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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第四章
110
:
明神
◆9EasXbvg42
:2019/05/12(日) 23:20:36
>「私、『創世の』バロールは、いついかなるときも……全ての世界の安寧と平和を願っている。――我が良心に誓って」
嘘偽りが容易くても。何の保証にもならなくても。
バロールのこの言葉だけは、真摯な真実であると、俺は信じたい。
なゆたちゃんの想いが、裏切られるようなことは……赦すまい。そう思った。
>「バロールさん……なんかボク達のこと昔から知ってるみたいだし……信じてみるよ!
その件についてはまたの機会に教えてね!」
カザハ君はちょっと人のことあっさり信用しすぎだと思うけれども……。
「あ、バロール。なんかいい感じに話終わりそうなとこ悪いけど、俺も最後にいっこだけ質問いいか」
今度こそこの場を去ろうとしたバロールをさらに呼び止める。
何度も振り返らせてゴメンね!ざまぁ見やがれそのまま腰いわせろ!
「時間遡行のスーパー魔法、機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)のことだけどよ。
唱えたのは誰だ?お前じゃないんだよな、お前はその時もうおっ死んでたんだから」
世界3つ分の時間を巻き戻すとか、イージス級の最上位スペルでも無理無理の無理だろう。
そしてそれはバロールにも行使できない。できるんならローウェルが死んだ時に使ってるはずだしな。
「んな超絶魔法を使える奴がお前の他に居るんなら、そいつに声かけんのが先じゃねえの?
もし仮に侵食止めるのに失敗しても、もっかい時間巻き戻せればやり方変えてリトライできるしよ。
いや、そもそも侵食発生より前に戻し直すことも出来るのか……?」
一方で、俺はなんだか嫌な予感がしていた。
バロールはコンティニューの存在を、『あった』と過去形で語った。
時間遡行魔法について語る中で、その術者について言及がなかったのは――
>「ぐはっ!」
まとまりかけた俺の思考は、知らない嗚咽じみた声とティーセットの破壊音に寸断された。
すわ何事かと振り向けば、なんかでけえ男がテーブルのあった場所で尻もちついている。
いやマジで何事だよ!そしてなんでメイドさんはティーセットぶっ壊してドヤ顔してんだよ!
「誰だよこのおっさん。バロール君?」
おもっきし不審者侵入してんじゃん。とバロールに目を向ければ、柄にもなく目を白黒させている。
つーことはこの闖入者はバロールにとっても想定外ってことか。
なおのことやべーじゃねえか!王宮の警備ガバガバすぎひん?
>「突然のお茶会失礼しました、私は決して怪しい者ではありません」
>「このスマホを見ればご理解頂けると思うのですが、僕も貴方達と同じ『異邦の魔物使い(ブレイブ)』です」
男はすっくと立ち上がると、スマホと共に諸手を上げて無抵抗をアピールする。
新手のブレイブだと?よく見りゃ確かにパーカーとジーンズ、この世界の人間じゃない。
もっとよく見りゃ、おっさんって歳でもねえな。俺と同年代くらいだ。
そしてさらによく見りゃ……金髪に、青い目。外人やん。外人やん!!!
「バロールお前、地域絞って召喚したとか言ってたじゃねーかよ!」
どっからどう見ても外人じゃんこいつ!絞った地域ってお前、地球全土とかじゃねえだろうな!
でもこの外人めっちゃ日本語うめーな……ミハエルみたいな翻訳されてる感もない。
本当に、日本語を喋ってるって感じだ。
だけど……バロールがマジに把握してない、日本以外から召喚されたブレイブだとすれば。
それこそミハエルみたく、ニブルヘイム側が召喚したブレイブってことにならねえか?
つまりは――敵だ。
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