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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第四章

92崇月院なゆた ◆POYO/UwNZg:2019/05/01(水) 12:39:05
「誓いだって?」

さすがに予想外だったのか、バロールは虹色の双眸を瞬かせた。

そんなものに一体なんの意味があるのか。涼しい顔で綺麗ごとを並べ立てる悪人など世間には腐るほどいる。
しかし、なゆたにとっては大事なことだった。
なゆたは真っ直ぐにバロールを見つめ続けている。

「いいとも、誓おう。……何に対して誓えばいいかな? 神? でも、私は魔術師だから神には仕え――」

「ううん、神に対してじゃない。もっと別のものに誓ってください」

「わかった。それは?」

「……あなたの良心に」

冗談で言っているわけではない。なゆたは大真面目だった。
どんな悪党も、いかなる詐欺師も。
自分の心だけは、欺くことはできないのだから。
バロールは『異邦の魔物使い(ブレイブ)』たちの前で右手を胸に添えると、目を閉じた。
そして、よく通る涼やかな声で言葉を紡ぐ。

「私、『創世の』バロールは、いついかなるときも……全ての世界の安寧と平和を願っている。――我が良心に誓って」

かつて、いや今なお魔王の力と記憶を有する、喪われた『十三階梯の継承者』が、そうはっきりと宣誓する。
その光景に、なゆたは満足そうに頷いた。
束の間の討論会は終わった。あとは、水晶の乙女に導かれて各々用意された客室に行くだけ――
のはず、だった。

ドシャアッ!

>ぐはっ!

突然、空から大男が降ってきた。

「ひょっ!?」

思わず変な声が漏れた。よくよく今日は予想外のことばかり起こる日である。
素早く飛び退いたので事なきを得たが、ガーデンテーブルとティーセットはメチャクチャになってしまった。
バロールも戸惑いの表情を浮かべている。ということはバロールの演出でもないのだろう。
そうこうしている間に男は立ち上がり、やや距離を離すと落ち着いた様子で喋り始めた。

>突然のお茶会失礼しました、私は決して怪しい者ではありません
>失礼ながら今まで貴方達の話を全部を聞かせていただきました、自分の立場を知る為とはいえ盗み聞きしていたことをどうかお許しください
>このスマホを見ればご理解頂けると思うのですが、僕も貴方達と同じ『異邦の魔物使い(ブレイブ)』です

「……???」

なゆたは首を傾げた。
確かに、スマホを持っているということは『異邦の魔物使い(ブレイブ)』なのだろう。服装もいかにもファンタジーらしくない。
しかし、それなら自分たちと同じようにバロールに把握されていて然るべきではないのか?

>一週間か・・・二週間か前にこの城に飛ばされてしまったのです、不審者と間違われていた私は今まで投獄されていました
>今から証拠をお見せします・・・召喚を

自分が疑われているということを察したのか、男はすぐにスマホをタップして召喚を始めた。
現れたのは、ウェルシュ・コトカリス。コーギーに犬用鎧を着せた、見た目通りのネタキャラである。
エイプリルフールにジョーク企画として実装されたが、見事に滑ったというある意味伝説のモンスターだ。


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