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番外企画スレ

1410名無しさん:2022/02/17(木) 01:20:04
(間違った、ごめん)

1411名無しさん:2022/02/17(木) 07:40:46
爆破テロ事件が起きた翌日の午前、憲兵が敷地内に駐在する戒厳令下の学校に登校する虎杖を胡桃は密かに観察していた
昨晩、キャスターと同盟を結んだ胡桃は彼女からリアルタイムな情報を貰っていた
一つは隣町で爆破テロが発生していたこと、もう一つは虎杖から不穏な気配を感じてマスターではないかと疑っていること
仲の良いあいつが実はマスターなのではという疑惑にも少し動揺を覚えた胡桃は、次の日の学校にて彼が何かしらの素振りを見せないかと注目していた
本当なら本人に直接聞いて自分の素性も明かすのが一番手っ取り早いが、さすがに今のこの関係を崩して前に進む程の勇気は持てなかった
結局、サーヴァントと直接接触する場面か令呪を宿しているのを見なければマスターであるかどうかは判別できないのだが…

「なんだよ胡桃、今日俺のことばっか見てねーか?」
「うーん、べつにー」
(…明さんに見てもらった方がいいかな、これ)


※念のため、>>1394の前の話なので虎杖達はマズルカ達に襲撃されていないしまりなのことをを知らないです

1412名無しさん:2022/02/17(木) 09:02:57
兵士に追われるチノは霊体化したマコト兄ちゃんに励まされながら逃げる
その途中に炭治郎と出会う。炭治郎はチノの名前も聞かずに事態を把握できずとも
とりあえずチノを兵士の目から隠してやる
しかし兵士の数は多く追っての手が迫る
そこに屋内に2人を引き込む住人が。
屋内に2人を引き込んでかくまったモブ住人は兵士に追われる2人が生贄にされると思ったらしい

要約するとこの島の祭りはたいていは普通の祭りだが数十年に一度になぜか人が多く死んだり事件が起こる年があり
その時には裏で兵士の一部やならず者が人狩りをしたり島内で軽微な罪で捕まったものが獄中で死んだり処刑されたり、
島外から人が連れ込まれてどこかに連れていかれるのを見た人がいたりときな臭いらしい
ちなみにギャングと半グレについてだが
ギャングには最近ディアボロという姿を見せないボスが支配してるすごくワルのギャングとレストランをシマにしてたようなマシなギャングがいて
半グレはすごくワルのギャングと手を組んで人身売買をやってるという噂らしい

1413名無しさん:2022/02/17(木) 10:44:09
>>1404の直後、>>1412の前)
憲兵二人が突如として自分に迫り寄り、店主から逃げろと言われ、元々怯えていたチノはどうすればいいか分からずその場に硬直してしまった
これはマズイと感じたマコトは実体化して憲兵達の足を払うことで転倒させて、チノの手を取ってその場から逃げることにした
できれば人の往来がある場所で目立つ行為はやりたくなかったマコトだが、この時はマスターの危機を回避するためにやむを得ず行動に移したのだった
逃げながらマコトは憲兵の追跡の他にこの原因を作った犯人、および他のサーヴァントによる追跡や追撃がないか強く警戒する

ちなみにチノとマコトが逃げた後に喫茶店の店主が憲兵達に拘束されて連行される
さらにこの件はホメロス司令に報告され、突如と表れた男と逃げた少女がマスターとサーヴァントではないかと検討を付けていた

1414名無しさん:2022/02/17(木) 11:01:07
軍事基地の敷地内にいたイーサンも半グレ集団の組織的基地襲撃に巻き込まれていたな
自衛のために工具だったり銃を使ったが、この世界だと単発式の鉄砲ばかりでハンドガンとかに慣れていたイーサンは悪態をつきながら奮闘する
それでもゴロツキ共の勢いが強くて自衛が間に合わなさそうな時に、なんとスパイダーマンが現れて暴漢達を撃退してイーサンを救ったな
その直後にDボゥイも合流してスパイダーマンは去っていった
(ちなみにだがゴロツキ程度ならDボゥイでも対処可能であり、「無力の殻」によって鯖であることをピーターに露見していない)

一方、軍事基地が本格的に襲撃を受けた際にシャアは非常用避難通路を移動していた
来賓に不測の事態があってはならないとクルーゼが部下数人を護衛に付けて指示したことであり、シャアもその場の流れに合わせて避難することにした
だが、避難の最中に半グレ集団と遭遇してしまい応戦した兵士達がやられてしまう
そのままシャアにも襲い掛かる暴漢達だったが、そこでエレンが割って入り、敵の数の多さもあって巨人化する

1415名無しさん:2022/02/17(木) 11:09:17
かくまわれたタイミングで初めて炭治郎は目の前のチノちゃんがココアの探していた相手だと気づくれど、さすがにレムリア島に連れて行くことはできないのが辛いところ
炭を運ぶ仕事だから戒厳令下でもムー島に簡単に入れて町中を歩けるけれどふつうはそうはいかない
ましてやお尋ね者ならなおさらで、近くの家々への聞き込みからこの家を特定される恐れも高まっていく
やむなく炭治郎は一度レムリア島に戻ってココアに相談して翌日なんとかチノちゃんを密出島させて、その間チノちゃんは変装してどこかの宿屋にでも止まることになったのだが……

(温泉と花の匂いでわかりにくいけれど、この臭いは鬼か? 違う、でもなんだろう、似ている……動物を燃した灰みたいな……)
「あの、どうされました?」
「あ、いえ。この辺りで宿をとろうと思っているんですけれど、なかなか見つからなくて。」
「まあ! それならうちへどうぞ。」

臭いを追って出会ったのはおっこだった

1416名無しさん:2022/02/17(木) 11:26:12
>>1415
チノと木場が知り合いになっていたから宿屋に匿うのもスムーズにいったな
ちなみにこの時はマコトも実体化して会話に入っていたが炭治郎は一気に2騎も現われて面を喰らっていたな(雲雀はその時外で斥候していたし)

1417名無しさん:2022/02/17(木) 12:14:38
>>1401
レムリア島とほぼ同時にムー島でも相馬の半グレ集団による暴動が発生
混乱が起こるも戒厳令下で厳戒態勢を敷いていたことが功を奏してレムリア側ほどの被害は出ずに程なく軍によって暴動は鎮圧
ホメロス司令は戒厳令に不満のある民衆に対して改めてその必要性を強調するとともにレムリア島に救援部隊を送ることを発表する
その目的は今回の一件でレムリア側に恩を売りムー側の軍をレムリアにも動かせる口実をつけるためである

1418名無しさん:2022/02/17(木) 16:22:00
雲雀はテロ事件の情報収集をする際、原作みたいに街の不良達をまとめ上げてるんだよね
雲雀本人にテロ事件を調査する能力自体は一切ないが、情報収集では数が即ち強さとなる。
そして雲雀の元に次々と情報が集まっていく…

1419名無しさん:2022/02/17(木) 17:07:15
>>1414
進撃の巨人が目の前に現われたことでその場にいた半グレの一団も身が竦み、怯え、腰を抜かすか這うように逃げるかの二択となったが、結局はバーサーカーによって駆逐された

「さすが…荒ぶる巨人、バーサーカーと言ったところか」
(マスター、サーヴァントの気配が複数ある。少なくとも表の奴らには補足されただろう。とにかく、これから打って出る)
「……やむを得ない、か。分かった、私は安全な所に避難する。お前も無理するな、バーサーカー」
(ああ)

一方、軍事基地の至る処で戦闘が発生する中、スパイダーマンとファイズは暴徒達を無力化するために各所を奔走していた
最初は暴動騒ぎに対して色々と悩みながらも傷付き人が死ぬのを止めたいと思ったピーターがライダーに頼み、各々でこの騒動の鎮圧に奮闘していたのだ
この二人の行動である程度戦況が変わり劣勢となった半グレ集団が退却を考え始めた頃、突如として現われた巨人に皆の目が奪われて喧噪が一瞬だけ止まった
そして巨人はファイズに向かって走り出し、その息の根を止めるべく圧倒的な破壊を振りまき始めた

1420名無しさん:2022/02/17(木) 17:46:32
アサシン達の指示に従わざる負えないジゼルは渋々緑の怪人と人形使いの手掛かりを探していたが、その途中で気が狂ったマスターの無駄な指示(>>1404>>1408)によりかなりのフラストレーションが溜まっていた
しかし喫茶店から遠く離れた高所からアーチャーとしての視力でもって事の顛末を見ていたら標的を守るように英霊が現われた、この思わぬ所から魚が釣れた事にはジゼルも驚きを隠せなかった
なんとも言えない気分になりながらもジゼルは気配が感知されにくい遠くから追尾することを一瞬考えたが、そこへ医者が現われて彼の思考に待ったを掛けた
彼女は隠れていた主従を見つけた事を褒めて使わしつつ、アーチャーには引き続き調査を続けるように指示、追って連絡すると言い残して姿を消した

一方、ドッピオは逃げた少女を巧みに追跡していた
最初はアーチャー達の監視をしていたのだが、喫茶店に死体を置いていくという行動を取った時には怪訝に感じ、そのうちマスターらしき少女を窮地に貶めてサーヴァントの有無を確認するための作戦である、ということを理解した
そのためディアボロは医者を弓兵の元に向かわせ、ドッピオに喫茶店の少女を追跡するように指示を出し、最終的に宿屋に逃げ込むのを確認して2騎のサーヴァントが存在することを把握した
その後この状況をどうするかボスと医者は協議し、夜になったらアーチャーを囮に2騎の英霊を表におびき出してその隙にマスター暗殺を試みる作戦を練り上げる

1421名無しさん:2022/02/17(木) 19:16:45
>>1414
レジィの宝具で武装しているとはいえライフルや爆弾の他は剣とかの武器がせいぜいだったのが半グレの限界だな
少人数のグループで町を警戒している兵隊は殺せて略奪できても本格的な基地となるとさすがに苦しい
とはいえマスターを殺すには充分な量と質で、シャアを守るために立体機動装置での戦闘を封じられたエレンなんかは巨人化に追い詰められたんだが、さすがにスパイダーマンとなると話が別か

1422名無しさん:2022/02/17(木) 19:27:26
レムリア島での半グレ集団の暴動は被害甚大ながらも統率された軍によって確実に鎮圧されつつあった
じきに収まるとクルーゼは判断していたが、基地内に侵入者が入り込んだらしい
どうやら警報も間もなく衛兵が手際よく殺されているようだったが、一流の軍事と武人の勘でもって
クルーゼ&セフィロスは侵入者の進路に先回りする。

「おやおや、マイッタね。コッソリお邪魔したつもりなんだが。
 軍の役職持ちのマスターなんて反則じゃないかい?」
今まさに軍の契約書関係が置かれている部屋に入ろうとしていたのは過去の呪術師レジィ・スター
相手の目的が契約書と知っているわけではないクルーゼ達は意図を掴みかねるが、意図が掴めないからこそこの場で何かをする前に叩き潰すと即断。
レジィもここでまで来て引き下がって万一狙いを悟られ契約書を破棄されるわけにはいかない
軍事基地内での戦闘が始まった。
(レジィのマスターの相馬和樹もいるかは今後の語り次第)

1423名無しさん:2022/02/17(木) 22:08:08
雲雀の配下となった不良達の中には事件に巻き込まれたギャングと繋がりがある者も居た。
彼は爆破テロからなんとか生き延びたギャングから「突然爆弾のようなものが投げ込まれて、気付いたら大惨事になっていた」ということを聞かされる

ギャングと繋がりのある不良は街で最強の不良である雲雀に対する忠誠心。そしてなによりも自分の親しい者を傷付けられたことに怒り、それでも自分ではどうしようも出来ないから雲雀に情報を渡し、犯人を倒して欲しいと頼み込む。

不良の必死の形相はどう見ても演技などではなく、この事件は何か裏があると雲雀は確信する。

「いいよ。その小動物は僕が咬み殺す」

雲雀はそれだけ返事をすると、炭治郎の居る場所へ帰還した。

「アサシンさん!」
「事件の真相がわかったよ、小動物」

それからマコト兄ちゃん、チノ、木場、おっこも交えて自分の入手した情報を炭治郎に聞かせる。
雲雀からしてみたら他のサーヴァントと戦う絶好の機会であったが、炭治郎の揺るがぬ信念に免じて今は後回しにする。

なにより炭治郎ならば爆弾を投げ込んだ小動物に立ち向かう『覚悟』があると雲雀は信用していた

1424名無しさん:2022/02/18(金) 01:17:02
暴動の時のマズルカ組だが、虎杖襲撃による人形損失やフルネラ型数体喪失、バッターの武器錬成、休息などがあり
暴動とは無縁な人の少ない閑静な場所に引っ込んでいた。
フルネラ型も全て人の多い場所からは引き揚げている。
これはこの世界と、マズルカが若い頃の民衆による魔女への迫害があった中世的な世界が近い雰囲気を持っており、
(補足すると王宮お抱え魔女がいたり箔をつけるために魔女と結婚する領主などもいたりはしたが)
長い人生経験から集団パニックの恐ろしさを知っていたからだった。
ただの暴動に巻き込まれてフルネラ型が破壊され、大袈裟でもなくパニックより少女狩りのような事態が起こる可能性さえあると考えていた。
そういうわけで軍と半グレがドンパチやっている間、マズルカ達は馬車小屋でおイモたっぷりのポトフをモグモグしていたのだった。

1425名無しさん:2022/02/18(金) 01:40:33
>>1415
当時の読み手から「箱に入れて背負えよ」言われてちょっとワロタ

1426名無しさん:2022/02/18(金) 06:05:25
>>1424
(半グレ集団の暴動は二日目の日中で虎杖への強襲は二日目の夜だから、暴動時には虎杖関係は発生してないと思う)

1427名無しさん:2022/02/18(金) 08:47:17
>>1426
(そうなのか、、、なら人形損耗関係はカットで集団パニックから距離をとってた部分だけで。)

1428名無しさん:2022/02/18(金) 08:52:57
>>1427だけど何も動かなかったと断定するくらいなら何してたか不明ぐらいぐらいにしてた方が融通効きそうなのでやはり破棄します。)

1429名無しさん:2022/02/18(金) 21:11:11
>>1423
雲雀の情報を聴いた後、炭治郎は悩みながらも当初の予定通りココアに報告するためにレムリア島に一度戻ることにした
危機的状況になっているチノを置いていく事に気が引けていたが、自分達以外にもサーヴァントが2騎もいて宿屋の若女将も彼女を匿ってくれるため、自分がいなくても安全性は高いと判断した
そうとなれば日も下り飛空挺の最終便が出るのも時間の問題であるため、炭治郎は新たにできた仲間達にお願いして宿屋から急いで出立した

1430名無しさん:2022/02/19(土) 13:25:15
>>1419
巨人化してすぐにその場で暴れた(進路上にいた半グレ集団を駆逐した)あとにファイズに襲いかかるエレンだが、その視認しやすい巨躯や急激な霊基増大に半グレ駆逐の一工程の差で巧は状況把握が間に合い、自分に向かってくる巨人の攻撃を躱すことに成功する
だが巨躯による獰猛さではファイズのパワーでは敵わず逃げに徹するしかなく、その途中でライダーの危機的状況を打破すべくスパイダーマンがウェブ(糸)を大量射出して巨人の動きを止めようとするが、巨人の怪力を前に殆ど意味をなさなかった
さらにこの自由を奪う行為に対してエレンの狂化発動、凶暴性が増して逃げに徹するピーターのコンビはジョジョに追い詰められていく

そこへ救世主現る、先程マスターを助けてくれた恩人と半グレ集団の無力化に尽力するライダーを助けるべくテッカマンブレードが加勢して戦況が変化する
機動性があり空中飛行も可能、パワーも充分にあるブレードに翻弄される進撃の巨人だが、逆に巨躯から出るパワーと肉厚さ、再生能力を前にしてはブレードの格闘戦も有効打にはならなかった
これ以上戦闘を長引かせて基地や人命にさらなる被害が出る、これをよしとしないファイズとブレードは共闘して巨人に対処、さらにブレードは宝具で仕留めることを伝えて巨人の動きを一瞬止めてほしいとお願いする
そしてブレードがテックランサーで切り刻んでは巨人がそちらの対処におわれている隙にファイズが巨人の顔にライダーキックを決めて一瞬動きを止めた、そのチャンスを逃さずブレードは宝具『響け、我が魂の咆哮よ(ボルテッカ)』を解き放ち巨人の土手っ腹に風穴を開けたのだった
これには流石の巨人も致命傷であり崩れ倒れる、一方宝具使用によりテッカマンブレードも変身が解けて急激な空腹に苛まれていた

動けぬDボゥイ、いや相羽タカヤの元に駆けつけるファイズとイーサン、高所からその光景を見つめているピーター
誰もが戦いが終わったと安心しきっていたところで、沈黙していた進撃の巨人の目が再び闘志の炎で燃え盛っていた
同じタイミングでスパイダーセンスを感じたピーターが三人に叫ぶがすでに遅く、上半身のみの巨人が「鉄槌の巨人」の能力を行使して硬質化した無数の槍で地面や建物を埋め尽くした
この攻撃によって相羽タカヤおよびイーサンは致命傷となり、仮面ライダーファイズは辛うじて防げたもののダメージにより変身が解けてしまう
そしてエレンは巨人化を解除、高熱により発生した蒸気を隠れ蓑に戦線を離脱した


【イーサン・ウィンターズ@バイオハザード ヴィレッジ 死亡確認】
【相羽タカヤ/テッカマンブレード@宇宙の騎士テッカマンブレードⅡ 死亡確認】

1431名無しさん:2022/02/19(土) 15:49:30
>>1422
レジィvsセフィロスの戦闘を遠巻きに見ながら、不敵な笑みをこぼす男、相馬和樹。
暫くは傍観していたが、キャスターの形勢不利を見るや否や、動き出す。

「…そろそろ作戦も大詰めだなぁ…
だが、こっからが正念場だ。キャスター、しくじるなよ?」
ぼそり、と呟くとメガホンを構え、戦場へと声を出す。

「ほら皆、行けよ!」
その声と同時に、ガソリンや銃火器等を持った20人程の集団が戦場に押し掛ける。

「伏兵…まだ居たか!」
「狙いはあの仮面の男だ!皆逃がすな!」
突然の乱入者に一瞬驚くクルーゼとセフィロスだったが、すぐさま体勢を整え、正宗で20人を切り捨てる。
だがその隙を突き、レジィは大量の消火器を『再契象』により召喚。辺りに煙幕が撒き散らされ、見えるようになった頃には部屋に保管されていた契約書と、レジィの姿は消えていた。

「…奴等は最初から戦う気が無かったという事か…」
「悪いね、狙いはこっちなんだ。君達と正面切って戦っても、勝ち目無さそうだからね」
4つのジュラルミンケースを手に、その場からすぐさま逃亡するレジィ。
ケースの中には大量の契約書の山。ただ一つだけ、見慣れないロゴが入っている物があった…

1432名無しさん:2022/02/19(土) 19:44:15
エレンと合流して軍事基地から離れようとするシャア達の前に、今度はクルーゼとセフィロスが現われる
先の戦闘で消耗したばかりであり連戦となる状況を危惧したシャアとエレンだが、クルーゼ側も別のサーヴァントと戦ったばかりであり戦闘するつもりはなく、さらにセフィロスを霊体化させて一時的な同盟を持ち掛けてきた
やはり他の主従15組全て相手取るのは難しいと痛感し、同盟を結ぶことで戦況を優位に進めるべきと判断したらしい
また両島での戦争を目論むクルーゼ達にしてみれば高官であるシャアを有効活用したいと考え、同時に焦臭い動きをするムー島の軍隊やホメロス司令に対抗するために戦力を欲して話を持ち掛けたようだ

1433名無しさん:2022/02/19(土) 19:48:05
その巨体で派手に建物を壊したりしてるからたっくんは気づかなかったんだけれど、実はスパイダーマンの糸が自由を奪うまでは筋力も耐久も敏捷も555の方が上だったんだよね
なまじ攻撃をかわせるのと飛んでくる瓦礫でそのことに気づくのが遅れて、気づいた時には狂化発動でステータスが2ランクもはね上がって手がつけられなくなった
それでもその大きさからエレンは攻撃をほとんど避けれないからうなじを吹き飛ばされば敗北も十分ありえたんだが、吹っ飛ばされたのは腹
エレンは巨人の消滅を逆にサーヴァントの気配が自然に消えるチャンスと利用して離脱にかかり、置土産の硬質化で足止めも図る

(バーサーカー、戻ったか)
(ああ。)
(首尾は?)
(…誤算は多々あったが、大筋は良かった)
(……そうか)

そして身を潜めていたシャアと合流を果たして>>1432になると

1434名無しさん:2022/02/19(土) 23:48:36
【3日目の朝 レムリア島 炭治郎】

炭治郎の乗った飛行艇がレムリア島に到着したのは、聖杯戦争が始まって3日目の朝であった。
2日目の夕方、チノを宿屋に預けて飛行艇の発着場へと向かったのだが…。

受付の老人「悪いね…高速艇はもう全部出ちゃったよ。」

ホメロスの要請によって、両島の行き来の警備が強化され、(>>1352>>1353>>1355
持ち物検査や警備強化を行うため、便数を減らした臨時ダイヤで運行していたのだ。

炭治郎「もう便はないんですか?」

受付の老人「ちょうど船がレムリアの方に行ってるところでな。
        あっちに着いたら今日はもうこっちに来ないらしい。」

炭治郎「あの運搬船は出ませんか?」

炭治郎が指し示したのは、普段乗る飛行艇(高速艇)よりも大きい飛空艇(運搬船)である。

ここで説明しておくと、飛空艇には主に人を運ぶ通称「高速艇」と、主に大量の荷物などを運ぶ「運搬船」に分けられる。
現実世界の船で言う「高速船」と「フェリー」の違いといえば分かりやすいだろう。
運搬船は大きい分、速度は高速船より遥かに遅い。

