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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第四章

139明神 ◆9EasXbvg42:2019/06/02(日) 23:07:42
……もしかして、ずっと無理してたのか?
表面張力が決壊するみたいに、見ないふりしてた疲労や憔悴に身体が耐えられなくなった?
ぶっちゃけ無理もないと思う。俺だって今すぐぶっ倒れてもおかしくねえんだ。
バロールの語った真相は、俺たちを待ってる未来は、そのぐらい過酷だ。

>「……そっちの椅子、まだ足が折れてないだろ。寄越せよバロール」
>「女性は自分の体を一番大事にしないとだめだよ・・・本当はこれ以上女性を戦場に立たせること自体、止めさせたいけど・・・
 それが無理な事だってのは、まだ新米の僕でもわかってる・・・でも」

エンバースがバロールに用意させた椅子に、石油王を優しく座らせて、ジョンがそう零した。
こいつは地球じゃ自衛官やってたらしいし、俺たち以上にパンピーに戦わせることに思うところがあるんだろう。
なんか想像以上に善人だ。なゆたちゃんが手放しに信頼するのもなんとなく分かる。

>「僕の事は信用できないだろうけど・・・これからの行動で信用できる男だと、証明してみせるよ、だから。
 もし僕を信用してもいいと思う時が来たら、その時は・・・僕を頼ってほしい」

でもぉ、そのセリフはちょっと色々段階すっ飛ばしすぎだと明神思いますぅー。
金髪野郎から放たれるエモさの波動がまたしても俺を直撃した。ぐえぁ。

「くっっっっっっっっっ………………さ!!!」

耐えられなくなって俺は心情を吐露した。

「こいつはクセぇーーーっ!タラシ野郎のニオイがプンプンするぜぇっ!!
 よくもまぁそんな歯の浮くようなセリフがノータイムで出てくるなお前!?
 その殺し文句でこれまで一体何人の女を射止めて来た?ちゃんと数えてんだろうなぁーっ!」

メイドさんにセクハラかました疑惑のバロールと良い勝負だよ!
クソがっ!何なんだよこのイケメン様はよぉー!なんなのサークルブレイカーなの?ギップル召喚したいの?
突如現れたパリピな外来種に俺たち陰の在来種は駆逐されそうだぜ!

>「僕やっぱり臭う感じ!?ごめん!牢屋に長くいて着替える事もできなくて?!」

「そういう臭いじゃねーよ!セリフがこの上なくくせーって言ってんだよ!
 でも風呂入られたらイケメン力に歯止め効かなくなりそうだからそのままの君でいて?」

>「確かに臭うよ。だけど俺の言ってる空気ってのは、それを媒体に伝播する微粒子の事じゃない。
 振動の方の話をしてるんだ。つまりお前の言動について……なあ。それ、素でやってるのか?」

「まぁお前もお前で結構エモいセリフ吐くけどな。へへっ、『おまいう』って奴だぜ」

ドン引きかますエンバース、まさかこいつも自覚なしか?そういや真ちゃんも大概だったな。
冗談じゃねえ、なんでこーどいつもこいつも臆面なくカッコいいセリフが言えちゃうんだよ。
え、なに?もしかして俺がおかしいの?空気読めてないの俺の方?
クソ……この際地獄で彼女とイチャついてるライフエイクの野郎でも良い、誰か俺に力を貸してくれ……!!

「……無理すんなよ、マジで。お前に倒れられたら、ブレーキが今度こそぶっ壊れちまう」

縋り付くように椅子に腰掛ける石油王に、俺はぼそりと呟いた。
バロールは、デウス・エクス・マキナの術者がその代償に存在ごと消えたと言った。
それが為に、コンティニューは一度きり、やり直しはもう効かないと言った。

"バグ"の介在なしにデウス・エクス・マキナの発動は観測できず、
唱えた者はバグによる記憶の継承をもってしてもその存在を忘れられる。
これは、コンティニュー不可とは別にもう一つ、重要な問題を示唆している。

……デウス・エクス・マキナによる巻き戻しが、『一度目』とは限らない、ということであり。
バロールがブレイブを召喚して解決に当たるのも、『今回が初めて』とは限らないということだ。


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