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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第六章

237embers ◆5WH73DXszU:2020/09/01(火) 22:47:42
【ロスト・オブ・ブレイブ(Ⅲ)】

「……今のは、少し油断しただけだ」

〈残念ですが、私はそんな次元の話をしていません。
 先ほどの攻防……あなたは間違いだらけだった〉

「間違い?奴のスキルを二つ、完全に躱して、反撃までくれてやって――」

遺灰の男の反論――再び襲来する六刃に掻き消される。

「――ああ、クソ。今、大事な話をしてるんだ。少し黙ってろ」

悪態を吐く遺灰――灰化により斬撃を回避/再形成/長槍を振りかぶる。
しかし投擲には至らない――マルグリットの追撃に阻まれる。
遺灰の男は舌打ち/再び後方へと飛び退かされた。

〈不正解です。何故、ジェノサイド・スライサーにカウンターを合わせようとしないのですか?〉

「カウンター?それなら、さっきも――」

〈違う。あなたは躱して、反撃しただけです。
 灰となって斬撃を全て躱してしまえば、差し返せる反撃は一度だけ。
 全ての斬撃にカウンターを合わせれば、一つのスキルに六つの反撃が出来るのに

反論に窮する遺灰の男/お構いなしに追撃を仕掛ける聖灰の武僧。
打突/肘撃/幹竹割り/飛び膝蹴り/靠撃――間合いが近すぎる。予備動作が見抜けない。
遺灰の男は大きく吹き飛び、対してマルグリットは深く重心を落とし、杖を握る両手を引き絞る。

来る――渾身の跳躍と、そこから放たれる打突が。
反撃――先の靠撃で崩れた体勢では不可能。
遺灰の判断――まずは躱す/その後に生じた隙を突く。

ただ躱すだけなら、容易い。遺灰の男には人越の視覚/灰化のスキルがある。
マルグリットが地を蹴る/コンマ1秒の遅れなく霧散する遺灰。
打突が空を切る――絶大な威力がそのまま隙に成り果てる。

遺灰の男が振り返る/槍を振りかぶる――瞬間、聖灰の周囲に吹き荒れる嵐風。
グレイブヤード・ストーム――主の隙を掻き消す、骨の防壁。

「ち……!」

遺灰の男――嵐の間隙を見抜き、投擲。
だが、遅い。既にマルグリットは体勢を立て直している。
闇色の閃光は最小限の体捌きによって躱され、虚空を貫く。

〈――不正解です。ハイバラなら、グレイブヤード・ストームを利用した火災旋風で敵を攻撃したでしょう。
 アジ・ダハーカとの戦いは、あなたの中では単なる記憶で、経験値として昇華出来ていない〉

「……くっ!まだだ!」

嵐が止む――地を蹴る聖灰/次なる長槍を振りかぶる遺灰。
投擲――最小限の体捌きで躱される/打突が遺灰の男の頬を抉る。
大きく引き裂け、爆ぜる遺灰の左頬。

〈不正解です。そもそも、【投擲(スローイング)】は人間の体で最大限の火力を発揮する為の手段。
 何故、今もそれを多用するのですか?……いえ、理由なんてないのでしょう。
 かつてそうだったから、そうする。やはり、あなたはただの、彼の亡霊だ〉

遺灰の男――灰化を用いて後退/そして自覚する――押し込まれ続けている。


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