受付の老人「30分後に出るが…向こうに着くのは明日の朝になるぞ。
        明日の朝には高速艇が戻ってくるからそれに乗ればいい。昼にはつく。」

炭治郎「いえ、なるべく早く着きたいので!」

受付の老人「そうか?じゃああっちで検査を受けてから乗ってくれ。」


こうしてレムリア島に到着した炭治郎はココアの住居兼職場のパン屋に向かった。
前日の暴動はレムリア島でも起こっていたようで、ココアのパン屋も被害を受けていた。
心配する炭治郎だったが、壁には「本日は臨時休業します( ゴメンナサイ〜 (><) )」という絵の張り紙が貼ってあり、
ココアの描いたらしき可愛らしい丸いウサギが描かれている。
どうやら朝にパンを焼いたらしき香ばしい匂いも漂っており、惨事は起きてないとひとまず安心したのだった。

この時、ココアは店主と一緒にパンの配達をしていた。
普段はココアが1人で学校に行く前に配達をしているのだが、こんな状況なので今日は店主と一緒に配達に行っている。
こんな日でも配達の分のパンはちゃんと朝に焼いたのだった。
今日は、店は閉めて片付けをする予定になっている。
ココアも今日は学校が休みになったので、帰ったら店の片付けをする予定だ。

炭治郎は置手紙を書くことも考えたが、チノの状況が複雑なので、
万が一誰かに読まれてしまう事も考えてそれはやめておいた。
朝にパンを焼いたということは、おそらく配達に行ったのだろうと推測した。
このまま帰ってくるのを待つか、それとも探しに行くか、炭治郎は迷うのだった。

1435名無しさん:2022/02/20(日) 09:39:48
>>1349でホメロスが画策していたように、>>1413で尻尾を出したチノという少女を指名手配した後に、自ら指揮を取って(建前上の)救援部隊を編成してムー島を出立した
そしてレムリア島に到着して野営地を設けたが、レムリア島での暴動も予想以上に早く治まっていたため、増援と称して自軍を自在に動かす口実を得づらくなっていた
それでも救援部隊を街やレムリア軍事基地に送り出して幾らかでも幅を利かせようとする
その最中、夜の野営地にクルーゼとシャアが訪れてホメロスとの話し合いを求めてきた

※二日目の夜の話

1436名無しさん:2022/02/20(日) 10:28:39
キャスターらしき存在の操る人形、マスターらしきバット男、と一瞬だがジジ、あと宝具だがバンビエッタ、
様々な英霊クラスの存在を目にしたこと、
そしてこの聖杯戦争に真剣に向き合うと決意したことで虎杖はある問いをノーマンに問う

「ノーマン、あんたはどういう英雄なんだ?」

ノーマンは自分は科学者であること、特筆すべき発明品は身体能力を増強する代わりに記憶をしばらく失う薬であること、おそらくそれが自分の能力であること、を虎杖に伝える

「その記憶を失ってる間の人格はどんな奴なんだ?今出せるか?」

ゴブリンの人格を知らないノーマンはおそらく、その間に体を動かしているのは理性のない獣のような
人格だろうという推測を虎杖に話した。
「昨日も人形達に襲われた直後から記憶が無い。」、と。

「それが最後の記憶で合ってるか?」
「…ああ、そういえば敵を引き付けようと君から離れた、あれが最後の記憶だったよ。」
「そうか。」

虎杖はこの時、最後の会話で違和感を感じていた
「目の前の英霊は二重人格かもしれない」という疑いを持ってみているせいかもしれないが…
最後に「切り替わった」気がしたのだ。

(…「人形達に襲われた直後から記憶がない」の時、
 俺はてっきり「ああ、切り替わる前後しばらくの記憶も無くなるんだな」と思ったんだ
 でも、気のせいか?さっきのノーマンが『失言に気付いて言い直した』ように感じたのは…?)

ゴブリンは人格の主導権を握る、もはやノーマンの主人格と言ってもいい存在である。
しかし、ゴブリンは表に出過ぎた。暴れすぎた。
ゴブリン本人も気付かないうちに疲れていたのだ。
さっきまで虎杖と話していたノーマンの中で、ゴブリンはまるで映画をぼんやり鑑賞するような気分で
ノーマンと虎杖の会話を眺めていたのだ。

だからノーマンが「人形達に襲われた直後から記憶が無い。」という発言を内側で聞いて飛び起きたのだ。
そしてすぐに失言を修正したのだった。

※虎杖がノーマンに対して少し不信感を持ちました

1437名無しさん:2022/02/20(日) 11:08:38
元の世界の因果と似たような流れになる者が多いな。興味深い…。

1438名無しさん:2022/02/20(日) 19:26:52
>>1435の続き
ホメロスと話し合いの場を設けられたクルーゼ達は、さっそく自分達のサーヴァントを彼の前に出現させた
二人がマスターであり手を組んで自分の元に現われたと考え、何故自分の正体がばれたのかと驚き困惑するホメロス、そして同時にハドラーも実体化して臨戦態勢をとった
だがクルーゼ達は彼らの反応を見て聖杯戦争参加者であるか判別するつもりであり、この場で戦わずに休戦協定を申し込みに来たのだった
クルーゼおよびホメロスの両者は共に二つの島による戦争を望んではいるが、まだ他の主従が多い段階で両軍がぶつかり合うのは良くない
まず先にギャングや半グレ集団を始末して他の主従も脱落してから休戦を解除する、という内容で話はついた
そしてクルーゼから半グレ集団のリーダー・相馬とキャスターの情報、エレンからスパイダーマンとライダーの情報、ホメロスからチノと謎の青年の情報を交換しあい、それらを指名手配して互いに協力して狩りに行く方針となった
その際、昨日の朝に出会った喫茶店の少女がマスターだったことにシャアは何を思っていたか

なおこの協定とは別にハドラーがセフィロスとの模擬戦闘を申し出た
話し合いの中で各所で戦闘が始まっているのを聞き、自身の弱点が原因とはいえ聖杯戦争に呼ばれた自分がずっと戦わないでいることに闘争心が燻っていたのだ
己が武人の勇ましさに悪態をつくホメロスであったが、この戦闘で勝利して幾らかでもイニシアチブを取っておきたいと考え直し、数分程度の制限時間付きで互いに本気を出さないことを条件に了承する
これに対してクルーゼ及びセフィロスが応じ、エレンは万が一に備えての周辺警戒とバトルが過熱したときの仲裁役として選ばれたところで、2騎の武人は構えをとった

(この模擬戦の結末は他の方にお願いします、これが終われば三組は三日目に突入するでしょう)

1439名無しさん:2022/02/20(日) 20:03:16
軍事基地襲撃後、お目当ての契約書はレジィに任せて相馬は半グレ集団の状況把握に努めてた
当初の予想より拿捕されたり命を落とした輩が多かったようで、残存している奴らは士気が下がっていた
そこへ相馬が活を入れたのちに、レジィが新たな武器を持ってきたことで組織は再び活気を取り戻す
そしてもう一つ、相馬は興味深い情報を手に入れていた
陽動部隊の生き残りの証言によると、パン屋で少女二人が襲われそうになったときにカードを使う少年と寡黙の剣士が現われて二人を守るように自分達を返り討ちにした、と
そこで相馬とレジィは次なる目標をその少女二人に定める、ただし討伐だけではなく同盟を結ぶ事を視野に入れて
先の襲撃で軍人のマスターがいることを確認し、さらにまだ複数の主従がいるため、半グレ集団以外にも戦力を欲し始めたのだ

1440名無しさん:2022/02/20(日) 20:36:49
>>1434
先日のショッキングな出来事からココアが立ち直ることが出来たのはカイトから教えられた「かっとビング」が理由だった

かっとビング、それはどんなピンチでも決して諦めないこと
だからココアは諦めない。チノのためにも、お姉ちゃんとして諦められない。

かっとビング、それは勇気をもって一歩踏み出すこと。
だからココアはこの状況でも勇気を持って前を向き、パンの配達をする。
いつもの日常を取り戻すために、今の日常を諦めない。

かっとビング、それはあらゆる困難にチャレンジすること。
だからココアは次に春花と会った時……困難に挑む決意もしている。
ココアは一般的な日常を謳歌していた高校生だ。いきなり覚悟を決めろなんて難しいかもしれないが、それでも困難に挑まなければならない時はある。
かっとビングを胸に必死に戦った九十九遊馬も元はただの中学生だったのだから。

パンを配達するココアの姿を見守りながら、カイトは不思議な心境になっていた。
もしかしたら遊馬をずっと支えていたアストラルも今の自分のような気分だったのかもしれない、と

1441名無しさん:2022/02/20(日) 21:37:38
自分のために傷ついたたっくんと、亡くなったイーサン・Dボゥイの犠牲に涙を流すピーター
しまいには若き日のエレンのように「あの巨人を駆逐してやる」と言い出す始末

泣きっ面に蜂なのは、クルーゼの工作により襲撃を仕掛けてきた半グレ集団の一員としてスパイダーマンとファイズが指名手配されてしまった
※ピーターはマスクの下を晒してないので、スパイダーマンだとはバレていません

1442名無しさん:2022/02/21(月) 08:50:16
3日目

虎杖と同じクラスの胡桃、虎杖がマスターかもしれないと思いつつも決め手がなかった
そこで胡桃は学外のカフェにて、虎杖と同じ班の女子(モブ)に喫茶店で「虎杖ってどんな奴?」と聞くことにした。
女子「えぇ〜〜〜胡桃ちゃんってば虎杖みたいなのがタイプな訳〜〜〜?」
胡桃「いや、そういうわけじゃなくて、単にどんな奴か知りたいだけで」
女子「キャ〜〜〜それもう好きってことじゃん〜〜〜
    でも確かに胡桃ちゃんと虎杖ってアウトドア系っていうか気が合うかもしれないね〜〜〜
    実習でも息ぴったりだと思ってたし〜〜〜
    ねえねえいつから?いつから気になってるの?出会いのきっかけは?もしかして初恋?」
逆に質問されて困る胡桃だったが、次の瞬間に更に度肝を抜かれた

マズルカ「ごきげんよう胡桃さん☆」
胡桃「なっ!お、お前は…!」
この世界のピチピチ女学生風に服装を変化させて猫を被ったマズルカちゃん(実年齢3ケタ)の乱入である。
女子「胡桃ちゃんのお友達〜?」
マズルカ「お友達と一緒でしたのね☆わたくし胡桃さんのお友達のカカリマ(偽名)と申します☆
      あっ店員さんこっちに季節のマロンタルト1つお願いします☆」
マズルカは近くの椅子に座ってケーキまで注文し始めた。
女子「よろしく〜。」
胡桃「待て!おい、お前どうしてここに………」
マズルカ「つれないですわね…胡桃さんのお顔を見たくて参りましたのに…。」
女子「あれっなんか修羅場系…?あたし帰るから2人でごゆっくり!」
変に気を使ってクラスメイトの女子が席を立ち、2人が残された。

マズルカ「いい子だねえ。ひひひっ」
胡桃「…何のつもりだ?」
マズルカ「んあ?一応まだ同盟関係だろう?報告に来たのさ。
      …あの虎杖という君のクラスメイト、マスターだよ。昨日確かめた…間違いない。」
胡桃「…!」
マズルカ「それで、キミに提案があって来たんだ。」
動揺している胡桃、『虎杖を一緒に襲おう』とでも言われるのかと思ったが
マズルカ「キミ、この聖杯戦争から降りないかい?」

マズルカは胡桃に令呪でサーヴァントを自害させて聖杯戦争から抜けることを提案した
マズルカは昨日フルネラ型を拿捕されたときに明と胡桃とも会話した。
その時の会話、震えながらスコップを強く握りしめこちらを窺っていた様子などから、
本来はこんな戦いに巻き込まれるような世界の人間ではない、ただ巻き込まれた普通の少女なのではないかと感じたのだった。
胡桃とさして歳の変わらぬ少年少女が家族を失い、戦う世界だったマズルカにはその確信があった。
逃げ道さえあればロールとは言えクラスメイトと殺し合うようなこの戦いから降りるかもしれないと考えたのだが。

しかし胡桃はこれを拒否。
この世界、現代日本より治安がいいとは言えないが平和な学園生活のロール、それから目覚めたばかりの胡桃は、
自分では覚悟を決めたつもりでもまだ今までのロールの感覚が残っていた…寝ぼけていた、とも言える。
しかし時間の経過と共に…また、明との対話で人類が吸血鬼に苦しむ世界の体験を聞いたり
まだ見ぬゾンビ使いの存在を聞いたりしているうちに、失った以前の世界の感覚が戻ってきたと感じていた。
昨晩は夢を見た。元の世界の夢、学園生活部の皆とかれらと戦いながら生き延びようとした夢を。

マズルカは提案を断られた事を残念に思いつつ、別れる前にもう一つの情報、というより可能性を伝える。
こちらは確定ではない、と前置きしつつ告げた情報。
緑の怪人スーツに変身した姿や爆弾などの攻撃手段から、この島のレストラン爆破に関わっている可能性がある、と。

1443名無しさん:2022/02/21(月) 09:07:56
>>1397
用心深い医者&アサシンは「緑の怪人、人形使い」の探索以外にも「他の者に私達のことをバラしてはならない」「他の者に協力を求めてはならない」と命令をしていた
これのためジゼルは直接誰かに救援を求めることはできなくなったが、この命令は“自分”だけを縛るものなので秘匿していた宝具のバンビエッタやまりなが他と接触するのは命令に抵触しなかった
それでも医者達に縛られて自分から直接どうにかできないことにもどかしさと怒りを覚えていたが

1444名無しさん:2022/02/21(月) 18:36:52
そういえば宿を出る前の炭治郎と雲雀も木場に「人とそうでないモノの共存」について聞いてたね
禰豆子や珠世、愈史郎の一件もある炭治郎は木場からする匂いの件もあって、彼が鬼のような特殊な存在であり、けれども決して悪人ではなく他者を理不尽に襲わない存在だという可能性に思い至る。
だから炭治郎は木場とその問答を見守るマコト兄ちゃんの真っ直ぐな瞳を受けながら「共存も可能だと思います!」と自分の目標が禰豆子を人間に戻すこと、そして鬼の存在や鬼の中にも人間の味方をする者がいることを話した

それを聞いた木場もまた自身の夢を語る。
自分が元人間の異形であるということすらも包み隠さず――この場にいる者達を信じて。
困難な道だということを理解した上で、それでも人間を信じてみたいと話す木場に炭治郎は「頑張ってください、ライダーさん!ライダーさんの夢はきっと叶います!!」と全力で背中を押す。

「ありがとう、竈門くん。君と出会えて良かったよ」
「はい。お互い頑張りましょう、ライダーさん!」

二人のやり取りを見守っていたマコト兄ちゃんは微笑み、雲雀は退屈げにあくびをしていた。
ちなみに雲雀の返答は「そんなものは関係ないよ。何者であろうが咬み殺すだけさ」というもので、マコト兄ちゃんが殴り掛かったりもした

木場的にはなんとも言えない返答だが「そんなものは関係ない」という言葉は種族を重視していないという証拠でもあり、掴みどころのない孤高の浮雲は相変わらず我が道を往く

1445名無しさん:2022/02/21(月) 18:48:50
>>1444
花の湯温泉のお湯は誰も拒まないって原作で言ってたとはいえ聖杯戦争の参加者を受け入れ過ぎなんだよなあ>おっこ
そのおかげでエレンみたいなタイプでも地雷を踏まずに穏便に話が進むとはいえ、主従どっちも拠点を変える気が薄いのもあって対軍宝具とかでマスターごとふっ飛ばされる危険性が他の組より明らかに高い
二日目の夜の時点では幼いけど家業を手伝ってるとか人外とひとつ屋根の下とかチノと色々共通点があってまた穏便に話をできたけれども、このあとの展開を考えると果たしてそれは良かったのか

1446名無しさん:2022/02/21(月) 19:53:59
炭治郎達が宿屋から出たあと、宿屋で夕食をいただいたチノは緊張の糸も解れたこともあって知らずうちに眠ってしまった
その寝顔を崩さぬようにマコトが丁寧に抱きかかえ、若女将が用意してくれた部屋の寝床にそっと横たわらせる
その後は夜もふけり若女将も就寝、眠らずとも活動可能な英霊の二人は警戒を続けていた

そして日付が変わった夜更け頃、眠っていたチノとおっこは従者達に叩き起こされる
この時宿屋はゾンビの群れに囲まれており、マコトと木場はマスター達を守るべくゾンビ達と戦い始めていた
だがさらに弓矢が飛んできて攻撃を受けてしまい、一方的に狙撃され続けるのを避けるために二人は一旦宿屋の中へと身を隠した
このまま宿屋で戦い続けるのはマズいと判断した彼らは、片方が弓兵の対処に向かい、もう片方がマスター達を守りつつゾンビの群れを乗り切る方針で行動を開始した

一方、ジゼルはゾンビ達を操りつつ宿屋のサーヴァントに攻撃をし続けていた
医者達から「緑の怪人と人形使いの探索は一旦後回し、宿屋にいる主従を襲撃して撃破するか引きつけなさい」と新たな命令を受けていた
未だ令呪に縛られているジゼルは渋々ながらも指示に従い、今は目の前のおもちゃを相手にゲームを楽しむことにした
ちなみにだが、この時宿屋の周辺にはアサシンも潜んでおり、敵が弓兵の方に向かいゾンビの対処で警戒心が途切れるタイミングを見計らっていた

1447名無しさん:2022/02/21(月) 21:18:37
>>1446
話し合いの結果、速さで勝る木場が襲撃者の対処をすることに決定した
だが木場とマコト兄ちゃんが別行動しようとした直前にまりながバンビエッタを連れて登場、自分のサーヴァントが医者とアサシンの支配下に置かれ、自身も命を握られていることを説明して助けを求める

憎きチノまでサーヴァントと同行していたので色々と思うことはあったが、医者をどうにかしなければチノや聖杯どころではない
医者が邪魔という意味ではジジもまりなと利害が一致しており、令呪に縛られないバンビエッタを同伴させて手助けした理由はそれだ
それに最悪マスターのまりなが死んでもジジには単独行動スキルがある。
ジジとしては自分の行動を縛る医者さえ始末出来れば今よりは状況が良くなるわけで、だからこそマスターの危険を承知の上で行動に出た

1448名無しさん:2022/02/21(月) 21:21:10
>>1447
宿屋を注視して襲撃のタイミングを図っていたディアボロは、その宿屋にアーチャーのマスターであるまりなともう一つ何者かが宿屋側と接触するのを目撃した
当初の想定とは違うイレギュラーの登場でディアボロは夜襲を断念、さらにアーチャー組が命令を無視して勝手に動く反逆者と判断した
そして“一旦退却して戦術を練り直す”事を考えたが、相手にナメられたままでは帝王の名が廃ると矜持を取ったディアボロは“アーチャーを手早く始末する”事を決断した

ジゼルはマスターとバンビエッタが宿屋に入ったのを確認したものの、「宿屋の連中を襲撃しろ」という医者達の命令に縛られているため、その部分はやむなく実行するしかなかった
とにかく攻撃の手を緩めることはできないが、彼らが自分とゾンビの群れを潜り抜けて医者およびアサシンの排除に動いてくれることに望みを賭けていた
だがしかし、ジゼルは誤算していた
一つはまりなとバンビエッタの姿をアサシンに目撃されたこと、さらにそのアサシンの決断力と行動力の早さが想像以上だったこと
ジゼルは背後に殺気を感じ取り、反射的に振り返って射貫こうとした
しかしそこ立っていたのは見知らぬ男と、医者と共に姿を見せた幽霊のような人型
一瞬で奴こそがアサシンの本体であると見抜き、同時に「アサシンに危害を加えてはならない」という呪縛によって身動きができず、逆に自分の胴体を豪腕によって貫かれてしまった

「霊核を貫いた、これでお前は終わりだ」
「……はは、あはははは!!」
「?この状況で何笑って…い、いや、なんだこれは!?」
「俺の霊基が…魂が…!?塗り替えられていく、だとぉぉぉぉぉ!!!???」
「やっと気付いたァー?あんたはこれから、ボクの言うことしか聞けない死体になっちゃうんだよ!」
「き、キサマーーー!!!」

ジゼルは確かに“アサシン”に“危害”を加えていない、“アサシン”が“勝手”に“ジゼルの血”を浴びているのだ
これなら令呪の縛りの意表を突いて自らの宝具を浴びせることができる、たとえサーヴァント相手だろうと致命傷レベルの大量の血を浴びればゾンビ化は免れない
だがジゼルも危険な状態であった、大量に血が流れた上に霊核まで損傷した、たとえ不死性を持つ自身の能力でも消滅は回避できない状況だった
それでも、いままで散々自分をこき使ってきたアサシンの焦る表情を見ていたら、物凄くスカッとした気分になれていた

一方、ディアボロは見ての通りに焦っていた
事前に『墓碑銘(エピタフ)』の映像を見ていた彼は、確かにアーチャーの胴体を貫く様を見て勝利を確信していた
だが、“自分が死ぬ”ような光景は全くなかったため、まさか血を浴びて徐々にゾンビ化するとは予想だにしていなかった
そして『真紅の帝王(キング・クリムゾン)』で攻撃を再開する前にこのゾンビ化は完遂してしまう、どうしようもなく詰んだ状況だった

