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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第六章

130明神 ◆9EasXbvg42:2020/06/15(月) 04:37:40
>「貴様らは本当に素人だな。俺が――ただ貴様らと会話がしたいから、ここで突っ立っているとでも思っているのか?」

瞬間、胃袋の中身がまるごとひっくり返るよな爆発音が響いた。
アイアントラスの地面が大きく揺れ、絶望を伴う浮遊感が全身を持ち上げる。

「なっ……嘘だろ!?」

橋梁が、傾いている。
爆発があったのはフェルゼン公国側の橋梁の端だ。
つまりは――橋の根本。この街の土台だ。

>「この橋梁都市ごとボクたちを大断崖に落っことそうってのか! うっひょー! すっげええええ!!!
 そういうド派手なの大好き! どーしよー、ボクちょっとコイツのこと好きかも!
 あ、でも心配すんなよな明神! パパが一番で二番目がオマエなのは変わんないから!」

「そーかいありがとよ!俺も愛してるぜガザ公っ!
 あのヤンキー野郎のことはヘドが出るくれー嫌いだがなぁぁぁっ!!」

無駄口叩いている間に、俺はいよいよ地面に立っていられなくなった。
橋が落ちる?冗談じゃねえぞ、まだ街の住人の避難も終わってない。
俺たちが谷の下に落下して生きていられる保証もない。下は川が流れてるが、流木も残らない急流だ!

>「心配するな、そんな無駄なことはせん。
 最小の行動で最大の戦果を挙げる、それが戦闘の鉄則だ」

不意に揺れが収まった。
橋梁は傾いたままだが、それでもこれ以上崖からずり落ちることはない。
破壊されたのは橋桁の一部だけだ。巨大で頑強なアイアントラスは、それだけじゃ崩落しない。

>「今はまだ、そのときではない――だが次で必ず仕留める。さらに練度を上げた軍隊でな。
 そのとき貴様も俺の手で始末してやろう、ジョン・アデル」

俺たちが揺れに対処している間に、フリントは既に撤退を始めていた。
『形成位階・門』――ニブルヘイムのインチキテレポートが、虚空にその口を開いている。

「ざけんなっ!待ちやがれ――」

なんとか立ち上がって、追いすがろうとした。
フリントと共に門へ入っていくゴブリン達が、一斉に俺へ向けて銃を構える。
十を超える殺意の視線に晒されて、それ以上動けなくなった。

「く……そ……が……!!
 これだけ人を殺しといて、のうのうと生きていられると思うなよロイ・フリント!!
 てめえには絶対に報いを受けてもらう!俺のツラを覚えていやがれよ!!」

負け惜しみの言葉が届いてか届かずか、フリントは振り返ることなく門の向こうへ姿を消した。
あれだけいたゴブリン共もみな姿を消して、あとには何も残らなかった。

今ここにあるのは、流れた血と、人々のうめき声。
そして――わけもわからないまま殺された者たちの、絶望だけだった。

 ◆ ◆ ◆


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