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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第六章

198明神 ◆9EasXbvg42:2020/08/03(月) 04:40:07
アニマガーディアンは確かに強敵だ。ガルガンチュアの前座を飾るに相応しいステのレイド級だ。
だけどエンドコンテンツと違って、こいつはメインシナリオのボス敵だ。
であるがゆえに、ライトユーザーでも頑張れば攻略できる程度の難易度に調整されている。

大技の前には必ず予備動作があるし、全体攻撃も軽減をきっちり入れれば十分耐えられる。
事前に予習しなくても、戦ってるうちに段々攻略法が見えてくるようになってるのだ。
いわんや、俺達には予備知識がある。負ける要素は万にひとつも、なかった。

……そう、負けるなんて思っていなかった。
『そもそも戦えない』とも、思っちゃいなかったけど。

>「……随分とのんびりした到着だな。
 レプリケイトアニマが霊仙楔まで到達するかと思ったぞ」

扉を開けた先に居たのは、上背7メートルの骨の巨人ではなく。
相変わらず黒尽くめの戦闘服で上下を決めた、軍人の姿だった。

あー。あー。そういうこと。そういうことね。完ッ璧に理解したわ。
バロールの埒外だった、レプリケイトアニマの再起動。
気にすべきだったのは、『何故起動してるのか』じゃなく――『誰が起動したのか』だった。
そしてその答えは、目の前にあった。

「ロイ・フリント……!!」

アニマについての知識は、当然俺たちやバロールだけの特権じゃない。
ニブルヘイムにもミハエルや帝龍みたいなブレモンプレイヤーは居るし、
イブリースに至っては一巡目の記憶を持ち越していやがる。

停止したアニマを発見して、アルフヘイム転覆のためにこれを再起動するのは、
ニブルヘイム側からすりゃ半ば当然の仕儀と言える。
フリントにとっても、アルフヘイムが阻止しに来るとすれば近場に居た俺たちだと、容易に想定できる。
利害がかっちり噛み合ってたってわけだ。

>「さて、約束だったな。貴様らが呑気に旅している間に、ゴブリンどもの練度も上がった。
 今ならどんな相手でも葬り去ることができるだろうよ。
 貴様らのようにゲームにうつつを抜かしている素人ならば、猶更だ」

「そいつぁ凄えや。人間マトにしたエイム練習でよっぽど自信がついたらしいなぁ?
 ……そのクソふざけた思い上がりを叩き潰してやるよ」

ずらり居並ぶゴブリン共はみな一様にアサルトライフルを構えている。
銃口がいくつも俺を捉えて冷や汗が出る。ビビリを気取られないよう、腿を強くつねった。

>「ジョン。死ぬ準備はできたか?
 安心しろ、貴様は俺がこの手で殺す。ゴブリンどもに手出しはさせん。

俺の煽りをガン無視してフリントはナイフを構える。
ゴブリン達が銃床を肩に当て直し、射撃体勢に入る。
その引き金が、引き絞られていく――

>「……お待ちください」

開戦の狼煙を遮るように、凛とした声が響いた。
フリントの背後から現れたのは、アイアントラスで袂を分かった十二階梯の一人、『聖灰の』マルグリット。
そいつがフリントの側から出てきた、その意味は小学生だってイコールで結びつけられる。


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