……!おまえ、どうして……」
「あの世から蘇ったのさ。……まさか君が聖杯戦争に参加しているとは。因果のようなものを感じるよ」
「お前のことだ。どうせ俺達を助けに来た……ってわけじゃないんだろ?」
「その通りだ、乾。俺は別に君を助けに駆け付けたわけじゃない。乾のマスター、この怪人は君の敵だろう?」
草加は地面に転がるグリーンゴブリンを乱暴に掴み、ピーターへ向けて投げつける。
ピーターは僅かに困惑するが「俺達のことは気にするな。戦え、ピーター!」とライダーに背中を押されグリーンゴブリンとの戦闘に集中する。
巧と草加が知り合い同士で争いそうでもないと判断しての行動だ。
「それでお前は何しに来たんだよ」
「今から死ぬ君には関係ない……と言いたいところだが、冥土の土産に教えてやる。ただの観戦だ」
「観戦なんてして何の意味があるんだよ」
「この聖杯戦争に潜む黒幕を倒すためにもフォーリナーのことを観察していた。ま、今から死ぬ君に教えても無意味なことだが」
巧の消耗はあまりにも激しい。このまま放置しても確実に死ぬ。
だから草加はグリーンゴブリンとピーターの戦いを眺めながら、死にかけの巧と会話をしていた
「黒幕だと?そんな奴がいるのかよ」
「ああ。大魔王バーンというやつが、この聖杯戦争の黒幕だ。俺は真理のためにあいつを倒す」
園田真理。巧と草加の共通した知り合いであり、草加が愛する者だ。
「真理もいるのかよ」
「君にそこまで教える義理はない。それにしても惨めな末路だなぁ、乾」
草加は巧の最期をほくそ笑むと彼の近くに落ちてたファイズギアを回収。新たな道具が手に入ったとムスカに連絡する。
「そうかよ。……俺はお前やあいつが平和を守ってくれるなら、それで良いと思ってるけどな」
草加の性格はよく知っている。だが彼が黒幕を倒すと言うのなら、このままファイズギアを託しても良いと思った。
大魔王バーンがどういうやつなのか。真理のためというのがどういう意味か理解出来ないが、草加の表情は真剣そのもので彼をよく知る巧から見ても本気でバーンを倒そうとしているのが伝わった
それにピーターというヒーローもいる。あのヒーローならきっとグリーンゴブリンを倒し、平和をもたらしてくれるだろう。
「協力してくれたことには感謝するよ。じゃ……後は俺に任せて、君には死んでもらおうかな」
「相変わらずひどいやつだな、おまえは」
以前と変わらぬ憎まれ口を叩く草加に巧は内心、少しだけ安心したような気がして。
「……もう死ぬなよ、草加」
最期にかつて失った仲間を想いながら、夢の守り人はその命を散らした
「君に言われるまでもないさ。俺は今度こそ生きて、真理を手に入れる……!」
自分と腐れ縁だったオルフェノクが消滅し、草加はその最期を見届けた
【乾巧(ライダー)@仮面ライダー555 死亡確認】
1600
:
名無しさん
:2022/03/21(月) 21:00:11
ピーターとグリーン・ゴブリンの最後の戦いが始まった。
ピーターは宿敵をこの場で全力で倒すために突っ込んでいく。
グリーン・ゴブリンも逃げようとうすればどうせ乱入者の男(草加)に捕まると一瞬で判断。
この場でピーターから殺す方針に切り替える。
第一手
ピーターはスパイダーウェブを周囲の木々に貼り付け高速でゴブリンの元に跳躍。
すると墜落していたグライダーが、ゴブリンの遠隔操作によって方向を変えて銃撃を放った。
ピーターは左手に装着していた戦術甲(篭手)でこれをなんとかガード。
弾を打ち尽くしたのか魔力切れか、グライダーは停止したが攻撃を受けた戦術甲は砕け散ってしまった。
第二手
ゴブリンはグローブから高圧電流を発射しようと指をピーターに向けるが、
その一瞬前にピーターが投擲した短剣がゴブリンの手ごとグローブを貫通し、ショートした。
ゴブリンは呻きながらも短剣を抜き取り、ピーターが拾えないよう遠くに投げ捨てる。
これでピーターがマズルカから貰った武器は全て失われてしまった。
第三手
ゴブリンは対抗手段が無くなったピーターにトドメとばかりにパンプキンボムを投げつけた。
ピーターは防御もせず、後退することもなく、とにかくゴブリンの元へ飛んだ。
ボムを紙一重で躱して追い抜いた次の瞬間、背後でボムが爆発し、スーツ越しにピーターの背中を熱と衝撃が襲う。
その爆風の速度まで乗せてピーターはゴブリンの元に到達する。
第四手
ゴブリンにとってここまで接近されるのは想定外で焦りが生まれた。
今までの疲労や魔力切れ間近ということもあり、サーヴァントとしての腕力だけでピーターを仕留めるのは最早難しい。
