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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第六章

233明神 ◆9EasXbvg42:2020/08/30(日) 07:27:28
「それでも俺は何も捨てない。持てるモノは全部抱えてく。戦えない仲間だろうが、全部だ。
 ……世界救ったその瞬間に、隣に誰もいないんじゃあ、寂しいからな」

俺たちの選択が、間違ってたとは思いたくない。
無様だろうが女々しかろうが、捨てるべきものを捨てなかったことを、後悔したくない。

意固地になってると言いたきゃ言え。俺はクエストの難易度を絶対に下げない。
ジョンの『助けて』に応じた俺自身の、安っぽいプライドの為に。

「答え合わせをしようぜ。俺は自分で決めたことを、『これで良いんだ』って、証明する。
 身の丈に合わねえもの全部背負った、拳の重さでお前に勝つ」

思えばこれまでの旅で、随分背中が重くなっちまった。
捨てられなくて、未練がましく持ってたものが、今俺をがんじがらめにしている。

リバティウムで受け継いだバルゴスの剣だって、未だに生身じゃまともに持てやしねえけど。
肩に感じるこの重さのすべてが、俺が今ここに立つ理由になる。
逆境で踏ん張る力になる。

「良い機会だから知っとけよ。傍に居ない奴とでも、誰かを一緒に殴る方法はあるってことを。
 捨てなきゃ前に進めないんだとしても……捨てないためにあがくことは、無駄じゃないってことを。
 ガラじゃねえこともう一つ言うぜ。こいつが俺たちの――絆の力だ!!」

マホたんを再現した革鎧が、もうここに居ない奴の力をその身に宿す。
マイクを持たない方の手で、拳を握る。眩い光がそこに灯る。ユメミマホロのスキル――『聖撃(ホーリー・スマイト)』。
俺が捨てられなかったもののひとつだ。

聖属性の魔力が迸り、アンデッドのヤマシタは少しずつ装甲を焼け付かせていく。
同じアンデッドのアニヒレーターも、こいつが直撃すりゃただじゃ済まねえだろう。

さらにヤマシタ本来の闇属性魔力が重なり、ふたつの色が渦を巻く。
光と闇が合わされば、見かけ通りの最強だ。

「ヤマシタの攻撃!絆で殴ってブチ壊せ、『聖重撃(ディバイン・スマイト)』!!!」

間断なくスキャットを奏でながら、ヤマシタは踏み込んだ。
アニヒレーターの音響攻撃はこっちも歌で相殺する。あとは単純、近づいてぶん殴る。
言うなればこいつは俺とシェケナベイベの対バンだ。どっちの歌がライブを支配するか、その勝負だ。


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