「令呪をもって命ずる、血液の組成を変えなさい、アサシン」

そこへ医者が現われ状況が一変する
医者は万が一に備えて宿屋の近くの場所に潜んでおり、アサシンから念話でアーチャーを始末する事を聞いて、せっかくだからとその現場に来ていたのだ
そしてアサシンのピンチに彼女は思い出す、以前に解剖したゾンビ化ギャング、その際採取した血液を調べてその組成にゾンビ化の鍵があることを見抜いていたのだ
驚異的な医学知識を持つ医者だからこそできる考察であり、それを土壇場で活かすことに成功したのだった

しかし、ゾンビ化の進行が治まったのは一瞬だけ、それは徐々に再開し始めていた
これはスタンドの腕がジゼルの胴体を貫いたままであり、ジゼルもまたその腕を握りつつさらに自分の血液を注ぎ続けていたのだ
これでは対魔力を持たないアサシンで抵抗し続けるのは難しく、数秒もすればゾンビになるのは確実だった
そこで医者は令呪を重ねるために口を開こうとするが

「うぅぅおらぁぁぁッツ!!!」
「なに!?!?」

そこへ突如現われた少年、虎杖によって医者は押さえつけられてしまい、令呪発動を阻害されてしまった
彼はバンビエッタにまりなとアーチャーの状況と医者とアサシンの非道を聞いて、憲兵達から逃げ延びたあともノーマンと共に探索を続け、そしてこの現場を見つけたのだった
とにかく虎杖は医者を捕まえてまりなの時限装置を解除させるつもりであり、目の前の二騎が英霊であることを理解しながらも体が先に行動していたのだった
それが功を奏し、令呪による抵抗が間に合わなかったディアボロはゾンビに変わり果ててしまった
だが同時に、大量に出血して霊核も損傷してしまったジゼルも消滅するまでにあと幾許かの状態であった


そして、虎杖の傍にノーマンがやってきた
医者を押さえつけていて余裕がない虎杖はノーマンにも手伝ってもらおうとするが、そのノーマンが邪悪な顔を浮かべた後に手に持った手裏剣で彼の首を切り裂いた
同時にパンプキンボムをアーチャーとゾンビの方に投げ込み、もはや動く術を持たない彼らを爆発四散させた
そして倒れ伏していた医者に囁く、生温い坊主の相手をするより、あんたと組んだ方が面白そうだ、と

【ディアボロ@ジョジョの奇妙な冒険 死亡確認】
【ジゼル・ジュエル@BLEACH 死亡確認】
【虎杖悠仁@呪術廻戦 死亡確認】

1449名無しさん:2022/02/21(月) 21:44:20
この虎杖のあっけない死に様には宿儺も退屈
元の世界で興味を持ってた伏黒もいないので大人しく虎杖が死ぬに任せたのだった

1450名無しさん:2022/02/21(月) 22:15:28
>>1438
野営地から外れた場所で行われた模擬戦の結果は、引き分けに終わった
たった数分の戯れなのだが、セイバーとフォーリナーの剣戟は余りに度を過ぎていた
むろん二人は本気を出していない、呪文や魔術を使わず、スキルや宝具も極力使わず、ただ剣と剣を交えているだけ
それでも二人の世界の外側にいる者達にはその剣筋を正確に捉えることはできず、まるで嵐と嵐がぶつかるような異次元の光景にしか見えなかった
そして二騎の英霊が互いの首筋に剣を狙い定めたところでバーサーカーが合図を出し、互いの首を断つ一歩手前で終了となった
命を燃やす死闘とはならないもののかの宿敵に匹敵しそうな強者と戦えたことにセイバーは満足し、フォーリナーに賛辞と今後の健闘を述べて、聖杯戦争の最終局面で再び相まみえることを望んだ

ちなみにだが、最上位の二騎の戦闘を観戦したシャアとバーサーカーは熟慮する
たとえバーサーカーが巨人化してもあの二騎相手では勝てない可能性が高い―――ならば、いましばらくはこの同盟を維持して他の主従の数を減らし、最終局面にて“切り札”を使い聖杯戦争に勝利しよう、と

1451名無しさん:2022/02/22(火) 19:02:18
>>1434
炭治郎はココアを探しに行くことにした
いつ戻ってくるか分からないココア達を待っていると無駄に時間が過ぎてしまう、一刻も早くチノの現状を説明してあの宿屋の早く戻る必要にも迫られていた故の選択でもあった
そこで炭治郎は雲雀と別々に探そうとしたが、行動に移す前に炭治郎は声を掛けら止められる
それは一昨日に偶然出会ったマスターの一人、ピーターであった
ピーターは炭治郎に問い詰める、巨人の英霊を見ていないか、何か知っていないか、と
相手の剣幕に昨日レムリアで何かがあったと察する炭治郎だが、巨人というものを本当に何も知らないため精一杯そのことを説明した
ピーターは「くそッ!」と舌打ちしながらも、炭治郎に対して強く当たってしまった事をバツが悪そうに謝った
何があったか事情を聞きたい炭治郎だったが、今自分も急いで「パン屋の少女、ココア」を探していることを伝え、できれば手伝ってくれないかとお願いして深々と頭を下げた

一方その頃(もしくはその前後)
相馬は半グレ集団を動員してパン屋にいた少女達を探させていた
ただし昨日の騒動でレムリア側も戒厳令が敷かれており憲兵達が至る処で目を光らせているため、半グレ達にはなるべく目立たずに行動するように命じていた
そして配達中の少女を発見したと部下から連絡があり、相馬とレジィも目撃地点に向けて移動する
そこは街の郊外にある施設の近くであり、人目が少ない絶好のポジションでもあったが、相馬とレジィが到着した時には少しばかり状況が変わっていた

相馬達が到着する少し前、郊外の施設への配達を終えた店主とココアは一時の休憩をとっており、ココアは人気の少ない場所で一息ついていた
だがそこへ春花と剣士の英霊が現われて、聖杯戦争を勝ち抜くためにあなたを打ち倒すと宣言される
春花の明確なる敵意・殺意に少し萎縮するココアであったが、先にカイトから教わったかっとビング精神を奮い立てて、まだ揺らぎがあるかもしれない彼女に正面から立ち向かう決意をする
その思いに応じるようにカイトも姿を現し、目の前にいる寡黙な剣士に決闘を申し込んだ

1452名無しさん:2022/02/23(水) 08:16:30
>>1451
セイバーとアーチャー、剣士と弓兵
容姿からして見るからにステータスの差も大きく武器という武器すらも手にしない目の前の英霊に対してカイムは速攻を仕掛ける。
相手は弓兵であり、武器すらもない。ならば剣で斬り掛かれば近接攻撃へ対処する術はない――それはあまりにも当然の道理
ココアを守るように存在する謎のロボット(オービタル)にこそ警戒しているが、それでも勝てる見込みはある

「なるほど。それがお前の答えか」

カイムが攻撃に出たその瞬間、カイトが凄まじい速度でデッキからカードをドローする。
相手は無言でデュエル開始の宣言もしていないが、これは聖杯戦争。そういう輩が存在してもおかしくはない。
相手が自分と決闘する気になったと受け取ったカイトは、フォトン・スラッシャーを即座に特殊召喚。
フォトン・スラッシャーによりカイムの攻撃が受け止められる。

そしてフォトン・クラッシャーを通常召喚し、フォトン・スラッシャーと鍔迫り合いしていたカイムにフォトン・クラッシャーが攻撃を加える
当然カイムはそれを避け、未知の技術を持つアーチャーから距離を取るわけだが――それこそがカイトの狙い。この2体はカイトにとって本命ではない。

「闇に輝く銀河よ、希望の光になりて我が僕に宿れ!光の化身、ここに降臨!」

2体のモンスターが姿を消し、新たなるドラゴンが特殊召喚される

「現れろ、銀河眼の光子竜!!」

かつてドラゴンと契約したセイバーの前に、強大な力を持つドラゴンが現れた

1453名無しさん:2022/02/23(水) 18:05:39
3日目 胡桃、ランサー(明)

聖杯戦争3日目の朝、胡桃は学校に退学届けを出した。

元の世界の自分を思い出した影響なのか、かつてのゾンビ化の徴候が僅かながら出てきたのだ
まだ行動に支障が出る程ではないが、このまま学生としてロールを続けるのは困難と判断した。
また、聖杯戦争の最中に学生として学校に通い続けるメリットもないと判断したのだった。
学校には「援助してくれる親戚が暴動で被害を受けたので、通う余裕が無くなってしまった」
という理由で通した。
去る者追わずな方針らしく退学届けはすんなり受理された。

「退学までする必要は無かったんじゃないか?休学とか、サボりでもよかっただろ。」
明はそう尋ねた。確かにこの世界は胡桃にとっては偽物の世界で、
そこでの所属や資産、人間関係など意味の無い物になってしまったのかもしれないが…。
「踏ん切りが、欲しかったんだ」
この世界で仮初の、やや物騒だが平和な学園生活を送ることに馴れてしまった自分が怖かった。
偽物の世界だったとはいえ、クラスメイトや友人もできた。
このままこの環境に満足して、元の世界の事がどうでもよくなってしまうことが怖かった。
聖杯戦争に専念するため自由に動く…というのはそんなに大きな理由ではなかったのかもしれない。

この世界の自分に、家族がいなくてよかった…と胡桃は思った。
もしも死んだ両親まで生きて、平和な家族が続いていたら…こうまで踏ん切りはつかなかったかもしれない。
この世界では、胡桃の両親は既に故人であった。
幸運にも家やそこそこの財産が残っていたので学校に通い続けていた、ということらしい。
更に幸運…と言っていいのか不明だが、この世界の父親は戦死したらしく、
軍人の遺族である胡桃は学費をある程度免除されていたらしい。
(あまり実感が沸かず胡桃にとっては「らしい」だらけの認識である。)

一応、最後に荷物を取りに行くため、挨拶の為、ということで学園内に入る許可は得た。
そして虎杖を少しでも観察…
例えば令呪などが無いか、怪しい怪我などをしていないか、などを、意味がないかもしれないがさりげなく確かめようと考えた。
明は連れてきていない。
明は虎杖を警戒してついていこうとしたのだが。
「昨日学校についてきた時には虎杖の傍にサーヴァントの気配は感じなかったんだろ?大丈夫だって。
 それに…万一の場合に向こうにこっちがマスターだって知られたくない。
 疑われるようなことはしないよ。」
となんとか説得し、しぶしぶ承諾させたのだ。

虎杖がいるかと思っていた胡桃だったが、どうやら来ていないようだった。
胡桃は内心虎杖が敵と確定しなかったことに安堵したが…
このタイミングでの急な休みは凄く怪しい…とも考えた。
現に自分だって退学しようとしているのである。

クラスメイトには、何も言わず、ひっそりと学園を去るつもりだった胡桃だったが、
たまたま同じクラスの女子の友人にカフェに誘われ、せっかくだからと応じて>>1442へ。

1454名無しさん:2022/02/23(水) 19:26:13
野営地にて、緊急入電が入りすぐにホメロス司令に報告される、曰くムーのとある宿屋近辺で暴動が発生し爆発音も聞こえたと
不可解なことにその暴徒たちは住民、ギャング、半グレ、軍人など相容れぬ者同士が混ざっており、誰しもが生気のないまま一様に宿屋を襲撃し、それが突如として一斉に倒れ込み死んでいたのだ
また宿屋から奇妙な男達が現われて群衆と揉めてたらしく、さらには指名手配中の少女の他に二人の少女も隠密行動中の軍人達に目撃されていた
この報告を聞いたホメロスはすぐにムー島の軍人達に伝令するよう指示する、下手に相手を刺激することなく引き続き少女達を密かに監視、居場所を逐次捉えておけ、と
そして自らもムー島に戻るべく支度をするが、そこへシャアも現われて一緒に同伴させて欲しいと言ってきたので了承した

この時ホメロスは喫茶店の店主を利用して彼女達を無抵抗に捉えることを考えており、またシャアが従えるバーサーカーがどんなものか力の一端でも見る機会があればと画策していた
一方シャアは喫茶店の少女に続き宿屋の少女もマスターの可能性があると思い、もう一度会って話をしてみて、最悪の場合は英霊を失った彼女達を軍に処断させずに自分の保護下に置くことも検討していた

※緊急入電は夜明け前を想定、通信手段はモールス信号(ムスカ大佐が序盤にやってたアレ)
※軍用の飛空挺で移動するため、ムー島に戻るのは朝〜日中ぐらいになるかと
※クルーゼはレムリア軍人なので同伴しない、野営地や救援部隊が撤収するかは未定

1455名無しさん:2022/02/23(水) 21:16:07
>>1448
ノーマンと手を組むことに決めた医者は今後の立ち回りやノーマンと作戦会議を行うためにもその場を撤退。再契約したばかりのノーマンは直接戦闘に秀でてるとは言い難く、彼の性能自体もまだまだ未知数。今この場で戦うメリットが医者にはなかった

その後、爆発音を聞きつけたマスター三人と英霊二騎が宿屋から外へ出る。
急に襲撃もおさまり、外で何かあったということで見解が一致した

だがそこは戦場の跡地。青年の生々しい死体を見たチノは恐怖のあまり思わず目を瞑った。
ボムによって破壊された地形は聖杯戦争の過酷さを思い知らせるには十分であり、平和な世界とあまりにも掛け離れ過ぎた光景に驚愕するチノ(と、おっこも?)をマコト兄ちゃんと木場が気にかける。

だがまりなはチノ以上に最悪なことを知ってしまう。自分やアーチャーを手駒にしていた医者の白衣がどこにもないのだ。
そしてまりなと契約していたアーチャーの気配が消えた。それはアーチャーの死を意味する。
もしやアーチャーは医者によって始末された?ここに倒れている死体はバンビエッタが言っていた虎杖という青年だろうか?そして医者を倒すことに失敗して殺された?
まりなの脳裏にそんな考えが思い浮かぶ

もしもこの推測があっているならばまりなにとってこれ以上ない恐怖であり、同時に医者に対する憎悪も一気に増えた
アーチャーがいなければ聖杯を手に入れることが出来ない。
彼女は自分の腹を切開して脅し、散々利用した挙句にアーチャーを始末した。そして頼みの綱の一つである虎杖まで殺された。

医者は「まだ利用価値がある」と言っていた。じゃあ利用価値がなくなったらどうなる?何故アーチャーは殺された?
このままだと聖杯を手に入れることすら出来ず、医者に始末されるのみ。自分に味方してくれそうな青年まで死んでしまったのだから。

だからまりなは必死に今この場にいるメンバーに事情を説明して、匿ってもらうことにした
なんとかして医者を殺して、アサシンと契約するのが一番の目標。だがそれ以上に恐怖が大きく、今は保身に走る。
アーチャーと虎杖の二人を同時に失ったことは衝撃的であり、自分やアーチャー、バンビエッタが原因で殺されたであろう虎杖の死体がおぞましくも見える

だがもしも医者を見つけたら、その時は……。
医者はマスター。ただの人間だ。
他のサーヴァントに注意を引き付けてもらえば、まりなでも刃物なり利用して殺す事が出来る

しかし憎悪よりも大きな恐怖心に支配されたまりなは自分に時限装置が施されたことも知らぬまま、保身に走る。
いつか医者に復讐してやるとは考えているが、まりなに残された時間は短い

1456名無しさん:2022/02/24(木) 03:33:23
>>1442の後(3日目)

胡桃とのお茶会の後、馬車小屋に戻ったキャスター(マズルカ)。
バッターの気配はなく、机に書置きが残されていた。

『上質な木材を手に入れてくる
 人形兵を借りる
 何かあれば令呪で呼ぶ』

キャスターは念話をした。

(マスター。今どこだい?)
(発着場だ。レムリア島に行く。)
(うーん…。)

様々な聖杯戦争絡みと思われる事件が連続する状況で主従別行動。正直あまり賢い手ではないのだが…。
昨日の爆撃で、それなりに頑強の筈の人形兵のパーツが大量に失われていた。
(これはバンビエッタの攻撃が当たったもの自体を爆弾に変えるという人形兵の耐久性を無視する性質だったことも影響している)
ムー島で入手できる木材でもキャスターの腕前なら十分に修復・運用が可能だが、
当然、木材の質が良いに越したことはない。
特にこの世界はキャスターのいた世界よりマナ(魔力)が濃いらしく、
道端になぜか落ちていた木炭(前日にチノと逃げていた炭治郎が落とした)からですらそこそこのマナを感じた。
ムー島に生えてる樹木よりも遥かに強いマナ。もしかしたらレムリア島の方にマナ溜まりのスポットでもあるのかもしれない。
マナの強い場所には強い魔物が出現しやすい。人形兵と連携して戦ういい経験になるかもしれない。

(わかった。レムリア島の状況も気になっていたところだし…。
 人形兵はキミの指示にも従うよ。トレジャーしたアイテムの鑑定もできる。ついでに人形兵との連携も学ぶと良い。
 あと、今度からこういう大事な事は念話で伝えて。)
(わかった。)

昨日の戦闘後に落ち込んでた(ように見えた)バッターなりに、何か出来ることをしたいということなのだろう。
気持ちを汲み、いくつか注意点(就寝中は人形兵に警戒させることなど)を伝えてバッターの好きにさせることにした。
バッター自身の強さ、強化したバット、人形兵もいる。それなりのモンスター相手でも大丈夫なはずだ。

1457名無しさん:2022/02/24(木) 19:06:46
>>1451
以前いきなり襲ってきたアサシンとそのマスターと遭遇したこともあり、巧が雲雀を警戒して実体化する
ピーターの突発的な行動には驚きを隠せないが、相手が善人らしきマスターだったから焦燥感だけでなくそれも込みで声を掛けたことは理解出来る。自分だってあのマスターには啓太郎の姿を重ねた。
巧としては炭治郎のことは何も悪く思っていないのだ。
だが雲雀の印象は最悪。いきなり自分を襲ってきた相手に良い印象なんてあるわけがない。
マスターは善良だが、サーヴァントは最悪。
「まったく、世話の焼けるマスターだな……」と毒づきながら、巧はいつでもファイズに変身出来るようにベルトを腰に巻く。

露骨に怪訝な表情になり最初の戦闘でも使用していた「変身」に必要な道具を使おうとする巧に対して、彼に戦意が多少はあると解釈した雲雀はトンファーを構え――

「戦う気もない人にいきなり襲いかかっちゃダメですよ、アサシンさん!」

炭治郎に呼び止められ、雲雀の動作が止まる。
前回もそうだったが、このアサシンは何故か善良なマスターの炭治郎を認めている節がある。もしかしたら草加ほど悪どいわけじゃないのかもしれない、と巧は考えを多少は改めた。
ちなみに炭治郎が巧を「戦う気がない相手」と言ったのは彼が明らかに雲雀を警戒して戦おうとしていたからだ。好戦的でもなく、誰かを襲っている様子でもない。普通に話し合いが出来そうな相手を理不尽に襲うな、という意味で炭治郎は口にした

「君のその瞳――やっぱりあの小動物と似ているね」

雲雀の言葉の意味はこの場にいる誰にもわからない。
だがこの野蛮なアサシンも何かの信念を持って戦いに臨んでいるということは、炭治郎や巧にも伝わる。

「おい、何一人で自己解決してんだよ。結局お前は何がしたいんだ?」
「そんなことは特に決まってないよ。僕は僕のやりたいようにやるだけさ」

ぶっきらぼうな態度で質問してきた巧に雲雀は自由気ままな返答をする。

巧は「お前、自分勝手なやつだな」と吐き捨てるものの、雲雀に対する印象が多少はマシになった。自分勝手なやつだし、掴みどころがない性格だが根っから腐ってるタイプではなさそうだと。

短時間ながらも多少は交流を深めた二人のやり取りを眺めながら炭治郎は巧の匂いが木場と似ていることに気付き、もしかしたら彼は木場の仲間ではないか?という結論に至る

炭治郎から自分と似た匂いの者がいると軽く説明を受けた巧は本人のなんだかんだで善人寄りである性格や炭治郎のことは多少信用していたことも相俟って、ぶっきらぼうな態度を取りつつもココア探索には賛成。

問題はピーターだ。先程の突発的な行動といい、何か焦りがあるように感じる。
巨人の駆逐を急ぐ気持ちはわからないでもないが、今はそれよりも守るべき一般人を優先するべきだと巧は思っている。
それにピーターは人々が傷付き、死ぬのを止めようとした。色々と迷いや葛藤はあるだろうが、本気で聖杯を狙ってもきっと後悔するだけだ。

乾巧に聖杯で叶えるような願いはない。
だが「世界中の洗濯物が真っ白になるみたいに、みんなが幸せになってほしい」という夢はある。
……正直に言えば聖杯戦争というシステム自体、胡散臭いしあまり好ましくない。
他の主従が全員人殺しやどうしようもないやつならともかく、炭治郎のようなお人好しもいる。
巨人と戦う時に共闘したマスターやサーヴァントも、どう見ても悪いやつには見えなかった。
そんな奴らを殺してまで。不幸に叩き落としてまで願いを叶えるなんて、巧の思想に反する

もちろん理不尽に他人の命を弄ぶ輩とは、罪を背負って戦う。
だが自分が罪のない人々を殺すなんて――そんなことが出来るほど、乾巧という男は冷徹になれない

「俺はそのココアって女の子を探してやりたい。お前が焦ってるってことは、何か理由があるんだろ?」

啓太郎はいつもオルフェノクが出た時、焦りながらも教えてくれた。
自分のサーヴァントに頭突きかまして自力で止めるなんて無茶をした心優しそうなこのマスターも、きっとお人好しに違いない。
彼が焦ってるということは相応の理由があるはずだ、というのが巧の結論。

そして彼のマスターであるピーターの判断は……?

