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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第三章

233明神 ◆9EasXbvg42:2019/02/21(木) 08:05:35
「……良いのか?のこのこと近づいてきて。僕がまだ武器を隠し持ってるとは思わないのか?
 『神盾』はもう消えている。殺すなら遠距離からスペルや弓で撃てば良い」

「んな大人げねぇこと出来っかよ。クソガキ黙らすだけならゲンコツ一発で十分だ」

俺の言葉に、ミハエルは笑った。
何が面白かったってわけでもねえんだろう。奴の眼には、赫々と燃える怒りがあった。

「そりゃ面白い。やってみなよ!君のようにくだらない暴力に走る大人を、僕は何人も黙らせてきた!
 元の世界でも、この世界でもだ!何も変わりはしない!呪われてあれ、アルフヘイム!
 僕がここで果てようとも、ミドガルズオルムは止まらない。"戦争"は既に動き出している!」

「いーや、止まってもらうね」

「どうやって?あれはもう僕の手を完全に離れている。
 もっとも、僕の支配下に置いたところで、おとなしく眠らせるつもりなんてない。
 残念だったなぁ。君たちは、アルフヘイムは既に、詰んでいたというわけだ」

俺は握った拳を振り上げる。
ミハエルはピクリと身を硬直させるが、眼を瞑るでもなくまっすぐ俺を見据え続けていた。

この拳を振り下ろし、溜飲を下すのは簡単だ。
でもその前に、俺にはやるべきことが残っている。

「どうもこうもねぇよ。バトルフェイズはもう終わった」

拳をほどいて、ミハエルのローブに突っ込んだ。
想定してなかった行動にイケメンが変な声を出すのを無視して、奴のポケットを漁る。

……あった。
小宇宙を詰め込んだような深い輝きに満たされた、小さな瓶。
悲劇の女王マリーディアがその身を変えた、報われざる恋の雫。
ローウェルが俺たちに回収を指示したイベントアイテム――『人魚の泪』。

「ここから先は、ラブコメの時間だ」

俺は踵を返し、ライフエイクの治療にあたるなゆたちゃん目掛けて小瓶を放り投げた。
お前も見てけよミハエル君。御年数百歳の爺婆が繰り広げるキッツいキッツい惚れた腫れたをさ。

背後で、ローブが衣擦れする音が聞こえた。
ミハエルが何かしようと身じろぎしてるんだろうが、俺はもう振り返らない。

子供を黙らすにはゲンコツ一発で十分だ。
そしてそのゲンコツは……俺のものでなくたって良い。


【障壁の仕様を悪用してタブレットを奪取。アプリを強制終了して無力化
 人魚の泪を奪い、なゆたちゃんに放り渡す。ミハエルが背後でなんかやってる】


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