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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第六章
265
:
???
◆92JgSYOZkQ
:2020/09/14(月) 00:19:59
何の変哲もない一般人、あるいはどこにでもいる普通のモンスター、俗に言うところのモブこそが、カザハの元々の願いだった。
四大の精霊王の一角――風精王。
人間から見ると無いに等しい位の極めて稀に代替わりがあるらしいが、
《レクス・テンペスト》と呼ばれる王者の資質を持つ特殊なシルヴェストルだけが後継者になれるらしい。
カザハは、その資質を持って生まれながら、王になることを特に望まなかったため、
力を隠してただの平凡なシルヴェストルとして平穏な生活を送っていた。
でも風渡る始原の草原が人間に攻め込まれた時代があって、その時に人間の軍勢を退けるために力を使ったからバレてしまったんだって。
以後周囲には常にその力を利用しようとする者達が群がってきて、平穏な生活は送れなくなり、それは浸食が始まって世情が不安定になると、更に顕著になった。
“嵐の帝王”という名の通り、素質を持つ者の中には好戦的な気性を持つ者も多く、
次期風精王の地位を狙う候補者に襲撃されたことも、一度や二度ではないそうだ。
「キミのパートナーモンスターになったのはね……本当は自分の境遇から逃れるためだったんだ」
「私も白状するとお前を捕まえたのはレア度が高いし使えるからだったのさ――お相子だね」
「世界を救ったらキミの世界に一緒に連れて帰ってほしいな……。
何の変哲も力もない一般人として……平和に暮らしたい……。
…… 一般人どころか能力値は平均値より低いぐらいで丁度いいな。
あ、でも何の取り柄もなくなったボクなんていらないか!
愛してくれなくて、全然いいからさ……。ううん、むしろ愛してくれたらいけない」
何の取り柄もなければ、力を利用しようとする者が群がってくることもなく、自分を守ろうとした者が傷つくこともなく、平穏な生活を送れる。
特別な存在として愛されなければ執着されなくて気楽だし、死んでも誰も悲しませなくて済む。
カザハはそう考えたんだね。
そして気付いたら、カザハとカケルは私の子どもとして戸籍に入っていた。見事に何の取り柄もない一般人として。
いつの時点からそうなったのかは分からないけど、気付けばそうなっていた。
お前ら私より年上じゃん!とツッコんだら負けなやつだ。
だけど、私は過ちを犯した。何の利用価値も無いはずのカザハを、何故だか愛してしまったんだ――
きっと、その結果がこれだ。私が執着したせいで、カザハはこの世界に戻ってきてしまった。
全てを忘れたまま地球にいれば、過酷な戦いに巻き込まれるよりは多少つまらなかろうがずっとマシな人生を送れたのに。
ううん、これは本当に愛なのだろうか。
自分に出来なかったことを代わりにやり遂げてくれることを望むのは、やっぱりまた利用しようとしているだけなのかもしれない。
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