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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第四章

140明神 ◆9EasXbvg42:2019/06/02(日) 23:08:24
もしかしたら、一巡前のバロールも同様に、ブレイブを集めて侵食に対抗したのかもしれない。
俺たちブレイブも、同じようにアルフヘイムに喚ばれて、ニブルヘイムと戦ったのかもしれない。

そして、失敗して、別の誰かがデウス・エクス・マキナを唱えて――巻き戻ったとして。
再度の記憶継承がうまいことバロールに起きなければ、何もかもが一巡前と同じ道を辿ることになる。

俺たちは既に、覚えていない過去で何度も失敗を重ねていた。
そしてその度に、アルフヘイムはデウスエクスマキナを行使できる貴重な人材を失っていた。
そう考えることもできるわけだ。
十三階梯もホントは14とか15とか居たかも知れねえ。

正直言ってこんな思考に意味なんかない。考えれば考えるほどドツボに嵌るだけだ。
コンティニューに期待できないことに変わりはないし、俺たち自身死ねばそれまで。
この事実に変わりはない。俺たちがやるべきことも、きっと変わらない。

ただ――バロールは、デウスエクスマキナの術者を一人も知らなかった。
万象を見通し、万物を創出する、神域の魔眼を持っていながら。
デウス・エクス・マキナという魔法の存在と、その代償まで知っていながら。

奴の言葉に嘘がないのなら、恐らく過去何人か居た使い手はみんな代償で消えている。
つまり今のアルフヘイムは、過去の如何なる周回よりも、戦力的に劣った存在。
考えうる最下限の手札で、俺たちはコトの解決に当たらなきゃならねえってことだ。

参ったねこりゃ。
どう動けば良いのか確証のない、丸投げ同然の超高難度クエスト。
失敗してもやり直しは効かず、検証を重ねる時間もそんなに残っちゃいない。
どこに出しても満場一致でバツつけられる、史上類を見ないクソゲーだ。

ゲーマーとして、こんなに腕の鳴るコンテンツはねぇよ。
悪いな石油王、お前にはまだまだ付き合ってもらうぜ。
誠に遺憾ではあるけれど……俺は今、すげえ楽しくなってきてる。
こんなクソ楽しいクエスト、誰一人逃してやるもんかよ。

>「よし! じゃあ、決まりね!
>「ああ、よかった! 感謝するよみんな。
 もし、ヤダ! 力なんて貸してやるもんか! とか言われたらどうしようってハラハラしてたんだ!
 ……あ、そうそう。さっき君たちに私の召喚した『異邦の魔物使い(ブレイブ)』の名簿をあげると言ったけれど」

なゆたちゃんの快諾に、バロールはホっとしたように言葉を漏らした。

>「名簿はあくまで参考程度……としてもらえるかな。申し訳ない。
 ひょっとしたら、世界には私の把握していない『異邦の魔物使い(ブレイブ)』がいるかもしれない。
 なぜかって言うと、ジョン君は確かに私の召喚した『異邦の魔物使い(ブレイブ)』だけれど――
 エンバース君。君は私の記憶にはないからだ」

「あ?そりゃどーゆう……」

問いつつも、俺はバロールの言わんとしていることがなんとなく分かった。
こいつが召喚したんでなけりゃ、エンバースは一体どこ由来のナマモノなのか。
ミハエルと邂逅した今なら、小学生だってイコールの先を答えられるだろう。

エンバースは、ニブルヘイム側のブレイブ。
あるいは――そもそもブレイブですらないかもしれない。

「少なくとも、こんなツラだがこいつはブレイブだ。それは俺が保証する」

怪訝な目でエンバースを見遣るなゆたちゃんに、俺はそう告げた。
石油御殿でデッキ談義に花咲かせたときの、こいつの楽しそうな語調を、俺は忘れない。
エンバースのブレモンに対する知見は、確かにやり込んだプレイヤーのそれだ。
釈迦に説法だとこいつは言ったが、正直俺より詳しいっつうか極まってる。


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