負傷していないほうの腕をピーターに向けて有毒ガスを噴出する装置を起動した。
ピーターは噴出直前にゴブリンの腕を掴んで違う方向に向けた。ガスがあらぬ方向へ噴出される。
しかしこれは直撃を免れたというだけ。数秒もすればガスが一帯に充満してピーターは意識を失うだろう。
第五手
ピーターは掴んだ腕を全力で振り回してゴブリンを投げ飛ばした。
ゴブリンは超人的な身体能力を持つが体重が数十トンもあるわけではない。
超人的なパワーを持つピーターなら投げ飛ばすことは可能だ。
ゴブリンは内心でせせら笑う。自分から詰めた距離を離すとはバカな奴だ。
しかしその直後ピーターの狙いに気付いた。
それとほぼ同時だった。
墜落したゴブリンのグライダー。魔力で構成されている、その鋭角に尖った機体に腹を貫かれた。
気付いた時には既に遅し、グライダーの実体化を解く暇もなかった。
*グリーン・ゴブリンは大ダメージを受けました。令呪もなく、間もなく霊基消滅するでしょう。
1601
:
名無しさん
:2022/03/23(水) 11:34:06
>>1600
グライダーの仕込みカッターに貫かれたグリーン・ゴブリンの断絶魔の叫びが大きく響く
連戦による魔力不足やマスターからの魔力供給が滞り、この一撃によって霊基維持の限界に達してしまった
その様は、生前にスパイダーマンを騙し討ちしようとして躱された挙げ句自身に凶刃が突き刺さった時と同じく
最後まで足掻こうとしていた身体もすぐに力尽きてしまい、輝きとなって崩れ落ちる寸前、それはノーマンの表情で一言だけ呟いた
“本当に、すまない…ピーター……”
こうしてアルターエゴの霊基は消滅した
ノーマンが最期に残した言葉の意味は何なのか、誰にも計りかねない
なぜなら、ノーマンとピーターは異なるマルチバースの出身であるため、「メイおばさんを殺した」という出来事を共有しているとは限らないのだ
特に、ノーマン側は覆面状態で目の前にいるスパイダーマンが別宇宙のピーターであることを気付いていない可能性もありえる
あるいは、時空を超えたそれらの記憶も英霊の座に記録されているならば――なんであれ、やはり最期の言葉については、その真意は誰にも分からないことだ
それでも、その言葉を聞いてしまったピーターの心境はとても複雑であった
本来ならば、凶悪な人格に蝕まれたノーマンを助けたいと思って彼と関わったのだ
それを裏切られて、愛する人を奪われて、復讐心でここまで頑張ってきたが、事が終わった後には達成感も薄く空しさも感じていた
結局、彼を助けるどころか感情的に倒してしまい、挙げ句失われたものの多さに今更ながら気付き、ピーターの心が晴れることなどあり得なかった
【ノーマン・オズボーン/グリーン・ゴブリン@スパイダーマン(ライミ版) 霊基消滅】
1602
:
名無しさん
:2022/03/23(水) 13:27:45
もしたっくんがセフィロスに食い下がれていればクルーゼ組に悠々と撤退させることは無かっただろうけど、そうなると今度はピーターが魔力切れでグリーン・ゴブリンに押し切られてただろう
どちらにせよたっくんの消滅は避けられない状態だったけどマスターだけでも生き残らせる展開にはなった
幸か不幸か草加が接触したけれど……
1603
:
名無しさん
:2022/03/23(水) 22:58:23
戦闘から離脱した医者とレジィ、クルーゼとセフィロスは太陽が昇る前に再び出会った。
医者はとにかく離脱を優先して距離を稼ぐことを優先していたが、
クルーゼとセフィロスの軍人と武人のコンビが撤退しながらも医者の逃走ルートを予見して先回りしていた。
レジィもそれに気づき、警戒しながら医者と一緒に接触する。
疲弊したクルーゼ達にも医者達にも戦意は無く、
同盟の確認と今後について話し合うつもりだった。
知っている主従についての情報交換や自分達を敵視しているであろう敵への対処など、
今後の方針を話し合い、その場は解散した。
クルーゼは今にも倒れ込みそうなくらい消耗しているのだが、表面上は全くそんな素振りを見せなかった。(医者には気付かれていたが)
離れていくクルーゼとセフィロスの背を眺めながら医者がレジィに語りかける。
「キャスター。」
「どうした。」
+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜
「そのマスターを殺しなさい!」
「わかった!」
医者の指示でキャスターが攻撃を放つ!
