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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第六章

221ジョン・アデル ◆yUvKBVHXBs:2020/08/15(土) 00:15:41

「さて…落ち着いて喋るのもこれで…最後だ。最後に人間らしく会話できて嬉しかったよ」

《―――――――――――》

「黙れ。なに言ってるかわからないが…これから起きる事に一切口は挟ませない。シェリー…本当にお前だったとしてもだ」

ロイと僕はある程度の距離を取り、そこで構える。

「ロイ。君が狙う弱点はココだ。明確に力が劣っている君でもここにナイフを突き立てられたら君でも勝てるかもしれない」

左手で、首の根本部分をポンポンと叩く。

「もしさっきの兵器頼みの一撃が…君の最大火力なら…君の勝ち筋はここしかない」

ブレモンの中でもこのブラッドラストで強化された鱗を貫通する攻撃は少ない。
物理的にも、魔法的にもほぼ無敵に近い鱗の装甲…唯一の弱点は覆われていない部分だけ。
熊の右腕も鱗に比べれば防御力は低いが…

「あらゆる準備を許そう。君には全身全霊で向かってきてもらわなければならない。僕の化け物としての最初の一歩として」

言葉では冷静を装っているが…この時の僕はもう既に目は血走り、口からは涎がこぼれだしているような状態だった。。
そう…ロイを殺せる…。その現実が近づくに連れて僕は恐怖を感じるどころか…快楽に似た、感覚を覚えていた。

「フッー…フッー…」

例えるならそう…飢えた獣が餌を見つけて…今か今かと待つように…。
最後の理性で堪えていたが…今すぐこの感覚に全部を任せてしまいたい。

「いいかい?…もういいんだね?…一度始まったらもう止められないよ…本当に苦しいんだ…僕もう…」

準備は整った。周りを近寄らせないようにゴブリン達で見張らせた。
ロイの勝てる可能性を残す為に弱点を教えた。回復もさせた。
最高のご馳走の下拵えは終わった。もう周りの騒音さえ、なにも聞こえない。

「ハァー…フー………」

もう我慢する必要はない。この感覚に、快楽に従うだけだ。

「いただきます」

そう言い放ち僕は目にもとまらぬ速さでロイに飛び掛かかり、ロイの体に傷を付ける。

「ホラ!避けてばっかりじゃなくてさっさと反撃しないと全部の肉を削り取ってしまうよ!」

ロイの目からはまだ希望の光が消えていなかった。

「あぁ…まだ僕を殺せると本気で思っている目だ…どんなに力の差があっても…僕を殺そうとする覚悟の目だ…まったく君は…」

「さいっこうだ!!!!!!ハハハハハ!!」


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