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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第六章

115ジョン・アデル ◆yUvKBVHXBs:2020/06/03(水) 14:12:49
《おれ、ロイっていうんだ! パパの仕事の都合でアメリカから引っ越してきた!
 おまえもアメリカ人なんだろ? ほら、髪と目の色が一緒だもん!》
《来いよ、ジョン! 一緒に虫取りに行こうぜ!》
《ジョンをいじめるやつは、おれが絶対許さないぞ!》
《――ジョン、おれたち、ずっとともだちでいような――!》

「違う!違う!僕の知ってるロイは・・・もっと優しいはずだろ!
 ブレイブを殺すとか・・・一般人を殺すような奴じゃないはずだろ!!」

>「ニヴルヘイムに召喚された他の地球人たちは、まだしも話の通じる相手だったけど……あの男ロイ・フリントは違うわ。
 あの男はそこの焼死体さんの言うとおり、『異邦の魔物使い(ブレイブ)』を殺す『異邦の魔物使い(ブレイブ)』。
 敵対する危険性のある『異邦の魔物使い(ブレイブ)』を始末する殺し屋よ」

僕の知っているロイは…強きを挫き・弱きを助ける。
まさにヒーローを体現したような・・・日本風でいえば筋の通った男だったはずだ。

でも今この状況は?一般人が死に、なゆを殺そうとし、僕の膝にもナイフが突き刺さっている。

>「わたしたちを殺すために、ゴブリンに地球の武器を持たせて戦わせるなんて……」

>「知能の低い亜人どもにライフルの使い方と隊列の組み方を教えるのは、少々骨が折れたがな。
 だが問題ない。デリントブルグでの最初の実戦はまだまだ練度が低く、銃の命中率も低かったが。
 今回はそれなりの結果が得られた。この次はもっとうまくやれるだろう」

>「……次があると思ってるの?」

>「貴様らは本当に素人だな。俺が――ただ貴様らと会話がしたいから、ここで突っ立っているとでも思っているのか?」

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!!

>「俺は。俺のやり方で貴様らを葬ると言ったぞ、『異邦の魔物使い(ブレイブ)』――」
>「この橋梁都市ごとボクたちを大断崖に落っことそうってのか! うっひょー! すっげええええ!!!
 そういうド派手なの大好き! どーしよー、ボクちょっとコイツのこと好きかも!
 あ、でも心配すんなよな明神! パパが一番で二番目がオマエなのは変わんないから!」

「そ・・・そんな事したらここに住んでる人はどうなるんだよ・・・おい!」

>「心配するな、そんな無駄なことはせん。
 最小の行動で最大の戦果を挙げる、それが戦闘の鉄則だ。
 今はまだ、そのときではない――だが次で必ず仕留める。さらに練度を上げた軍隊でな。
 そのとき貴様も俺の手で始末してやろう、ジョン・アデル」

「なんでだよ・・・恨んでるのは僕一人だけのはずだろ?なんで・・・僕以外も・・・ほかのブレイブを巻き込むんだよ?
 そんな事を表情一つ変えずにできるような奴じゃないはずだ・・・君は・・・」

ゴブリン達が一斉に退却していく。
なゆ達は銃口を向けられ、この街を荒らした犯人達を見送る事しかできないでいた。

「なんで・・・なんで・・・」

僕ならこの状況を打破できるかもしれない。でも、僕の心はいろんな感情がまざり…それどころではなかった。

>「あいつも――妹も貴様が地獄へ墜ちるのを望んでいるだろうよ」

そう、僕にいい残すとロイは空間の裂け目に消えていった。


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