1458名無しさん:2022/02/24(木) 19:08:15
>>1452
敵の召喚したドラゴンを見てカイムは険しい表情をする。アンヘルと絆を結んだカイムだが、両親を殺した敵はドラゴンだ。
声を発することは出来ないが、ドラゴンに対する憎悪に満ちた視線は彼がドラゴンと何らかの因縁があることを思わせる。

そしてカイトの攻撃宣言。ギャラクシーアイズが破滅のフォトン・ストリームを放った瞬間――それに対抗するように赤きドラゴンが現れ、火炎ブレスを吐き出した。

「これもまた運命……。いや、ドラゴン使いとしての宿命か」

破滅のフォトン・ストリームと火炎ブレス。二つのエネルギーがぶつかり合い、巨大な爆風を巻き起こして相殺される。

少なからずドラゴンという種族と因縁のあるカイトとカイム。二人がこうして決闘することになったのは必然なのかもしれない。
二人はどちらも己が目的を果たすためにドラゴンを利用した。そういう意味ではお互いスタート地点すらも似ているドラゴン使いだ。

だが二人の間には決定的な差がある。
カイトには譲れないものがあり、逆に全てを失ったカイムにはもう何も無い。
たったそれだけの違いが、互いの誇りをかけた決闘では大きく左右する。

「カイトさん……!」
「カイト様!」

二匹のドラゴンが激突したことでココアとオービタルが心配そうに声を荒らげる。

「うろたえるな、ココア。そして貴様は俺よりココアの事を心配しろ、オービタル」
「うん。かっとビング、だよね……!」
「カシコマリ!」

二匹のドラゴンによって引き起こされた爆風に耐えながら、それでもココアは前を向いた。オービタルも主人であるカイトを信じ、ココアの護衛に専念する。
彼らは過去に囚われない。未来のために今を諦めない

家族を失い、復讐者となったカイムと春花
紆余曲折の末に弟を救い、仲間達やドラゴンとの絆を胸に戦うことになったカイト
血の繋がりこそないが、チノという大切な妹が存在し、再び二人で日常を取り戻そうとするココア

二つの主従は家族という共通の接点がありながら、歩んできた人生は正反対なのかもしれない

1459名無しさん:2022/02/24(木) 19:15:23
>>1454>>1455
医者達を逃した一行はこの場や宿屋からの移動を余儀なくされていた
今は深夜なのだが宿屋での騒動で目覚めた住人もおり、しかもアーチャーが消えたことで暴徒達が一斉に死体に変わってしまった
これでは余計に騒ぎが起きて憲兵達も直にやってくる、そうなると指名手配されているチノの身が危なくなる
ゆえに別の何処かに隠れなければいけない状況になり、ここでまりなが自分の家に潜むことを提案する
これは保身に走る彼女が幾らかでも恩義を売っておこうという思惑もあるが、ひとまず一時的な避難場所として機能することには間違いなかった
ただし医者やアサシンには知られているため、マコトと木場は周辺の警戒のために起き続けて少女達は眠れずとも気を休めることになった

そのまま何もなく日が昇って人々が活気だってきた頃に、街の至る処で大声が発せられて人々の注目を集め始めていた
それらは街中を移動して広く触れ込み、その声はまりなの家にも聞こえてきた

「本日の日暮れ前に、○○にて公開処刑を行う」
「処刑される罪人は喫茶店の店主****、一昨日の爆破テロ事件の首謀者であり、その他ここ最近の事件の数々を引き起こした煽動者である」
「また、****の共謀者であり現在逃亡中のチノ・カフウの情報を引き続き求める」
「この少女は昨晩の宿屋襲撃および大量虐殺の容疑者であり、非常に危険な人物です」
「見かけた場合は下手に刺激せずに近くの憲兵に報告してください」

1460名無しさん:2022/02/24(木) 20:07:49
宿屋戦は死に関係が深い人間たちばかりでそれぞれの死生観が垣間見えて好き
死者と縁が深いサーヴァントたちと身近に死があるマスターたちだからか、虎杖の死体からセンシティブな話題になっても暗くなりきらずに動揺から立ち直るのが早い
まあそれはクヨクヨしてたら死ぬとかっていう理由もある表面上だけのもので、喫茶店の店主が公開処刑されるって聞いてまた動揺するんだけど

「このままじゃマスターさんか、私のせいで……ど、どうにかして助けられないでしょうか?」
「助け出すことそのものは難しくない。今から行くか?」
「二人とも待ってくれ、助けてもそれで終わりじゃないんだ。あの人は冤罪を負わされてる。ここで逃げたら、あの人はずっと犯罪者のままだ。」
「じゃ、じゃあ、あの人が犯人じゃないって証拠を探しましょう! 夕方までまだ時間はあります! ね、チノちゃん!」
「それは……現実的じゃないと思います、おっこさん。」
(コイツら、なんであんなオジサンを助けようとしてんの! こっちだっていつ死ぬかわかんないのに!)

ものの見事にバラバラで、こういう時に建設的な意見を出せる人間がいない
やがて会話が途切れて、木場がボソッと言ったのが
「処刑の命令を無理矢理でも撤回させるか、処刑の命令を出す人がいなくなれば、助けられるんじゃないかな……?」
まりなを見ながらそういう木場の顔にはオルフェノクの影が……

1461名無しさん:2022/02/24(木) 20:30:48
>>1458

二体の竜の攻撃が激突し、周辺に衝撃が走る
だがその最中でもカイムは動く、アンヘルが相手の攻撃を相殺してくれた、ならば生まれた隙を突いて自分が敵のドラゴンを仕留めるために
これは長い間戦場で戦い続けた絆があるからこそできる連携であり、その必滅の剣は確実に『銀河眼の光子龍』を捉えていた


ちなみにだが、このカムイの攻撃が決まれば光子龍は確実に倒される
今回行われる決闘は聖杯戦争であり、カイトの世界では常識的なデュエルルールが同じように適用されるわけではない
例えば、『銀河眼の光子龍』が攻撃力3000を持っていても英霊や宝具などを一撃で倒せる保証はない
基本は対象に攻撃が当たればHPを減らすようになり、場合によってはスキルで無効化される可能性もある
また、もし仮に英霊の攻撃力が3000未満に数値化されていようと『銀河眼の光子龍』が倒される可能性も充分にある
なによりターン制の概念が通用しづらいリアルタイムな戦闘が英霊同士の戦いである、それはカイトも理解しており如何に臨機応変に機転を利かせられるかがこの勝負の鍵となる

1462名無しさん:2022/02/24(木) 21:00:34
>>1461を微修正
場合によっては宝具・スキルで無効化される可能性もある

1463名無しさん:2022/02/24(木) 22:21:58
>>1456
さて、マスターが不在でもキャスターのやることは変わらず、フルネラ型で街の動向や他の主従の情報などを探り続けていた
ただし単独行動のスキルは所持していないし人形も数多く破損したため情報収集も必要最低限とし、あまり目立たないようにしている
さらには魔女として色々と誤魔化しながら霊体化も駆使してあーだこーだと魔力を節制しなければならない、全く泣けてくるね
というわけでマズルカはマスターが帰ってくるまでしばらく大人しくしているつもりだ、たとえ街で騒動があろうともそう簡単には動かないだろう
とまぁそんなこんなをしているうちに調査に出ていたフルネラ型が戻ってきたのでその報告を聞き、今ある盤面を幾らかでも読み解いてみよう

「マズルカ様、本日の夕方に公開処刑が行われるのと、チノという犯罪者を捜している、と軍の人間が町中で喧伝していました」
「ふーん、それはまた急な話だね。昨日の今日で処刑とか、何か意図があってやってる?もしかして、軍に聖杯戦争の参加者が?それにチノって少女も濃厚そうだね」
「それと、昨晩騒動があった宿屋の周辺を捜索したところ、虎杖の死体を発見しました」
「……マジ!?」

1464名無しさん:2022/02/24(木) 23:23:55
まりなちゃん、>>1459でチノが派手に指名手配されたら妬みゲージが下がって同情までし始めたぞ…と思ったら
>>1460でまたイライラ向け始めていい塩梅にクソガキやなコイツ…と思いました

1465名無しさん:2022/02/25(金) 07:52:59
>>1461
「この瞬間、俺は手札から魔法カード《銀河遠征》を発動!デッキから銀河騎士を特殊召喚する!」

ターン制じゃないデュエル方式だからこその、相手バトルフェイズに魔法カードを発動するという荒業。
これによって新たなモンスターが現れるが、ギャラクシーアイズに比べてたかが知れている。
まずは相手の切り札であろうギャラクシーアイズに専念し、他の雑魚は後回しで良い。アンヘルの作った一瞬の隙をカイムは無駄にしない

「デッキから特殊召喚された銀河騎士の効果により、手札から更に銀河騎士を特殊召喚する!」

同じモンスターが二体並んだのを見て、カイムと春花は相手が苦し紛れの戦術に出たと考える。
凄まじい速度でモンスターを並べたことは見事だが、ドラゴンと比較して大して強そうでもないあの二体に自分が負けるなんて思うはずもない。

しかしカイトからデュエルを学んだココアとずっとカイトの勇姿を見てきたオービタルだけは、同レベルのモンスターが複数並んだこの状況に希望を見出す。

そしてカイムの攻撃がギャラクシーアイズに届くその瞬間――

「逆巻く銀河よ、今こそ、怒涛の光となりてその姿を現すがいい!」

アーチャーが弓兵らしく槍を投擲した。しかしその方向は上空で、カイムからしたら苦し紛れにも程がある。
それにギャラクシーアイズは剣が届いた瞬間、姿を消した。相手の宝具は消え去り、カイムは勝利を確信する。この時にはギャラクシーアイズ以外の二体は完全に蚊帳の外であり、彼らが消えたことなど気にもしていない。
まだ戦闘が長引いているわけじゃないが、加虐体質スキルやドラゴンへの憎しみでカイムが冷静さを欠いているのも大きな原因だろう

「降臨せよ、我が魂!超銀河眼の光子龍!!」

そして消え去った三体の代わりに現れるは、三つの首を持つドラゴン。
カイトが弟との絆で生み出した切り札――超銀河眼の光子龍だ

更に超銀河眼の光子龍の効果により、カイムはスキルを1つ無効化される。
相手のスキルをカイトが把握していない場合、その対象はランダムで決定される。
幸い最も重要な契約スキルこそ無効化を免れたが、これにより戦闘続行スキルをこの決闘では無効化されることになった。

銀河遠征(アニメ)
通常魔法
自分フィールド上に「銀河眼の光子竜」が存在する場合、自分のデッキから「銀河騎士」1体を特殊召喚できる。

銀河騎士(アニメ)
効果モンスター
星8/光属性/戦士族/攻2000/守2600
自分フィールド上に「銀河騎士」が存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
このカードは同名カードが自分フィールド上に存在する限り、攻撃宣言できない。

1466名無しさん:2022/02/25(金) 08:03:48
>>1465
この展開力をカイムがギャラクシーアイズに攻撃を仕掛けた僅かな時間にやってのけていると思うと草
まぁここら辺はいつものデュエルで慣れしているし普通のことだね(感覚麻痺)

1467名無しさん:2022/02/25(金) 14:03:45
>>1460
まりなちゃんは爆破テロ事件について悩んでいた
チノはしずかちゃんのようにまりなちゃんから見て「調子に乗っている」ことをしていない上に実際接してみると本気で自分の身を心配してくれて、男に媚びを売るような存在には見えない。
それにチノやおっこと過ごした時間はまだ短いが、どこか暖かさのようなものを感じる。

だからこそ若干だが負い目を感じる。自分がNPCの家族と幸せに暮らしていたように、チノもまた店主と喫茶店で働いていたのだ。
その気持ちを少しでも偽るかのようにイラついてみたが、やはり罪悪感は拭えない。
しずかちゃんの時は色々な要因が重なり、虐め以外は特に交流という交流がないからあそこまで過激になれた。更に言うならまりなちゃんがそこまで見抜いていたか定かではないが、しずかちゃん自体がアバズレのような素質の持ち主だったからそれもあるかもしれない。少なくともしずかちゃんの母親がアバズレだというのは間違いない確たる情報だ。

だが匿ってもらうために入り込んだ集団は思いのほかお人好しが多くて暖かい。
サーヴァントを失った自分を本気で気に掛け、守ろうと動いてくれている。

だから彼らに何か協力するためにまりなちゃんは自分から全てを奪った緑の怪物が爆破テロの犯人だとチノ達や憲兵に情報を提供するのもアリだという考えが思い浮かぶ。
それに自分から幸せを奪ったあの緑の怪物はまりなちゃんにとって決して許せる存在ではなく、彼を倒すためなら協力をしたい。
もしも自分が憲兵に情報を提供したら、チノの指名手配も店主の公開処刑も終わる可能性がある。

だがここで爆破テロ事件の犯人が緑の怪物だと言えば、自分がチノや店主を追い込んだとバレてしまう可能性がある。
何故なら自分が最初に憲兵に嘘を吹き込んだのだ。今更その発言を撤回する覚悟は、残念ながらまだ決められていない

だが木場がこちらを見ながらボソッと話した言葉を聞いて、まりなちゃんは一気に怯える。
何か危うさのようなものを感じ取ったまりなちゃんは、素直に爆破テロ事件のことを話そうか悩む。
このまま店主が処刑されるまで黙っていた場合、後から発覚した時が恐ろしすぎる。
それなら今すぐ素直に話して、謝罪するべきだろうか?果たして彼らは許してくれるのだろうか?
色々と悩みはあるが、店主が処刑されて取り返しがつかなくなったらあとがない。
今の自分はサーヴァントすらいない状態であり、このタイミングで味方を失うことはほぼ死を意味している。
幸せなお母さんになることも出来ず、聖杯で願いを叶えることも出来ず……きっと適当なサーヴァントにでも見つかって死に絶える

「それはどういう意味だ?ライダー」

まりなちゃんが悩んでいる中、木場の態度に僅かな違和感を覚えたマコト兄ちゃんが問い掛ける。
処刑の命令を無理矢理にでも……つまり力づくでも撤回させる。これはまだわからないでもない。もちろん他人の命を奪わない前提で。
だが処刑の命令を出す人がいなくなる。この『いなくなる』の意味次第ではマコト兄ちゃんは木場の考えに賛同出来ない。
なにより木場の顔に浮かんでいる影は、彼が戦おうとしている証拠だ。ゾンビ戦でホースオルフェノクとしての姿を見たマコト兄ちゃんにはそれがわかる。

「そのままの意味だよ。もちろん俺だって本当はこんなことがしたいわけじゃない……」
「ライダー……それは本気で言ってるのか?」
「うん。俺なりに色々と考えたけど、罪のない人を助けるにはそうするしかないじゃないか……!」

ド カ ッ !
マコト兄ちゃんの拳が木場に叩き込まれる。

「人間と他の種族の共存が夢だと言ったのはお前だ、ライダー!」
「それは……」

いきなりマコト兄ちゃんに殴り飛ばされ、木場は何も言い返せなくなる。
先程までの木場は明らかに暴走気味だった。
それはチノや喫茶店のマスターを事件の犯人へ仕立てあげた者に対する怒りが大きい。
自分が直接的に何かの被害を受けたわけじゃないが、姑息な手段で仲間を罠に嵌めているやつがいる。
どうしてチノや喫茶店のマスターを付け狙うのか……一つだけ心当たりがあった。

「ありがとう。君に殴られて少し落ち着いたよ」
「気にするな」
「うん、ありがとう。……それと落ち着いて考えたら、ふと思い浮かんだことがある。それを皆に聞いてほしいんだ」

マコト兄ちゃんが「わかった」と返事をすると木場は皆に向かって自分の推測を話し始めた。

「香風さんはマスターだ。他のマスターに狙われてる可能性だってある」
「どういうことですか……?」

理解の追い付かないチノや他のメンバーに木場は自分の推測を説明する。
そこで木場が話した大まかな内容は以下の2つ

・他のマスターがチノがマスターということを知り、追い詰めようとしている
・そのマスターは憲兵達を動かせるほどの地位や権力を持っている可能性がある

聖杯戦争には当然聖杯狙いのマスターが存在し、その中にある程度の地位に居座っている者がいてもおかしな話ではない。
木場の推測を聞いたまりなちゃんは都合良く他のマスターに罪を被せるか、素直にチノ指名手配のキッカケは自分でテロ事件の真の犯人は緑の怪物だということを教えようか悩む

1468名無しさん:2022/02/26(土) 09:20:14
>>1465の続き

2組の主従とオービタルは通常とは異なる時空に存在していた。
カイトがデュエルによる戦いを開始した時点で、対戦者(この場合2組の主従、それらの召喚した存在など)意外の邪魔の入らない時空に移動できる、
カイトのお供であるオービタル7の力だ。

カイムと春花を相手にデュエルタクティクスで対等の戦いをするカイトとココア
しかし二人には欠点があった
魔力の枯渇...ココアには魔力の才能は最初からない
だがそれは春花とカイムも同じであると、ココアはともかくカイトは気づいている。この点では条件は同じ。
だが、敵の主従の抱える決定的な弱点を宝具である竜アンヘルは気づき、テレパシーを送る

アンヘル『カイムよ、お主も気づいているかもしれぬが彼奴らと戦ってわかった。
     竜使いの方はともかく小娘の方は殺意がない』
カイム(静かにうなずく)
アンヘル『戦いの鍵はこちらのマスターである小娘となるだろう...我らは竜使いの攻撃をギリギリまで引き付ける。
     小娘にマスターを弓で射させろ』

それはココアの良心を利用する非情とも言える作戦
だがそれの効果は絶大であり、カイトのカードもまた全て魔力によるもの...魔力の供給元であるココアが消えればデュエルの過程に関係なく残るカイトは敗北する
それに、ココアに殺人への覚悟がなければ、どの道この先生き残れぬ、ならばここで命を落としてもらおうという、この剣陣営なりの慈悲であった
その一方で...

アンヘル『昔を思い出すなカイムよ、殺し合いを楽しんでいるようで何よりだわい』
カイム(口角が上がっている)

カイムとアンヘルは、戦争とは別に異世界のカイトには戦いの中で敬意のようなものも抱いていた
生前の世界にはほとんど出会えなかった気高き『竜騎士』カイト
ここが聖杯戦争の場でさえなければ、この漢とは憎しみや野望も関係なく、マスターという要素も抜きに、
純粋な力比べで勝ちたかったと、カイムとアンヘルは思った

◆◆◆◆◆◆◆

1469名無しさん:2022/02/26(土) 09:21:24
カイムの口角が上がっていることはカイトの目にも見えていた。
それは決闘を楽しむ者の笑み。
どうやらこのセイバーは根っからの決闘者なのかもしれないとカイトは認識を改めた。強大なドラゴンを前にこんなふうに笑える者など、決闘者と言わずしてなんと言うのか

ならばこの決闘、こちらも全力で迎え撃つのみ。
ミザエルと激戦を繰り広げた時のように、自分の全てをこの決闘に賭ける。
それはきっと相手のセイバーも望んでいることだ。
だが目の前の相手と自分では抱えるものも信念も違う。マスターであるココアを狙うという非情な手段も取り得るだろう。

カイトは超銀河眼の光子龍でカイムを攻撃し、その間にオービタルとココアに話し掛ける。
ちなみにカイム自身を狙った理由はこの程度であの男が死ぬことはないという確信があってこそ。
カイトもまたカイムのことを認め、その実力を信用していた。

「オービタル!これから先、何があっても必ずココアを守れ!!」
「カイト様……!」

覚悟を決めたカイトの呼び掛けに一瞬、オービタルもまた、覚悟を決める。
カイトとオービタルは一蓮托生。ミザエル戦でもそう言ったように、カイトが自分をあてにしてくれるなら命なんて惜しくない。

「この小娘は命に代えてでも、オイラが守るであります!!」
「当たり前だ」
「相変わらず酷い!それでこそカイト様!!」

一通りオービタルに命令を出した後、ココアを見る。
その瞳には熱き闘志と覚悟が込められている。これぞ決闘者の目だ。

「見ておけ、ココア。これが決闘者の世界だ」

自分はきっと、ここで散る。
だからミザエル戦で遊馬に託したように――ココアに自分の意志を託し、その魂に決闘者としての生き様を刻み付ける。

「ココア。これから先、お前にはもっと過酷な試練が訪れるかもしれない」

自分の命はここで燃え尽きるだろうが、聖杯戦争は終わらない。
そして聖杯戦争は常に命懸け。ココアを無事、チノの元へ帰してやれないのは残念だが……自分が消えたからといってココアに挫折させるつもりはない。

「どんな過酷な運命でも諦めるな。俺は残酷な運命に抗い、かっとビングで乗り越えた男を知っている!」

九十九遊馬。
かっとビングという言葉と共にカイトから教わった決闘者のことをココアは思い浮かべる。

「……うん!私、絶対に諦めないよ!!」

だから――

「だからカイトさんも、自分の命を諦めないで!」

それはココアが心から望んだ願い。
令呪を使ってまで呼び掛けられたその願いにカイトは「フッ」と笑った。
――本当にこいつは、遊馬と似ている

◆◆◆◆◆◆◆

1470名無しさん:2022/02/26(土) 09:21:55
セイバー達から提案を受けてクロスボウを手にした春花は、少しの間だけ逡巡する

ココアを自らの手で殺める、その行為に一瞬だけ手が止まったものの、

すでに自分の手は数多の血で濡れていることを思い返し、聖杯を勝ち取る決意を抱いた以上は一切の迷いを捨てて弓を構えた

カイムとアンヘルが敵の注目を集めるように動き回っているため春花への警戒は弱まっている筈だ。
このチャンスを逃さぬように春花は素早く矢を解き放った
しかし真っ直ぐ飛翔する矢尻は、ココアに直撃する前にオービタル7によって防がれてしまった。
カイト達はお人良しではあっても、春花の覚悟を見くびることなく、十分に警戒をしていたのだ。
続けざまに矢を放つも防がれる、埒が明かないと判断して近寄って直接ナイフで刺そうとしても、
オービタル7はココアを乗せて逃げ回る。

