[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第四章
86
:
崇月院なゆた
◆POYO/UwNZg
:2019/05/01(水) 12:23:44
「ま……いずれにしても、我が師がそう言っていたというのなら願ったりだ。私は私のすべきことをしよう。
徘徊老人のことは、今はいいさ。どこにいるのかなんて、考えたところで仕方ないからね。
聖灰たちには指示を出しているみたいだし、師は師で侵食に対していろいろ考えているんだと思うが――」
お茶を飲みながら、バロールは小さく息をついた。
みのりがスペルカードを使って庭園の土に豊穣の加護を与えると、薔薇の色艶や芳香が一層増す。
スペルカードは通じる。正真、この薔薇園はただの無害な薔薇園ということだ。
もしみのりがコンボを使うつもりなら、それも効果を発揮することだろう。
カザハが能天気に自己紹介し、エンバースが罠を張る。
なゆたは怒りを押し殺して黙り込み、みのりが周到に戦いの準備を進める中――
まず爆発したのは、明神だった。
>頭湧いてんのかテメーらは
>生き残る為に手段を選んでられなかった?知ったこっちゃねえんだよそんなもん。
てめーらが異世界から拉致して見殺しにした人間にゃ、帰りを待つ家族だって居たんだ。
そいつらは今でも待ってる。ある日突然消えちまって、死体も見つからない家族をずっと。
人手が足りてない?だったら初めから呼ぶんじゃねえよ。人命を無意味に浪費してるだけじゃねえか
「…………」
バロールは虹色の虹彩で、じっと明神を見詰めている。
>それともてめーらが本当に欲しいのはこいつか?
魔法の板さえ回収できりゃ、付属品のブレイブなんざその辺で野垂れ死んでも構わねえのか?
喚ばれた連中にはズブの素人も居る。初手で荒野に放り出されたら、早晩サンドワームの餌食だ。
俺たちだって、運良く他のブレイブと合流出来なけりゃハエに消し飛ばされてた
ゴトリ、とテーブルに置かれるスマートフォン。
『異邦の魔物使い(ブレイブ)』の証にして生命線。
>何が可哀想なことをした、だ。勝手に納得してるようだから改めて言うぜ、『創世の』バロール。
死んでいったブレイブ達はな、てめーらが殺したんだ。掛け値なく、てめーらのせいで死んだ。
何の罪もない、ただゲームをプレイしてただけの、善良な連中を殺したんだっ!
明神は忌憚ない怒りをぶつける。
そして、それはなゆたが感じた憤りとまったく同じものだった。
自分が爆発しなくとも、言いたいことはすべて明神が言ってくれた――。
そのことに、なゆたは胸がすく思いだった。
が、仲間が自分の気持ちを代弁してくれることと、それが相手に伝わるかどうかは別問題である。
バロールは眉ひとつ動かさず、
「そうだよ。私が殺した」
と、それがさも当然であるかのように答えた。
「私のしたことに対して、緊急避難であるとか。これもまた正義だとか。そんなことを言うつもりは毛頭ないよ。
私は罪を犯しているし、そもそもこのやり方が正しいのかもわからない。望みの結果が得られるかどうかも。
だから、君たちの怒りは尤もだと思う。ふざけるな、と思う気持ちもね」
テーブルの上に組んだ両手を置き、バロールは語る。
「それを踏まえて……だからこそ君たちにも私を信用してほしいとか、そういうことは求めない。
良いパートナーシップと言ったのは、友情だとか。信頼だとか。そういうものはこの際必要でない――ということさ。
あくまで、使い使われる関係。ビジネスライクな関係でいいということ……。私はこの世界を救いたい。
君たちが協力してくれるなら、私はそれに見合った対価を払う。たったそれだけのシンプルな関係さ。
なんて言うと、また君たちの神経を逆なでしてしまうかもしれないけれど」
バロールはテーブルの上の明神のスマホに手を伸ばすと、それを明神の方へと押しやる。
それは、スマホ自体が目的ではないという意思表示だった。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板