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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第六章

236embers ◆5WH73DXszU:2020/09/01(火) 22:45:17
【ロスト・オブ・ブレイブ(Ⅱ)】

「……生憎だが、俺にその手の騙し討ちは通じない」

遺灰の男の、闇色に燃える双眸。
その奥には何も無い――眼球/視神経/脳髄がない。
アンデッドの認知/思考能力は生理機能に依存しない。
即ち、遺灰の男は目の前の事象を見た瞬間に視る事が出来る。

「掴め、フラウ」

迫る嵐風の最外周を描く骨片が、遺灰の男にははっきりと見えていた。
一瞬遅れて、スマホの液晶から奔る白閃が、それを捕捉/捕縛。
触腕から伝わる遠心力が、遺灰の男を大きく振り回す。

結果――遺灰の男は容易く、グレイブヤード・ストームの範囲外へ。
すかさず、再び燃え盛る手斧を振りかぶる。
吹き荒れる無数の骨、その間隙を――闇色の眼光が、見抜いた。

瞬間、投擲――嵐を貫く漆黒の一閃/嵐の中心に浮かぶ魂核を直撃。
響く悲鳴――急減速する嵐/再び形成される骨の外殻。
だが、大ダメージによるスタンは通っている。

「どうだ。これでも、今の俺が弱いと言えるか?」

〈……参りましたね。確かに、私の見込み違いでした〉

コートの裡へ潜る、遺灰の右手/引き抜く新たな獲物=血塗れの長槍。
逆手に持ち替える/振りかぶる――目標=言うまでもなく守護者の魂核。
再形成の完了していない外殻ならば強引に突き破り、もう一撃加えられる。

アニマガーディアンはスタン状態=二度目の急所への痛打には耐えられない。

〈ええ、本当に見込み違いだ――〉

そして遺灰の男が槍を放つ――その直前。
疾風が、その身に纏う炎を揺らした。

『はあああああああッ!!』

疾風の正体=下僕をブラインドに肉薄したマルグリット/放たれた杖による刺突。
対する遺灰の男は――それに反応出来なかった。
神経と電気信号に頼らない、生者よりも遥かに視覚を有しているにも関わらず。
視界に映らず/意識も割いていなければ、それも当然。

「くっ……!」

トネリコの杖の先端が、遺灰の胸を穿つ。
遺灰の男――胸部が大きく爆ぜる/全身を飛散/流動/退避――再形成。

〈――あなた。予想以上に、想定以下です〉

フラウの感想=冷ややかな声。


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