2人の英霊は戦い続け、剣閃が煌めき、モンスターが召喚され、竜の咆哮が激突した。
そして決着がついた。

◆◆◆◆◆◆◆

今まで、歪んでいた時空が元に戻る。それはデュエル終了の合図。
勝者はカイム。最終的にモンスターやトラップを潜り抜けてカイトへと肉薄し、一太刀を浴びせた。

「カイトさん!」

本来ならカイトは消滅していただろう。だが、ココアのカイトに生きて欲しいという願いの令呪が発揮し、カイトを存在させていた。
しかし、その一撃はデュエルでいえばライフを0にするに十分すぎると、カイトか、または決闘者の神か…
世界がそう判定し、デュエルが終了したのだ。

ココアの残りの令呪は無し。元々、今後の戦略を考えて温存するなどと考える性格でも無い。
全力でカイトの生存を願って放たれた令呪により存在しているカイトだが、
まだ僅かながらも余力を残しているカイムに敵う術はない。このまま何もしなくても致命傷によりじき消滅するかもしれない。

デュエルは終わったが、聖杯戦争としての戦いは互いの闘志が続く限り終わらない。
ここから続くのはデュエルと認識されない、どちらかと言えばカイムのフィールドである残酷な泥仕合。
カードを使用することはできるが、この場では、アーチャーであると同時に「決闘者」であるカイトの能力は弱まり、効果は弱まる。
しかしカイトは諦めない。
カイムは未だに目に光を失わないカイトを両断するべく剣を構えた。

◆◆◆◆◆◆◆

1471名無しさん:2022/02/26(土) 09:22:26
だがその直後、銃声が鳴り響く
ココアを狙った数発の凶弾…予想外の攻撃だったが、ココアを命にかけて守ると誓ったオービタル7が、盾になりココアを守り、破壊された。

「オービタルさん!」

予想外の攻撃だった。もしもココアが決闘前と同じ位置に立っていれば被弾していたかもしれない。
ココアが生きていたのは勿論オービタル7が警戒を怠らなかったことが一番の理由だが、もう一つ理由があった。
決闘中に春花はココアとオービタル7をナイフを持って追いかけまわし、それからココア達は逃げていた。
歪んだ時空内で激しく移動したことにより、空間が元に戻った際に出現した位置や角度が僅かにズレていたのだ。

そのおかげでオービタルは銃撃する乱入者、半グレ集団のリーダー・相馬和樹がこちらを狙っている事に、攻撃の一瞬前に気付くことができたのだった。

◆◆◆◆◆◆◆

レジィと相馬和樹は相対する2人の主従を見た。
元々は同盟を視野にいれた接触を考えていたが、争っているなら片方、または両方落としておく絶好の機会でもある。
いや、片方が敗北して消滅したところで登場し、生き残った片方と交渉、もしくは追い打ちを行うのが得策か。
そう考えながら死角からの不意打ちの準備もしつつ、潜伏の体勢をとっていたのだが…突如空間が歪んだように曲がった。

さして時を置かずに再出現した主従、片方は満身創痍、疲弊しているようだった。
そして、出現した位置は何故か先ほどより若干ズレていた。
それにより、片方の少女の傍にいるロボットが、潜伏中のこちらに気付いたようだった。
相手から補足されたことで即座に潜伏から攻撃に切り替えた相馬は、少女にレジィの能力で再出現させた宝具化した拳銃で攻撃を仕掛けた。
しかし一瞬早くこちらに気付いたロボットが身を挺して盾になり、銃弾は少女に当たることなく防がれてしまった。

動いたのは満身創痍の英霊。
まだそんな力が残っていたのか、とレジィが思わず感心する速度で、英霊は腕に取り付けている装置から何かカードのようなものを引き出した。

そのまま英霊は体が崩れるのも構わずに何事か、呪文のようなものを叫んだ。
閃光がその場に満ちた

◆◆◆◆◆◆◆

1472名無しさん:2022/02/26(土) 09:23:17
『No.62 銀河眼の光子竜皇(ナンバーズロクジュウニ ギャラクシーアイズ・プライム・フォトン・ドラゴン)』

カイトは最後にその宝具を発動した。いや、正確に言えばデュエルで敗北する前に既に発動していたのだ。
デュエル中に召喚が行われ、破壊されたモンスター。
ここで行われているのが本来のデュエルであったなら敗北した時点で最早意味を失っていただろう。
だが聖杯戦争の場では、デュエル外の場面でも残った効果―――戦場から離れた後の再出現―――が発動できた。
いや、もしかしたらそんな理屈を超越して、カイトのココアを守る意思が、ギリギリの条件での抜け道を実現したのかもしれない。

銀河眼の光子竜皇はカイトの攻撃宣言により、レジィ達のいた方向に全力のブレスを吐き、周囲を吹き飛ばした。

◆◆◆◆◆◆◆

満身創痍に見えたサーヴァントから放たれた予想外の大技での反撃。
そしてまだ余力を残しているセイバー達の存在に、不意打が失敗したレジィ達は一時退却した。
当人相手ではないとはいえ漁夫の利を狙って不意打ちを仕掛けた直後だ。
厚い面の皮で同盟を提案するにしてもタイミングが最悪すぎるとの判断だった。
この場で戦闘直後の疲弊した主従に攻撃を仕掛ける事も考えたが、昼間から放たれた今の派手な攻撃が人目を引きすぎる。じきに人も来るだろう。
自分達が手に入れた最強の『契約書』、これを使用すればどうせ人目を引くことになるのは避けられないのだが、
この切り札は可能ならば聖杯戦争終盤まで温存しておきたい。
いつか聖杯戦争が進み、互いに生き残り相対するようなことがあれば、この切り札で相手をしよう…そうキャスター陣営は考え、
この場は撤退した。

春花とカイムは、魔力の消耗による疲弊により倒れたココアを眺めていた。
もはや令呪を失ったマスター。脅威にはならない…だが、聖杯戦争には再契約というシステムがある。
聖杯の存在を知ったココアが再び新たなサーヴァントと手を組み、聖杯戦争に復帰する可能性も、低いとしても完全に0にはならない。
また、自分達主従の情報が他の陣営に漏れるかもしれない。
カイムは、剣を抜きかけたが

「行こう。セイバー。」

「……」

カイムは少し動きを止めたあと、春花の声に従いその場を離れた。

【天城カイト(ライダー)@遊☆戯☆王ZEXAL 死亡確認】

1473名無しさん:2022/02/26(土) 10:32:17
>>1472
「カイト様……。オイラの活躍、見てくれたでありますか……?」

極度の損傷でその機能を終える寸前、オービタルは最期の力を振り絞ってカイトにそれだけ聞いた。

「――よくやった、オービタル」

カイトの労いの言葉を聞いて、オービタルは遂に機能を停止する。
ココアの願いとオービタルの犠牲。そしてココアを守り抜くという鋼の意思と決闘者としての闘志。
様々な要因が重なり、カイトは瀕死の状態でも強引に体を動かした
決闘の邪魔をし、なんだかんだずっとカイトの傍らに居たオービタルを破壊した乱入者――セイバーとカイト、二人の決闘者の誇りを踏み躙った彼らに全身全霊の一撃を叩き込んだ

自分の命はここで燃え尽きるが――カイトには託せる者がいる

「ココア……後はお前に託す。運命に屈するな……。チノや仲間と共にお前達の手でこの聖杯戦争を……悲劇の連鎖を止めてやればいい……」

瀕死の状態でココアに後を託し――そしてカイムと春花に目を向ける。

「セイバーとそのマスター……お前達も自分の運命を諦めるな」

それはプライムフォトンの攻撃宣言を行い、自らが消滅する寸前の言葉。カイトは最期まで自分以外の人間のことを気遣っていた。
セイバーは敵のサーヴァントだが、同時に熱い決闘を繰り広げたライバルでもある。
そして彼が根っからの悪人ではないと思ったし、そのマスターもココアと仲良くしているのを知っていたからカイトは最期に彼らに向けて語り掛けたのだ。

春花がココアを見逃したのは、もしかしたらココアに対する複雑な思いだけでなくカイトが散り際に残した言葉も多少は影響しているのかもしれない

1474名無しさん:2022/02/26(土) 18:48:51
>>1472
カイトが最期に放ったプライムフォトンの一撃
それは敵のサーヴァントやマスターを倒すには至らなかったが、ココアを守るという意味ではこれ以上なく作用していた。

「おい、なんだあれ!」
「ワオ」

ココアを探索しようとしていた巧と雲雀が真っ先に気付き、反応した。
レジィ達が危惧していた通り、この派手な攻撃は人目を引く。
それはココアを探している炭治郎達にも届き、何事かと駆け付けた彼らは結果的にココアを見つけることに成功する。
ちなみに巧のマスターであるピーターも同行中。悩んでいたところにプライムフォトンの一撃による余波による轟音が聞こえ、なんだかんだ行かざるを得なくなった。迷いこそあったが、やはり彼は根っこがヒーローなのだろう。

「大丈夫ですか!?ココアさん!」

炭治郎が疲弊して倒れ伏すココアに必死に呼び掛ける。
まだ息はあるようだが、凄まじい疲労だ。ココアはなかなか目を覚まさず、雲雀を除く三人で話し合って炭治郎がココアを背負い、この場から離れることにした。ちなみに雲雀が話し合いに入っていない理由は単純に彼がそういう性格だからだ。

しかし激戦の末に生き残ったであろうココアを多少認めている節はあり、興味がないわけではない。
炭治郎以上にひ弱そうな小動物だが――小動物が決して弱いばかりの生き物ではないことを雲雀は知っている。

周囲にサーヴァントの気配はない。この小動物がマスターだとするなら、きっと負けたのだろう。
勝負に敗北こそしたが、五体満足で生きている。不思議な結末だ。
サーヴァントを失ったマスターをわざわざ生かすメリットなんてない。それでもこの小動物がこうして生きているのは、サーヴァントが自分の命を燃やし尽くしてでも相手を撤退に追い込んだか。
それとも相手に何か思うところがあり、小動物だけを逃がしたのか。
それこそ沢田綱吉のようにこの小動物が覚悟を見せたか、譲れない誇りのために戦って相手の心境を多少は変化させたのか――色々な可能性が浮上するが、考えても仕方ない。
自分と契約した小動物もこの小動物を保護するだろうし、この目で直接見てやれば良いだけだ

「急にココアさんのことを見てどうしたんですか?アサシンさん」
「別に大したことはないよ。その小動物に少しだけ興味が出ただけさ」
「お前、こんな女の子とも戦うつもりかよ!?」

突っかかってくる巧を無視して雲雀は続ける。

「小動物は時として弱いばかりの生き物ではない。小動物には小動物の生き延び方がある
――だから僕はこの小動物がどうやって生き延びるか興味があるだけさ」

そして疲弊したココアは「チノちゃんは私とカイトさんとオービタルさんが守るからね」「お姉ちゃんビングだよ、私」と寝言を呟いていた

1475名無しさん:2022/02/26(土) 20:28:24
三日目 正午

太陽が天高く昇り、人々の活気に満ちて、食欲をそそる香りが漂う頃合いに
突如として聖杯戦争の参加者にのみ、現実とは異なる光景を観覧する
映されたイメージには16枚のカードが並んでおり、各々にクラスを冠するサーヴァントの姿が描かれている
その内の数枚が整列したカード群から一枚一枚とこぼれ落ちる
アーチャーのカードが2枚、ランサーのカードが1枚、アサシンのカードが1枚、深淵へと沈みながら燃え尽きるように消滅した
このイメージ映像を見ている者にとっては数十秒程度の体感であったが、現実世界では一瞬の時間しか経過していなかった

この映像は暗示である、消えた4枚は聖杯戦争から脱落したサーヴァントであり、いまだ健在の12枚がまだまだ続く闘争の中に囚われた英霊たちである事を示している
これは何者かの仕業か、あるいは聖杯の采配か、とにかく今も生き残っているマスターに全体的な状況を大まかに知らしめたのだ

1476名無しさん:2022/02/26(土) 21:30:56
3日目 レムリア島 昼頃

レムリア島に到着したバッター(と、人形兵たち)。
何やら遠くで大きな音が聞こえたり騒ぎが起こっているようだったが、バッターはこれをスルーした。
今のバッターの使命は質の良い木材を手に入れる事だけなのだ。

とりあえず木のある場所、ということで遠目で見て立派な木が生えている山に向かった。
そちらに向かう道の途中に門があり、見張りがいる。
どうやらここはこのあたりの地主の山らしい。
山の中まで入って物を取るには地主の許可がいる、とのこと。
どうやら、周辺より良い物が手に入りそうだという勘は当たっていそうだ。
少しばかり木材を手に入れたい。試しに言ってみるが、ただの薪を拾いたいなら他所に行きな!とにべもない。

「ここのオーナーとは友人だ。通してくれ。」
出まかせを言うバッター。そこにたまたま地主がやってきた。
50か60歳程に見える地主は見張りの報告を受けて何をバカなことを…という顔でバッターを見てしばらく沈黙した後、
「ああ、彼は私の友人だ…通してよろしい。後で久々にお茶でも飲もうじゃないか…。」
と言ってバッターが山に入るのを許可した。

(念話)
マズルカ「キミ、彼と知り合いなのかい?」
バッター「知らん。」
マズルカ「え?…まさか…キミも他人のマナを操る魔術を使うのかい?」
バッター「そんな力はない。遊園地と同じ手が使えないか試しただけだ。何故あの男は虚偽に乗った?」
マズルカ「私が知りたいよ…。」
(念話終了)

奇妙すぎる事だったがバッターは気にせず山に入っていった。
山は奥に行くほど瘴気の気配が強くなり、ムー島の街中では見かけなかった「魔物」も出現した。
バッターは人形兵と連携を探りながらこれらを倒し、使えそうな魔物の素材を剥いだ。
そして山の頂上で巨大な樹木の化け物との戦闘の末これを撃破(戦闘省略)。
十分な量の魔力の籠った最高級木材を手に入れたのだった…。

(念話)
マズルカ「そっちの周辺は異様だね。植生といい、魔物の強さといい…。」
バッター「これがマナ溜まりというやつか?
      この魔物達は島の連中を襲わないのか?」
マズルカ「ここからじゃ何も分からないね。縄張り意識が強いのかな?」

バッター「異様な土地だ。
      何かが隠れていてもおかしく無いな。
      用事は果たした。帰還する。」
(念話終了)

山を下りたバッター。そこに待ち構えるように見張り達が立つ。
「地主さまがご友人方をお待ちです。どうぞこちらへ…。」
「すんなり帰れそうにないな。」

地主の屋敷で客間に通されたバッターに席を薦め、地主が話しかける。
「良い収穫はありましたかな?もしかして貴方…聖杯を欲するマスターでは無いですかな?」
「何者だ。」
ムー島の地主は語る。
かつてムー島とレムリア島に聖杯を巡る争いがあった事。
彼はマスターではなかったが、マスターの1人に協力する見返りに商売敵を排除して、結果的に今の富を手に入れた事。
最近のムー島・レムリア島の騒ぎや奇妙な事件から、聖杯戦争の気配を感じ取った事。
人形兵を引き連れるバッターの雰囲気から、島の住人とは異なる異様な雰囲気を感じ取った事。
協力の見返りに再び富を得たいと考えている事、など。
「どうですかな?」
「……」
(どうする?)
(…地元の領主を味方につけるメリットはある。私も昔…いや、その話は後で…。
 …私はキャスターだけど、陣地を構築して迎え撃つタイプじゃない…どちらかと言えば旅団を使って敵に攻め込むタイプなんだ。
 あまり目立つ拠点を作っても集団で袋叩きにされそうだし…それにこの男はあんまり信用できなさそうなんだよなあ。)
(同感だ。)
「ささ!お茶をどうぞ!この茶葉は他の空島から取り寄せた一級品でしてなあ!遠慮なさらず!」
「強欲な地主殿。胡乱で悪趣味な語り部達に弄ばれる覚悟はあるか?」
「な、なんですと?」
「これ以上表舞台に上がらないことがお前にとっての救いとなるだろう。
 木材の代金だ。受け取れ。」
バッターは代金替わりに、山で倒した魔物の骨や牙などを置き、背を向けた。
「ひひひ…これで私も、マっ、マスターに…」
地主はバッターの背にナイフを突き出した!しかしバッターは身を翻し、バットで地主の頭蓋を粉砕!
…は、せずに寸止めした。
地主は恐れ慄いて失禁した。
「ひ、ひぇええええ!!」
「お前に用事は無いが、山にはまた来るかもしれん。入っても構わないか。」
「おおおおお仰せのとおりにいいいいい!!命だけはああああ!!」
地主はドアから一目散に廊下へと逃げて行った。

バッターは帰ることにした
が、その前に…屋敷の奥に地主の部屋を見つけた。
書棚には空島に関する本や、聖杯戦争について調べようとしたのか、オカルトについて書かれている本等が並んでいる。
バッターはそれらを適当に人形兵に持たせた。

山の入り口を覗いてみると、門が開いていた。
元・見張りの男「もうここを誰が通っても止めるなってさ。
          やることが無くなったから、これからは別の仕事をやらされるんだ。
          楽でいい仕事だったのになあ。」

【設定追加:過去の聖杯戦争の関係者は島に存在しうる。】
【設定追加:レムリア島には魔力の高い環境の森がある(炭治郎の炭焼きの仕事には関係ない)。
        地主の土地だが、現在は行き来が自由になっている。
        そこそこの強さの魔物が生息しているが、人里には下りてこない。】

1477名無しさん:2022/02/27(日) 09:28:57
レムリア島の山にて、高品質の木材や魔物の肉などを手に入れ、地主の館から出てきたバッター。
途中で何か幻(>>1475)を見た気がする…。

飛空艇乗り場に向かおうとしたところで、マズルカから念話が入った。

『マスター、飛行艇の出るまでにはまだ時間がある。
 船に乗る前にその島の炭焼き小屋に行って欲しい。』
マズルカの示す炭焼き小屋は今いる地点からそこそこの距離にある。
『なぜだ?そこにマスターがいるのか?』
『炭を買ってきて欲しい。』
『…ムー島の商店でも買えたぞ。
 …特別な炭か?』
『いや…生産者から直接まとめ買いしたほうが安く済むかなって』
『……』
『人形の修理とか武器の錬成とかってお金かかるんだよねえ…。
 馬車小屋も宝具だから魔力でなんとかできるけど節約したいし。
 はぁ…今思うとドロニア様はすごくしっかりしてたんだなあ…。
 …ううっ、今になって地主のコネが惜しくなってきた…。』

突然、バッターの頭に念話で歌が流れ込んできた


  家計は大事の歌
  作詞:マズルカ
  歌:マズルカ

  『家計〜は大事〜
   お買い物に〜い〜く〜

   おつりでおイモを買〜う〜
   バレて〜おこられる〜

   違いますドロニアさま〜
   おイモはごはんだから〜
   これは必要なもの〜

   無駄づかいじゃな〜い〜
   無駄づかいじゃないんです〜』


『……』

バッターの頭に念話で更に歌が流れ込んでくる

   おかねをためるのうた
   作詞:マズルカ
   歌:マズルカ

   『なぜ〜おかねは

『わかった。炭を手に入れる。』

1478名無しさん:2022/02/27(日) 10:07:17
>>1477
バッターがキャスターからの唐突な注文により、町外れの炭焼き小屋に立ち寄って木炭を大量に購入、今度こそ飛空挺乗り場に向かおうとした

「ちょっとそこのキミ、待ってはくれないか」

が、その途中で横から声を掛けられて立ち止まり振り向く
そこには仮面を付けた軍服の男が立っていた、明らかに怪しい

「一人の地主さんが軍基地に来てこう言ったんだ」
『バットを持った男に脅された!しかも大人数の仲間を引き連れて!私の資産を奪っていったんだ!』
『奴はマスターだ!奴を捕まえて奪われた物を取り返してくれ!!』
「とね。門番たちは取り合わなかったが、たまたま私がその場にいてね」
「彼から詳しいことを聞いて、それでキミを探したわけだ」

あの地主がまさかそんな行動を取るとは予想しなかったが、今はそれより目の前の仮面男に最大限の警戒を向ける
その地主が口にした「マスター」という単語、それは一種の暗号となりごく一部の人間に情報をリークする
つまりは目の前にいる仮面男は聖杯戦争の参加者だ、その証拠に彼の傍らには従者たる長身の男が姿を現したのだ
バッターは迷わずバットを構えて人形兵達にも戦闘態勢を取らせた
だが長髪の男が何やら詠唱を唱え終えると、バッターが足を踏みしめる大地が急に大きく動き始めた
―――それはセフィロスが「魔術」のスキル(本来は「まほう」のアビリティ)で唱えた土属性魔術「クエイク」であった
その一発の攻撃で人形兵との連携は取れなくなり甚大なダメージを与えられてしまった

1479名無しさん:2022/02/27(日) 17:35:00
>>1478
突然の広範囲魔術によって出鼻を挫かれたバッターだが、咄嗟に動いた人形兵の助けもあり軽傷で済んだ
しかし人形兵の多くは大なり小なりの損壊を受けており、まだ動かせはするものの集団戦を十全に行えるほどではなかった

(マスター、何かあったの!?)
(サーヴァントに襲われた。俺は無事だが、人形兵を少し消耗した)
(なんだって!?これは相当マズい…マスター、令呪で私を呼ぶんだ!!)
(……わかった)

