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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第四章

148五穀 みのり ◆2zOJYh/vk6:2019/06/07(金) 23:25:33
「あら、あらあら、ま〜」
膝から力が抜け崩れ落ちそうになったところでジョンに抱きかかえられ、声が出てしまう
いきなり間近に迫ったジョンの顔としっかりと体を包まれる感覚に思わず顔を背けると、その方向にはバロールに向け臨戦態勢に入ったエンバースの姿があった

>「僕の事は信用できないだろうけど・・・これからの行動で信用できる男だと、証明してみせるよ、だから。
> もし僕を信用してもいいと思う時が来たら、その時は・・・僕を頼ってほしい。」

中々真顔では言えないようなセリフを更っとはかれ、貧血で血の気の引いたみのりの頬にわずかに血色が戻る
明神の胸焼けが呼んだようなセリフや、カザハの驚く顔も納得ができてしまう

「あははは、外人さんはびっくりするような事を真顔で云いはるからうち照れてしまうわ〜
ありがとさんな〜もちろん信用しているし、必要な時は遠慮のう頼らせてもらうさかい、よろしゅうにね」

エンバースの用意した椅子に座らせてもらいながら笑顔で答えた
その上で
「うちは農家の娘やし、匂いは平気やけど一週間もお風呂に入れてへんのは辛かったねえ」
そう答えていると、明神が耳元でぼそりと呟いた

>「……無理すんなよ、マジで。お前に倒れられたら、ブレーキが今度こそぶっ壊れちまう」

その言葉に応える事はなく、困ったような笑みを浮かべるの実
貧血で辛そうな表情に見えていたかもしれないが、その内情はそれ以外の事が笑みを曇らせていたのだった

クリスタルを消耗し切り札のパズズが使えなくなり、みのりの精神的優位性が消失している
その状態でパーティーのブレーキ足りえるのか
パーティーのブレーキどころか、これから先の戦いができるかも不安でたまらないのだ

しかし、ここで逃げ出すという選択肢も封じられてしまっている
現実世界に帰るには戦い世界を防がなければならない
それらを放棄してアルフレイムで生きるにも、それだけの力がない
逃げ出したいが逃げられない、この板挟みがみのりの心を締め付け消耗させていたのだ

結局のところは戦い世界を救わざる得ないのだが、そうするにはあまりにも心もとない
戦力的にもだが、PTの統一がとれていない
この場でPTに加わったジョンは仕方がないとしても、なゆたとエンバースの対立状況は何とかしなければと考えをめぐらせていた

そう考えているところで、バロールがそれぞれをプレイヤーネームで呼びながら声をかけていく
召喚者名簿と共に明かされる事実
エンバースはバロールが召喚したわけではない、という事を

心のどこかで「やはり」と思った
ジョンもカザハも同様に信用していないが、エンバースはそれに輪をかけて注意を向けていた
記憶がなく、無自覚な刺客である可能性も考慮しており、だからこそ呪的ブフヅケとまではいかないものの、藁人形を渡して首輪をつけたのだ

が、それは騙されている状態だからこそ有効なものであり、エンバースがバロールに召喚されていない事実をこの場で公にしてしまったのは悪手だと内心舌打ちをした
しかし、ここで明神の助け舟が入り、それを見てみのりは小さく息を吐き
「ほうやねえ。さっきうちが倒れかけた時、バロールさんに飛び掛かりそうな勢いやったし
うちが攻撃受けたと思ったんやろ?
咄嗟にあの行動がとれるのは中々あらへんやろうしねえ」
明神に同意する言葉だが、その言葉が向けられるのはなゆたに向けてだ


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