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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第六章

219ジョン・アデル ◆yUvKBVHXBs:2020/08/15(土) 00:15:05
「一体どうやって変われるっていうんだ?やり方なんかわかるはずないだろう!!」

ボシュッ!!

「誰も僕を裁いてくれない。そして僕は今まで毎日あの日の事を夢に見て、思い出す。そんな状況でどう生まれ変われっていうんだよ?」

ガガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァンッ!!!!!

「どれだけ前向きに歩いてきても、会ったのは差別だけだ。君ならわかるだろ、ロイ?日本じゃ外人ってだけで差別の対象になるんだぜ
 みんな面白半分に僕を差別する。そして反撃しようとしたら外人というだけでこっちが悪にされる」

子供の頃…大人達に相談しても君がやったんだろう。と言われた悲しみは今でも忘れられない。

「とあるテレビ番組をきっかけにして、汚い大人達の手によって僕はどのスポーツ分野にもいけなくなった。
 どの種目に出ても世界で金をとれるような人材になったとしても、誰一人僕を認めようとしなかった」

「それがどうした?自衛隊になってほんのちょっと活躍しただけで今度は英雄扱い?………馬鹿にするな!!!」

ロイを右手で思いっきり強打し、壁にたたきつける。

>「がはッ!」

ロイは血反吐を吐き、倒れ伏す。あまりにも圧倒的な力の差。
最初の頃の力関係は完全に逆転し、もはや戦闘についての事を思考する必要すらない…差。

>「く……そ……」

「君は僕があの事を忘れて生きて来たと思ってるのか?僕がシェリーを殺した事を後悔しなかった日があると本気で思ってるのか!?」

忘れようと思っても色んな方法を試してきた。一つを除いて。

「有名人になってからあらゆる物を手に入れた。だから片っ端からロイとシェリーを忘れられるように試した事はそりゃあるよ。
 言い寄ってきた女全員を抱いた。体には自信があったからね。そのあと長続きすることはなかったけれど。
 使い道なんてない金で風呂を満たして豪遊した。言うまでもなく本当にくだらなかった
 挙句の果てには危険な薬まで手を出した。全然僕の体には効果なんてなかったけどね…何一つ、空しいだけで僕になにかを与えるわけじゃなかった…!!」

地面を思いっきり叩き割る

「僕に必要だったのは…闘争だったんだよ…ロイ。僕はずっと君や、家族…そしてシェリーから教わった無闇やたらに力を振り回さない。
 それだけは守ってきた…いや守ってしまった…だから本当に自分がしたかった事を見失ってしまっていたんだ」

生まれたての鹿のようにフラフラしているロイに近寄っていく。

「もううんざりだ、我慢するのは。人間の皮を被るのは演じるのは…他人の為にヘラヘラ笑って踊るのも、毎晩悪夢にうなされる夜を過ごすのも…もう終わりだ」

《―――――――――――》

その時ロイと僕の間に幻影が…シェリーが割り込んでくる。
姿は以前見た時よりも、儚げで、今にも消えそうな姿をしていて…声も聞こえなくなっていた。

「…………………わかっているさ…シェリー……ロイ、このポーションを使え。回復するまでの間まってやる」

ロイと向かい合い…シェリーの幻影を挟んで座り込む。

「勘違いするな…君は鍵だ。僕に…未だ足りない覚悟への鍵だ…君を完全な勝利という形で殺す事で僕は覚悟できる」

その時こそ…僕は・・・完全な化け物になる。


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