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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第三章

224embers ◆5WH73DXszU:2019/02/14(木) 06:07:14
少女に先導され、焼死体は表通りへと出る。
逃げ惑う住民/ブレスに縦断された街並み――リバティウムは混沌に包まれていた。

「しかし……ええと、しめじちゃん、だったな。
 避難誘導と言ってもどうするつもりなんだ?そもそも、する必要があるのか?」

焼死体の問い――しめじ嬢は無言/返答代わりにタップされる液晶画面。
水面のように揺らぐ石畳/這い出してくる無数の骸骨。
生ける屍達は本能的に生命の気配を探り出す――人命救助、もとい追い込み漁には最適。

「……なるほど。手際が良くて何よりだ」

納得/呆然――入り混じった焼死体の声。

「じゃあ、俺達も逃げるとしよう」

当然そうなるべきと言った語調/焼死体がしめじ嬢の前へ回り込み/向き合う形で屈む。
そのまま右手で瞬時にスマホを没収/左腕で腹を巻き込むようにして担ぎ上げる。
そして戦線を離脱すべく走り出した。
当然のように抗議するしめじ嬢/焼死体は聞く耳持たない。

「悪いが、絶対に戻る訳にはいかない。君がこの街で出来る事は何もない」

更に激しさを増す抗議の声/焦土のような背中を容赦なく叩く少女の拳。
だが職業【引きこもりJC】のSTR補正では『燃え残り』のDEF値を上回れない。

「……なら、俺が実は君達の敵だったとしたら?もうおしまいだ。そうだろう?
 君達がしてる事は、それくらい危なっかしい、綱渡りなんだ」

奪取したスマホをちらつかせ/諭す焼死体。
しめじ嬢は暫し沈黙――しかし再び、両手に力を込める。

焼死体の背中を叩く為ではない。
ボロ布同然のローブを縋るように握り締める小さな手。
紡がれるのは、抗議ではなく、懇願の――震えた声。
【引きこもりJC】の腕力は焼死体の肉体を害する事は出来なかった。
だがその声は――燃え落ちた体の奥へ/心へ、容易く突き刺さる。


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