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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第四章

100embers ◆5WH73DXszU:2019/05/08(水) 22:21:08
【炎の向こう(Ⅱ)】

「……子守唄と言っても、ゲーム的にはただの魔法攻撃だ。
 ナイトヴェイルの『消灯(ムーンレス)』なら回避出来ないか?」

「もう試した。回避は可能だったが、5ターンでセイレーンを倒すには火力が足りない」

「スペルの併用は……試してない訳ないか。やっぱり、そのリボンを装備してたんじゃ……
 ……いや、待てよ。異教避けを装備しないのは、見た目が気に入らないからなんだよな?」

「ああ、そうとも」

「それなら話は早い。俺が見た目も性能も悪くない装備を譲ってやるよ。それで解決だ」

「いいや……それじゃ駄目だ」

「なんだと?返答はともかく理由(ワケ)を……いや、いい。
 聞かなくても分かる。俺のセンスが信用出来ないんだな?」

「それもある……が、一番の理由はそうじゃない」

「じゃあ、どうして」

「決まってる――贈り物をするなら、モンスターじゃなくて私に宛ててくれないと」

「……なるほど、大した誘導尋問だ」

「もっとかわいく誘った方が、好みだったかな?」

「……いや、そういう訳じゃない」

「なら、よかった」

浮かぶ最愛の微笑みは、もう炎に紛れて、殆ど見えなかった。



そして視界の全てが焼却されて――気付けば焼死体は現実へと連れ戻されていた。
目の前には小悪魔の笑み――認めたくはない/だが僅かに見える最愛の面影。
幻覚を見ていたなど知られる訳にはいかない/だが動揺を隠し切れない。

「……は、はは。かわいいだって?それだけか?拍子抜けさせないでくれよ――」

狼狽えながらも、焼死体は可能な限り平静を保ち、皮肉を紡いだ。


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