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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第六章

25明神 ◆9EasXbvg42:2020/04/07(火) 06:10:43
ハイパーヨーヨーのトリックを披露するだけ披露して俺は幌をサっと閉じた。
うーんスベったかな。カザハ君だったら大ウケした気がする。多分あいつ直撃世代だし。
暇にあかせた練習のおかげで、引き出した魔力の形をすばやく変化させられるようにはなった。
あとは魔法への移行をどれだけ迅速に出来るかだ。まだまだ練習しねえとな。

>「あーぁー、ひーまー! ひまひまひまひま、ひぃぃ〜〜〜〜まぁぁぁぁぁ〜〜〜っ!」

「おっガザ公じゃん。見て見て俺の激ムズトリック、スパイダーベイビー!」

最後尾でぶつくさ垂れていたガザーヴァは、俺のトリックを一瞥すると鼻で笑った。
は?ブレモン界の中村名人と呼ばれたこの俺を嘲笑いましたか今?
見てろよ、ループ・ザ・ループとか出来るようになってやっから。

ガザ公は俺以上に退屈耐性がないらしく、あっちこっちにちょっかいかけて回っている。
俺も見張りがてら多少は付き合ったが、二人で出来る遊びなんかたかが知れていた。
もうこいつとしりとりすんのヤだよ……る攻めばっかしてきやがるしさぁ。

>「そーいえば、お前アコライトでパパに十二階梯の継承者は仲間じゃないのかーって言ってたけど」

ふと、何故か鞍の上で逆立ちしているガザーヴァが言った。

>「ホントにそう思ってんの?
 お前、ゲームやってたんだよな? 地球でブレモンのプレイヤーだったんだろ?
 なのに、そんなことも分かんないのかよ?」

「どーいう意味だよ、俺の知らない裏設定でもあるってのか」

>「あいつらはパパの仲間なんかじゃないぞ。
 連中が従うのは正義とか悪とか、アルフヘイムとかニヴルヘイムとか。そんなんじゃなくて――
 ただ、大賢者ローウェルの意志だけ……だからな。

「ああ?そりゃ十二階梯だって一枚岩じゃねえだろうよ。グランダイトみてえな好き勝手やってる奴もいるし。
 でもバロールはお爺ちゃんの一番弟子なんだろ?
 だから奴はローウェルの代理として、ローウェルの指示で俺たちを動かしてた。
 ……ってわけじゃ、ないのか?」

>「これからは、敵はニヴルヘイムの連中ばっかりだと思わない方がいいと思うよー?
 黎明あたりはじじいの意図に反してるパパのこと殺したくて仕方ないだろーしー。
 アイツ、じじいにどっぷり心酔しちゃってるからさ。
 そんな黎明の息のかかった禁書とかが攻めて来たって全然おかしくないもんなー」

「ちょっ、ちょっと待て、バロールがローウェルの意図に反してる?
 じゃあ何か、この侵食から世界を救う云々の話は、ローウェルが発案したものじゃなくて……
 魔王バロールが勝手にやってることだってことかよ」

考えてみれば、俺たちをクエスト越しに操っていたのはいつもバロールだった。
そこにローウェルの意志はぴくちり介在していなくて、俺たちは奴のツラも声も知らないままだ。
『バロールはローウェルの代理人』……その認識自体が、事実ではなかった。

>「えーっ? 知らなかったのかよ?」

ガザーヴァは頓狂な声を上げる。

>「パパがあのモーロクじじいの言うことなんて聞くかよ。トーゼン刃向かってるよ、刃向かうしかないじゃん。
 てーか、そもそもパパがじじいのくたばったショックで悪堕ちしたとか超ウソんこだし。
 あんなん、連中がパパを悪者に仕立て上げようとして都合よく捏造した大本営発表に決まってるだろ!」


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