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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第六章

136明神 ◆9EasXbvg42:2020/06/15(月) 04:56:04
最後まで煽りまくってる奴も居たがな!!
俺とシェケナベイベはお互いに中指を立て合いながら袂を分かった。
失意にもめげないマル様とその親衛隊は、俺たちとは違う道へと消えていく。

「やってしまいましたなぁ……」

口ではそう言いつつ、俺はガザーヴァとハイタッチした。
スカっとしたぜ。ざまーみやがれ。あの最強無敵の厄介集団に嫌な気持ちにさせてやった。
すげえ久々にうんちぶりぶり大明神の面目躍如って感じで超気持ちよかった。

たったひとつ懸念材料があるとすればそれは――状況が何一つ好転していないことだ。
マル様と親衛隊っていう、おそらくブレイブの中でも最高の戦力を手放しちまった。
どころか奴らはもう敵だ。次会ったときは今度こそ、殺し合いが始まる。

俺たちの行く手を阻む障害は数え切れないほどある。
ジョンの呪い。ニブルヘイムに加担してる十二階梯共。その最強の腰巾着。そして。

「ブレイブハンター……か。ついにそんなもんまで出てきやがった」

ブレイブ狩りのブレイブ。アルフヘイムのブレイブを殺すためだけに召喚された存在。
それは明確に、ニブルヘイムがアルフヘイムのブレイブを排除すべき存在だと認識している証左であり――
どこか奔放に動き回っていたミハエルや帝龍とは違って、連中の統制がとれ始めていることも意味していた。

「当面、アシの確保は急務だな。どの道こんなペラい幌の馬車でちんたら進んでたら的にしかならねえ。
 魔法機関車が使えないなら……それこそ飛空船とか、どっかで都合が付きゃいいんだが」

飛空船は魔法機関車に代わるどこでも乗れてどこにでも降りられる上位互換の移動手段だが、
かなり高度な技術が使われてるせいか大陸全体でも数が少ない。
ゲーム本編でもかなり後半のシナリオでイベントをこなしてようやく借り受けられるような代物だ。
あれどこだったっけ……だいぶ昔のことだから詳しい場所は覚えてねえけども。

>「んじゃ明神さん、親友お借りします」

カザハ君がジョンを連れ立って空へと飛び立つ。
俺はその背中に闇魔法を投げつけて引っ張り下ろした。

「カザハ君ちょい待った。もうひとつ……アズレシアに行くの、やめにしねえか?」

アズレシアは海路におけるフェルゼン公国の玄関口となる港町だ。
俺たちがこれから向かう先のひとつであり、エーデルグーテに行くための船が出てる場所でもある。

「フリントは俺たちの行動をどういうわけか読んでて、常に先回りしてきやがる。
 まともにエーデルグーテを目指すなら海路をとる為にアズレシアに向かうってことも把握してるだろう。
 ……だからこの先、普通にアズレシアに行けば、次に襲撃されるのは十中八九あの街だ」

アイアントラスの惨状が、今でもまぶたの裏にこびりついてる。
フリントの口ぶりが正しければ、今度の襲撃の規模はあんなもんじゃ済まない。
俺たちがこのまま進めば、むざむざアズレシアに戦火を持ち込むことになる。

「それでもアズレシアに行くなら、今度こそ連中に気取られないっていう確証が要る。
 追跡を撒いて、変装してでも、奴らが気付く前に船借りて港を出なきゃならない。
 俺は……あの街まで燃やされるのは、見たくない」


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