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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第六章

119ジョン・アデル ◆yUvKBVHXBs:2020/06/03(水) 14:13:58
生存者の救助を終え、駅を破壊された僕達は次の作戦を練り始める。

>「……これがフリントの目的だったんだ」

ロイはゴブリン達の練度がまだ足りないという事を仄めかしていた。
完璧な軍隊を作るのに必要なのは物資、そして時間だ。

「誰よりも真っすぐを信条としてた男がこんな狡猾な手段に出るなんて・・・」

僕が知っているロイと同じと思ってはいけないと、わかってはいても・・・姿をこの目で見ていても。
信じられなかった。信じたくなかった。これも現実逃避だとわかっていても・・・。

>「アイアントラスを離れよう」

>「俺たちがエーデルグーテへ行くという情報を、連中は既に掴んでいるのだろう。
 だとしたら厄介だ、連中はいつでも俺たちを狙える。連中の狙撃の腕がいつまでも下手なままであればいいんだが――
 奴の口ぶりからすると、それは期待薄だな」

「それに関しては僕が・・・これがあれば・・・かなり時間を稼げるはずだ」

僕はゴブリン達が使っていた銃を取り出す。

カザハがゴブリンから奪い取った銃一丁とゴブリン達が残していったマガジン複数が被害を免れていた。

「銃を僕が確保した以上・・・生半可な練度で、場所で襲い掛かっても無意味だという事は・・・ロイもわかってるはずだ
 僕ら軍人の真骨頂は・・・銃だからね。アメリカと日本じゃ差はあるけれど・・・戦い方は分ってる」

「ロイを止める為なら・・・僕はブラットラストの力を使うことを躊躇わない
 それに・・・能力の強さが不明確なこの力は・・・切り札になりえる」

向うには総数不明のゴブリンの軍隊。それに銃弾を耐えれる装備
本当にゴブリンだけなのかも怪しい。ロイはゲームはしたことがないと言っていたがそれをそのまま信じるほど馬鹿ではない。
だがブラットラストの力いまだ底が知れていない。ロイにも僕にも・・・。

この力は純粋に力を強化するだけじゃない・・・恐らくまだ使い方があるはずだ。
デメリットさえ恐れなければ・・・強力な切り札になるだろう。

「僕は・・・街で予備のパーツ、もしくは武器になりそうな物がないか漁ってくる。
 話し合いは・・・すまないが辞退させてくれ・・・ちょっと今は冷静になれないから・・・・」

そう言い残し、話し合いの場を離れる。

パーツ探しなんて言い訳だ。

とにかく一人になりたかった。とにかく不安に心が支配されていた。

これまでロイの犯してきた罪の話なんてされた日には激怒して大暴れしてしまうかもれしれない。

わかっている。恐ろしいほどの罪でロイの手が濡れているなんて事は。
今回の件だけでも多数の死者を出した。これだけでも絶対に許されるべきではない。

「僕が・・・僕が全てを終わらさなければ・・・僕のせいなんだから・・・」

自分で犯した罪は自分で償わなければならない。ロイがああなってしまった原因は僕にある。なら・・・。

「はは・・・ひどい顔だな」

窓に映った自分の顔はひどくやつれていた。

救助は完了したものの、街には死臭が漂っていた。これからこの街は一生この恨みを忘れないだろう。
僕の罪は・・・僕が見て見ぬふりしていた罪は・・・僕一人では償えない所まできている。

「絶対・・・ロイを止めてみせる・・・僕の命と引き換えにしても・・・」


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