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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第六章

153カザハ&カケル ◆92JgSYOZkQ:2020/07/06(月) 21:33:11
>「分かった、みのりさん。
 みんなも聞いたわね、螺旋廻天レプリケイトアニマへ向かって、中にあるヴィゾフニールを回収する。
 ヴィゾフニールを手に入れたら、あとはエーデルグーテまで一直線……ね!
 目的変更、進路をアズレシアからレプリケイトアニマへ!
 レッツ・ブレーイブッ!!!」

「レッツ・ブレーイブ!!」

妙に威勢がいいのはもちろん、廃墟に潜るだけの楽なミッションだからである。

その夜、私は夢を見た。其れは、決して語られざる未実装クエスト。
私達は、屍累々の夜の街の広場のような場所にて、シナリオボスと対峙していた。
相手は、血を自由自在に操る化け物――とはいっても、ニヴルヘイムのモンスターではなく、
アルフヘイムの者ですらなく……異邦の魔物使い《ブレイブ》の成れの果て。
二人の異邦の魔物使い《ブレイブ》の声が重なる。

「「《ライドオン》!!」」

カザハは私の背に乗って風の槍を振るう。
違う飼い主同士のモンスターが一体化したらどっちが指示を出すとか混乱しなかったんだろうか。
……しなかったんでしょうね。
関係性のある者同士が召喚されやすい説に則るとすれば、親友か、恋人同士か、あるいは夫婦だったのかもしれません。
夢の中の私が、夢の中のカザハに問いかける。

《本当にいいんでしょうか……》

「いいの! 仕方がないの、もうこうするしかないの……!」

やがて、決着の時が訪れる。カザハの槍が、化け物の胸を貫いた。
今際の際に正気を取り戻した彼の者に、止めてくれてありがとうとでも言われたのだろうか。
カザハは頭を横にふって、謝った。

「ごめん、救えなくてごめんね……!」

カザハは化け物だった者の亡骸を胸に抱き、慟哭を響かせた。
私はカザハの横で、どうすることも出来ずに立ち尽くしていた。

“そして、また殺すのか? 仕方なかった。やむを得なかった。そんな逃げ道を用意して”

昼間ロイに言われた言葉が、何故か思い出された。

そのシナリオボスの名は――”血の終焉《ブラッドラスト》”。


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