敵は余裕があるのか、何故かこちらに攻撃を仕掛けてこなかった
その間にバッターは令呪を使い、キャスターを傍に呼び寄せた

「おや?令呪はそのようにも使えるのか。すぐ近くにサーヴァントがいると思っていたが、どうやら違ったらしい」
「そこの仮面のマスター、いきなり襲い掛かるとはどういう了見だ!」
「我々が行っているのは聖杯戦争だろ?ならば敵情を知るのも戦場の常だよ」
「もっとも、こちらが声を掛けただけでそちらが臨戦態勢になった、だからこちらも対処しただけだが」
「…マスター、それホント?」
「あれは明らかに敵だ」
「どうやら私は嫌われているみたいだ。本当ならば君達と情報を交換して敵と味方を判別し、できることならば手を組みたいと思っていたが」
「…いいや、残念だけど先約があってね。それに、貴方みたいな胡散臭さプンプンな奴と手を組んでも、どうせろくな事にならないだろうし」
「仕方がない、フォーリナー、今度は手加減なしでいいぞ」
「了解」

その言葉を合図に、マズルカが指揮する人形兵団と一人の剣士が激突した
昨晩の戦いからずっと人形兵を作り直していたので人形兵の数は充分、バッターに預けていた人形兵も『妖路歴程』の魔力で幾らか修復して戦線に復帰している
先程のような魔術を詠唱させないように人形兵達に連携を取らせている、前衛が絶え間なく攻撃を繰り返し光栄が隙を与えぬように狙撃する
しかし相手は一騎当千の英傑なり、今度は詠唱する素振りを見せずに一本の長刀を携えて華麗に人形兵の攻撃を捌いていた
ならばマスターを狙うのはどうか、しかしそれも対策済みなのか仮面の男の周辺に黒い球体が複数浮遊しており、マスターに迫る攻撃や人形兵を迎撃している

フォーリナー、セフィロスにしてみれば一体複数の戦いは慣れている、ウータイとの戦争で数々の武勲を立てた英雄だからこそ敵兵の役割を理解し動き方も読めている
ただし今回は守らなければならないマスターがいる、そのためシャドウフレアを展開して空間認識能力に長けたクルーゼにその操作を譲渡している
人形兵の連携も上手いためそう簡単に突破はできないが、それでも徐々に人形兵を斬り伏せて数を減らしつつ敵の本丸に迫りつつあった

マズルカは自分およびマスターの周辺に「ピアフォートレス」などの護衛戦力を少し配置して残りを敵サーヴァントに集中攻撃を仕掛けていたが、徐々に頭数を減らされていき焦燥感を抱いていた
まだ投入してない人形兵もあるため戦力を増強することは可能だが、どちらにせよ戦闘に特化したサーヴァント相手では何時までも持ちそうにない
このまま戦い続けても厳しいと判断し、バッターが背後にいることを確認して一気にカタを付ける覚悟を決めた

「宝具解放!魔女ノ旅団よ!こいつらをぶっ倒せえ!」

対軍宝具『魔女ノ旅団撃』、人形達に込められた魔力を解放して放つドナム(魔術)の必殺技
広範囲に炎と無数の斬撃を放つ大技であり、いくら優れた英霊だろうとマスターを含めて防ぎきるのは無理なはずだ
徐々に劣勢になりつつある中での逆転の一手により敵がいた一帯に安全地帯はなくなった、はずだったが

「間一髪だったな、マスター」
「ああ、流石に私も肝が冷えた」
「うそ!躱された!!」

キャスターの渾身の一撃から離れた上空にて、漆黒の翼を一枚備えたフォーリナーが自分のマスターを抱えて浮遊していた
フォーリナーは目の前の人形兵達が一斉に魔力上昇を増大させていることを感知し、相手が宝具を使ってくると判断して自身も『片翼の天使』を発現させた
飛行能力と機動性アップにより素早くマスター・クルーゼを回収し、敵勢力の攻撃範囲から逃れたのであった

そしてこの時、キャスターとフォーリナーは相手の真名を看破した
長刀を使う長身の男であり、その特徴的な『片翼の天使』、その真名は星を滅ぼしかねない高次元生命体ジェノバの因子を宿した最強のソルジャー「セフィロス」
手に持った本型の宝具から数多くの人形を使役し『魔女ノ旅団撃』で敵を蹂躙する、厄災振りまくオオガラスを倒すために時間に干渉した大魔女「リマージュ・マズルカ・エルマ」
互いが互いの正体を把握したところで、この戦闘は第二ラウンドへと続いていく

1480名無しさん:2022/02/27(日) 17:51:42
>>1472
序盤から中盤への転換点となった名戦だと思う
サーヴァント達の決闘からマスターも巻き込んだ決闘になり、水を刺されてもなお意地を見せる
このあと春花が三日目の間中この戦いを引きずるのも好き

1481名無しさん:2022/02/27(日) 19:58:23
>>1475
胡桃は今しがた体感した白昼夢を明さんにも話して思案する
自分達の知らないところで聖杯戦争が着々と進んでいる、そこにはちょっとした疎外感や焦燥感も生まれていた
同時に、今朝学校に姿を現さなかった虎杖のことも気になった
キャスターの話だと虎杖はマスターであり、自分の知らないところで戦っていて、何か不味いことにでもなったのか
あの映像だけでは詳細まで把握できずに歯噛みする胡桃に対し、明さんは一つ提案をする
今日の夕方に行われるという公開処刑、あれはここ最近の非常時とはいえ明らかに度が過ぎている
もしかしたら聖杯戦争が関わっている可能性が高いと睨み、ならばそれについてどうにかして探ってみないか、という内容であった
他の参加者に動きぐないかを全体的に観察し、またそこに現れるかもしれない虎杖を探して自分の目で真相を確認すればいい、と

一方、医者とゴブリンは宿屋襲撃から撤退後に休息と情報交換を行い、イメージ映像について語らいつつ次の行動を考えていた
ちなみにだが、医者はすでにギャングと縁を切っている
ギャング達を纏めあげられたのはアサシンのスキルによるところがあり、アサシンが脱落したあとは医者による統率は難しかった
なので医者とゴブリンは傀儡にしていたギャングのボスや幹部などを殺し(魂食い)、今は別の場所に潜伏していた
それはさておき、医者達も夕方の処刑を耳にしている、そして明らかに戦争戦争の参加者を誘う罠だと予想していた
なので二人もそれに乗っかるつもりであり、状況を観察しつつ、もし騒ぎが起きるならばゴブリンが更に盛大にするつもりであった

それと、医者はまりなについても一応ゴブリンに話していた
アーチャーを失いただの力のない少々になったが、自分やゴブリンを憎んでおりまだ足掻き続けている可能性があると
万が一に他のサーヴァントとの再契約を果たす可能性もありえるが、彼女にはもう猶予がないと
なにせ医者が仕掛けた期限は約2日、明日の朝日を拝む前には死の運命から逃れられないからだ

1482名無しさん:2022/02/28(月) 09:01:34
戦闘を優位に進めたクルーゼとフォーリナー・セフィロス、
体勢を立て直している魔女の旅団、その隙をつくこともなくクルーゼはバッター達に語り掛ける。
旅団側も度々攻撃を仕掛けるが、守りに徹するフォーリナーには一部の隙も無く、
逆にお返しとばかりに人形を破壊され、陣形を崩される。
そして睨み合いながら、膠着状態、というより、キャスター・マズルカ側にとって不利な状況に陥った。
自然とクルーゼの『提案』を聞く状況になる。

クルーゼは己のこの聖杯戦争でのロール、レムリア島で軍人を束ねる隊長の身分を明かした。
そしてムー島にいる「軍の役職者」や「巨人のサーヴァントのマスター」が組んでいる事、
(さすがにホメロス司令やシャアだということまでは明かさなかった。)
いずれ残るだろう有力候補であるこの2騎を倒すため、自分の側にも協力者となる主従を求めている事を語った。
そして、時が来てこの2騎を倒すまで同盟を組まないか、ともちかけた。

「ふん!色々胡散臭いけど、『時が来る』までに両島で戦争でも起こすつもり?」
「おや、気付いたか。最も効率的な方法だと考えているよ。」
万能の願望機、それを巡る争いと考えれば2つの島など小さな規模かもしれない。手段も選ばなくなろう。
しかし、実際に戦っている関係者は残り12名、サーヴァントを入れても24名でしかない。
そんな少人数を狩るために軍を巻き込み戦争を起こすなど、正気の沙汰ではない。

「聞くだけ無駄だったね!旅団よ―――」
「その提案。呑もう。」
「なっ―――!?」
戦意を奮い立たせたキャスターだったが、マスターの発言に驚愕する。

「いずれ全てのサーヴァントを倒す。俺は使命を果たさなければならない。」
「それは……でも!」
「ふむ、話のわかるマスターで助かるよ。」
「だが、条件がある。」
「条件、とは?」
「贖罪だ。」

バッターはクルーゼを、表情のよくわからない顔で直視した。
「『隊長』殿。お前はこの世界で果たすべき使命を、放棄するに飽き足らず穢している。
 まことの命に目覚めたといっても、その行いは醜悪に過ぎる。」
「…何が望みだね?」

バッターは区分けされた世界、「ゾーン1」「ゾーン2」「ゾーン3」を維持する守護者、ガーディアン達を倒して世界を浄化し、虚無に帰した。
彼らは強敵であった。そしてバッターを彼らを殺した。
後悔など微塵もない。バッターにとっては使命の邪魔になる障害物に過ぎない。
ただ、彼らの与えられた使命への真剣さは、疑いようのないものだった。

クイーンに任じられたガーディアン達は世界を存続させる使命を真剣に受け止めていた。
時に非道な方法も用いていたが、各々の方法で世界を維持するために命を懸けていた。
ゾーン2のガーディアン、ヤフェトは使命を放棄し自らの世界を破壊してしまったが、
それだって深い苦しみと葛藤で絶望した故の行動だった。
決して、使命を軽く考えていたわけではない。

「権力を欲するのも、軍の私物化も、強権の発動も結構。だが―――」

「お前はレムリアの守護者でありながら、ムーの悪意と手を組むという愚行を犯した。」

「使命に対しての贖罪が必要だ。」

「すぐにでもムーにいる『敵』を倒しに行け。
 守護者としての使命を果たすなら、『巨人』の相手は請け負おう。」

レムリア島とムー島、この島の発生の経緯などバッターは知っているわけでは無い。
だが互いに軍隊を有するこの島々がこれだけの近い距離にあり、平穏を保っている。
それは偶然の部分も多いのだろうが、互いの軍や統治者の努力のもと、危うい平穏が保たれていたのではないか。

エルセンのような、いくらでもいる労働者ではない、
その島々の軍人の要職者、
この世界の王だか、議会だか、民だか、神だか知らぬが、とにかく島の『守護者』を任された者達。
彼らが元の世界の記憶を取り戻した途端、その役目を利用して島を破滅させようとしている。
部外者でしかないバッターにとっては、それは義憤に駆られる、とまでいかずとも、軽蔑する行いであった。
そんな連中と手を組み事など、バッターにとってはありえない選択肢だ。

そしてバッターが要求するのは、同盟相手への裏切り。
ムー島にいる戦争を起こそうとしているマスター、そいつを叩け、ということだった。

「ふむ、使命…役割に殉じろ、ときたか。
 となるとまずはこの島の治安を乱した君達を排除せねばならないわけだが。」
「それもいいだろう。」

クルーゼは肩を竦めた。
「申し訳ないが君達にそこまでの価値を感じないな。この世界の仮初の役割を重視するその考えも私達とは相容れない。
 また別の協力者を探すとするよ。」
バッター達も応じた。
「分かった。」「人形兵っ!」
マスターの交渉が終わったと判断したのか、フォーリナーが攻勢に移る。
旅団も応戦するが、先ほどの二の舞になると思われた。
マージナルメイズ達がドナム発動の体勢をとる。クルーゼを庇いつつフォーリナーが攻撃に対処するよう構えをとるが、
何故か、マージナルメイズ達は「バッターへと」ドナムの攻撃を放った。

「 喰 ら え 。 」

1483名無しさん:2022/02/28(月) 09:02:07
「 喰 ら え 。 」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マズルカホーーーーーーーーーーーーーーーームランッッッッッ!!!!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
バッターはドナムを打ち返した!
燃えるドナムの炎が一点にまとまり流星のように通り過ぎる!
ちなみに反射系ドナムは攻撃を食らったらダメージを数倍にもして跳ね返すドナムだけど
1ターンしか保たないし属性が指定されてるし対象が自カヴンだけだったりで普通に使いづらいぞ!
でも他の魂たちは「これで勝てます」みたいなコメントが多い!みんな使いこなしてて凄いね!

1484名無しさん:2022/02/28(月) 09:03:03
「マズルカホームラン」…これは虎杖との戦いでの敗北や、山での魔物との戦いを通してバッターが編み出した技である。
マスターである自身が人形達と戦うには自身が前線でバットを振るうより、
人形達を後方から支援する形が望ましいと考えたのだ。

反射のドナムをかけた「マズルカのバット」で人形兵のドナムを、何倍にも増幅して打ち返す。
その威力はすさまじく、直撃した木の幹が大きく抉られて倒れた。
天才的な魔術師であるキャスターの作成した武器で、人形兵の力を束ねて利用した攻撃である。
当たり所が悪ければサーヴァント相手でも部位損失(クリティカル・ゴア)を受けかねない攻撃。
しかし編み出したばかりの攻撃は悟られ、回避した上でブリザガで防御され、軌道を逸らされた。

「大した威力だが、大振りだな。当たらねばどうということもない。」
「次こそ当てる。」

初見の一撃を防がれたのは厳しい。しかしキャスター達の闘志に呼応するように、
人形兵達が追撃を仕掛けた。

1485名無しさん:2022/02/28(月) 12:58:48
聖杯戦争開始から3日目の朝方にムー島に戻ったホメロスは件の公開処刑の指示を出した後で執政室にて仮眠をとっていた
レムリアからとんぼ帰りした後も部下からの報告とそれに対する指示を逐一出していたのでさすがに疲労が蓄積していたためである
同伴していたシャアにはこれからムー・レムリア両島で戒厳令を敷く正当性を担保するための声明を出してもらう手筈となっている
一通りの工作を終えてようやく休息をとっていたのだが思わぬ邪魔が入ることになった
聖杯戦争の経過を示すイメージ映像が仮眠中にも関わらず入り込んできたのだ

「・・・何者か分からんが一応情報提供感謝する。姿を直接見せんのは少々腹立たしいがな」

不機嫌そうに目を開けながらホメロスは呟く。彼はこれを自身をはじめとするマスターたちをこの場に招いた者による仕業と判断
聖杯戦争を企図した者からの情報ゆえに信憑性は高いと考える。もっとも何が狙いで自分たちを聖杯戦争に招いたのか、如何なる手段で脱落したサーヴァントを把握しているのか未だ不明だがこちらは追々調査する予定である

「既に1/4のサーヴァントが脱落。我々の情報網に引っかかったマスターも増えている。まずまず順調といった所か」

現在ホメロスが把握しているマスターは自身と同盟を組んでいる二人・レムリア軍部を襲撃した半グレ集団のリーダーと思われる男・バーサーカーが交戦したという謎のスーツの男(ピーター)・喫茶店のチノという少女の計6人。また先の宿屋で発生した騒ぎでチノと行動を共にする少女が二人いることが>>1454の報告で判明しておりこちらも聖杯戦争参加者の可能性がある
クルーゼ側からの情報も多分に含まれているため鵜呑みにはできないが上々な成果といえよう
当初の想定とは異なる形だがシャア高官の後ろ盾が手に入り、強引な軍の行動への市民の反発も数々の暴徒のテロ行為と異様な事件への恐怖のために下火となっているため今後はさらに動きやすくなる見通しだ。ゆえにマスターの関係者の公開処刑などという暴挙をこのタイミングで決行することにしたのだ
店主を救出しようとするチノら少女達と騒ぎに便乗しようとする者をまとめて燻り出すために

「店主を見捨てられればそれで終わりだが・・・それはできまい。情けなどという下らない感情に縛られる者にはな」
『・・・それを見越しての人質か』
「フッ、その通り。兵から例のマスターの過去の行動について報告を受けたが、兵を殺さず手加減して逃走したサーヴァント共々お人好しの部類である可能性が高い。であれば人質を見捨てて自分達だけ助かろうとはしないだろう。
それにしても貴様といいシャアといい案外甘いことだ。他のマスターは最終的には蹴落とす相手。この島の者も所詮仮初めの関係にすぎんだろうに」

今回の作戦は自身のセイバーのみならず同盟相手のシャアからも強い難色を示された
そのためサーヴァントを失った状態であれば例の少女らをシャアが保護してもよい・事が済めば理由を付けて店主を釈放するという2つの条件付きでなんとか合意を得られたのだ
ホメロスとしては同盟相手の意向を無視して不興を買うのもメリットが少ないので一応この条件は守るつもりである
もっとも便乗した他の主従によって少女らが害されても知ったことではないが

「これは戦争。一対一の決闘ではないということを忘れるな。
万が一この軍部に乗り込んでくる輩がいれば貴様もバーサーカーとともに働いてもらうことになるのだからな」
『・・・・・・』

ここまで軍が派手に動けばそろそろ軍関係者にマスターがいることに感づかれるかもしれない
しかしクルーゼらが秘密裏にこちらの情報を流す可能性やレムリアの軍部を襲撃したキャスターがムーも攻めてくる可能性を考慮したホメロスは自身の情報の秘匿より同盟関係が生きているうちに他の主従を追い詰める攻めの方針を採った方がよいと考えた
仮に軍部を襲撃されてもバーサーカーとセイバーの二人がかりならセイバーの肉体の消耗も抑えられるという目論見である
そんなホメロスの策略を理解はできても納得しがたいハドラーは苦々しそうに念話を飛ばした

『・・・今更俺が何を言っても貴様は方針を変えんだろう。だが、一つだけ忠告しておくぞホメロス。
英雄を、否勇者と呼ばれる者たちを侮るな。彼奴らは守るべき者のためならばどれほど追い込まれても逆境を跳ね返す凄まじい力を発揮するのだ』

ハドラー自身かつて部下のフレイザードが似たような期限付きの人質作戦を展開した際に便乗して勇者ダイ一行を始末しようとした身である
必勝を期した作戦のはずであったがしかし勇者一行の奮戦により結果は魔王軍の総崩れという惨憺たるものに終わった

「・・・余計なお世話だ!作戦を考えるのは主である私だ。従である貴様はただ戦闘のみに集中していればよい。それ以上の役割など求めん!」

ホメロスは忌々しそうに吐き捨てる。自身のダーハルーネでの失態を思い出したのだ
こちらも勇者一行の仲間を人質に取り追い詰めたつもりであったが思わぬ闖入者によって結局作戦は失敗に終わってしまった
二度も同じような作戦で失敗することはホメロスのプライドが許さない
苛立ちながらシャアと打ち合わせを行うために執政室を出たホメロスに同伴しながらハドラーは胸中でごちる

(儘ならんものだな・・・。あるいはこれが俺への罰か)

いくら心を入れ替えようともかつて自分が魔王として地上で暴虐を働いた過去は消えない
かつての自分と重なる所が多い男に召喚され、思うように戦えないのも必然かとハドラーは自嘲する
せめて来たるべき英雄達との闘いだけは悔いのないものになるよう願いながら

1486名無しさん:2022/02/28(月) 20:15:02
>>1484
再開された戦闘は一進一退の状況であった
セフィロスは『片翼の天使』を展開した状態であり攻撃および機動の激しさが増したため、人形兵の物量でも押さえるのが厳しい
だがバッターが新たに編み出した「マズルカホームラン」を度々交えることでセフィロスや仮面の男の防御・回避を余儀なくさせるため、なんとか持ちこたえている状態であった
それでも人形兵は少しずつ損耗していくため、マズルカは温存していた人形兵も適宜投入しながら考える

(正直、この状況を打開する手立てがあまりない)
(できることならば退却したいところだが、あの男がそう簡単に逃がしてくれるはずがない)
(…でも、もしかしたら)

敵は超一流の戦士であり、軍団を相手にしても物怖じしない英傑だ
だが逆に言えば、そんな大物を顕現させて全力で戦わせるには相応に魔力を消耗するはずだ
しかも今は宝具を常時展開してその度合いはさらに増しているはず、相手のマスターの気分が優れていないのも見てわかる
この推測を元に、戦いに専念しながらもマズルカはバッターに念話で作戦を伝える。マスターやサーヴァントが隙を見せたら、一発でっかいのをぶち込んでやれ、と
そうこうしているうちにセフィロスが詠唱を唱え始めた。人形達が猛攻している最中に。あの翼を出してからはそれぐらいの余裕があるかのように
これはマズルカ達にとっては不味い状況でもあり、同時にチャンスでもあった
先程以上の強力な魔術を使われてはこちらの戦線が瓦解しかねない、だがより膨大な魔力の行使はマスターに大きな負担を与えるはず
それを示すかのように仮面の男があからさまに苦しみだし、胸の部分を手で握り締めながら体勢を崩していく

「今だ、マスター!!」
「喰らえ」

人形兵がドナムを出して、バッターが渾身の力で打ち返す。豪球となったドナムは仮面の男に向かって直進する
この時セフィロスの周りには人形兵が張り付いており、そう簡単に突破する事や魔術による妨害も難しいはずだ
当たれば仮面のマスターは確実に死ぬだろう、それでもこの局面を勝ち残り危険な主従を止めるにはマスター討伐が最善手であった


◆◆◆◆◆◆◆


少し時間は遡る
二度目の戦端が開いてセフィロスが獅子奮迅の攻勢を仕掛ける最中、クルーゼは自らの生命力が奪われる感覚に苛まれていた

(やはり魔力を吸い過ぎてしまったようだ、大丈夫か、マスター)
(あぁ…まだ、大丈夫だ。これぐらいの辛酸など、慣れたものだよ)
(そうか。では一つ、頼みがある)
(なんだ)
(もう一度だけ魔力を使って仕掛ける、苦しいだろうが耐えろ)
(もしや、二つ目の宝具か?)
(いいや、ただの火遊びだ)
(…いいだろう、私に構わずやってみろ)

