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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第六章
230
:
明神
◆9EasXbvg42
:2020/08/30(日) 07:24:37
お前らにとっちゃ遠い昔の話だろうが、死んだ人間はそれが最後だ。
忘れて良い話じゃない。笑い話でも……ない。
奥歯が軋む。こいつらが何考えてんのか、一ミリも理解できない。したくない。
>「そォだよ。あーしたちは終わらせてやった、アブラっちの『異邦の魔物使い(ブレイブ)』としての命を。
『異邦の魔物使い(ブレイブ)』である限り、闘いからは逃れられない。
あーしたちはこの世界の連中から、兵器として召喚されたんだから。
闘いたくありましぇーんなんて寝ぼけたこと言うヤツは、早晩おっ死ぬだろーさ。そォッしょ?
どうしても闘いから逃れたかったら――そいつは! 何もかも投げ捨てなくちゃダメなのさ!!」
「……そういう意味かよ」
だけど俺の腹の底で煮えたぎっていた感情は、すとんとどこかへ霧散してしまった。
こいつらは確かに、スタミナABURA丸のスマホを破壊し、放逐した。
ブレイブとしての、『戦闘能力を奪った』。
戦えなくなるということ。翻せばそれは、戦わなくても良くなる、ということでもある。
ロイ・フリントを除けば、俺たちブレイブに求められるのはスマホを利用した独自の戦闘能力だ。
それが失われれば、戦力としてブレイブに数える道理はない。
戦いを拒んだ仲間を、こいつら親衛隊は――スマホを奪うことで解放したのだ。
なるほどこいつは笑える勘違い。俺やっぱ芸人になった方が良いかもな。
――マル様親衛隊が直面した困難は、奇しくも俺たちのパーティと似ていて。
その対応策は両極にあたるものだった。
俺たちは『戦えない』ジョンを、それでも戦いの場に引っ張り出すために、エーデルグーテへ行こうとしている。
それこそあいつがもう誰も護らなくて済むように、決別してしまえばそれで良かったにも関わらず。
ジョンと仲間で居続けたいから、こうして余計な苦労までお互いに強いている。
ある意味じゃ、親衛隊の対処の方がよほど人道的かも知れない。
スマホ奪われたABURA丸がどうなったか知らんが、腕ぶった斬られるよりかはマシに生きていられるだろう。
この惨状を目の当たりにすりゃ、俺たちの選択が正しかったなんて、自信持って言えるわけがない。
シェケナベイベが言うような、『何もかも投げ捨てる』……その覚悟が、俺たちにはなかった。
中途半端にジョンを救おうとして、かえってあいつを苦しめてしまっている。
戦う力を一切合切捨てたなら……救うことを諦めたなら。もっと平穏にジョンは暮らせたかも知れないのに。
「でもなぁ!ここまで来んのに、俺達はいろんなものを犠牲にし過ぎた!
今更やっぱジョンのことは諦めますなんて、言えっかよ!」
霧を引き裂いて、重戦士モードのヤマシタが疾走する。
風切り音を幾重にも響かせながら薙ぎ払った大剣は、しかしアニヒレーターの首を刈り取れない。
盾代わりに構えたギターの弦を何本が切断して、斬撃はそこで止まった。
>「おおーッとォーッ! 惜しい!
インギーの音波の範囲を見切って、霧の中から奇襲とはヤルじゃん!
でもなァ! あんたはそれで終わりだよ! 唯一のチャンスをものにできなかったあんたの負けさ!
――尤も――」
「ああ?聞こえねえぞ!MCがボソボソ喋ってんじゃ――」
いつの間にかあんだけ耳を劈いていたロックサウンドが鳴りを潜めてる。
へいへいどーした、セットリストがもう尽きたか?アンコールでもしてやろうか!
だけど何かがおかしい。張り上げたはずの俺の声すら、籠もったように耳に届かない。
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