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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第六章

105崇月院なゆた ◆POYO/UwNZg:2020/05/31(日) 19:46:57
>バードアタック!!
>『濃縮荷重(テトラグラビトン)』――プレイ!

「カザハ! 明神さん!」

カザハの召喚した鳥の群れが、そして明神のスペルカードがジョンとなゆたを包囲したゴブリンたちを駆逐してゆく。
包囲網は崩れ、周囲には首魁とおぼしき襲撃者だけが残された。
尤も、それで完全に戦況が覆ったわけではない。いったいどれほど、というほどゴブリンは次から次へと湧き出してくる。

>剣と魔法の世界をナメ腐ってんじゃねえぞ

「そーだそーだ! そんなカッケー武器持ってたって、ボクと明神に勝てるワケねーってんだこんにゃろー!」

現代兵器の弱点を逆手に取った明神の隣で、ふんすふんす! とガザーヴァが鼻息荒く言い放つ。
襲撃者の背後にゴブリン・アーミーが展開する。だが、まだ攻撃はしない。
銃口をジョンたちに向けたまま、整然と隊伍を組んでいる。
そんな敵の軍勢を見据えながら、ジョンがゆっくりと口を開く。

>なあ・・・僕一人じゃ手に負えないみたいなんだ・・・だから・・
>助けてくれないか・・・?

「……ジョン……!」

ジョンの隣に佇んでいたなゆたは、その言葉を聞いて顔を見上げた。
今まで、ずっと自分は殺人者だと。パーティーの仲間に値しない者だと。見捨ててくれと再三言っていたジョン。
そのジョンが、やっと救いの手を求めてくれた。こちらが伸ばしていた手を取ってくれた。
ずっとずっと聞きたかった言葉に、胸が熱くなる。
そして、それはカザハや明神も同様だった。

>うんうん……ん? やっと観念したか……!
>くひっ。言えたじゃねえか

「雑魚狩りは趣味じゃないが、あんたの頼みなら仕方ない。今回の見せ場は譲っておこう」

エンバースもいつもの調子で返す。

>そいつが聞けただけでも、この旅には価値があったな。なゆたちゃん

「……うん……! さあ、ここから逆転よ! わたしたち全員で……この戦いに勝つ!」

誰かひとりが頑張るのではなく。誰かが守られてばかりなのではなく。
この場にいる全員で、この理不尽な死と破壊を齎すニヴルヘイムの『異邦の魔物使い(ブレイブ)』を倒す。
なゆたは腰のレイピアを抜き放ってゴブリンたちに突きつけた。

>動くなーっ!

同時にカザハがライフルを拾い上げ、襲撃者に狙いを定める。
襲撃者は全く動じない。そもそも、部下のゴブリンの一斉掃射を受けても平然としているのだ。
カザハに撃たれたとしても大したダメージはないということだろうか。

>ヌルいぜカザハ君!動いてほしくない時はなぁ―――。
 動けなくしてやんだよ!こーやってなぁっ!

ライフルが脅しにならないと分かった瞬間、間髪入れず明神が『工業油脂(クラフターズワックス)』を発動させる。
粘性の強い油が襲撃者に降り注ぐ。たちまち襲撃者は油に汚染された。
しかし、それでも襲撃者は動じる気配を見せない。
と、そのとき。

「あ―――――――っ!!!」

ジョンたちの背後で声がした。
市街地に散開していたゴブリンたちをあらかた片付けたマルグリットと親衛隊がこちらを見ている。
その中で、きなこもち大佐が襲撃者に対して右手の人差し指を突き出し、驚きの表情を浮かべていた。

「あいつ……どうしてここに」

「ちぃ〜ッ、よりによってメンドくさいのが……!」

さっぴょんが苦い表情を浮かべ、シェケナベイベが忌々しげに歯噛みする。
きなこもち大佐、さっぴょん、シェケナベイベの三人は元々ニヴルヘイムに召喚された『異邦の魔物使い(ブレイブ)』である。
ならば、当然襲撃者とも面識がある、ということなのだろう。


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