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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第六章

257ジョン・アデル ◆yUvKBVHXBs:2020/09/08(火) 22:18:07
「もういい、わかった。ありがとう…だからそこをどいてくれ、僕は戻らなきゃいけないんだ」

立ち上がり。扉に向かおうとする。

「ん〜…困るのよね、それじゃ…このまま兄貴を殺させるわけにはいかないの。
たしかに、兄貴は方向性を途中から見失って…許されない罪を重ねたけど…私個人としては当然死んでほしくないの、だから」

シェリーは僕と扉の間に割って入り。手に持っているナイフを僕に向ける。

「それで?僕を止めると?……君が例え本物だろうと幻覚だろうとなんだろうと…
 化け物になった僕は容赦なく殺すぞ…僕にもう恐れる物なんてなにもないからね」

僕の言葉を聞いたシェリーで大声で笑い転げる

「あはははははは!なにそれ!私しってるわ!それちゅうにびょう?って奴でしょ!まじでおなか痛い!」

「本気で邪魔できると思うのか?20年前ならいざしらず、君は5歳のままで、僕はもう26になる。体格差だって何倍も」

「ん〜…まあ?私は天才ですからね?この体だってそりゃ余裕ですとも?アンタ私の才能勝手に使っててそんな事も理解できないの?
本当は兄弟だけで決着をつけたかったけど…事の大きさはもう…私や兄貴が考えてた物より大きくなってしまった」

「それにね…彼女達…えーとなゆちゃんと〜明神さんと〜カザハさんと〜エンバースさん!
本当にいい人達よね…あの子達ならきっと貴方を助けてくれる。実際会った事はないけど、そんな気がするの
人を救うのは昔からそれはもう馬鹿がつくくらいのお人よしって決まってるでしょ?兄貴はともかく私に優しさなんてこれぽっちもないし?」

体が震えている。おびえているのか?ナイフを持っているだけの…目の前のたった5歳の少女に?

「だからって全部他人に任せるってわけにはいかない…あんたをそうさせた最低限の責任は取らなきゃ」

気づくと彼女の顔面が、僕の目の前にある。
なぜ?彼女と僕では身長差は3倍。いや4倍はあるはずなのになぜ僕は彼女と同じ目線に…

「彼女達の声を聞くなら……まずはあなたも全部をさらけ出さなきゃ。仮初の化け物じゃないあなたをさらけ出さなきゃね
本当の貴方で本当に伝えたい事を見せなきゃ、言わなきゃ…もし解決できたとしても…またこうゆう事が起きる」

足…足が…折れてる?いつの間にか両足があらぬ方向に曲がって…座り込むような体制になっていた。

「だからそうならないように…本当のあなたを…分からせてあげる。…徹底的に追い詰めてね」

そう言いながら彼女は僕の首にナイフを突き立てた。

「がっ・・・」

「目覚めなさいジョン。ブラッドラストにいいように使われるあなたはもう終わり。逆に利用して好き放題してやりなさい
どうしても貴方が勝てないというのなら…体にある呪いを…あなたを殺して、殺して、殺して…できる限り引きはがす」

僕は反撃しようと右手をシェリーに向かって振り回す。しかし掴まれ足で右腕を地面に叩きつけられてしまう。
シェリーは僕の首からナイフを引き抜き、右腕をナイフで切り落とし始めた。

「ガッ・・・ごほっごほ」

「化け物っていうのは…空想上の生き物でもなく、鱗に覆われた肉体を持つ者でもなく、熊の右腕を持っている者でもない」

シェリーは切断した右腕を適当に放り投げる。

「化け物の正体は…この世で最も恐ろしい化け物の正体は…人間その物なんだよ、ジョン。…あなたがそれを私にわからせてくれたの」

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