「なっ貴様ら裏切ったな!フォーリナー!」
クルーゼは動揺し、フォーリナーが実体化してレジィの猛攻撃に対処する。
フォーリナーとクルーゼの距離が離れた途端、医者が強化された身体能力でクルーゼに肉薄した
「な、なんだその速さはぁ!ぎゃぼ!!!!」
人間離れした医者のスピードにクルーゼは何もできず首をへし折られた
「貴様らぁ!!よくもマスターを!!」
「おっと!」
怒り狂うフォーリナーだがマスターが死んだことでどんどん力が抜けていく。そこにキャスターが追加の攻撃を加える!
「ぐあああ…こ、この私がこんな醜態をおおお…」
倒れ込んだフォーリナーをいたぶるように攻撃!攻撃!攻撃!
フォーリナーはただ転がって呻くしかできない!
あんなに強かったフォーリナーもこうなってしまってはどうにもできない。
そんなフォーリナーに医者は消えたくなければ自分のサーヴァントになれと告げる。
フォーリナーは歯噛みしながら医者に忠誠を誓うのだった。
強力なサーヴァントを2体従えた医者。勝利の前祝いのように頭上の雲が割れ差し込んだ光が彼女を照らす。
どこからともなくファンファーレが鳴り響き、グライダーに乗ったグリーンゴブリンが頭上で紙吹雪を撒いていた。
+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜+゜*。:゜
「……っ?」(今のは…何?)
「おい?」
既にクルーゼの背は遠く、小さくなっていた。怪訝な顔をするキャスターに医者は応じる。
「…昨日から連戦続きで消耗が酷いし、眠いわ。とりあえず寝床を探しましょう。」
(…白昼夢?昨日から碌に寝ていないのが祟ったのかしら…。医者の不養生で敗退なんて笑えないわ。一旦休息を取りましょう。)
医者はグリーンゴブリンに宝具にもなった禁薬の作り方や化学式を教えてもらい、科学的に調合して擬似禁薬を作り出し、自分に注射した
この中世的な天空都市という環境では、オリジナルの禁薬には遥かに及ばない劣化版しか作れないが、それでも喧嘩宿や殺人鬼、処刑課などの超人達に匹敵する身体能力を獲得した
元の世界の超人達のような格闘術や殺人術までは模倣できないので直接の殴り合いには彼らに一歩劣るが、それでも強者相手に対応できて殺人医術を使える医者へとグレードアップした
ちなみに元の禁薬だと凶悪な二重人格が生まれるはずだが、劣化版だからか、あるいは元から凶悪な犯罪者であるアクダマであるからか、特に性格の変化は見られなかった
本当に?
