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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第四章

327embers ◆5WH73DXszU:2019/09/16(月) 21:30:31
【シーン・エンド(Ⅲ)】

『えー。僭越ながら、これから正式にパーティーリーダーを務めさせて頂くことになりました。
 モンデンキントこと崇月院なゆたです。
 正式にリーダーをすることになったからには、しっかり! 役目を果たしてみせますから!
 皆さん、これからよろしくお願いします!』

「異論はない。よろしく頼む」

『で……ジョンはみのりさんの罰、って言ったけれど。
 みのりさんは『対戦相手』ではあっても『敵』ではなかったので、罰を与える必要はないと思う』

「異論はない」
 
『そして、明神さん。ジョンの特訓はさておき、わたしからも。明神さんを再度パーティーに加入させるにあたって条件があるの
 条件はひとつだけ。わたしがパーティーリーダーを務めるにあたって――
 明神さんをサブリーダーに指名します。もちろんパーティーメンバーはみんな平等で、誰が偉いとか一番とかはないけど……。
 わたしがいなくて、何かを決定する必要があるときは。みんな明神さんの指示に従ってくれればって思う。
 ってことで! これはリーダー特権のご指名なので、明神さんに拒否権はありまっせぇーんっ!
 みんなも異論ないよね? もしあったとしても、デュエルで言い聞かせるだけですけどー!
 ハイ! 賛成の人は挙手ーっ!』

「――異論はない」

腕組みをしたまま、焼死体はそう言った。
かくして、パーティ新生の儀は終わり――

『さ、大団円で次はアコライトゆうところなんやけどな……
 うちは王都に残ろうと思うてんねん』
『……は、ぇ?』

「なん……だと……?」

終わり――ではなかった。

『だってこの魔王様、色々とガバガバの穴だらけで見てられへんのやもん
 兵站管理や情報伝達とか、この人に任せてたら前線に出るうちらは命がいくつあってもたりひんわ
 ほやからうちが王都でそこらへんお手伝いさせてもらおうと思うてなぁ』

『え!? 私!? ぐはぁ! やめるんだ、その攻撃は私に効く!』

――その点に関しては異論はない……とは言え、タンクがいなくなるのは問題だ。

『タンクはジョンさんにお願いするわー
 戦い見させてもろうたけど、有望株や
 うちの太鼓判付きや、安心してええよ!』

――確かに、コカトリスセットなら変則的なタンクロールが可能だ――だが、可能なだけだ。
新たなプレイスタイルには当然、順応する為の時間と経験が必要になる。
アコライトの状況も分からない今、そんなリスクは――

「みのりさん、待ってくれ。幾らなんでも話が――」

『……わかった。じゃあ、みのりさん……これからバックアップをお願いね。
 別に、みのりさんがパーティーを脱退するわけじゃないし! ただ、後方支援に回るだけだもんね!
 これからも頼りにしてるよ、みのりさん!』

「……パーティリーダーがそう言うなら、俺に異論はない」

『よし!みんなしんみりした雰囲気はなしだ!今日は派手にやろう!』
『そうしよう、そうしよう! みんな、かんぱーいっ!』

焼死体は暫しの逡巡の後、手元のグラスを左手で、ほんの僅かに掲げた。

「――ところで、バロール。睡眠不足のお前に朗報だ。
 このリストに記したアイテムを、明日の早朝までに用意してくれ。
 俺の戦法には下準備が必要だからな――お前の協力があれば、手札が増える」


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