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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第四章

162崇月院なゆた ◆POYO/UwNZg:2019/06/12(水) 15:45:55
>悪いなバロール。アコライト行く前に、どうしても付けとかなきゃならねえ話があるんだ。
 いやマジでごめんね?全部済んだらちゃんと世界救いに行くから許してね。
 ……ちゃんと、明日からの日程には食い込まねえようにするからさ

「ち、ちょっとちょっと! 何の話!? 何でいきなりバトル!? 仲良くー! みんな仲良くー! ラブ&ピースでしょ!?」

訳が分からない、といった様子でバロールが喚いている。
アルフヘイム侵略の元主犯、魔王がみんな仲良くとか言っているのは違和感以外の何物でもなかったが、今は些細な問題だ。
慌てるバロールを尻目に、明神はなゆたと対峙した。

>さて、挨拶が遅れちまったな。俺がうんちぶりぶり大明神だ。説明は……要らねえよな。
 俺の名前呼ぶときは明神とか勝手に略すんじゃねえぞ?そういうのすっごい失礼だと思うの。
 ちゃんとフルネームでうんちぶりぶり大明神って呼んでね。じゃないと返事しねえかんな

――ああ。

>まさかこんな形でツラ拝む羽目になるとはな。だけど一応、お前に言おうと思ってたことがあるんだ。
 ――会いたかったぜ、モンデンキント。寝ても覚めても、てめーのことばっか考えてた。
 いけ好かねえてめーをレスバトルで叩きのめす日を、俺はずっと待ってた

――そう、なんだ。そうだったんだ。

>しかしまぁがっかりだなぁ?みんな大好き月子センセーが、こんな小便くせえガキだなんてよ。
 あいつの垢乗っ取った熱心なモンキンチルドレンってオチの方がまーだ説得力あったぜ。
 どうよ?ホントはお父さんのスマホ借りてるだけの女子高生だったりしない?

――こんなのって、ないよ。こんなの、絶対おかしいよ……。

明神の煽りを、なゆたはただ茫然と聞いた。
信じられない。信じたくない。
けれど、これは真実だ。事実だ。まぎれもない現実なのだ。
なゆたの脳はそれを遅まきながら理解した。なぜなら―――
明神の口から出るその煽りは、なゆたのよく知るうんちぶりぶり大明神のフォーラムでの煽りの手法とまるで一緒だったから。
フォーラムに書き込みする不特定多数の人間の、大勢のプレイヤーの。
誰よりもうんちぶりぶり大明神と話したモンデンキントだからこそ理解できる、この感覚。
なゆたの魂が、この男は間違いなくうんちぶりぶり大明神なのだと――そう告げている。

思えば、そう察することのできる要素は今までいくつもあった。
赭色の荒野で初めて出会ったとき、無断でベルゼブブを捕獲しようとしたこと。
戦闘での、徹底的に相手の裏をかく戦術スタイル。
ライフエイクを煽り尽くしたときの、あの苛烈な言葉選び。
それらはすべて、今考えるとうんちぶりぶり大明神の手法そのものだった。
明神という名前といい、彼がうんちぶりぶり大明神であると看破する機会はいくつもあったのだ。
だが、なゆたはそれを考えなかった。時折違和感を覚えることはあっても、その可能性を脳から締め出していた。
なぜなら――

そんな不審な行動のすべてを払拭するほど、彼は信頼に足る仲間だったからだ。
なゆたは覚えている。鮮明に記憶に焼き付けている。
情報を得るため、彼がガンダラでおこなった献身を。
せっかく手に入れたレイド級モンスター、バルログを、パーティーを救うために捨て石としたこと。
ライフエイクを救いたい。そんななゆたの身勝手な願いを、二つ返事で了承してくれたこと……。


>――すげえ面白そうじゃん。やってやろうぜ


リバティウムで明神が言った言葉が、今でも耳の奥に残っている。
そうだ。彼は楽しんでいた。この苦境こそ、絶体絶命の窮地こそ、ブレモンプレイヤーの真骨頂だと。
彼の言葉が。佇まいが。そして表情が、何より雄弁に物語っていたのだ。
そんな頼もしい、男気に溢れる、間違いなく自分たちと同じ心からブレモンを愛するプレイヤーである彼が。
あの“うんちぶりぶり大明神”と同一人物だったなんて――。


そんなこと。考えつくことができる存在なんて、いやしない。


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