* 擬似禁薬の副作用として医者の精神面に影響が出始めました
いきなり二重人格になることは(多分)ありませんが身体的・精神的にプレッシャーのかかる状況下で
普段のような冷静な判断から逸脱した行動をとる可能性が高まります。
(原因は時間がなく治研の不十分、
ここまで医者が自身の体力を消耗したり生命力と密接な魔力の消耗に追い込まれたコンディションを想定できなかった
グリーンゴブリンもわざわざリスクを説明しなかった等が考えられる)
1604
:
名無しさん
:2022/03/24(木) 01:36:59
>>1601
グリーンゴブリンが消滅したのを確認して、草加はピーターに駆け寄る。
「君が乾のマスターか。まさか彼がここで死ぬとは……本当に残念だよ」
厄介な敵が減ったことに内心喜ぶ草加だが、表面上は巧の死を惜しむような演技をする
その表情は本当に巧の死を悲しんでいるようであり、ピーターは彼を疑わなかった。実際巧の死には多少思うところもあり、それが草加の演技をより精巧にしていた。
ちなみに目先の敵よりも巧を看取ることを優先した件についてピーターは何も言及しなかった。知り合い同士で最後に何かを語らったのだろうと納得している。
「この形見は俺が貰ってもいいかな?乾のやつに、託されたんだ……」
草加が回収したファイズギアをピーターに見せる。
ファイズブラスターやファイズアクセルは巧と共に消滅してしまったが、予備のベルトを持っておいて損はない。無論、他人にカイザギアを渡す気はないが万が一のことがある。ファイズやカイザは多少ベルトが外れやすいという弱点も草加は熟知していた
それから二人は互いの情報を交換し、暫くするとココア達もやってきた
1605
:
名無しさん
:2022/03/24(木) 05:43:21
四日目の深夜、詳細不明の場所
そこは神殿のような石造りの構造物の内部であり、複数の光源が灯る厳格な聖域のようにも感じられる場所だった
中央には魔法陣によって封じられた大魔王バーンの巨躯があり、その近くには台座とチェス盤らしき物が置かれている
8×8の市松模様のような盤面は同じなのだが、チェスの駒々とは違い聖杯戦争に召喚されたクラスを模した駒が置かれている
それは以前に大魔王バーンが用意した魔導具であり、彼が封印された後でも聖杯戦争の進行に合せるように駒を動かす術式が組み込まれていた
現在、盤外には倒された駒が8騎、盤上には現存する駒が8騎が残っているが、やがて盤上の駒が2騎、ライダーとアルターエゴの脱落に呼応して盤面の外へとはじき出された
その瞬間から、大魔王バーンの封印に変化が生じる
脱落したサーヴァント9騎分の魂、その膨大な魔力がバーンを封じる魔法陣に干渉して徐々に消し去る
さらに1騎分の魂は何処かに隠されている聖杯へとくべられて、ここから本当の聖杯戦争が開幕する
※バーンは即座に解放されてもいいし、朝や昼になるまで徐々に解けていくでもいいです
※封印が解かれた後はリレミトで野外に出て、ルーラで要所に移動するかもです
1606
:
名無しさん
:2022/03/24(木) 07:56:24
たっくんは知らないけど木場の仇をピーターが討ったんだな
ついに一度も会うことなく退場した二人だけど奇妙な縁を感じる
1607
:
名無しさん
:2022/03/24(木) 10:12:55
セフィロスと巧の戦いを眺めてた草加はクルーゼがフォーリナーのマスターだということやフォーリナーの真名がセフィロスだということもムスカに伝えていた
ちなみにクルーゼという名前までは草加に特定出来なかったが、特徴的な仮面のせいでムスカによってすぐに特定された
1608
:
名無しさん
:2022/03/24(木) 10:13:28
草加からライダーとアルターエゴの脱落を聞いたムスカは高笑いしていた
これで一気にサーヴァントは減り、バーンが復活する頃合いだ
これで計画の第一段階は完了した。
後はバーンを倒すのみだが、ほとんど傍観していただけの第一段階と比べてかなりの苦戦を強いられるだろう
ムスカは護身用に部下を引き連れ、レムリア島に向かった。自分だけここに留まりバーンからマスター狙いでもされたらたまったものではない
1609
:
名無しさん
:2022/03/24(木) 11:35:27
>>1608
はムスカがシャア達を見送った後の出来事でいいかな?
ライダーとアルターエゴの脱落は少なくとも日が昇る前だと個人的には認識しているが、草加側の事情で報告が遅れたってことかな?
もしくは自分の認識を改めてレムリア側の戦闘終了が朝方でもいいけど
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