マスターの了承を得たセフィロスは即座に詠唱を始めた、それも目の前にいる人形達の猛攻をいなしながらだ
それと同時にクルーゼは体内からより強力な苦痛を味わっていた、まるで抑制剤の効力が切れた時の感覚に等しいほど辛いものであった
たまらず胸を強く掴む、立っているのも困難な状態だが奥底から湧き上がる憎悪を糧に気力を振り絞って耐え続ける
歪む世界の中で、敵マスターがバットを振りかぶって魔力の剛速球が飛んでくるのを捉える
意識が不鮮明になりつつ中、ただ迫り来る死に対して動く事ができないクルーゼは何を思ったか……










火柱、それが轟音と共に突如として現われた
クルーゼの目前に、セフィロスの周辺に、戦場の数カ所に
それは詠唱を唱え終えたセフィロスが発動した「ファイガウォール」であり、クルーゼに迫っていた魔球の軌道を逸らし、仮面をかすめて吹き飛ばす結果に終わった
総勢15本の火柱が次々と現われ、あまり持続せずに消え去ったものの戦場をかき乱すには充分であった

1487名無しさん:2022/02/28(月) 20:17:03
◆◆◆◆◆◆◆


底知れぬフォーリナーの荒業にマズルカは戦慄する
明らかに仮面の男を討ち取れる場面を覆され、さらには包囲していた人形兵も業火によって燃やされてしまった
なにより不味いのは、業火の柱々によってセフィロスの姿が隠れてしまい、魔術が終わった時にはその姿を消していた

「マスター、気をつけ」

マズルカが振り返った時には、すでに遅かった
あの離れていた距離を瞬時にして詰め寄ったセフィロスが、その手にした長刀「正宗」でバッターの正面から貫いていた
バッターも気を抜いていたわけではなく警戒していたはずだが、セフィロスの神速には対応できずに的確に急所を射貫かれていた
だが、心構えができていたバッターは相手が刃を引き抜く前に渾身の力でバットを振りかぶり、目の前の英霊にクリーンヒットさせて吹っ飛ばした
刺さったままの「正宗」はエーテルで構成された武器であるためすぐに消えてしまったが、とにかく致命傷を負ったバッターはその場に倒れてしまった


◆◆◆◆◆◆◆


敵マスターを仕留めたものの思わぬカウンターで吹っ飛ばされたセフィロスは痛みを覚えつつもすぐに立ち上がった
あのバットはマズルカが作成した武器であるため神秘や魔術が付与さており、さらには霊的存在を倒すバッターの器量もあって予想以上のダメージを受けていた
それでも戦闘に支障がない程度のものであったが、畳みかけるように人形兵が攻めてくる
手放した「正宗」を再度構成して握り締めたセフィロスは人形兵を返り討ちにしたが、今度は人形兵の自爆に巻き込まれた

壊れた幻想、ブロークン・ファンタズム
宝具を魔力爆弾として炸裂させる、強力な威力を出す代わりに貴重な宝具を失う本来の用途ではないリスキーな戦術
だが『妖路歴程』と材料があれば生成して召喚できる人形兵ならばデメリットを軽減して「壊れた幻想」を行うこともできるのだ
いわば『妖路歴程 時空爆散』を応用したような使い方だが、これには一つ難点、というか定義の違いから生ずる問題があった
大本となる宝具は『妖路歴程』であって人形兵自体は宝具とは言えない、なので実のところ厳密には「壊れた幻想」に似た自爆技でしかなく、宝具ほどの膨大な魔力を放出するものではない
そのため、セフィロスに大ダメージを負わせて足止めすることはできても、サーヴァントを確実に葬るまでの威力は持ってはいなかった
それでも予想外の攻撃の連続にセフィロスも対応が遅れてしまい、気付いた時にはキャスターとそのマスターの姿を見失ってしまった
自身も継続して戦闘するには支障があり、なにより魔力を搾り取られて動けないマスターがいたのでは不安要素も強いので、ここが引き際としてセフィロスはクルーゼを抱えてその場を離れた


※バッターは致命傷であり余命幾ばくもない、マズルカはマスターを抱えて戦場を離脱したが救命は絶望的であり、現界できるのも残り僅かの瀬戸際
※セフィロスは負傷しクルーゼも魔力消耗で気絶しているため、安全なところでの休養を優先します(霊脈があれば回復は早くなります)

※「ファイガウォール」はKINGDOM HEARTSシリーズで使用した技であり、今回は「Ⅱ」の仕様をアレンジしました
 本来はセフィロス周辺に即時展開できるのだが、今回は詠唱時間を設けて火柱を任意の場所に放出した、ということで一つお願いします

1488名無しさん:2022/02/28(月) 23:49:15
3日目 夕刻

「オイ聞いたか?レストランの爆弾魔が捕まったらしいぜ。」
「爆弾魔じゃなくてテロ組織のリーダーじゃなかったか?」
「ギャングのボスじゃねえのか?」
「誰もロクに知らねえのかよ。ていうか最近は逮捕ばっかりだな。」
「冤罪じゃねえかって噂もあるぜ。ただの喫茶店のマスターが裏でテロリストなんてよお。
 ここ2,3日の事件で面子を潰された偉い奴らが焦ってるとか」
「これから関係ない人も捕まったりしないかな…。」
「喫茶店の前に死体が山積みだったらしいぜ!」
「いやそれはどっかの宿屋の話だろ?」
「ペットの兎は近所の家が引き取って世話してるらしい。」
「マジかよ。最近ドンパチ騒がしいしクーデターでも起きてるんじゃねえか?」
「戦争は勘弁してほしいぜ」
「生贄じゃあ!神がお怒りなのじゃあ!」
「うるせえぞ!」
「じゃあ今頃はどっかの刑務所か、ヤバイ奴らと一緒に地下牢に閉じ込められてんのかあ?」
「いや…なんか役人達が働いてる場所の高い建物に閉じ込められてるらしいぜ」
「へえ。大物犯罪者だとVIP待遇なのかねえ?」
「公開処刑ってマジでやるのか?誰か偉い奴が止めねえのかな…。」

指名手配犯となったマスターの話題で街中は持ちきりだった。
他にもいろいろな情報が錯綜し、デマも混じっているが…。


ある行政区の建物、その数階に喫茶店の店主は囚われていた。
なぜか普通の事務の業務は全て停止され、かわりに少数の兵士敷地内にはいる。
手錠や紐などによる拘束がされているわけではない、
牢屋のように鉄格子に囚われているわけでもないが、扉の外には見張りが数人いる。
ただの一般人である男には逃げ出すことなどできず、
また、自分が処刑されるという情報も(当然なんらかの理由をつけて解放するシャアの裏工作も)
本人には知らされていない。

ただ部屋の椅子に座って、色々と考えることしかできない。
店の死体と都合よく現れた憲兵。つい異常な状況に慌てて、
喫茶店の店員であるチノに逃げろと言ったが、あれでよかったのだろうか。
あの時は慌ててしまったが、かえってあの行為が自分やチノへのあらぬ疑いを強めてしまったりしていないだろうか。
一体誰があんなことを…などと考えていた。

男がふと、視界の端に何か動いた気がして、目線を投げた。
といっても自分以外にいるはずもないので気のせいだと思ったのだが。
そこに異様に鋭い目つきの男が直立していた。
叫び声をあげそうになるマスターだったが、その口を男の手が塞ぐ。
「落ち着け。俺は敵じゃない。」
パニックになる店主。男の雰囲気はギャングや荒くれもののような威圧感を持っているが、
彼らのような粗野さより、例えるなら何かの達人のような妙に静かで鋭利な気迫を感じさせた。

「これから質問をする。首を振って正直に答えろ。」
男は前置きし、問いを投げかけた。
「お前はこの聖杯戦争のマスターか?」
店主は困惑しながらも首を横に振った。
「お前は爆弾事件の犯人か?」
店主ははっきりと否定の意志を示し、首を強く横に振った。
「チノという女の居場所を知っているか?」
首を横に振った。反射的に首を振った後、何故ここでチノの名前が出てくるのか疑問が沸いたが、
どちらにしろ居場所は知らなかったので同じ事だった。
「そうか。」

男、ランサー・宮本明はこの処刑の意図について探りを入れるため、
霊体化してこの部屋まで移動し、直接店主に接触したのだ。
注意深く様子を観察したが嘘をついている様子はない、と判断した。
とりあえず分かったのは、店主はどうやら冤罪だということだけ。
マスターの胡桃に報告するため、霊体化して戻ろうとしたランサーだったが、
急激に近づく気配を、サーヴァントの魔力云々というより、野生の直感に近いもので察知した。

ランサーは即座に丸太を具現化し、壁を破壊して地上数階の高さから飛び降りた。
その場所に、シャアの指示で遠くから店主の部屋を見張っていたバーサーカー・エレンが急速に近づいてくる。
わざわざ建物の多いここに店主が囚われていたのは、エレンの立体機動装置を活かし、
近寄ってきたサーヴァントを狩るためだったのだ。

1489名無しさん:2022/03/01(火) 09:40:26
>>1487の続き

「マスター、今治療するよ…!」
戦場から急いで離脱し、傷ついたバッターの治療を始めるキャスター
だが、敵サーヴァントの刀傷は深く、救命はあまりにも絶望的だった。
人形兵の回復のドナムは人形兵同士の修復しかできない。
魔女相手なら魔力を流し込み回復を促すこともできるが、当然バッターには無意味。
キャスターも魔女のはしくれ、当然調合した薬ぐらいは持っている。
しかしそれはあくまで、普段の怪我に対して良く効く薬、程度の力しかない。
こんな致命傷をきれいさっぱり消せるような薬など、ありはしない。
つまり結局…普通の人間が行うような治療しかできない状況だ。

「キャスター
 俺はお前の足を引っ張ってばかりだ。
 すまない。」
「マスター、無理に喋らないで!」
「聞け、キャスター。
 今や俺の命はわずかだ。
 別のマスターを探しに行け。」

「……!」

死期を受け入れたバッターの発言に、キャスターは何も言えなくなる。
キャスターも、もうバッターの死が避けられない事は、わかっているのだ。
それでもその優しさから、見捨てることができずにいた。

バッターは語る。
肺などは損傷していないのか、意外としっかりと話すバッター
しかしその顔色はどんどん血の気が引いている
痛覚も無くなっているのかもしれない。

「俺にはあの世界を浄化する任務がある。
 愛する者を救うためだ。
 だが、結局
 全てをプレイヤーに委ねるしかできない
 人形だ。」

「人形使い…。
 この世界で…
 きっと、お前の意志が、プレイヤーに代わり俺を動かした…。」

「キャスター、お前はお前の任務を果たせ。
 仮面野郎が創る世界よりは、マシだろう…。」

「残りの令呪をもって命じる。
 『新たなマスターを見つけろ。キャスター』。」

「……分かった。
 ……ありがとう。バッター…。」



令呪の命令を受け、キャスターがどこかへと去っていく。
自分の死後も、令呪の効力でしばらくは存在できるだろう。
視界が霞むなか、バッターは思った

(マズルカ…、叶うなら俺も人形となり…傍らで助力したいとさえ、思う
 だが、可能だとしても、お前はそれはしないのだろう。)



「ああ…

 ここで終わりだ…

 無念だ」


【バッター@OFF_by_Mortis_Ghost  死亡確認】

* バッターが山で手に入れた魔力の籠った木材や魔物の素材などは戦闘開始前・戦闘中に手早く回収してました
* マズルカのバットも回収しています。

1490名無しさん:2022/03/01(火) 18:01:47
>>1475
一斉に同じ光景を見たチノ、おっこ、まりなちゃん。
チノが「不思議な夢を見ました……」が口にして内容を語るとおっこも同じ夢を同じ夢を見たと言い、マスター全員が同じ夢を見てるなら隠す必要もないと安堵したまりなちゃんも同じ夢を見たと皆に教える。

様々なカードが用意されていたが、それぞれの手にした武器や雰囲気でそれが聖杯戦争のサーヴァントを指しているという答えに辿り着くまでにそう時間はかからなかった。
まだ12人――仲間であるマコト兄ちゃんと木場、雲雀を除いても9人は存在することにまりなちゃんは恐怖を覚える。

そして同時にお腹の辺りが何故だか痛み、身体から力が抜けていくような感覚に襲われる。
それは医者により埋め込まれた時限爆弾のタイムリミットが迫っている弊害。
外傷こそないが、内部により埋め込まれた時限爆弾により知らず知らずのうちにまりなちゃんの身体は悲鳴をあげ――遂にはこれまでなかった痛みという症状まで出てきた。

医者に報復するという気持ちすら激痛と恐怖に刈り取られ、自分の命がそう長くないことを悟る。
聖杯で願いを叶えることも出来ず、幸せになることもなく自分はこのまま死ぬ。まりなちゃんは絶望していた。

「まりなさん、大丈夫ですか……?」

チノが心配そうにまりなちゃんに声を掛ける。
指名手配されたり、マスターが処刑されることになった元凶ということも知らずに――純粋に心から心配している。

「急いで病院に行こう、きっとまだ間に合うはずだ!」
「ああ。俺たちがまりなの命を繋ぐ!」

サーヴァントの二人もまりなちゃんを心配して即座に行動しようとしている。おっこも心配しており、誰も彼もが絶体絶命のまりなちゃんを気に掛けている。

一緒にイジメをする取り巻きこそいたが、所詮取り巻きは取り巻き。
心は常に孤独で、仲良い子はいないと思っていた――今この瞬間までは。

「ちょっと……話があるんだけど……」

だからまりなちゃんは勇気を振り絞って、真実を告げた。

自分がチノ指名手配をはじめとする一連の事件の元凶だということ。
自分は家族と幸せに暮らしていたが、テロ事件で緑の悪魔にそれを奪われて自暴自棄のようになっていたこと。
テロ事件の犯人は緑の悪魔であり、その異常な強さからおそらくサーヴァントの可能性が高いこと

全ての情報を出し切り、罪を吐露して――

「それがお前の罪か、まりな」

皆の顔色を窺うまりなちゃんにマコト兄ちゃんが真っ先に言葉を掛けた。

「俺も過去に沢山の過ちを犯した。幸い生きていたが、友を刺してしまったこともある」

クリミナル――それは罪人を意味するクラス名

「だから俺はこの聖杯戦争でも罪人のクラスとして呼ばれた。七つの罪を背負ったサーヴァント――それが俺だ」

罪人のクラスでありながら、聖杯戦争に抗う男。
そんなクラスで呼び出された善良なサーヴァントに木場は違和感を覚えていたが、その理由がようやく判明した

「俺には三人の父さんがいる。だからその想いを繋ぎ、罪を背負いながら生きていくと決めた」

三人の父さんという言葉からまりなちゃんはこのサーヴァントも自分のように何か複雑な家庭の事情があると考える。
それでも聖杯戦争に抗うその姿は、お人好しにも程がある。まりなちゃんには理解出来ない

「それにこんな俺を受け入れてくれる仲間だっている」

仲間。
精神的にはずっと孤独だったまりなちゃんには刺さる言葉だ。

1491名無しさん:2022/03/01(火) 18:02:23
「……は?」

だからまりなちゃんは不機嫌になり、何か言い返そうとするがマコト兄ちゃんに真っ直ぐな瞳で力強く見つめられて言葉が止まる。

「――まりな、お前も俺たちの仲間だ」

仲間。友人。
周りはイジメを一緒にする取り巻きばかりで、孤独だったまりなちゃんにとってそれはある意味、すごく求めていたものなのかもしれない。

「でも、私が何もしなければチノや喫茶店のマスターの指名手配は……」
「そうですね。まりなさんが居なければ、こんなことは起こらなかったと思います」

チノの言葉にまりなちゃんの表情が曇る。自分は憎まれて当然だということくらい、小学生のまりなちゃんにも理解出来るから。

「でもまりなさんの気持ちもわかります。……私もココアさんと離れて、落ち着かなかったことがあります」

現に今もココアが居ないことで寂しさのようなものを感じている。
チノにとってココアはそれほど大きな存在であり、まりなちゃんにとっての家族も同様だ。
それに見ず知らずの少女ならともかく、まりなちゃんはそう長くない時間だが仲良くなった存在だ。そんな子をチノが心から憎めるはずもない。
もしも隠し通して後々それが発覚したならともかく、まりなちゃんは自ら罪を吐露することを選んだ。だからチノは彼女を許す

「マコトさん、ライダーさん。マスターさんを助けに行きましょう……!」
「うん。俺も色々と考えたけど、二人の意見を聞いて雲母坂さんの罪を受け入れることにしたよ」

罪。
それは木場にも刺さる言葉であり、悪人ならともかく己が罪を吐露して反省しようとする者を責めようとは思わない。
そもそも自分自身が罪を背負い、それでもなお夢を信じて生きる人間(オルフェノク)だ。
なにより当事者のチノが許すなら、自分がそれをとやかく言うつもりはない。
おっこもまりなちゃんを許し、喫茶店のマスターを助けるために作戦会議を開始する。
本来なら早急に病院に行く予定だったが、まりなちゃんが痛みは治ったと痩せ我慢して堪えたのだ

「今までごめんね、チノ」
「まりなさん?あの、どうかしましたか……?」

涙を流しながら謝罪するまりなにチノは困惑。自分のせいで泣かせたのかと思い、若干焦る。

「なんていうか、今まで色々あったけど……最近はちょっと悪くないよ。……みんな、ありがと」

まりなちゃんは遂に幸せを掴み取ったのかもしれない。
今この瞬間は、激痛なんかよりもずっと手に入れられなかったモノを得られた幸福感が勝っていた

まりなちゃんに残された時間はもう短いのかもしれないが――それでも彼女は幸せだった
だから喫茶店のマスター救出にも全力で協力する。

緑の悪魔に殺された家族のために。
自らの罪を背負い、清算するために。
仲良くなった友達を助けるために。
それと一応テロ事件のせいで踏んだり蹴ったりの人生になったであろう自分のサーヴァントのために。

まりなちゃんの中で最終目標は緑の悪魔かそのマスターを刺し違えてでも倒すことに決まった。
あいつを放置したら自分のような悲劇が今後も起きる可能性があるし、家族を殺された私怨もある。
それに真犯人を討伐したらチノの指名手配が解除される可能性だって……。

きっとこのお人好し達は自分が死の覚悟を決めたことを止めようとするから、みんなには内緒だ。
死を身近に感じる今だからこそ、それだけの覚悟を決められたのかもしれない。
吊り橋効果で得られた友情かもしれないが、それでも友情には違いない。

――気付けばまりなちゃんの気持ちから恐怖心は消えていた

1492名無しさん:2022/03/02(水) 00:08:39
実はまりなちゃんってジジと作戦会議とかしてなかったからジジの能力全然知らなかったんだよね
ギャングの死体も実際の調達方法は不明だけどレストランからわざわざ運んだと本人は思ってた
(嫌がらせの為に新規に殺してたらさすがにみんなすんなり許さんよな…)

1493名無しさん:2022/03/02(水) 00:20:10
>>1488
地上数階から飛び降りるランサー・宮本明をバーサーカー・エレンがすかさず狙う
立体機動装置によるワイヤーアクションを巧みに操り二振りの剣で斬りかかる
対巨人から生み出された一撃離脱の戦法に対し、ランサーは腕を振り刀で切払いした
空中制御もなしに踏ん張ることもできない中で純粋な腕力や体捌きによる適切な行動によりバーサーカーの攻撃は失敗し、すぐに別の建物へと移動する

(無茶苦茶に強い、ミカサやリヴァイ兵士長みたいで非常に厄介だな)
(あの小僧、空中での機動力は凄いがそれ以外は大したことはない…だが、まだ何かあるのか)

互いに相手の評価をしつつ次の行動を考える
ランサーにしてみればここで無理して戦う必要はなくできることなら撤退したいところだが、相手がこの領域から素直に逃がしてくれるとは到底思えない
とにかく脱出を試みて走り出すが、当然バーサーカーが建物の合間を縫って飛来してくる
ならば相手の攻撃を誘ってカウンターを決めるか、そう思い相手の動きを捉えて接近に備えた
だがそこでランサーは気付く、相手が細長い棒を両腕に装着していることを
そしてバーサーカーが斬り合う間合いに入ることなく、その細い棒をランサー目掛けて射出してきた
自分に向かってくる槍を咄嗟に剣で弾くランサーは、直後に雷鳴のような爆発に巻き込まれる

1494名無しさん:2022/03/02(水) 08:15:20
>>1474の後

炭治郎とピーターはココアが目覚めるのを待っていたが、倒れたココアは熱を出していた
加えて雨が降り出したので、炭治郎はパン屋にココアを連れていくことを提案した。
配達は終えていたようだったし、パン屋の近くにココアの家もあるかもしれない。
>>1451の時、ココアは店主を巻き込まないよう何も言わず離れたところで決闘を行っていたので、
店主も心配しているかもしれない。
そしてココアを守るのは勿論だが、落ち着いた環境にまずは置いてあげようと思ったのだった。

そこに、サーヴァントの気配をライダー・巧が感じた。
それは>>1489で新たなマスターを探すキャスター・マズルカだった。

『新たなマスターを見つけろ』という令呪の効果だろうか?
もしかしたら、キャスターの幸運に上乗せがかかっていたのかもしれない。
キャスターは魔力のある人間を必死に探したところ、偶然にもピーターと炭治郎を発見したのだ。

