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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第六章

83ジョン・アデル ◆yUvKBVHXBs:2020/05/15(金) 18:49:05
明神やなゆのような本人自体は一般人タイプのブレイブ・・・それもモンスターではなく異邦の魔物使い本人を狙いに来ている・・・!

馬車から急いで飛び出し、最後に確認された不審人物が歩いていった方向を見る。

その方角で戦っていたのは・・・なゆだった。
エンバースは建物の上にいるゴブリンを倒す為離れており、頼みのポヨリンもゴブリンと戦っている。

「なゆ!!!」

気づいたら走り出していた。
スマホをポケットから取り出し、部長を召喚し、全力で駆ける。

戦場の極限状態はなゆや明神の素人にとって地獄のような気分を味わせることだろう。
悲鳴は集中力を奪い、敵の攻撃は意識を削がれ、与えられるのは目の前に横たわった死体からもたらされる絶望だけ。

ゲームでは味わった事はあるだろう。
もしかしたら今までの旅路で戦場の空気を味わった事があるのかもしれない。

>「はあっ! はあっ、はぁ、は……はあ……!」

けど決して馴れる事などない。
少なくとも死人は出さないと、面と向かって言い放つ・・・なゆのような人間には。

状況が生み出す緊張と疲労は・・・対処できるはずだったことも・・・普段ならしないようなミスを・・・対処も出来ない程・・・人を蝕む。

>「ポ、ポヨリン……『限界突破(オーバードライブ)』……プレイ……!」

なゆの目の前に立った人物は今正になゆにナイフを振り下ろさんとしていた。

なゆは目の前で起った事を理解していても行動できない。
そのナイフはなゆに・・・少女に振り下ろされ・・・彼女の人生は・・・

終わりを

「させるかああああああ!」

ナイフを振り下ろそうとする人物の脇腹目掛けて強烈な蹴りを食らわせる。

「はあ・・・はあ・・・間に合った・・・」

本来はこの程度の距離を走った所で息切れなど起さないが・・・今回ばっかりは心臓に悪い。

「無事かい!?どこも怪我してない!?」

なゆの体をくまなく検査し、大きな怪我がない事を確認する。

「本当によかった・・・頼むから僕の為に無茶しないでくれ・・・本当に・・・よかった」

蹴られた人物が立ち上がってくる。

「今のは手加減なしの全力蹴りだったから・・・最悪殺してしまったかと思ったけど・・・その心配はないみたいだね」

その人物はナイフを握り締め、交戦する気のようだ。
一度失敗したら逃げると思ったが強行する気らしい。

「僕になゆとの約束を破らせてた責任・・・取ってもらおうか」


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