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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第六章

260ジョン・アデル ◆yUvKBVHXBs:2020/09/08(火) 22:18:58
捏ねる。整える。装着する。
同じ要領で武器も、自分の血で作る。

「うん…これで怪物に…化け物っぽくなった」

顔には血で作られたアイスホッケーマスク。
手には同じく血で作られた真っ赤な斧。

「ブラッドラストがあるからジョン・アデルは化け物なんじゃない…ジョン・アデルが化け物だからこそ…ブラッドラストという力を持っているんだ」

世の中には…映画を模擬した殺人犯は数多くいる。
スプラッターホラーの有名所ともなれば、さらに多くの模擬犯がでた。
その中ではまるで映画からでてきた怪物のようだったと評される殺人鬼も少なくない。

「僕は…ジョンアデルは!命の奪い合いが大好きだ!奪うのも!奪われるのも!心の底から愛している!」

だが映画のような超能力に限りなく近い力を使う模擬犯は過去に一人としていなかっただろう。
超人的なパワーも血操る魔法のような力も、現実ではありえない。

だが、もし…本当に現実にその両方を行使できる人間がいるとするならば…それは



ーーブラッドラストにいいように使われるあなたはもう終わり。逆に利用して好き放題してやりなさいーー
シェリーの言葉が脳裏を過る



「フッー…フッー…」

元がなんであろうと…化け物に違いない。

「一つ忠告しよう…僕の血には一切触らないほうがいい…さっきロイに毒を流されしまってね。
元々僕の血は耐性がない生物には毒だったろうけど…いまや触るだけで大変な事になるよ。口や傷口に入ろう物なら…たとえモンスターでもただじゃすまないだろう」

怪物は毒で倒されるが…追われる獲物は必ず殺人鬼に殺されなくてはいけない。
毒で怪物が知らぬ所で死ぬなんて映画やコミックでは絶対に許されない。

「それを踏まえて…逃げろ…逃げまどえ獲物共」

舞い上がった血は集まり複数の形を成す。
ドゥーム・リザードの形に。ヒュドラの形に。巨大な熊の形に。ゴブリンの形に。
軍隊にも匹敵するほどの数が生まれ、ジョン・アデルの真っ赤な血で作られたそれらは…目的を吟味するような動きを見せると…獲物に向かって突撃した。

理性などなく、敵に向かって突進を繰り返すだけ。一見単純で、簡単に回避できそうな攻撃方法。
ドゥーム・リザードや熊は素早く敵を追跡し、ゴブリンは的にしては小さく、ヒュドラは巨体に似合った耐久力で相手に確実に接近する
何より…倒しても血はすぐに集まり再形成。そして物量で懐へ飛び込んでいく。

そして目標を射程に捉えた人形達は

ドン!

爆発するような音が鳴り、死の血の人形は勢いよく破裂する。
飛び散った血の勢いそのものが銃の威力にも引けを取らない威力を誇り、なによりもに触るだけで命を削る死の血の散弾がまき散らされる。

しかし、本命は人形達ではなかった。


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