ライダーもこちらに近づくキャスターの魔力に気付いた。
炭治郎はココアを背中から下ろして、物陰に隠してからいつでも抜刀できる構えを取る。
そしてキャスターとの邂逅。ピーターの傍にライダーが実体化する。
キャスターは、それにさほど驚かない炭治郎の様子を見て、炭治郎の傍にはサーヴァントの気配がないことから、
もしかして手を組んでいる2組の主従がいて片方がサーヴァントを失った可能性に賭けて自分を売り込もうとする。
実際は、自分とバッターと同じように、別行動をしていただけだったのだが…。

そのころアサシン・雲雀はやや離れたところでキャスターとフォーリナーの戦闘の気配を察知して興味を抱き
現場に到着していたが、戦闘が終わり互いに散会した後だったので結局無駄足に終わっていた。

炭治郎は必死な様子のキャスターに対してとりあえず話を聞いてあげるべきだと思ったが、
ピーターやライダーはこの場から去るようマズルカに告げる。
決して彼らが無慈悲なわけではない。
しかし聖杯戦争に召喚されたサーヴァントの1騎として、突然現れた他のサーヴァントに警戒するのは当然だ。
しかもこちらには体調の悪いココアや、サーヴァントが傍にいない炭治郎もいる。
2人を守ることを第一に考えていたのだ。

キャスターは炭治郎のサーヴァントはまだ健在であると聞く。
やむをえない、令呪分の魔力を使ってでも、分は非常に悪いがそこのライダーを速攻で倒して、
自分と契約を結ばせてやる…、
そう追いつめられたキャスターは、生き残った数少ない人形兵を数体召喚したが、
戻ってきた雲雀に一蹴されてしまう。

最早ここまで、消滅しかけるキャスターは内心でバッターに詫びる。
そして炭治郎たちに、戦争を起こそうとしている仮面のマスターとセフィロスというサーヴァントは倒してくれまいか、と頼む。
その願いに対して何も返答できない炭治郎とピーター。

そこに、目を覚まして隠れたまま話を聞いていたココアが、キャスターのマスターになると言い出した。
ココアは元マスターの自分がレジィや心変わりした春花に狙われることを危惧して
炭治郎とピーターが動くに動けないのだろうと感じた。
もちろん、ココアとキャスターが契約したとしても、セフィロスというすごく強いらしいサーヴァントと闘えるかなんてわからない。
しかしせめて、キャスターの力で自分の身は自分で守り、
2組の足手まといになりたくないと考えたのだ。
2組が自由に動ければ戦争を止めたり、チノを助けられるかもしれない、と。

キャスターはマスターが、元マスターも含め3人も一緒に行動していたとは思わず面食らった。
それにココアという少女が名乗りを上げたのにも驚いた。
ランサーのマスターの胡桃も同じぐらいの年齢だったが、今まで戦ったマスターは殆ど
覚悟が決まってたり戦闘ができる男達が多かったので戸惑ってしまった。
そして胡桃よりもさらに戦いに無縁だと思える柔らかな印象の少女が、
自分の保身のためではなく他者のために自分の身を自分で守りたいと言い出した
その決意に圧倒されてしまった。
逡巡もあったものの、キャスターはココアと主従関係を結ぶのだった。
ココアの手に、新たに令呪が3画刻まれる。
キャスターは、自分がバッターのレムリア島行きを止めなかった事や、
人里から離れた炭焼き小屋に炭を調達させに行かせた事でバッターが死んでしまった後悔から
決してこの新しいマスターの傍を離れない事を己に誓ったのだった。

1495名無しさん:2022/03/02(水) 10:57:51
「なあライダー、これで良かったのかな?」
「俺に聞くのかよ」
ピーターは小声でたっくんに問う
仮にも聖杯戦争の参加者、新しい主従が目の前で生まれるということはそれだけライバルが増えるということ
依然として方針は定まっていない上にセフィロスの情報も聞かされて、ココアのこともあり複雑な顔で聞く
「お前は止めようと思わなかったんだろ。ならそれでいいんじゃないのか」

「ライダーさん、これで良かったんでしょうか?」
「わからない……でも、良くなるようには、したいかな……」
同じ頃、おっこは二人きりになって木場に問う
まりなの告白には驚いたが、彼女を助けることに異論は無い
昨日の凄惨な死体の山はいまでも目に焼きついている
その山にまりなを加えたいなどとは思わなかった
だがまりなの体調が悪化しているのは誰の目から見ても明らかだ
温泉に浸かっている人では絶対に見られないぐらい顔から血の気が引いていて、今にも倒れてしまう
その上で彼女が言ったこと――まりなの自首するという提案をどう受け止めればいいのか迷っていた
「俺の他のマスターが憲兵を動かしてるって考えがあってればだけれど、雲母坂さんが君の宿屋を襲ったと自首すれば、香風さんのマスターは助けられる……かもしれない。もしかしたから緑の怪物を倒すことに協力もしてもらえる……かもしれない。協力してもらえなくても、彼女が囮になれば、犯人の手がかりが見つかる可能性だって……」
「でも、わたし、なんだかイヤな予感がするんです」
「……もし、雲母坂さんを助けられなさそうなら、その時は――」

あんまり主従でコミュニケーションしない割になんか穏当に行きそうなピーター&たっくん
割と主従でコミュニケーションする割になんか不穏な空気がつきまとうおっこ&木場
この差はなんだ

1496名無しさん:2022/03/02(水) 11:24:52
>>1493
雷槍の燃焼噴射やワイヤーから爆発物の可能性を考慮したランサー・宮本明は、自分に向かってきた棒槍を切り払いしつつ丸太を編み出し備えたことで爆発の直撃を受けることだけは防いだ
しかしそれでも、爆発の余波に巻き込まれてぶっ飛び体勢を崩す。
バーサーカー・エレンが立体機動装置高速移動してトドメを刺そうとするが、
雷槍の巻き添えにならないよう距離をとっていたバーサーカーは移動の為にワイヤーを出射した

ランサーは投擲力で近くに落ちてた瓦礫を投擲、
ランサーの優れた怪力とコントロールにより瓦礫はアンカーに当たり弾き飛ばした
バーサーカーは転倒こそしなかったものの、当初の狙いから大幅にズレた位置に着地した

「おいお前!」
ランサーは戦闘中にも関わらず距離の空いたバーサーカーに向けて大声で呼びかける
無視して行動に移ろうとしたバーサーカーだが
「俺と同じところから来たのか!?」
「…は?」
意味のわからない質問が気になり、動きを止めた

「その戦い方、明らかに人間相手のものじゃねえ…
 お前も吸血鬼と戦う人間なのか!?」

エレンの戦い方に、自分の知らないところで吸血鬼が変化した巨大な化け物、
邪鬼との戦いをしていた人間がいたのではないか?と考えたランサーはそう問いかける。
もしそうなら相手の願いも同じ吸血鬼を消す、ということだろう。
互いのマスター達の願いもある以上、協力できるとは限らないが、そうだとしたら明にとって戦う優先順位が大幅に下がる。

しかしエレンはそれを一蹴する。
偶然、巨大な敵を相手に戦っていたというだけで、その敵は全く違う、と。

「そうかよ。
 俺と同じく人間のために戦ってるヤツと会えたのに、残念だぜ…。」
闘うしかないと覚悟を決め直す明に対してエレンは
「お前は勘違いをしてる。
 俺は願いを叶え人類を(ほぼ)滅ぼして英霊となった。」
「何だと!?」
「今更願うことなんてない」
「だったら、お前は何のため戦っているんだ!?」

1497名無しさん:2022/03/02(水) 16:16:44
>>1496の続き

「どうしたバーサーカー、レムリアで一組を倒した勇猛さはまだ見せないのか?」

ランサーとバーサーカーの会話に別の声が割って入ってくる
ランサーが声の方向を確認すると、二人の人間と一騎のサーヴァントがそこにいた
そして瞬時に把握する、二組の主従がグルになって罠を張り獲物を待っていた事を

「お前達が来るまでコイツを足止めをしたに過ぎない、それなら全力を出す必要もないだろ」
「ふん、減らず口に聞こえるがまぁいいだろう、ここからは二騎掛かりで」
「いや、俺一人で充分だ。狂戦士、お前は足手まといだから下がってろ」

そう啖呵を切るや否や、セイバーが一人ランサーに向かって跳躍した
並々ならぬ覇気を纏いし人間以上の魔物に迫られて、ランサーはすかさず義手刀で相手の剣を受け止めた
その膂力は凄まじく、ランサーが知る吸血鬼のアマルガム級の馬鹿力に近かった

「セイバー!?馬鹿者が、勝手に動くなッ!バーサーカーと連携して手間取らずに倒すんだ!!」
「こいつは強敵だ、二人掛かりでもそう簡単には倒せない!」
「ならば俺が全力でぶつかるだけ!バーサーカーは他の敵襲に備えさせていろ!」
「キ、キサマーーッッ!!」

憤るホメロスだが、事実セイバーとランサーの戦いはもの激しくバーサーカーが割って入る隙はなかった
そしてバーサーカーも二騎の戦いから離れて、建物の高いところから周辺を警戒し始めた

「まぁ待て、ホメロス。もうすぐ本命がやって来る」
「シャア!貴様もセイバーの片を持つつもりか!」
「いや、事実だ。バーサーカーたつい今し方、接近するサーヴァントの気配を感じった。もうすぐ来る」

自分の思い通りに動かない従者や同伴者達に怒りを覚えながらも、処刑という餌やこの戦闘で他のサーヴァント達がやってこない訳がないことも理解しているホメロスは、この怒りを押さえつけてチノやそのサーヴァント等の登場に備えることにした
なお、実のところバーサーカーが気配を感じる前にシャアはチノ達が来る気配を直感で感じ取っていたのだが、それを説明することなくセイバーの話に乗っかる形でエレンに警戒させてホメロスを諭すことにした

1498名無しさん:2022/03/02(水) 16:45:54
誤字あった、微修正
>「いや、事実だ。バーサーカーたつい今し方、接近するサーヴァントの気配を感じった。もうすぐ来る」
「いや、事実だ。バーサーカーがつい今し方、接近するサーヴァントの気配を感じった。もう近くまで来ている」

1499名無しさん:2022/03/02(水) 17:23:02
エレンの雷槍は道具作成で用意した硬質化弾頭にホメロスから横流しされた火薬とかで作ったから爆発力が足りないんだよな
牽制にはなるんだが弾頭以外はろくにサーヴァントにダメージ入らないし雷槍を使った逸話も無い
そのせいで戦いが長引いて、結局まりなの提案で一応自首しに行くことになったまりな達が戦闘に出くわすのは必然か

「クワトロさん、どうしてここに?」
「キャスバルさんとバーサーカーさん!? それに、ランサー、さん?」
「ハァ……ハァ……お前はあの時の」
「なるほど、君たちか。私の勘もなかなかに当たるものだた」

邂逅……!

1500名無しさん:2022/03/02(水) 17:48:26
>>1499
チノ、木場、明さん、シャアの順で発言しているのかな
シャアと木場が色んな人物と接触しているから顔見知りも多いわけだ

1501名無しさん:2022/03/02(水) 17:51:28
マスター救出の作戦会議をしてる時にまりなちゃんは少しトイレに行くと言い、その場から離れるとポケットにガラスを忍ばせる。
これで刺せば相手がどんなマスターでも死ぬ。あのお人好し集団には出来ないこと――マスター狙いだって可能だ

聖杯を勝ち取るつもりが、いつの間にか他のマスターと手を組んで人を助け、巨悪を倒すことになっていた。
だが悪くない。アバズレに復讐心を燃やしていた時よりは、今の方がよっぽど幸せだ

(誰かとあんなふうに話せたの、久々かも……)

イジメのターゲット。自分の取り巻き。おかしくなってしまった母親。
まりなちゃんの周囲はそんなものばかりだった。母親のことは好きだが、それでも父親が問題を起こして以降、楽しく話せることはあまりなかった。
母親がああなってからまりなちゃんを心から心配してくれる人なんて、誰も……。(※まりなちゃんの母親はまりなちゃんのことを大切に思っているが、普段はあんな態度なので)

(仲間か……)

不思議と今はその言葉の響きが悪くない。

1502名無しさん:2022/03/02(水) 17:52:41
キャスター・マズルカからムー島への飛空挺の最終便に間に合わないと言われたが、
炭治郎はとにかく一刻も早くチノの元へ戻って助けに行きたいと、ピーター達に回復していないココア達を任せて
まだ船が出ていない可能性に賭けて猛ダッシュした。
しかし残念。船は既に出てしまっていた…。

その時、アサシン・雲雀が雲ハリネズミ(ポルコスピーノ・ヌーヴォラ)のロールを実体化した
死ぬ気の炎の雲属性の作用「増殖」で大量に増えたロールは陸から船へのかけ橋となり、
アサシンはそれを足場にして船に乗り込んだ。
「乗りたいなら勝手についてくれば。」
炭治郎も慌ててロールを足場にして雲に飛び乗った。

アサシンは元々ムー島のギャングを操る黒幕とやらを噛み殺そうと思っていた。
炭治郎の用が済んだならもうこの島にいる意味もないと、ムー島に行くことにしたのだ。

船に乗りこんだ炭治郎たちは乗組員の少年に見つかった
「な、なんだお前ら!?
 …あっ!雲雀さんじゃないッスか!?」
その乗組員は>>1423でアサシンにギャングの情報を教えた不良の少年であった。ここで働いていたのだ。
「さっき雲を踏んで来ましたよね!?マジパネェっス!」
驚愕する少年は、アサシンに街中の新たな情報をもたらした。この不良少年は随分と情報通らしい。
前からギャングには怪しげな闇医者が関わっているという噂(>>1346)や、
ギャングの生き残りの幹部達が今朝に(>>1481)大量に殺されてたこと、などを炭治郎達は聞いた。
「お医者さんですか?」
「あぁ、だけど普通の医者っていう感じじゃなくてヤベー感じなんだ。意味なく腹を裂いてみたりしてるって噂だ。」
医者と聞いて珠世のイメージが浮かんだ炭治郎だったが、
不良の話を聞いてそんな医者もいるのか。とドン引きした。
しかし、
(いや、ただの噂で人のことを勝手に悪く想像するのは良くないな。 腹を裂いたりするのもそういう治療なのかもしれない。)
と考え直した。

そうしてしばらくして、船はムー島に到着した。
時刻は夕方。
ちなみに、高高度にある天空都市の日没は位置関係から平地にいる時より遅くなる。
勿論天空都市の「へり」に落ちるのは早いのだが、散乱した光がまだ空を薄明るく照らしている。
天空都市の日没とは、基本的に眼下の大地に太陽が沈んだ時のことを示す。
そのため、炭治郎たちが到着した時にはまだ処刑まで幾ばくかの猶予が残されていた。

1503名無しさん:2022/03/02(水) 18:02:47
投下順が逆だが、>>1502の前の部分

キャスターの出現やココアの再契約で色々とゴタゴタしたが、その場の雰囲気が一段落して落ち着いたところで炭治郎はチノの事を伝える
チノはムー島の喫茶店で働いていて聖杯戦争のマスターでもあったが、冤罪によって指名手配されている
昨日の夕方時点では宿屋にいたもう一人のマスターで若女将の関織子に匿ってもらい、ココアに知らせた後にチノをレムリア島まで密航させるつもりだ、と
チノの所在が分かって嬉しさが出てきた束の間、チノが危うい状況にいることを知ってすぐにでも駆けつけたい衝動に駆られるココア
だが続けてキャスターが本日の昼頃までの情報を追加する
夜遅くに暴動による宿屋襲撃事件が発生して彼女達の所在は不明、しかも暴徒達が糸が切れたかのように突然死したためそれもチノの仕業と流布されている
さらに今日の夕方には喫茶店の店主が処刑されることも告知されており、もしかしたらチノ達が行動に移すかもしれない、と
さらなる情報にココアと炭治郎は言葉を失い、今すぐにでも助けに行きたいところだがキャスターが待ったをかける
今はすでに夕刻であり臨時運航の飛空挺の最終便には間に合わない、それにココアおよび自分は消耗しており助けに行くにしてもリスクがある、と

1504名無しさん:2022/03/02(水) 18:54:47
>>1499
木場の憶測通り、ある程度の地位や権力を持つマスターが存在していた。
自分の眼前に立つエレンを見据え、木場はホースオルフェノクに変身する。

「君はあの時、無理だと言ったけど……俺は人間と他の種族が共存出来る未来を信じたい」

かつて乾巧に託した夢を。理想を。
今度は自分の手で叶えるために――

ダイブ・トゥ・ディープ!

「ライダー。お前のその夢、俺にも手伝わせてくれ」

ギロットミロー! ギロットミロー!

「変身!」

ゲンカイガン! ディープスペクター! ゲットゴー!覚悟!ギ・ザ・ギ・ザ!ゴースト!

ホースオルフェノクとディープスペクターが並び立ち、エレンもそれに応えるように巨人となる。


一方まりなちゃんは憲兵に嘘を吐いたことや爆破テロ事件の真犯人が緑の怪物であること。そして宿屋を襲撃したのは自分のサーヴァントであり、医者に利用されていたことをシャアとホメロスに話す

もしかしたら彼らと協力して緑の怪物を倒せるかもしれない。他のサーヴァントを蹴落とすために一時的な同盟を結ぶ可能性があるはずだ
このホメロスとシャアも厄介な存在であるが、まずは全員で緑の怪物を叩けたらとまりなちゃんは考えた

1505名無しさん:2022/03/02(水) 20:08:05
>>1504
まりなちゃん、平和現代日本の人間だから聖杯戦争である前にまず警察(的な立場)の大人がこれを聞いたらグリーン・ゴブリン退治に向かってくれると思ってたんだよね…。

1506名無しさん:2022/03/03(木) 02:57:26
>>1504
まりながチノと店主に濡れ衣を着せた、爆破テロ事件の真犯人は緑の怪人だ、宿屋襲撃は医者達が画策したものだ
この説明を聞いたシャアはそれが真相に近いとは理解したものの、それでも証拠不十分や虚言の疑いでそう簡単に話が終わるとは思わなかった
事実、ホメロスにとっては真相などどうでも良く、目的通りにマスター達を炙り出すことに成功したことの方に意義を見出だしている
なので彼女達の話をでまかせとして聞き入れない、これは戦争であり敵の情報は鵜呑みにできない、むしろ強力なサーヴァントを使役する危険な人物として排除する構えを取っている
争いを望まない少女達相手でも敵意を剥き出しに晒すホメロスとは別に、シャアは少女達に問いかける。願いを掛けずに戦わないと言うならば、政務官としての権限で君たちを安全な所に匿う、と
聖杯戦争の舞台はムーとレムリアに限定されている、ならば島の外に出る船に乗せて聖杯戦争が終わるまで危険から遠ざけるつもりであり、安全を保証すると
そこへホメロスが重ねて言う、令呪で自らのサーヴァントに自害を命じて無抵抗を示せばチノ達の指名手配や店主の処刑を中断しても良い、そうでなければ聖杯戦争の参加者としての倒す、と

1507名無しさん:2022/03/03(木) 07:50:50
>>1497
明さん、霊体化で胡桃のいる場所へ戻ることには失敗したけど念話で状況だけは伝えられたんだよね
元々ちょっとした疎外感や焦燥感もあった胡桃は自分が聖杯戦争の参加者として本格的に参加するため。そして聖杯戦争の参加者達をこの目で見るために現場へ向かうことを決める
それにこれだけ参加者が集まっているなら、他のマスターが更に参戦してくるかもしれない。もしも虎杖がマスターなら、きっとやってくるはずだ

1508名無しさん:2022/03/03(木) 10:11:21
医者はグリーンゴブリンに宝具にもなった禁薬の作り方や化学式を教えてもらい、科学的に調合して擬似禁薬を作り出し、自分に注射した
この中世的な天空都市という環境では、オリジナルの禁薬には遥かに及ばない劣化版しか作れないが、それでも喧嘩宿や殺人鬼、処刑課などの超人達に匹敵する身体能力を獲得した
まぁ元の世界の超人達のような格闘術や殺人術までは模倣できないので直接の殴り合いには彼らに一歩劣るが、それでも強者相手に対応できて殺人医術を使える医者へとグレードアップした
ちなみに元の禁薬だと凶悪な二重人格が生まれるはずだが、劣化版だからか、あるいは元から凶悪な犯罪者であるアクダマであるからか、特に性格の変化は見られなかった

1509名無しさん:2022/03/03(木) 10:20:40
相馬とレジィはセイバーとアーチャーの決闘から退却したあと、今後の行動について協議する
まずパン屋の少女は英霊を失って不要になり、セイバーの契約者と共闘できるかどうか見極められず、軍人のマスターとは交戦したため敵視されていると思う
今のところ同盟を結べそうな主従はおらず、この調子では自分達は孤立したまま戦うようになってしまう
半グレ集団による数の暴力ならまだ保持しているが、英霊相手ではただの塵芥、つまり使い所が限られてしまう

ならばいっそうのこと、ムー島に移動して新たに使える奴を探してみるか、そう考えていた時に念のためパン屋を見張らせていた半グレが報告にやって来た
曰く、複数人の男達が気絶した彼女をパン屋に運んで休ませたのちに、一人の女がやって来て小競り合いになったあと、パン屋の少女が現われてその場が治まり、二人の少年が急いで飛空挺に向かったらしい
その情報を基に、パン屋の少女は再契約を果たしたこと、その男四人がマスター二人とサーヴァント二騎である、と相馬とレジィは考察する
再度パン屋の少女を襲うにしても徒党を組まれては返り討ちに遭いやすいと考え、相馬とレジィはムー島に向かうことを決断する
そして半グレ集団を引き連れて造船所を襲撃・制圧したあと、飛空挺の契約書を見つけて自分達の足を用意する


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