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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第六章
235
:
embers
◆5WH73DXszU
:2020/09/01(火) 22:41:51
【ロスト・オブ・ブレイブ(Ⅰ)】
ブレイブ&モンスターズにおいて、進化という言葉は二つの意味を持つ。
一つは、スペル/スキルによる一時的な変化――バフの一形態。
或いは――モンスターの成長に伴う不可逆な変異。
かつて焼死体だった男に訪れたのは――後者だ。
男は最早"燃え残り(エンバース)"ではなかった。
灰と化した肉体――物理攻撃に対する高度な耐性/アジリティの上昇。
現象と化した存在――呪われた聖火との同化/その制御性の獲得。
"遺灰の男(チェインド)"は、燃え残りの正統進化形と言えた。
『エンバース殿、本来貴公と私が矛を交えることなど、在ってはならぬことなれど――』
「馬鹿言え。折角の、本編未実装のバトルなんだぞ。
在ってはならない事だからこそ、燃えるんじゃないか。
……ああ、いや。今のは別に、俺が焼死体である事とは関係ないけど」
遺灰の男――傲慢/余裕の態度。己の実力に対する圧倒的な自負の発露。
『これも大義のため。我らが賢師の思し召しなれば……お覚悟を。
許せとは申しませぬ。貴公の屍を踏み越え――私は。悪となりて務めを果たしましょう!』
「へえ、次のシーズンはそういうスタイルで行くのか。
マル様オルタ……いいんじゃないか?流行ると思うぜ」
『ガギョォォォォォォォォォォォォッ!!!』
轟く咆哮/骨の守護者が前進/足音は一度だけ――巨大な曲刀が、敵を間合いに捉えた。
斬撃/太刀影/疾風/紫電/閃光/剣舞――特殊スキル『ジェノサイドスライサー』。
防御無視の六連撃――遺灰の男が二/四/六/八/十/十二に切り裂かれる。
そして――飛散した遺灰が渦を巻く/瞬時に五体を再構築。
遺灰の男を斬り裂いたのは、六の刃ではない。
その太刀風が、かえって灰を散らし、致死の斬撃を無効としたのだ。
スキルは空振りに終わった/慣性は威力へと変換されなかった――つまり隙が生じた。
対する遺灰の男――燃え盛る手斧を右手に、全身を捻転/そして投擲。
流星の如く閃く闇色の炎――響く破砕音/守護者の六腕の右中段、その肘関節を痛打。
『ギシャアアアアアアアアアッ!!!』
瞬間、直撃弾を受けたアニマガーディアンの腕が胴体から分離。
部位破壊――ではない/欺瞞である。
守護者を構築する無数の骨が分離/浮遊/飛散――そして回転。
荒れ狂う純白の大嵐――特殊スキル『グレイブヤード・ストーム』。
一度巻き込まれれば、脱出は困難/だが、遺灰の男に動揺はない。
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