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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第六章

134明神 ◆9EasXbvg42:2020/06/15(月) 04:53:43
 ◆ ◆ ◆ 

アイアントラスを発つ準備が整ったところで、なゆたちゃんはマルグリットに問いかけた。
ローウェルの元で活動する十二階梯がどれだけ集まっているか。
そこに『黎明』は居るのか。

そしてマルグリットは、確かにゴットリープが陣頭指揮に立っていると述べた。
――決まりだ。ローウェルは、十二階梯は、俺たちの敵だ。

>マルグリット、あなたたちとの同行はおしまい。ここからは、わたしたちだけでエーデルグーテまで行くわ」

良いんだな、とは聞かねえよなゆたちゃん。
この道を選ぶのは彼女一人だけじゃない。俺が居て、こいつらが居る。

露骨に同様するマルグリット、一触即発の親衛隊をよそに、なゆたちゃんは舌鋒鋭く問い詰める。
マルグリットもまた、ゴットリープがフリントに武器を提供していたことを知っていた。
知っていてなおゴブリン共と闘ったのは、銃器が『こんな使い方』をされると思ってなかったからか。

ゲーム上でどんなに追い詰めようが涼しい顔を崩さなかった美男子が、苦悶の表情を浮かべている。
奴にとって、ローウェルやゴットリープは絶対だ。正しさを疑うことなどできない。
しかしその一方で、アイアントラスでこれだけの犠牲が出たことも、無視することは出来ない。

>「……確かに……私は知っていました……。しかしながら、『黎明』の賢兄のこと。
 何か深遠なお考えあってのこと……そう、そうに違いありませぬ……!」

「世界を救うためなら小さな街の数百人の犠牲には目を瞑るってか。高尚なこったな。
 命の取捨選択を否定するつもりはねえよ。だけどそれは……俺たちのやり方じゃあない」

アイアントラスで死んだ連中は。
たとえ明日世界が滅ぶとしても、今日を生きたかったかも知れない。
そいつらにまともな選択肢も与えず、強引に命を奪ったことを、俺は忘れない。

>「『黎明』はローウェルの代理って言ったわよね、それはローウェルの意思でそんなことをしてるってことよね?
 じゃあ……わたしはローウェルを絶対に許さない! ローウェルや『黎明』の命令に従ってるあなたたちのことも!
 無碍に命を摘み取るニヴルヘイムの連中も! 絶対絶対……絶対に! 認めてなんてやらないわ!!」

なゆたちゃんのこの言葉が、決別の合図だった。

>「いいねぇいいねぇ! 宣戦布告ってヤツ!? んじゃもうボクのコトも解禁でいーよな!
 おい、そこの頭ン中お花畑の三バカ恋愛脳トリオ!
 いつでもかかって来いよ、ブッバラしてやンよぉ! そう、『ボクがオマエらの聖地を更地にしたときみたいに』――! 
 この現場将軍! もとい、幻魔将軍ガザーヴァ様がなァ―――――――ッ!!!」

剣呑な気配にテンションをぶち上げたガザーヴァが正体をバラす。
その身に黒甲冑を纏えば、在りし日の幻魔将軍の再臨だ。
思わぬ仇敵の登場に、親衛隊は開いた口が塞がらない。勝ったな。

>「きっひひひひッ! ビックリしたかァー? でも驚くのはまだ早いぞ!
 ここにいる明神、笑顔きらきら大明神なんて名乗っちゃいるけど大ウソだ!
 コイツの本当の名前は、うんちぶりぶり大明神――! そう、ブレモン史上最低最悪のクソコテ野郎だ!
 そんなことも気付かないでアホ面さげて、オマエらってばまったく笑えるったらありゃシナーイ! あーっはっはっはっ!」

あ、俺のこともバラすのね?
親衛隊の3つの双眸が一斉に俺に集中する。

驚きと殺意がないまぜになったその視線に晒されながら、俺はきらきらな笑顔を脱ぎ捨てた。
代わりに出てくるのは、ニチャア……と粘着質なキモオタスマイル。


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