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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第四章

164崇月院なゆた ◆POYO/UwNZg:2019/06/12(水) 15:46:30
>誰が乗るかッ! このうんちぶりぶり大明神め!

カザハは、即答。パーティーの立ち位置転覆を目論む明神の誘いを却下した。
出会ってまださして時間も経っていないというのに、カザハはなゆたの味方をしてくれた。
きっと根っからの善人なのだろう。ブレモンアンチのクソコテと相容れるわけがない。

>え〜これって【うんちぶりぶり大明神】と【モンデキント】のお話やから手は出さへんつもりやってんけど〜
 まあ、明神さんのたっての願いやしぃ、しゃーないわなぁ

みのりはそう言うと、なゆたの傍に立った。
どうやら、みのりもなゆたの味方らしい。
……と、思ったが。

>なゆちゃんなぁ、この一ターンはうちからのサービスやよ〜
 うちはなゆちゃんの事はかってるし、うち【ら】ではでけんことをやってくれると思うてる
 でもなぁ、うちもなゆちゃんのリーダーの資質、見てみたいんやわ〜

みのりは明神の発生させたスペルカードの効果を1ターンだけ肩代わりすると、パーティーを離脱してしまった。
一見すると単なるみのりの気まぐれだが、これは恐るべきことだ。
みのりは明神の発生させた『濃霧(ラビリンスミスト)』と『黎明の剣(トワイライトエッジ)』の合わせ技を吸収し、一気に蓄積ダメージを獲得した。
みのりが明神側に回ったことで、その蓄積ダメージが――特大の爆弾が相手側に渡ってしまったことになる。
最初からみのりはそうするつもりだったのだろう。まさに巧妙、老獪な戦略と言わざるを得ない。
イシュタルの『収穫祭の鎌(サクリファイスハーベスト)』には、今まで幾度も窮地を救われた。
その死神の鎌が、今。こちらに向けられている――。

>雄鶏乃栄光!対象ポヨリン、発動!
>ニャー
>なあ明神・・・雄鶏乃怒雷!

部長が気の抜けた鳴き声をあげる。
ジョンはなゆたの召喚したポヨリンにバフを掛けると、何を思ったかいきなり明神に魔法をぶちかました。
それで明神が一撃OKされることはないだろうが、宣戦布告としては充分だろう。

>なゆ・・・僕じゃ力不足かもしれないけど力を貸すよ、あの分からず屋を一発ぶん殴ってやろう!

「………………」

ジョンはそう言って、なゆた側についた。
ついさっき仲間になったばかりで、何もかも分からない彼だったが――彼もカザハと同じで、紛れもない善人なのだろう。
クーデターなどという剣呑な行為を、自衛官である彼が見過ごせるはずがなかったということだろうか。
カザハとジョンが味方をしてくれたのは僥倖だった。とてもありがたいことだ。
けれど、そんなカザハとジョンの厚意に対して、なゆたは感謝の言葉はおろか何のリアクションも取ることができなかった。
まだ、心が追いつかない。気持ちが整理できない。

>試掘洞の穴ぐらで古代兵器と戦った時も。港町で邪悪なおっさんの恋を応援した時も。
 ガンダラで飲んだ酒や、リバティウムで喰ったメシの味は、きっと一生忘れない。
 色々ひっかき回されもしたが、大体良い思い出だ。ああ、楽しかった。
 ――楽しくなかったら、誰がお前らとお仲間ごっこなんざするかよ。うひゃひゃひゃ!

明神の先ほど言った言葉が、頭の中で繰り返される。
ああ、そうだ。楽しかった。本当に楽しかったのだ。死ぬかと思ったし、つらかったし、実際怪我もしたけれど、楽しかった。
最高の思い出だ。きっと自分はこの思い出を一生忘れない。何年後も、何十年後も、生きている限り――
この体験はすばらしいメモリーとなって、なゆたの心の中に輝き続けるだろう。
でも。だから。……だからこそ。
なゆたには、今の状況が信じられない。実感を伴ってこない。
まるで、夢を見ているようにフワフワした感覚だけがある。
もしも、これが本当に夢だったなら。魔法が見せる幻覚であったなら。
目を覚ますと、真一がいて。みのりが、しめじが、ウィズリィがいて。



明神が笑顔で『なゆたちゃん、クエストに行こうぜ!』と言ってくれたなら――――――。


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